予算特別委員会の質問等第1日目

大島芳江議員


ためこみ金652億円―足立区にないのはお金ではなく、区民を思いやる心です

○大島委員 よろしくお願いします。
 先ほど自民党の藤沼幹事長さんの方から、足立区は国の景気の動向などで左右される区なんだというような、財政的な基盤の問題でお話がありましたけれども、これは足立区だけじゃなくて、全国どこでも、国の景気動向とか、国の法改正、制度の改正、こういったものが変わるたびごとに、まさに翻弄するというような状況にあると思うんですね。
 そういう中で、地方自治体、まさに住民の自治、自ら治めるというその精神を発揮する、そのことが今、求められていると思います。
 今度の中で、特に国の税制改定の影響というのが大変大きなものがあります。19年度は、定率減税の全廃、それから所得税から住民税への税源移譲ということになるわけですけれども、こういったフラット化の問題などによりまして、納税者の全員、足立区でおよそ28万2,000人が増税になると聞いておりますが、そのとおりでしょうか。
○区民部参事(税制改正) ご指摘のとおり28万2,000人、所得割を納める方は、税率のフラット化、定率減税廃止、これは影響を受けます。
○大島委員 今回、三位一体改革の税源移譲ということで、個人住民税の税率が10%に統一されて、でも、住民税が増えても所得税が減るから納税者の負担は変わらないんだと、こういう大宣伝がされています。
 しかし、今回、同時に実施される定率減税の廃止、これによる増税の影響とか、それから昨年65歳以上の非課税措置の方たちの廃止に伴いまして経過措置を受けている人、つまり昨年と収入は変わらないんだけれども、非課税から課税になった1万3,000人の方は、住民税のフラット化と合わせてさらに増税になると思うんですが、いかがでしょうか。
○区民部参事(税制改正) 非課税措置の経過措置、これは1万3,000人おりますけれども、確かにこのフラット化においても影響がありますけれども、この方々は税額が低いと。税額が低い場合は、今回も所得税から住民税への税源移譲で負担が変わらないような形、調整措置の制度がありますので、その調整措置によって、税額がほとんど変わらない方も結構おります。
○大島委員 フラット化の方はそうでしょうけれども、実際には非課税措置の経過措置の廃止というのは結構大きいものがあるなと思っているんですね。
 まず、経過措置に該当する人というのは、一昨年住民税がゼロの方でした。昨年は3分の1課税ということでなったわけですが、今年はさらに3分の2とその軽減策の部分が縮小して増税になっていく。
 単身者の方で、年金収入200万円の65歳以上の方はどうなったかといいますと、一昨年はゼロでした。昨年は6,900円、今年は2万4,900円。それから年金収入240万円の方は、一昨年はゼロ円、そして昨年は1万2,400円、今年は4万8,400円となるということで、これは区民環境委員会の中でもこのように答えられていたんですが、そのとおりですか。
○ 区民部参事(税制改正) 区民環境委員会で答えたとおりでございます。

