7、日本共産党区議団の区長等への申し入れ
@2007年度足立区予算編成に関する要望書
 日本共産党区議団は、840項目の予算要望書を区長に提出しました。区政資料では、そのうち重点項目部分について掲載し、ご紹介します。全文が必要な方はお申し付けください。

【重点要望】
1、 大増税・負担増による区民の痛みを和らげる施策について
(1) 定率減税の廃止、各種控除の廃止・縮小など、いま実施している増税政策をただちに中止するよう国に要請すること。
(2) 連続した負担増から少しでも区民の痛みを和らげるために以下のことを行うこと。
@ 国民健康保険に関し、2007年度保険料について区民が住民税のフラット化に伴って負担増になることをさけ、今年度と同様の保険料となるよう努力すること、窓口での委任払い制度を創設すること、保険料の負担軽減を図るため一般減免制度を拡充すること。
A 保育料、紙おむつ支給など、収入が変わらなくても住民税増税で非課税から課税となることにより負担増となった区の施策について激変緩和策をとること。
B 要介護高齢者が申請により障害者控除を受けられることの周知の拡大を行うとともに適用緩和を行うこと。
C 実際の収入は変わらないのに税制改定に伴い、影響をうける区民に対し(仮称)「痛みやわらげ手当て」など何らかの対策を講ずること
2、 東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近鉄道高架化事業について
東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近鉄道高架化事業を促進すること。また、国土交通省の鉄道立体化事業の5年以内に着工準備採択がされるよう努力すること。
3、 介護保険に関して
(1) 介護保険の1号被保険者保険料を引き下げること。
(2) 公的な介護保険の改革について @保険料・利用料を支払い能力に応じたものに改める A在宅でも施設でも安心して暮らせる条件整備 B介護・医療・福祉などの連携による健康づくり C介護労働者の労働条件の改善 Dこれらの実現のためにも国庫負担を増額するなどの改善を国に要望すること。
(3) 当面、次の具体策をはかること
@ 要介護1以下の軽度の高齢者の、特殊寝台・車椅子などの貸与の中止について、介護度により機械的に判断しないこと。また、港区、新宿区、中央区、北区などのように、軽度要介護者の介護予防のために、一般寝台を日常生活用具の給付項目に加え、貸与中止となった高齢者などに対し、自治体独自の助成を行うこと。
A 生活援助ヘルパー派遣の1.5時間の上限化によりサービスが受けられなくなった高齢者に対し、必要に応じて、介護保険外の施策で補うこと。
B ホテルコスト(食事代)の負担軽減策について、食事代の負担は、介護保険給付からはずされた施策であり、介護保険会計に固執して実施を遅らせるのではなく、一般会計で早急に実施すること。
C 「地域密着型サービス」のうち、小規模多機能型施設について、区の補助金申請はゼロであり、今年度5ヶ所の整備目標の見込みがたっていない。計画的に整備すること。
D 介護職員不足を解消するため、地域に根ざしてサービスを提供している事業者への支援を行うこと。
E 地域生活支援事業の「介護予防」策として、希望者だれもが受けられるようにし、講座終了後も引き続き自主的にトレーニングを受けられるしくみづくりを行うこと。
4、 障害者施策について
(1) 自立支援法に関して
@ 利用者負担の軽減策を拡大・充実すること。本来応能負担にもどし無料を基本とすべきだが、最低限荒川区のように在宅障害者の全サービスの利用者負担を3%に軽減するなどの措置を講じること。住民税均等割のみ課税世帯や重度障害者世帯には特に配慮すること。
A 事業者への報酬単価引き下げと日払い化による減収に対応する運営費助成を2007年度以降も継続するとともに、拡充すること。給食代補助は削減せず増額すること。新しく開設される竹の塚入所施設への運営費助成も実施すること。
