4、決算特別委員会の質問 総括質疑 10月11日 鈴木けんいち議員 |
外国人との共生について ○鈴木(け)委員 こんにちは。それでは、午後のトップということで質問をさせていただきます。 まず、本決算審議で外国人との共生について、いろいろ発言がありました。この問題は、私ども、例えば永住外国人に地方参政権を保障するというようなことは、我が国でも最高裁判決で禁止されているものではないという判断が行われておりますし、多くの国々でも実施済み、あるいはこれから実施するという国が多くなっております。 このように、外国人との共生については進める方向が世界の流れであるというふうに思います。そのために必要な事項を地方自治体としても検討し、決めていくということは当然だというふうに考えております。 歴史教科書について、自虐史観があって修正すべきであるかのような発言もありました。しかし、この間、アジア諸国への侵略とか植民地支配については、これを謝罪した村山首相談話、これについては安倍新内閣も受け継ぐということが確認をされ、そういう立場で今般、中国、韓国との会談も行い、関係改善の重要な一歩が記されたというふうに思います。そういう意味では、まさに戦後世界政治の原点だと思うんですが、こういう点を区政においてもしっかり踏まえていくことが必要であるというふうに思いますので、そのことを指摘しておきたいと思います。 今の格差は最上位グループはますます富み、中位から下位グループはますます貧困になっている では、質問に入りたいと思います。 初めに、昨日、鈴木区長は、長い目で見れば格差は縮んでいる、あるいは小泉政権のもとでも格差は特に広がっているとは思っていないというふうに述べられました。 最初の、この長い目で見ればというのは、実は小泉前首相も似たようなことを言っていまして、どの時代にも成功する人、しない人はいるというふうにおっしゃっていた時がありました。しかし、その後、歴然とした格差の拡大を指摘されるに至って、格差があるのは悪いことではないというふうに答弁が変わってきていまして、格差そのものは認めるというふうに至っております。 しかし、区長の昨日の答弁ですと、この小泉前首相も認めた格差の拡大を認めないような発言とも受け取れるのでお伺いしたいと思うんです。 この格差の問題というのは、成功した最上位、きのうも努力した人たちが報われるとありましたけど、成功した最上位グループの所得が大きく伸びて、その結果、総体的に格差の拡大をするということだけであれば、事態はそれほど深刻ではないというふうに思うんですね。 しかし、いまこれだけ問題になっているのは、そうではなくて、確かに最上位のグループの所得が大きく伸びているんですね。例えば、これは日経新聞9月6日付なんですが、富裕層資産が急拡大していることが野村総合研究所の調査でわかったというふうに記事が書かれています。こういう形で、最上位のグループの所得が大きく伸びている。その一方で、下位グループの所得が減り続けているということ、これがこの間、私どもが特に指摘をしている部分なんですけれども、この下位グループは、しかも今後も所得が伸びる見通しがないと。一時的なものではないんだということが一つの大きな特徴になっているんですね。 この傾向というのは、例えばOECDの相対的貧困率の調査を見ると明らかで、数年前はメキシコ、アメリカ、トルコ、アイルランドに次いで日本は第5位でした。それが最近の発表では第2位まで貧困率が高まった。約2割近い人が、ひとり暮らしの場合ですと133万円以下の所得で暮らしているということで、ますます貧困層がふえていると、そういう中で格差が拡大をしているということなので、非常に深刻なのではないかというふうに思うわけです。 しかも、日本の場合は、(この資料を見てください)2000年のときに同じ用意ドンでスタートしました。従業員、一般労働者もゼロ。10億円以上の大企業なんですけれども、役員の給与や賞与、あるいは株主配当もゼロにして、企業の経常利益もゼロにしてスタートをしました。4年後の2004年にどういうふうになったかといいますと、企業の経常利益はぐっと上がりました。会社の役員及び株主の受け取るお金も上昇しました。しかし、従業員の給与だけは下がっているということなんです。 (別のこの資料では)例えば300万円以下の給与の労働者はぐうっとふえました。しかし、300万円から600万円、あるいは600万円から1,000万円の給与の労働者は減っているということです。つまり、低い給与の労働者がどんどんふえているということなんですね。