予算修正案と提案理由説明
予算修正案
項目 考え方               金額(単位は千円)
1、大増税・負担増による区民の痛みを和らげる 「痛みやわらげ手当て」。税制改定の影響で、収入は変わらないのに大幅負担増となる区民(高齢者)に対し、年12000円を支給する。対象は13000人 156000
2、介護保険料負担軽減 介護保険料を値上げ前の水準に戻し、負担を減らす 2292547
3、介護保険改悪など福祉の後退から高齢者を守る @ 軽度要介護者の介護予防のために、一般寝台を日常生活用具の給付項目に加え、レンタル補助をする。本人負担は1割とする(月2500円負担→250円) 45000
A 生活援助ヘルパー派遣の1・5時間の上限化によりサービスが受けられなくなった高齢者に対し、必要に応じて、介護保険外で家事援助サービスを受けられるようにする(週2時間。1割負担) 73022
B 昨年より全額自己負担となった通所介護施設の昼食代の4分の1相当額分を助成する 9743
C 特養ホーム等運営費助成を削減せず18年度水準を維持する 44461
4、区民のいのちと健康を守り、真の介護予防をめざす  
(ガン検診の負担軽減)  乳がん健診の本人負担を2000円から1000円に減額。前立腺ガン健診は本人負担1000円から無料にする。 5360
(高齢者緊急通報システムの設置) ● 高齢者の孤独死対策として、緊急通報システムの自己負担をなくし、利用しやすくする。生保世帯、非課税世帯の者 月額500円(H18、19年度は300円)課税世帯の者 月額900円をそれぞれ以前のように無料で利用できるものとする。 1224
(高齢者入浴事業) 70歳以上の高齢者対象の高齢者入浴事業(入浴券支給)を、現在の一人5枚から10枚に増やす 80136
(紙おむつの支給) 所得制限を撤廃し、要介護3〜5の希望する高齢者全員に支給する 35017
5、障害者のくらしと命を守る 自立支援法の施行に伴い、支援費制度のときの利用者負担に戻す視点で組み替える。  
@利用料負担軽減その1(通所、居宅介護・短期入所・児童デイ) 105736
低所得者1および2の非課税世帯は負担ゼロとする
区民税課税世帯で均等割りのみ世帯は、一律1000円とする
所得割世帯は、負担上減額を減額する
A 利用料負担軽減その2(デイサービス利用者負担) 1209
地域生活支援事業のうち、地域活動支援センター(デイサービス)の利用料を無料にもどす
・対象は神明(74人)・谷在家(63人)・アシスト(37.3人)(10〜12月の利用実績から推計)
B通所施設の食事代の利用者負担増部分(@50円)を中止する。 4000
障害者の補そう具(補聴器・人口咽頭の電池交換、歩行補助杖先ゴムの交換など消耗品)補助を復活する 1953
※ 補聴器の電池交換388人、人工咽頭用電池交換80人、歩行補助杖先ゴム50人、計518人対象
6、子育て支援  
(子ども医療費助成) 子ども通院医療費助成を所得制限なしで中学3年生まで拡充する(準備期間も必要なので10月1日から実施) 260000
(母子健康審査支援) 妊婦健診補助の回数を増やし、安心して出産できるようにする。現在前期(23週まで)1回、後期(24週以降)1回実施しているが、後期の回数を4週に1回(4回分)にふやす。 110208
(保育料保護者負担軽減) 第2子以降の保育料を免除する。 128475
7、青年対策 18歳から39歳までの青年層で、未就業者やパート、派遣労働など不安定雇用の若者が年1回健康チェックを行えるしくみをつくる。 22270
(青年のための健康チェック事業) ● 生活習慣病予防健診と同様の健診を受ける(医師会委託)
8、青少年の居場所づくり 1010
(地域体育館使用料免除) 全地域体育館および総合スポーツセンターの個人利用(小中学生の一人100円程度の使用料)を免除し、無料とする。18年度実績10107人を見込む
(青少年居場所づくり会議) 中高生も参加する青少年の居場所づくり計画策定会議運営費 600
(青少年文化活動支援事業) 太鼓・ロックバンド、ピアノなど大きな音が出る音楽練習を身近な場所でできるようにする。※現在西部(鹿浜小)に1室、中部(ギャラク)に5室ある。東部(綾瀬周辺)、南部(千住周辺)、北部(竹の塚周辺)地域に各1ヶ所ずつつくる。調査費計上。 1000
