《付属資料》

2、後期高齢者医療広域連合に関する要望書  日本共産党足立区議団

 本年6月に改定された「医療制度改革法」により、原則として75歳以上の高齢者を被保険者とする後期高齢者医療制度が2008年4月から施行される。
 この制度は都道府県を単位とする広域連合で運営されることが法定とされたため、東京でも「東京都後期高齢者医療広域連合」(以下「広域連合」)が設立される。
 もともと広域連合というのは、廃棄物問題など「広域的に処理することが適当な事務」を複数の市町村でおこなうとして、94年の地方自治法改定で導入された制度である。
 総務省によれば、介護保険、ごみ処理、汚水処理、消防などをおこなう広域連合が34道府県に82連合(04年3月現在)つくられているが、本来、広域連合は市区町村から自発的に発議するものである。
 ところが、新しい後期高齢者医療制度は従来の広域連合と違い、法律によって市区町村に広域連合加盟を義務づけている。広域連合は独自の「議会」を設置し、保険料などの条例を定めるが、この「議員」選出方法は、東京都後期高齢者医療広域連合規約案によると区市町村議員の中から31名を定数とし、各区市町村議会の推薦議員を選出するとなっている。
 このため、「広域連合」議会の構成は、事実上、市町村議会議長などで占められ、区市町村議会の会派構成が正しく反映されがたい状況になり、現状の案では民主的な選出方法とは言いがたく、地方自治法の精神にも反するものである。  
 しかも、国には「助言」の名をかりた介入や、「財政調整交付金」を使った誘導など大きな指導権限を与えている。このままでは、広域連合が、国いいなりの出先機関になる恐れがある。
 今年12月の市区町村議会では、「規約」の審議が焦点になるが、後期高齢者医療広域連合設立準備委員会が決定した「規約」案では民主的な選出方法とはいえない。
 したがって、「規約」案の再検討を求めるものである。

1、 「広域連合」議会議員定数を増やし、すべての区市町村から選出を可能とする案にすること。
2、 「広域連合」議会議員選出については、住民(後期高齢者)の意見が反映できるよう区市町村議会の会派構成が正しく反映されるような制度に改めること。
3、 「広域連合」規約の中に「市町村議会への報告義務」「後期高齢者の意思反映の仕組み」「情報公開の徹底」などを明記するとともに、また、高齢者の実態に応じた保険料設定、市町村に住む後期高齢者からの意見聴取などをおこなうこと。
 以上、すでに「規約案」は準備委員会で決定されていることは承知しているが、再検討されるよう要望する。

特別区区長会 様
東京都後期高齢者医療広域連合設立準備委員会 様

2006年11月16日