ついでにいいますと、2,000万円以上の給与を受け取っている労働者はちょっとふえています。ここにも先ほど言いました、日経新聞が指摘した一部の富裕層はふえているということがあらわれていまして、実はこれはこの数年間の大きな特徴でありまして、このことは厚生労働省の6月28日の発表なんですが、格差が拡大していると書いてあるんですね。 アメリカでもこのことが話題になったようで、ワシントンポストは7月28日付、これは単なる格差が拡大したということではなくて、非常に貧困層がふえている。しかも、高齢者がねらい撃ちされているという指摘もされています。ちょっと読んでみます。「日本で福祉予算の削減が高齢者の貧困化の問題を深刻させている。福祉給付以外に収入のない単身住まいの孤独な高齢者が厳しい収入減を強いられている。小泉首相が歳出削減を進め、その第一の標的を福祉に置いたことが、その主な原因だ。日本の経済は回復しつつあるかもしれないが、勝ち組と負け組を生む回復だと。悲しいことに、最大の負け組は高齢者だ」と、こういう指摘をしています。こういう形で格差の拡大が進んでいる。 それは日本全体の問題で足立区は違うのかというと、そうは思えないんですが、そこで一応念のため足立区の状況をお調べいたしました。これは実は昨年の予算審議のときにいただいた資料なんです。足立区の特別区民税の課税標準額の段階別の一覧表です。こっち側から低所得者です。この辺がこの表でいう中所得者、こちらは高所得者となりますが、低所得者の方は年次を追ってどんどんふえています。中間に来ると横ばいあるいは減っています。大体減っています。一番高額所得者の人は横ばいで、減ってはいない。つまり、この中堅の所得の人がどんどん低所得に移ってきたというのが、この数年間の足立区の実態、これが言えると私は思うんですが、それによって足立区でも格差は拡大をしているというふうに言えると思うのですが、区長はいかがでしょうか。 ○区長 確かにいま具体的な数字を示して、この数年間の趨勢はそうだと思います。 ただ、私が申し上げたのは、私はずうっと長いこと人間をやってきたと言ったらおかしいですが、ずうっと世の中見てきてまして、昔からずうっと見てきて、格差はむしろ縮んでいるんじゃないかと、長い間に、そういう考えです。 ○鈴木(け)委員 区長の長い人生の中で人生観も持っていらっしゃいますでしょうし、苦労もされてきたと。70年ほど前から比べれば格差は縮まったということは言えるかもしれません。 それはそれとして、人生談義としては大いに私もまた別のところでお話を聞いてもいいかなと思うんですが、いま議会で取り上げているのは、この5年半ほど、小泉構造改革が進められ、この改革という名前で格差と貧困が広げられたのではないかという指摘があります。私もそれは事実だと思うんです。自然にできた格差ではない。自然にできた貧困ではないというふうに思うので、その辺の認識をお聞きしたかったわけなんですけれども、それについてのご答弁はいまありませんでしたが、引き続きそれは機会があればさせていただきたいと思います。 知的障害者入所施設補助は実施の方向 次に、障害者施策についてお伺いをしたいと思います。 この間、法内施設については給食代の自己負担を抑える対策とか、施設運営費の減収を補う助成制度の実施、あるいは地域支援事業については無料制度の継続、あるいは10%にならないように負担を抑える軽減策が講じられました。十分ではありませんけれども、一定の前進であるというふうに思います。同時に、こうした施策で自治体が独自施策を講じて補わなければならない自立支援法の欠陥が、ますます明らかになっているというふうにも思います。 きょうは、そういう中でお伺いしたいのは、来年度、竹の塚に入所施設が開設をされます。特にあだちの里の方はかなり運営費が減収になるとも言われております。私ども6月の議会で通所施設については支援策を明らかにしてされておりましたけれども、入所の方はどうかというふうにお聞きをしましたらば、検討するというご答弁でしたが、その後、どのように検討されたでしょうか。 ○福祉部参事 この入所施設につきましても、当然、これは自立支援法がまだ施行されてない前に建設するというような決定をして、いま建設中でございますけども、来年4月に開設と。いまご指摘のように、あいのわ福祉会系の身体の方については新体系で、いまの自立支援法の関係に合わせれば報酬等は3割から4割程度上がるというような話を伺っております。