千住西地区施設再配置関連議案への反対討論 大島 芳江議員 |
○大島芳江議員 ただいま議題となりました第21号議案「足立区立地域集会所条例の一部を改正する条例」、第22号議案「足立区立児童館条例の一部を改正する条例」、第23号議案「足立区立学童保育室条例の一部を改正する条例」、第24号議案「足立区老人集会所条例の一部を改正する条例」、第26号議案「足立区区民ホール条例を廃止する条例」、第27号議案「足立区立老人館条例を廃止する条例」、以上6議案に日本共産党足立区議団を代表し、一括して反対の立場から討論を行います。 この6議案はいずれも「千住西地区公共施設再編整備」により、千住地域の国道4号線西側の、区民に身近な公共施設6カ所を一度に廃止するための条例です。 この地域は現在、区が審議会を設けて検討を進めている「公共施設再配置計画」のモデルと言われ、千住元町にある千住児童館、老人館、学童保育室、区民ホールを廃止、千住北部集会所、千住龍田町老人集会所の6施設を廃止して、それぞれの機能を旧千住福祉事務所跡につくる住区施設と、学校統廃合によって新たに開校する千寿双葉小学校、さらに千寿桜小学校の3カ所に分散して入れるという、これまで30年にもわたってつくり上げてきた地域コミュニティをずたずたにする大規模な施設の再編が行われることになります。 さらに加えて旧第三中学校の体育館が廃止され、元宿小学校がなくなり、お年寄りの生きがい、働きがい、収入源となっていた授産場まで廃止されるのです。これほどまでに身近な施設を一度に廃止された地域がほかにあったでしょうか。 それどころか、区はこれまで全区、準全区、ブロック、住区、基礎住区という五層構成の主要公共施設の配置基準をつくり、整備してきましたが、第一ブロックの千住地域にはいまだにブロックセンターがありません。地図に施設の開設、廃止を落としてみると歴然ですが、この地域では、このほかに旧千寿第六小学校、旧第三中学校がなくなり、千住図書館がなくなり、千住西地区の北側には公共施設が本当に少なくなりました。施設の配置バランスも欠いています。しかも跡地のほとんどが売却という計画では、あまりにも安易な選択です。区民の財産を一体どのように考えているのでしょうか。跡地は区民のために有効に活用することこそ自治体の使命であり、区民の求めているところです。 「公共施設再配置計画」の答申は、今年度末に出されるということですが、議会でその答申を一度も議論することなく、モデルとして実施される再編整備だけはどんどん進める、ここに鈴木区政の住民無視の姿がはっきりと現れています。 公共施設の再配置について言えば、区は「人口減少社会がくる」、「施設の一斉更新時期がくる」、「そのための経費や維持管理費額が財政に大きな負担となる」と言って施設白書を作成し、公共施設再配置審議会を設置しました。しかし、議論の中で区が明らかにしたように、人口減少社会については、「10年くらいは人口は横ばい、2012年に66万人に達し、それから緩やかに減少傾向に入ってくる」という状況であり、施設更新でも、リファイン建築で行うと、工期は半分、費用も半分、そして30年から40年、施設が延命されるという願ってもない工法があるというのです。 いま国をあげて少子化対策、人口減少社会克服のために取り組みが進められています。人口推計値はあくまで推計、これをベースにすべてを考えるのは、地域の特性と地域住民の要望に即した施設のあり方、必要性など、自治体として当然の役割を後景に追いやるものです。住民の意向を尊重するというのなら、施設を減らすのではなく、区民のコミュニティの核となり、高齢者や子どもたちが利用できる公共施設を身近に整備していくことこそ求められていると考えます。 議員各位におかれましては、地域コミュニティの核となってきたこれらの施設を廃止することのないよう、賢明な判断を期待して討論を終わります。 |
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