9、地域産業支援  
(道路占用料) 区内産業支援の立場から、中小零細商店・事業所等の看板・ひよけなどの区道上空道路占用料を免除する。 21811
(商店街支援事業) @ 子育てパスポート事業のうち、5%の商店負担分を軽減し、協力店を増やすため、協力店に対し年間5万円を助成する。 360000
A 高齢者サポート商店街支援事業(高齢者が買い物をはじめ日常的に生活のよりどころとなる事業を拡充する商店街に助成する)1商店会のモデル事業を行なう(FAX設置、お休みどころ設置、段差解消・手すり設置の4分の3補助) 14625
B宅配サービス店支援―高齢者サポートとして、電話・FAX等による商品注文に応じ配達をする商店を募り、支援する事業。(サービス商店の一覧表を作成・配布する) 12000
(チャレンジショップ事業の拡充等) 駅周辺の商店街にチャレンジショップ展開のため、調査費及び家賃の2分の一助成をする。綾瀬旬間プラザ支援を18年度同様に継続する。綾瀬旬間プラザ補助を削減せず昨年同様とする 4370
10、困ったときに区民を支えるしくみづくり  
(生業資金貸付) 生業資金の貸付対象を非課税以下に限定せず拡大する。(3年連続で1〜2件の貸付件数を50件にする) 70381
(育英資金貸付事業) 貸付枠を増やす。年度途中からも借りられるようにするため、貸付枠は以下のとおりとする。「大学・専門学校30人⇒50人」「高校40人⇒70人」 26848
11、教育環境の整備  
(少人数学級の実施) 30人学級をめざしつつ、当面小学1・2年生と中学1〜3年まで、クラス担任になることのできる加配教員(75人)を活用し、35人学級に踏み出す。 そのためにTT、少人数指導に不足する分の特別講師を区が独自に採用する。 150000
(小学校図書室に司書配置) 小学校図書室に司書を配置する。(週30時間の非常勤で2校でモデル実施)図書ボランティアの育成や教職員と連携して児童生徒の読書力を高める。 5610
(子ども・学校の安全対策) 子ども・学校のの安全対策。「(仮称)安心安全推進員」を夏休み期間を除く年間11ヶ月間、全小学校に配置する。登下校時は危険個所に配置し、それ以外は郊外学習の安全対策など、学校と地域が連携して安全・防災などのさまざまな活動に寄与する。 65736
(学校運営予算) 学力テストの結果などで、各学校間で予算に格差をつける区の予算配分を是正する。教育長は学校配布予算は減らしていないとマスコミ等で述べているが、昨年より3000万円余減らしている。そこで教育指導費よりがんばる学校支援事業を全額削除し、小中学校の学校管理事業費に加えてどの学校にも予算を増やすよう入れ替える。(小学校費) 186235
同上(中学校費) 251964
教育指導費のがんばる学校支援事業を全額削除する -438199
12、環境・ゴミ・リサイクル  
(要介護高齢者等へのゴミの個別収集) 「要介護高齢・障害者等の世帯」「孤独死対策(新宿区同様に85歳以上の全高齢者を対象とし、希望者を定期的に訪問し、ゴミだしを行う)」のために個別収集を行なう。 31862
(プラスチックゴミの資源回収) 容器リサイクル法に基づき、プラスチックゴミの資源回収を行なう 110000
13、区民の自主活動支援  
(住区センター使用料) 地域住民のコミュニティ・自主活動支援のため、住区センター施設使用を無料にする(新年度新たに有料となる団体179) 24192
(社会教育団体・スポーツ団体施設使用料) 生涯教育施設の施設使用料を2分の一に減額する 91912
14、平和事業 平和憲法施行60周年の節目を迎え、以下の事業を行う。@原爆展への助成A記念誌「憲法の話」等を発行し、中学生全員と希望する区民に配布する。B 平和使節の派遣。C平和モニュメントの設置 D原爆被爆体験及び戦争体験を風化させない。証言集とDVD作成 E平和映画祭(庁舎ホールにて)を開催する 20199
必要な財源(計)   4388517

財源対策(不要不急の事業の見直し、増税等で増収となり膨れ上がった積立金等を活用する(生み出される財源)
事業名 内容  
議員報酬の削減 10%削減する 61626