こちらの方については、今回の補正を組んだ場合も、あいのわの方については自主的に支援の方策は必要なくなったということでございました。 それから、あだちの里でございますけども、かなり減収等が発生するというような見込みもございますので、通所施設と同じようなスタンスでもって、この数字がどうなるというのはわかりませんけども、一応、同じようなスタンスでもってやらざるを得ないのかなと思っています。 ○鈴木(け)委員 身体障害のあいのわの方は減収はないようなのでということですが、減収が予想される知的障害のあだちの里の方については支援をしていくというご答弁だと思います。しっかりやっていただきたいと思います。 次に、心身障害者扶養年金について、実は東京都で廃止を含めた見直しが検討されているということで大変不安が高まって、広まっておりますので、ちょっとお伺いをしたいと思います。 心身障害者扶養年金については、補完的な収入として大きな役割を果たしてきたというふうに思います。現在でも依然として加入希望もあるというふうに聞いております。そういう意味では、廃止すべきでないというふうに思っているんですけれども、東京都の審議会での検討状況、わかる範囲で、どのように議論されているのでしょうか。 ○福祉部参事 心身障害者扶養年金でございますけども、東京都の方では8月に中間のまとめという形でもって発表しております。この扶養年金制度の現状からいって、このまま現行制度を続けるんであれば、都の負担として年に40億円程度の負担が必要ということでもって、廃止を含めて見直すというような方向が打ち出されているところでございます。 ○鈴木(け)委員 結論はいつごろ出る予定ですか。継続するとか、中身についてはまだ何も出てないんでしょうか。 ○福祉部参事 結論としては、12月ないし来年1月ぐらいに結論が出てくるんではないかということでございますけども、いま基金を取り崩して、原資がなくなってくるという状態が続いておりますので、復活というような形でなくて、廃止の方向で検討されるのではないかと思っております。 ○ 鈴木(け)委員 ぜひ、廃止はされないような方向で議論が進められることを望みたいと思います。 介護保険改悪で社会的介護どころか家族介護に逆戻り 次に、介護保険についてお伺いをいたします。 介護保険は、昨年の介護保険法の改定でひどい改悪だったというふうに思いますけれども、これが震源となって、住民も、また自治体も大きく揺れ動いてさまざまな影響が出ているというふうに思います。 介護保険スタート時には、家族介護から社会が支える制度へというふうにうたわれてスタートいたしました。当時からも必ずしもそうはなっておりませんでしたけども、その当時からも大きくかけ離れてきたのは、昨年の介護保険法の改悪だったというふうに思います。そういう中で、ひどい状況があらわれておりますけれども、幾つかお伺いいたします。 介護ベッド買い取り助成は10月中旬以降受付開始 まず、介護ベッドの貸与についてであります。これは要介護1と要支援1、2の軽度の、軽い要介護者、こういう方については借りられなくなったということであります。大変な問題になりました。私も本当にたくさんの相談をお受けしました。昔から、ひどいことをするのを形容して、寝ている人の布団をはぐようなものというふうによく言いましたけれども、何とそういう昔からの言い伝えがこの21世紀のこの時代に、まさに、ようなものではなくて、実際に布団をはいで持っていっちゃうという事態が発生したというふうに思います。しかも、自然に発生したのではなくて、昨年の法の改定、自民党、公明党、民主党が賛成をして決められたわけですけれども、そういう改定によってこういう事態が発生をしました。 そのときの理由として、必要のない人が借りている、あるいは自立を阻害しているからだというふうに言われましたけれども、実態はベッドがあるから起き上がれて、そして自立した生活が送れるということであります。 そういう実態も踏まえて、東京都内でも7つ以上の市や区が独自にベッドを引き続き使えるように高齢者に支援策を講じる、助成策を講じるというふうになりました。ついに9月に東京都として購入費の半額を補助する制度を打ち出しました。この東京都の制度の目的とか趣旨はどのようなものでしょうか。また、足立区の対応はどのようになるでしょうか。 ○介護保険課長 東京都の方の動きでございますけれども、9月26日に東京都議会本会議、自由民主党の代表質問でベッドについて補助をしてはどうか、使いなれたベッドをそのまま購入されるような場合に補助をしてはどうかというご質問を受けて、急遽、東京都の方が決めたということで伺っております。 