低所得者ほど大きな負担

○大島委員 つまり住民税のフラット化ということが、一つは大きなネックになっているんですけれども、これはまだ所得税の調整があるから大丈夫だということなんですが、それ以外にも、様々な要因で、特に低所得者ほど大変な負担になるということが示されているんですね。
 特にフラット化の問題で言えば、課税所得が200万円以下というのは、所得割の税率が5%から10%に2倍に引き上げられる。それから、700万円以上の高所得者の方は、逆に税率が13%から10%に引き下げられるということなんですが、それぞれの納税者の数というのを「足立の税」で見せいただいたんですけれども、200万円以下の納税者というのはおよそ17万7,000人、700万円以上というのは9,600人、つまり増税に、倍になるというのが全体の納税者の63.43%、そして逆に低くなるというのが全体の納税者の中の3.4%ということなんですが、そのとおりですか。
○区民部参事(税制改正) 「足立の税」に書いてあるとおり、その割合で影響を受けるようになっております。
○大島委員 そして、特別区民税というので今年度の予算を見ますと、前年度に比べて68億円増収になっているんですね。多分、その分は国が減税になっているということになるわけですが、本当に低所得者ほど負担が重いと、こう言わざるを得ない状況です。
 所得税は軽減されていると言うんですけれども、住民税の増税というのは、そのまま国保料とか介護保険料に跳ね返ることになっています。その影響はどの程度と予測しているのでしょうか。
○政策課長 国民健康保険料は、今、軽減措置等について検討されていると思いますけれども、介護保険料の場合は、所得額によってやっておりますので、特に影響はないんだろうと考えております。
○大島委員 国保の方も、一応今、条例が出ていまして、特例措置を設けるということで負担を軽減するんだと言っているんですが、65歳以上の年金所得、「一人世帯のモデル」というのをいただきまして、それで見ますと、年金所得100万円の方は540円の増額、保険料ね。それから、200万円の方で9,765円増額、250万円の方で1万105円の増額、300万円の方で1万5,912円の増額、400万円の方で1万3,406円の増額ということで、400万円までの方は全部保険料増えちゃうんですね。
 逆に、今度は500万円の方はどうなるかというと、マイナスになっていて、2万9,354円減額になる。600万円の方はどうかというと、6万716円減額になる。700万円の方は5万1,600円減額になるということで、ここにも低所得者ほど負担が重いという結果が出ているんですが、いかがでしょうか。
○こくほ年金課長 これはあくまでも19年度のモデル試算ということで、個別の控除等は見込んでいないということでお尋ねかと思いますけれども、おっしゃるとおりだと思います。
○大島委員 昨年度2006年度から、国保の保険料の減額措置ということで、3号該当というのが足立区実施されました。これは2割減額になるということなんですが、これはお聞きしましたら、均等割の割合が45%を超えたということで、そうなると政令で実施できるようになっているみたいなんですが、これに該当したのは足立、葛飾、北、墨田の4区だけだということなんですね。
 均等割のみの世帯などが、低所得者なんですけれども、こういう人たちが多いということの現れじゃないかと思うんですが、こういう方たちというのは、国保加入者の何%ぐらいになるんでしょうか。
○こくほ年金課長 課税標準で申し上げますと、19年度の推計でございますけれども、課税標準がゼロの人、世帯ではなかなかとらえ切れないことがありますので、あくまでも人数でお答えさせていただきますけれども、課税標準がゼロの方が全体の64%、課税標準でいう200万円未満、要は従来から住民税が5%の層ですが、これが29%、合計で93%が低所得者層と言っても差し支えないのかなと思います。
○大島委員 確かに、そういう意味では、こういう方たちの負担が重くなるというのは、この間、明らかになってきたところなんですね。
 高齢者の負担という点では、医療制度の改悪というのも非常に大きくて、この法律が通ってから、昨年10月から、現役並み所得の高齢者の方は窓口で払うお金を2割から3割に引き上げられて、長期入院する70歳以上の高齢者の方は食費とか居住費の負担が引き上げられると。逆に、頼みの綱の年金は0.2%から0.3%に減額されるということなんですね。本当に高齢者の方たち大変だと思うんですよ。
 先ほど地域力、活力の源だということで、町会自治会の方にアンケートをとったということで、町会自治会長さんからのアンケートの結果というのは、区民環境委員会の資料でいただいたんですけれども、この中で本当に大変だなと思ったんだけれども、本当に頑張っていますよね、高齢の方たちも、一生懸命。その中で、税が上がり募金集めが困難と、回答しているところがあるんですね。
 そこでは、各種上納金は自治会で負担をしているので、一切断ろうかと考えている、年金は下がり、所得税、区民税、介護料も上がる、そんなときに募金を頼めないと書いてあるんですね。
 本当に町会などで地域の中でお世話活動なんかやっている方たちは、その実態をこういう形で見てアンケートに書き込まれているんだなと私は思います。
 本当に暮らしていくのが大変になっているんじゃないかなと思うんですけれども、この点についてはどのように感じていますでしょうか。
○政策課長 高齢の方々、そういう声はあるんだろうなとは思いますが、これは現役世代と高齢者の世代をこれから持続的にやっていくための国家的な議論の中でこのような結論になったことだろうと、数多くの方は理解しているのではないかと思っております。
○大島委員 理解してないと思いますよ。本当に大変だからということで、そういう声があちこちで聞こえている、それの現れの一つだと私たちは思うわけですね。それを理解しているなんて考えているから施策が間違っちゃうんじゃないかと、私思います。
 そういう意味では、この定率減税の廃止、それから住民税のフラット化ということで、未来を育む保育園の保育料、これも大きな負担増になってくるんじゃないかと思います。
 住民税のフラット化による影響はC階層に現れると。また、定率減税半減の影響はD階層に現れると思いますけれども、その影響はどうでしょうか。
○保育課長 以前にもお答え申し上げていますけれども、定率減税が導入時に、足立区では保育料の改定等、値上げ等は実施しておりません。したがいまして、今回、もとに戻ったという見解に立っています。
 今、C階層の上の部分、要は、所得が少ない部分の方々については若干の影響が出るのかなということで、その分析はさせていただいて、まだ方針等は決めておりませんけれども、分析等だけはさせていただいているというところでございます。
○大島委員 定率減税があったときに保育料改定していないと言っても、鈴木区長になってから2回も上げて、しかも平成20年度にはまた値上げになるということで、その路線ずっと引いてきちゃっているんだから、そういう意味では本当に大変だと思うんですね。
 特に今、低所得者層、いわゆるC階層などについては、若干の影響があるということで認めていらっしゃるわけですから、そこに対する対応というか対策というのは、これはぜひともやっていただきたいと思います。経過を見るだけで終わってしまいますと、すぐ平成20年にはまた値上げになっちゃうんですよ。その点については、ぜひ考えていただきたいと思います。
 厚生労働省の方はどうかと言えば、この保育料の負担増の影響を避けるために、昨年の12月、所得基準の変更を地方自治体に通知したと聞いています。所得税区分を変えるということで、所得税が増えても今の保育料が増えないようにするというための措置ですけれども、実際の保育料の所得基準は区が条例で決めていますので、これを変えなきゃならないんですが、子育て世代の負担軽減ということを考えて、ぜひ区でもこの負担軽減ということで実施をしていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
○保育課長 この関係につきまして申し上げれば、国の保育料改定した後すぐ基本的な方針として、国が取ってもいいという基準を示しておりますけれども、足立の場合、それの50%しか徴収をしていないという状況にございます。
 したがいまして、国がそういう方針で出されても、到底そこまでのお金を徴収していないという状況でございますので、こういう点については、例えば20年度になった場合でも国の基準の60%程度の保育料しかいただいていないという状況でございますので、改定するという考え方にはならないということでございます。
○大島委員 それが冷たいというんですよ。あの冷たい国でさえ、定率減税の削減等については影響が大きいだろうということで、保育料を軽減してやるためにその所得基準を変えようと言っているんですよ。
 確かに、足立区の保育料というのは、国の基準に比べると安いと言われるとおりかもしれません。しかし、その安い中でも、今まで預けている人たちは、この定率減税の影響というのは今年から受けるわけですよね。ですから、そこに目を向けて考えてもいいんじゃないかというのを、私質問したわけなんですね。それを国の基準よりも、国が変えるというその精神さえも取り入れようとしないというところに、本当に今の自治の発揮というのが無いなと思います。
 また、区長は、持続可能な制度の構築のためには、広く薄く負担を求めるのは当然だというご認識を本会議でいたしました。恒久減税ということでやってきた定率減税が廃止になったことも、景気回復のために暫定的に導入された税負担の軽減措置が廃止になったんだと、当然のように受けとめていらっしゃるんですけれども、今、実際に区民の暮らしへの影響というのを区長はどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。
○ 区長 今、委員さんがおっしゃったとおり、定率減税というのは臨時的な措置でありまして、それが廃止になったのではなく、もとに戻ったということでございますので、私どもはそういう認識で対応していきたいと思っております。