B 障害程度区分認定については知的・精神で低く出る問題を重視し、低く出ないよう独自の項目を追加するなど対策を講じること。
C 地域生活支援事業における利用者負担軽減策を、最低限2007年度以降も継続するとともに、軽減策を段階的に拡大していくこと。精神などの小規模作業所は無料とすること。
D サービス基盤の整備をすすめ、量的拡大をはかること。
E 自立支援法の抜本見直しを国に求めるとともに、以上の内容については国および都に対して支援を求め、最大限の助成を勝ち取ること。
(2) 以下の内容を足立区の施策に盛り込むとともに、国、都にも要望すること。
@ 就労支援
障害者の働く場の拡大をはかるとともに雇用する側とのミスマッチの解消など「どうしたら雇用し、定着できるか」などの調査と就労意欲を生かすための支援を強化すること。
A バリアフリー
バリアフリーについては個々の要望に応えるともに計画の推進を早めること。
5、 子育て支援策について
(1) 小児救急医療については小児科医師の確保・研修等への助成を行い、小児初期救急夜間診療を拡充すること。2007年度予定の拡充を確実に実施すること。
(2) 子どもの医療費助成については、中学3年生まで通院も含め段階的に拡充すること。また、妊婦検診の回数を増やし、安心して出産ができるよう支援すること。
(3) 認可保育園の増設を計画的にすすめて待機児解消を図るとともに、保育料については2008年度以降も据え置くこと。また、子育て世代の経済的負担をこれ以上増やさないために、第二子以降の保育料を免除すること。
(4) 希望するすべての学童が入室できるよう、地域の実態を調査し、必要なだけ学童保育室の増設を図ること。
6、 青年雇用対策について
(1) 区が契約したNPO法人が運営する「あだち若者サポートステーション」は7月から厚生労働省のモデル事業とされた。しかし、国から来る補助金1000万円という中で、常勤スタッフは1人、非常勤スタッフを含めて4人〜5人の体制で運営している。動き出した事業がより大きく、多様に展開できるように国に補助の増額を求めるとともに、区としても予算を増額すること。
(2) あだち若者サポートステーションの存在と事業内容を広く区民に周知すること。区は各町会での回覧板による周知など援助すること。
更に、「若者サポートステーション」の所在がわかるような看板を商店街に面して設置すること。
(3) 不安定雇用の青年は、職場を通じての定期健診をうける機会がないので、高校卒業者から39才までの青年層で、未就業者やパート、派遣労働など不安定雇用の若者達が定期的な健康診断が受けられる仕組みをつくること。
7、 地域産業支援策について
(1) あだち産業・芸術プラザに関して
 「区内産業の振興と活性化を図るための中核施設である(仮称)あだち新産業振興センターの整備」とはなっておらず、真に産業振興・地域経済活性化を応援する施設とするよう改善を図ること。
「東京芸術センター」について、当面、区の責任で次の改善策を実施すること。
@ 施設内の案内標示がわかりにくいので改善すること。また、区民利用の利便性を向上させること。
A 駐車場・駐輪場不足を解消すること。
B 天空ホールの付帯設備の区民利用の際に減額制度をつくること。
(2) 区の融資制度について
区は18年度からの融資制度を国の信用補完制度に沿って見直し、利率や貸付期間を事実上金融機関まかせにしたが、区内業者には不利なものである。制度変更を国は義務づけておらず、区の融資制度を変える必要はなかった。区は貸付条件への関与を縮小することなく、区内業者支援をつよめる立場を堅持し、従来通りの制度融資に戻すこと。
(3) 後継者問題について
区内小商工業者の大きな課題となっている後継者確保について、支援策を充実するうえでも商工会議所足立支部と積極的に連携を図るなど対策と支援をつよめること。
(4) 道路占用料について