足立区でございますけれども、足立区の方も都の方の急遽の動きを受けまして、実際は9月30日までは旧制度が使えるという経過措置期間でございましたので、経過措置の切れる前に東京都の補助を受けて事業を行うということを決めたところでございます。 ○鈴木(け)委員 これは、我が党はかねてから都議会でも、また足立区議会でも繰り返し取り上げてきた問題でありまして、それが実現をしたというふうにも思います。 いまのお話ですと、急遽、足立区としてもこの助成制度を行うことを決めたというふうにいいますが、まだ受け付けがされてないように思うんですが、その辺の準備状況、いつごろから受け付け、あと窓口はどちらになるのか、わかりましたら教えてください。 ○ 高齢サービス課長 いま詳細を詰めておりますので、今月の中旬ごろから高齢サービス課において受け付けを開始する予定でございます。 ヘルパー派遣時間短縮も深刻な事態が。改善を ○鈴木(け)委員 次に、生活援助ヘルパーの派遣時間が1時間半に制限された問題についてお伺いしたいと思います。 この問題も深刻で、実は東京都社会福祉協議会が調査を行いました。その中では、買い物や調理などを2時間でやってもらっていたが、1時間半になり、煮物の途中でヘルパーが帰ることもある。時間が短くなり、買い物しか頼めなくなった。調理が困るというような例がいっぱい出たそうです。調査をした東京都の社会福祉協議会では、予想以上に深刻な声が多いというふうにまとめを行いまして、こういう利用者の実態を反映した見直しを行うよう厚生労働省に提言するというふうに聞いておりますが、この辺の経過はご存じでしょうか。 ○介護保険課長 東京都の方に要請を行うということについては承知しておりません。申しわけございません。 ○鈴木(け)委員 区として、このような生活援助ヘルパーの派遣時間が制限されたことについての実態の把握はされているんでしょうか。 ○介護保険課長 このたびの考え方で、1時間半以上ヘルパーが家事援助をした場合に報酬はそれ以上、一定の報酬しか出ないということから、1時間半以内なんですねということが言われているところでございます。 いままで2時間頼めたという状況からしますと、利用者の皆様にとっては大きな変化だとは思いますけれども、そこは家事という日常生活上の援助ということで、効率的に1時間半以内でやっていただけるものというふうに理解しております。 ○鈴木(け)委員 どうも実態を余り把握されてないかのような感じでありますけれども、私も、あるいは共産党議員が大分この問題でも区民の方から相談をお受けしております。 例えば、実際この生活援助ヘルパーの派遣時間を短くしたことによってどうなっているか。ある方は、2時間来てもらう中で買い物をそのヘルパーさんと一緒に行っていたと。これが外出をする貴重な機会で、買い物もできるし外出もできるし非常に楽しみだった。ところが、1時間半になったらゆっくり歩くわけいかないから、ヘルパーさんだけで買い物行ってもらうしかないと。そうしないと、調理をして食べて片づけまでできないということなんですね。これでどうして自立促進になるんでしょうかって、私、言われました。私もそう思いました。 そういう問題なんで、この問題はこういう制限をすべきでないというふうに、しかも、いま国の制度が変わって、介護報酬が変わって、事業者としては1時間半以上派遣できないということですので、区として以前は独自の介護保険外のヘルパー派遣事業がありました。こういうものを使って補うということだって、やろうと思えばできるし、あるいは要介護1以上の人であれば、長時間の見守りが必要な人などには身体介護で対応するということ、身体介護は時間制限ありませんから、そういうことも可能であるというふうに思いますので、そういうことを事業者、ケアマネジャーに周知するなどして、いずれにしても何らかの対応を、自立にとって必要な方には対応をするべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 ○介護保険課長 介護保険をお使いいただく皆様はどんどんふえていっております。このたびの改正も、絶対に高齢社会に欠かすことのできないこの保険制度が、未来にわたってきちんと運営していけるようにという大きな目的で改正されておりますので、まず利用者の皆様のご努力も含めて、事業者も当然でございますけれども、私どもも趣旨をきちんと徹底させていくようにしたいと考えているところでございます。 ○ 鈴木(け)委員 いまのお話ですと、自立促進のためだということはおっしゃられなかったような気がします。結局、制度の維持のためには多少、私から見ると、犠牲もやむを得ないんではないかというふうにも聞こえましたけども、実態はそのようになっていると思うんですね。もちろん、努力は大事です。しかし、その努力をする上でヘルパーさんの手があれば、歩ける、外出もできる、ちょっと楽しみながら買い物もできると、そういうところに手を差し伸べるというのが本来の介護のあり方なんではないか。これについては、引き続きそういう立場で検討をぜひしていただきたいというふうに思います。 介護労働者の不足 次に、介護労働者の不足、足りないという問題についてお伺いをしたいと思います。 以前から足りないというお話はありましたけど、ことしになってから、いろいろ介護事業者、あるいは施設をお訪ねしますと、とにかく人が足りないと。人がいなくて困った。募集しても集まらないと。非常に悩むわけですね。質のよい介護をしたいんだけれども、なかなか手が回らないということであります。こういうふうに区内の事業者さんからも聞いているわけですけれども、これについては一般新聞でもかなり大きく取り上げられまして、例えば9月18日付の読売新聞でかなり大きく取り上げられました。 これによりますと、全国老人福祉施設協議会というところが調査を行いましたところ、全施設の6割の職員が不足しているという回答であったと。訪問介護事業者としても、ホームヘルパーが不足をしている。あわせまして全産業で、最近の有効求人倍率は1倍程度なんですけれども、高齢者介護の分野は2倍、単純化していいますと、半分しか人が集まらないという状況であります。区としては、こういう状況は把握されているでしょうか。 ○介護保険課長 いろいろな事業者のお話等々で伺っております。 ○鈴木(け)委員 この読売新聞にも書いてありますし、現場の方のお話をお聞きしても、大体その要因というのは、仕事がきつい、きつい割には給料が安い。特にホームヘルパーの場合ですと、パートタイムで働くホームヘルパーさんの場合は時給が1,329円、この読売新聞によりますと書いてあります。これだと、それほど低くはないんですが、結局、移動や待機時間は賃金が払われない形になっておりますので、実際は1,000円程度。1,000円程度で本当に高齢者の生活と介護を支える。本来は専門職なんです。ところが、それこそファーストフード店のアルバイトとほとんど変わらない賃金。そういう中で、いま少し求人がふえる中で他の産業へ移ってしまうというのが実態だというふうに指摘をされております。 こういう背景には、去年の介護保険法の改悪がありまして、そういう点では介護をしっかり支える人材を確保していくために国に意見を上げていくべきだと思いますが、どうでしょうか。あわせて、区としても何らか対策をとるべきだと思いますが、どうでしょうか。 ○介護保険課長 人材が不足しているという背景には、委員がおっしゃったようなことがあろうかと思います。厚生労働省の方でも、非常に大きな問題としていろいろな対策をとっているというふうに聞いております。 区として、どんなことがということでございますけれども、質を上げていくということにつきましては、研修ですとか、いろいろ続けていきたいというふうに考えております。 ○鈴木(け)委員 質を上げていく、その上げる対象の人が減っちゃっているわけですので、そういう問題をお話しているんで、一つは、きちんと国に意見を上げていくということは再度要望したいと思います。 あわせて、区として、例えば施設の職員が確保できるような支援策を区としても考えると。訪問のホームヘルパーについても同じですけれども、何らか考えていただきたいというふうに思います。 老人保健施設の運営も苦しい 次に、老人保健施設などの介護施設の運営が厳しくなっているという問題についてお伺いしたいと思います。 これも、この根本に昨年10月からの食費、居住費全額自己負担化がされまして、これとあわせる形で介護報酬がマイナス4%になったと。施設に入るお金がマイナスになったわけですね。今回は、私、初めてお伺いした施設で聞いたお話なんですけれども、経営努力を重ねてはきているんだけれども、ボディブローがずしっずしっと効いてきている感じだ。高齢者介護を通して社会に貢献しているつもりだけれども、どうしてこんなに粗末にされ、苦しい状況に追い込まれなければならないのか。入所者がいる以上、やめるわけにもいかない。 