7、日本共産党区議団の区長等への申し入れ A国民保護計画に関する申し入れ |
足立区国民保護協議会会長 足立区長 鈴木恒年様 日本共産党足立区議団 日頃区政進展にご尽力いただきまして敬意を表します。 さて、去る7月28日、足立区長より足立区国民保護協議会に対して、足立区国民保護計画が諮問されました。期限は9月30日までとされております。 そもそも国民保護計画は、米軍の先制攻撃戦争などに自治体・住民を総動員する有事法制の具体化として、政府が全国の自治体に作成を求めているものです。 「計画」策定の根拠とされている国民保護法は、「武力攻撃事態法」を中核とする10の法律や条約で構成される有事法制の一つで、米軍の先制攻撃戦争の場合でも、政府が「武力攻撃事態」と認定すれば、発動されます。 国民保護計画が策定されれば、各自治体は住民への警報発令や避難誘導、救援、復旧などの責務を負うことになります。住民の土地・家屋や物資の強制収用、特定地域の立ち入り禁止など人権を大幅に制限する規定とともに、平素からの「啓発」や訓練の規定もあり、自治体は住民に「戦時意識」を植え付け、周辺国への敵対意識を高める役割を担わされます。この計画は策定しなくても罰則はなく、新潟県加茂市では「住民を、戦争動員のための自警団に組織させるもので危険」との考えから計画策定を拒否しています。 国民保護計画については、策定に議会の議決を必要とされておらず、これ自体民主主義に反するものですが、関連条例である国民保護協議会設置条例は「戦争を助長しかねない」などの理由で、全国で8市町村が継続審議となっています。沖縄では「太平洋戦争の地上戦の経験から、住民に抵抗感がある」などの理由で、条例を制定した自治体は4割以下にとどまっています。 足立区では計画案に対するパブリックコメントが行なわれましたが、ほとんどがつくる必要がないというものでした。こうした区民の意見を尊重すべきです。 もともと着上陸侵攻・本土決戦などの武力攻撃事態は現実には考えられず、政府でさえ「防衛白書」で、日本への武力侵攻がないことを認めています。ありえない武力攻撃事態が問題となり、計画ができて訓練が繰り返されれば戦争やテロへの不安や疑心暗鬼を拡大し、地域社会を臨戦体制化していくことになります。それは海外派兵の後方を固め、直接戦闘に加わらない一般の国民の「銃後の社会」を生み出していくことを意味します。今足立区が進むべきはこのような道ではないはずです。 以上のような趣旨から、足立区国民保護協議会会長でもある区長が、足立区国民保護計画を策定しないよう、強く申し入れるものです。 |
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