中小業者は、消費不況の中で大型小売店進出の影響も受け、厳しい営業にさらされている。その上今年度から多くの商店が消費税の納税義務が課せられ一層大変になっている。区内中小業者支援のため、看板及び日よけの道路占用料については免除対象を拡大し、中小業者支援が実際に免除されるようにすること。
(5) 大型店対策について
 「まちづくり三法」の見直しが行なわれたが、大型小売店の出店を規制する決め手
とはなりえない限界を残した。大型店が、多くの場合地域経済の振興を不可分の要素とするまちづくりにマイナスの影響を与えることから、次の対策を講じること。
@ 大型小売店の出店計画に際し、まちづくりの観点から地域商業への影響、交通・駐車場対策、住環境対策、青少年健全育成などについて、関係住民・商店主等の要望を聞き対策をまとめて、毅然とした姿勢で臨むこと。
A 区市町村が地域商業振興の立場から、大型小売店の出店に際し、出店調整ができる権限を持てるよう国に対して法改正を求めるとともに、自治体がおこなう自主的なまちづくりへ支援するよう「活性化対策」を改善させること。
8、 「公共調達」について
 足立区が発注する公共調達において、足立区の支払う対価が作業に従事する者に公正に配分されることを確保し、また、作業に従事する者の労働時間、労働条件を適正に確保するため、次の施策を実施すること。
@ 公共工事・委託契約を含む公共サービスに働く労働者の賃金、労働条件を保障する。
A 賃金や下請けの単価切り下げを前提として存在するダンピング受注や丸投げを排除することにより地元業者の参入や下請け業者の経営改善などを促し、地域経済の振興を進める。
以上を実現するために西東京市、狛江市が検討している(仮称)「公契約制度」のしくみづくり(条例化)に取り組むこと。
9、 市場化テストと区民事務所の民間委託について
足立区が全国に先駆けて実施しようとしている「区民事務所の民間委託」は重大な法違反と個人情報の漏洩、プライバシーの侵害の恐れが危惧され、かつ、経費の削減どころか、区民サービスの低下につながるものであり、市場化テスト条例は実施しないこと。@区民事務所の民間委託は実施しないこと。A納税課の民間派遣職員の導入は20年度以降も実施しないこと。B足立区コールセンターの民間委託は行わないこと。
10、 情報公開条例の見直しについて
足立区自治基本条例の精神に基づき、区政の透明化、中立化、公正を推進する立場から、足立区情報公開条例に指定管理者に関わる条項を加えること。
11、 公共施設の再配置計画について
住区センター、地域学習センター、学校ともに区民の貴重な財産であり、経済効率優先から廃止するのではなく、改築費用の圧縮も含めて存続させること。
また、公共施設や公有地の改廃に関して「住民投票条例」を制定するなど、区民の意思を尊重する仕組みを構築すること。当面、那須区民保養所は売却しないこと。
12、 安心・安全のまちづくりに関して
(1) 交番の廃止計画は止め、交番勤務の警察官を増員して存続し、あき交番もなくすこと。また、新線(つくばエクスプレス、日暮里・舎人線)の駅周辺など住民から要望のある地域に交番を新設すること。
(2) 耐震化計画を促進するため@個人住宅の耐震補強工事を目標どおり推進するため、一層の周知啓発を行い、助成額も可能な限り引き上げること。Aマンションの耐震診断助成を2007年度も継続し、耐震補強工事への助成制度をつくること。
B耐震補強から除外されている改築対象校4校の具体的な改築計画を示すこと。
Cエレベーターの閉じ込め対策を構築すること。
D災害弱者対策を予算化し、実施すること。
(3) 安心して区内に住み続けられるよう区営住宅及び都営住宅の名義承継は現行どおりとすること。
13、 交通網の整備について
(1) 日暮里・舎人線については、都営交通となったもとで、高齢者のシルバーパスの適用がされるよう東京都に要請すること。また、昨今の事故が起きている状況を考えると区民の安全・安心を確保するために、ワンマン運転、無人駅にしないよう都に働きかけること。