全く初めての面識の方でしたから、私、区議会議員と最初に言ったんですけれども、最初わからなかったらしくて、議員だということがわかりましたら、区議会議員さんならぜひ足立区に言ってくださいよというふうにしっかり頼まれました。この「ボディブローのようにずしっずしっと効いてくる」という言葉、非常に重く感じました。 そういう意味で、こういう介護施設への何らかの支援策を講じる考えはないでしょうか。これからでも講じていく考えはないでしょうか。 ○高齢サービス課長 介護施設への援助ということでございますけれども、基本的に介護ビジネスは介護報酬の枠内において行う制度ビジネスでございます。したがいまして、企業の経営努力により対応をお願いしているというような現状でございます。 ○ 鈴木(け)委員 非常に冷たい、よく冷たい区政といいますけど、氷のように冷たいですね。 一般財源の活用で昼食代補助を 次の問題に移ります。デイケア、デイサービスの昼食代への助成についてお伺いをしたいと思います。 これについては、区議会でこの趣旨が入った請願が全会一致で採択をされました。しかし、いまだに実施をされていません。その実施しない理由として、介護保険会計から支出をしなければならないのでということなのですけれども、全く違う理由にならない理由だというふうに思います。 そもそも、この昼食代の自己負担については、介護給付から外されて自己負担がふえたという問題であります。そこに対して他の自治体で助成策を講じているところがかなりあります。 足立区がそういうふうにおっしゃるんで、私、聞きました。ひょっとしたらほかのところも介護保険会計でやっているのかなと思いまして、3区ほど聞きました。これは区名を言うと差しさわりがあるかもしれませんから言いませんけど、ある区は介護保険課長がお出になりまして、一般会計から支出し補助していますと。次のところも介護保険課に聞きましたが、一般会計から支出していますと。3つ目、聞きました。そうしましたら、ここは課長さんお願いしますと言ったんですが、それは違うんでということで、高齢者支援課長という方がお出になりました。いろいろお聞きしましたら、しばらく黙っちゃったんですね。そうしたら、それで出てきた言葉が介護給付から外された調理費に対する補助ですから、当然、一般会計で行っています。担当も介護保険課ではありませんと静かに言ってくれましたけど、何でそんなこと聞くのという、ありありという感じがして非常に恥ずかしい思いで電話を切りました。結局、こういうことなんだと思うんですよ。 なぜ、足立区だけが介護保険会計でなければならないのか、理由を言ってください。 ○介護保険課長 請願につきましては全会派一致で採択されておりますので、私ども十分尊重して考えているところでございます。 一般会計か特別会計かということでございますが、介護保険制度の発足時に一般会計から補てんするようなことにならないようにということを、大変大きな議論の中で保険制度を守られたというふうに伺っております。 一般会計から持ち出すということになりますと、安定的な財政の運営に差しさわりが出るということがありまして、補助を実施する場合につきましては、特別会計でやらざるを得ないというふうに考えております。また、特別会計の中で基本的に今回の食費の自己負担の導入につきましては、施設サービスと在宅サービスの負担の均衡という制度の根幹にかかわる大変大きな考え方で導入されたものでございます。 こうしたことを踏まえて、特別会計の中で補助を実施していくことの合意が得られれば、その範囲でやっていきたいというふうに考えているところでございます。 また、第3期の介護保険がスタートしたところでございまして、この行方を見定めてということで考えているところでございます。 ○ 鈴木(け)委員 そうしますと、他の区は非常に間違ったことをやっているということにもなってしまうんですよね。そうではなくて、区財政維持のため、介護保険維持のためということですけども、ではお金は何のためにあるかということだと思うんですよね。ほかの区は区民のために使おう、そのためにお金はあるんだということでやっているんだと思うんです。そこの違いだと思います。もう一度、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。 介護保険料の負担軽減策を 次に、保険料についてお伺いします。 以上、これまでいろいろ申し上げましたけど、結局、サービスを削り、介護労働者や施設運営者は減収に追い込み、利用者には負担増を強いる。それでありながら、さらに保険料は大幅に値上げということであります。