市場化テスト 20年度実施への準備経費を全額削除する 704
サーマルリサイクル拡充 分別・リサイクル意識形成にも地球温暖化にも逆行するサーマルリサイクル(プラスチックの焼却)予算を全額削除する 142761
学力テスト 区独自の学力テストとその結果公開によるランク付けを中止する。該当部分の歳出予算の全額カット 44638
財調基金とりくずし   3902228
大型ビジョン管理運営 事業費を昨年並みに削減する 9712
一般区営住宅改修整備資金積立基金 具体的計画も見通しもないのに更に積み立てる部分を減額する 100000
予備費 例年同様の金額とする 100000
育英資金積み立て基金 育英資金拡充部分のみ活用する 26848
  4388517

予算組替え案の提案理由説明

ぬかが和子議員


 本日提出いたしました第5号議案 平成19年度足立区一般会計予算、及び第7号議案 平成19年度足立区介護保険特別会計予算の修正案について、提案理由の説明を行います。
 本修正案は、日本共産党足立区議団に所属する予算特別委員会委員全員が提出者となり、提案するものです。
 新年度予算の特徴を一言で言えば、財政あっても区民の暮らしを支える視点がない予算と言えます。最終補正予算と新年度予算は、一体で見ていく必要があります。
 最終補正で153億円積み増しし、基金残高は年度末で647億円に達しました。特に昨年は、区民には増税負担増を押しつけ、区は1年間で赤ちゃんからお年寄りまで1人当たり3万2,000円をため込む、23区トップクラスの211億円もため込みました。
 区長は、広く薄く負担を求めるのは当然という認識を示しているように、19年度予算案でも、区民の負担を軽減する内容は極めて不十分と言わざるを得ません。
 昨日の委員会で、与党委員から、基金をためるのは景気の悪いときに備えるための旨の発言がありました。この立場から言っても、まさに今こそ基金を活用すべきときです。
 そこで、基金総額の6%を活用し、むだを省き、財源を生み出して、区民の負担を軽減し、暮らしを応援する新年度予算とするために、本修正案を提案するものです。
 一般会計歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ2,203億円をそれぞれ2,239億円余に改め、介護保険特別会計歳入予算の保険料収入を減額し、繰入金を同額増額するものです。
 その特徴の第一は、増税負担増や制度改悪の影響を軽減し、困ったときに区民を支え、区民生活を守るというものです。
 税制改定の影響で、収入は変わらないのに大幅負担増となる区民に対し、年1万2,000円の痛みやわらげ手当を支給し、介護保険料を値上げ前の水準に戻し、負担を減らします。
 介護保険改悪によって切り捨てられたサービスを復活し、高齢者福祉を向上します。
 軽度要介護者の一般寝台、ベッドを日常生活用具の給付項目に加え、レンタル保証することで、本人負担を月額2,500円余から1割負担の250円余とし、生活援助ヘルパー派遣は1.5時間の上限化によりサービスが受けられなくなった高齢者に対し、必要に応じて介護保険外で家事援助サービスを受けられるようにし、昨年より全額自己負担となった通所介護施設の昼食代の4分の1相当額分を助成します。
 特養ホーム等運営費助成は、削減せずに、18年度水準を維持するものです。
 障害者自立支援法によって負担が増え、政府の軽減策を講じても、なお低所得者は負担増です。支援費制度のように利用者の能力に応じた負担に戻すため、通所や居宅介護、ショートステイ、デイサービスなど、在宅サービスの利用者負担を軽減します。
 昨日、区は、障害者の通所施設への食事代の補助の継続について、前向きな意向を示しましたが、それを裏づけるものとして、1人1食50円の増額を中止する予算を計上します。
 障害者の補装具の電池交換補助などの復活や緊急通報システムの月額利用料の無料化は、合わせてわずか317万円で多くの障害者、高齢者の命を支えられるものです。
 また、生業資金の貸し付け対象や育英資金の貸し付け枠を拡大し、いざというときに区民を支える仕組みを強めます。
 第二は、区民の暮らしと健康、中小商店や業者の営業を守り、子育て支援など新たな区民要望にこたえるものです。