 また、各駅の駐輪場整備を開業に合わせること。
(2) つくばエクスプレス、日暮里・舎人線と放射状の交通対策が実現するにあたり、東西に広がるバス路線網の再編整備をすみやかに計画すること。
(3) 日暮里―舎人二ツ橋間の都バス里48号線は存続するよう都に要請すること。
(4) シルバーパスの購入に関して、@今年度、収入が変わらないのに非課税から課税となった人に対する負担軽減策を講じたが、来年度以降も実施すること。
A課税者に対しても所得段階に応じて3000円券、5000円券などの激変緩和策を講ずること、以上2点を東京都に要請すること。
14、 教育環境の整備について
(1) 30人以下学級の早期実現を国・都に働きかけるとともに、区としても少人数学級の実施に踏み出すこと。
(2) 学校図書館に司書を配置すること。(当面週5日30時間勤務の非常勤でモデル実施をすること)
(3) 特別支援教育(LD、ADHD、高機能自閉症など)の巡回指導を心障教育の担当教員が学級現場を離れてあたることにしているが、これでは心障学級の子どもたちに不安と混乱を起こす可能性があるので巡回指導は専門家を増員して行なうこと。また、各学校に配置するコーディネーターも学級担任ではなく専門的な知識を有した別枠の人員を拡充したうえで実施に踏み出すこと。
(4) 子どもたちを犯罪から守る安全対策や地域防災への対応のために学校警備の職員を配置すること。
15、 「教育改革」に関して
(1) 区教育委員会が矢継早にすすめる「教育改革」について、すべての児童・生徒、保護者、教職員を対象にしたアンケート調査を実施・検証するとともに、「教育改革」は見直すこと。
(2) 国が行う学力テストの中止を求めるとともに区としては実施しないこと。また、業者にすべてを委ねる区独自の学力テストは止めること。学校、地域の序列化につながる公表は行わないこと。
(3) 単純に授業時数を増やしても、学力向上につながらないだけでなく、夏休み中の行事や高校見学に支障をきたし、結果として子供たちにストレスを増やす夏休みの短縮は行わないこと。
16、 環境問題について
 地球の温暖化は、地球規模の環境問題の中で最も大きな課題であり、さらに全庁的にすすめる必要がある。
(1) 区は、温室効果ガスの削減目標について、行政区としての削減目標をもち、地球温暖化対策地域協議会を設けること。
(2) 学校の残采リサイクルシステムがモデル実施されたが、その効果を明らかにし、いっそうの促進をはかること。
(3) よりいっそうの意識啓発をすすめるために、「地球温暖化と私たちのできること」など、わかりやすいパンフレットの普及や、ごみ減量を含めた意識啓発作戦をいっそう強めること。
(4) CO2を排出しない自然エネルギーのいっそうの活用について
@ 目標を持ち取り組む必要がある。今後新規に建築する施設等については、太陽光発電システムを導入し、CO2削減と共に、災害時にも役立つ施設とすること。
A 家庭の廃油を拠点回収し、廃油を活用したエコカー(区の広報車)としてさらに広げること。
(5) プラスチック焼却事業について
区はプラスチックを焼却するモデル事業おこない、20年には全区実施を行うとしている。これは「プラスチックゴミを減らす努力」に逆行し、大量消費・大量廃棄に道を開くものとなる。また、安全性の面でも検証が不十分であり、見直すこと。
17、 住区センター等の有料化について
「学習機会や場を充実して、自主的な学習活動を活発」化させる生涯教育は、今後ますます求められている。区民が気軽に施設を使えるよう
(1) 住区センターの有料化をやめ、無料に戻すこと。
(2) 社会教育団体施設利用料の減免制度を復活すること。
18、 憲法をくらしに生かし、平和を守る事業について
憲法をくらしに生かすため区民への啓発をすすめるとともに、「核兵器のない公正な世界の実現」のため、平和映画祭、平和展、平和学習、「平和モニュメント」の設置など区民の平和意識を高める施策を講じること。
以上