本当にひどいやり方で、いま、まちを歩くと呼びとめられる大半の方は、保険料が上がったということについての怒りというか、怨嗟の声を述べる方が非常に多いんです。「少ない年金から天引きで引かれて、残る年金がどんどん少なくなってしまう」、これは70代の女性です。「年金収入は変わらないのに2倍になった。必要なものは納めて協力するつもりだ。そうやってきた」という70過ぎの方ですけれども。「しかし、今度という今度は納得がいかない」というふうに怒っておりました。 もともと、これは国が国庫負担を5%ふやすだけで今回の値上げはせずに済んだことは、私ども試算で明らかにしているんですが、同時に、足立区としても値上げを抑えることは十分可能だということは予算組み替え案を提出いたしました。また、いまからでも値下げすべきだということで条例案も提出をしておりますけれども、改めてお伺いしたいと思いますが、保険料の値下げを実施する考えはないか、どうでしょうか。あるいは無理であれば、その場合に財源的に無理だからということでしょうか。 ○介護保険課長 介護保険制度の中で保険料の決め方でございますが、3年に一度試算をいたします。3年間に必要な給付費から割り返すのでございまして、第3期の必要な給付費から割り返したものを地域保健福祉推進協議会の方にご提示いたしまして、ご討議いただいた上で決定したものでございまして、保険料を改めるという考えはございません。 ○ 鈴木(け)委員 やる気がないということですね。冷たい答弁だと思います。 国民健康保険について 時間がなくなりましたので、次に移ります。国保についてお伺いします。 国民健康保険は、2005年度も国保料の値上げが行われました。我が党は、収納率の悪化の実態も示して区民生活が悪化していることを明らかにして、何らかの軽減策を打ち出すこととか、国保財政を厳しくしてきたのは国の方の責任があるということで、国へ意見を上げることも必要だというふうに昨年求めましたけれども、昨年度の中でこれについてはどう対応されたでしょうか。 ○こくほ年金課長 昨年度の件でございますけれども、税制改正があり、その税制改正の影響は、国民健康保険料はもろに受けるということもございまして、とりわけ今回の税制改正の第1弾については高齢者への影響が大きい、老年者控除がなくなるとか、年金の控除が引き下げられるとか、そんなことあったものですから、昨年の8月の上旬に厚生労働省に対して23区の課長会から、何らかの緩和措置をとるようにと要望を出しまして、それがそのまま認められて、今回18年度並びに19年度の保険料の賦課に当たって、2年間にわたる激変緩和措置といわれるものが設けられたこということでございます。 ○鈴木(け)委員 今年度の国民健康保険については、そうした意見を述べられたということですけれども、昨年分については軽減策などの対策については語られませんでしたので、なされなかったと思うんですが、いかがですか。 ○こくほ年金課長 17年度の保険料に対してということですね。(「はい、そうです」と呼ぶ者あり)そうしますと、16年度に何らかの要望したかということでございますけれども、16年度から17年度にかけては、とりわけ大きな制度的な変更もなく、保険料の料率等も変わってございませんので、私、その当時担当ではございませんので定かではありませんが、課長会等の流れを踏まえると、16年中の要望はなかったんではないかと思っております。 ○鈴木(け)委員 わかりました。 実は、今年度につきましては、高齢者が窓口負担が7月までは1割だったんだけれども、8月から2割になって、さらに10月からは3割になったという方がいらっしゃるわけですけれども、これは今回の医療改革、制度改革なんですが、それで何人の区民がいらっしゃるでしょうか。 ○こくほ年金課長 ことしの8月の改正につきましては、所得の判定基準が変わったわけではなく、税制改正等によって、所得の基準は一切変わってございませんが、先ほど申し上げたように老年者控除あるいは年金控除等の引き下げがあった関係で、収入ベースでおおむね101万円基準が引き下げられたということでございまして、8月の時点で1割ではなく2割の負担の方は2,700人程度でございました。このたび制度改正によって、2割の方が現役並みの3割負担となるということで、3割負担になる方はおおよそでございますが2,500人ほどでございます。 |
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