 子育て支援は、真に子どもの未来を育む立場から、経済的支援を強化し、負担を軽減します。
 子ども医療費助成は、10月からの都制度実施に合わせて、通院部分も中学3年生まで拡大し、保育料は、第2子以降を現行の2分の1の軽減から免除へと拡大します。
 妊婦健診の補助回数を増やし、1回数千円する負担を軽減します。
 区民の命と健康を守り、介護予防も前進させる立場から、有料のがん検診の負担軽減や、外出の促進策になる高齢者入浴券の枚数を現行の年5枚から10枚に増やし、紙おむつの所得制限も撤廃します。
 不安定雇用などの若者を対象にした健康チェック事業や青少年の居場所づくりを抜本的に強化します。
 まちの活力を育むためには、今の区内業者を支援することが不可欠です。中小零細商店、事業所等の看板などの道路占用料は、都道並みに免除を行い、まちの宝・商店街支援と高齢者の買い物サポートをリンクさせ、宅配サービス店支援や、高齢者サポート商店街支援事業を行います。
 創業支援として、実績のあるチャレンジショップ支援の予算ゼロを見直し、新たに展開をさせます。
 子育てパスポート事業では、商店の負担軽減も含め、協力店に助成をすることで協力店も増やします。
 第三は、教育、スポーツ、文化、環境、平和などの課題を推進するものです。
 学力向上と教育の充実は、だれもの願いです。真に学力向上につながる少人数学級に足を踏み出し、クラス担任になることのできる加配教員75人を活用して、小学1、2年生と中学1から3年生まで35人学級を実施します。そのために不足するティーム・ティーチング少人数指導の分について、特別講師を区が独自に採用します。
 また、小学校の図書室に専任の司書をモデルで配置し、荒川区などのように、図書ボランティアの育成や教職員と連携して児童・生徒の読書力を高めます。
 子ども、学校の安全対策として、「(仮称)安心・安全推進員」を小学校全校に配置します。
 学力テストの結果で各学校間の予算に格差をつける区の予算配分を是正し、どの小・中学校にも配当予算を増やすようにします。
 環境、ごみ、リサイクル分野では、容器包装リサイクル法に基づき、プラスチックごみの資源回収を行います。
 また、清掃移管により、きめ細やかな対応ができるようになった利点を生かし、孤独死対策としても効果的な要介護高齢者、障害者や必要な世帯を対象に、ごみの戸別収集を行います。
 区民の自主活動を支援することは、人間力を育む上でも不可欠であり、住区センターを無料に戻すとともに、社会教育団体、スポーツ団体施設使用料の2分の1の減額を行います。
 平和憲法施行60周年の節目の年を迎え、平和事業を拡充し、記念誌「憲法の話」の発行や平和モニュメントの設置、原爆被爆体験や戦争体験を風化させないためにも、証言集の作成、庁舎ホールを利用しての平和映画祭などを行います。
 第四は、不要不急の事業については削減するものです。
 地球温暖化対策にも、分別リサイクル意識啓発にも、逆行するサーマルリサイクルモデル事業の拡充は中止するとともに、区独自の学力テストとその結果公表、序列化を中止します。
 区営住宅の改築やエレベーターの設置は必要なものですが、基本計画をはじめ、各種計画の見通しがない中、区営住宅基金積み立てのうち、今すぐ積み立てる必要のない1億円を削減します。
 予備費も、過去5年間の執行状況を見ても、2億円を超えたことは一度もありません。よって、1億円減額し、平成13年度水準の2億円に戻します。
 また、財調基金は39億円余を取り崩し、活用します。
 さらに、区民の生活が厳しくなっている中、議員報酬を10%削減し、区民施策充実の財源に充てます。
 以上、一般会計予算の2%を増額することによって、区民の負担を軽減し、生き生きと活動することを応援できる予算になると確信いたします。
 なお、修正案に関連する条例のうち、介護保険改正条例、自立支援法の負担軽減条例、保育料の負担軽減条例、痛みやわらげ手当支給条例は、既に提出済みですが、修正案が可決されれば、直ちにほかの必要な条例改正案を提案する準備をしております。
 是非、積極的にご審議をいただき、ご賛同賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。