都区税制調整制度は23区どこでも均一な施策が受けられるようにするもの

○大島委員 景気回復のために暫定的にと言っていましたけれども、国はこれを恒久減税としていくんだと、あの当時言っていたわけですよ。
 そういうことを、景気回復したからと言ったって、景気の回復の実感なんか区民の中にどれほどあるんですかね。私はほとんどないと思いますよ。そういう中でこれがなくなると、だから苦しいと、こう言っている声を受けとめる気もないというのは、本当に冷たいと思いますね。
 区長は、今度の1定のあいさつで、歳入の約4割を財調交付金に依存していると、税収等の収入変動に対して柔軟かつ臨機応変に対応することが極めて難しい構造だと、こういう認識を示しました。しかし、都区財政調整のこの制度というのは、大都市行政の一体化とか、統一性の確保のために、東京都と特別区の間の財源の均衡化を図るということとか、それから特別区相互間の財源の均衡化を図り、そして特別区の自主的で計画的な運営を確保する、これが目的で、もともとこの制度というのが実施されているわけなんですね。
 その基本的な事項というのは、自治法改正で地方自治法に規定されましたし、法律上の財源保証制度としても明確に位置づけられているんですね。
 調整3税というのも、景気の動向でいろいろ動くということはありますが、もともと区に入ってくるようなお金、これを東京都に預けて、そして23区どこに住んでいても均一的なレベルで施策が受けられるようにすると、こういう配分の意味があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○財政課長 委員ご指摘の財調についての制度の趣旨はそのとおりだと思いますが、ただ、私ども区長から直接指示を受けて今回も編成した内容につきましては、要は、都区財調も地方行財政制度の一環でございます。また、委員が今、ご指摘いただいたように、あくまでも法律上の制度でございますので、法律改正があればというリスクは、23区の中においても足立区が一番大きいということでございます。
 なお、調整3税につきましては、13年から14年のときにITバブルがはじけた関係で、都交付金50億円単年度で失ってございます。ですから、そういったリスクを踏まえて、将来にわたって区民の皆様に安定したサービスを供給するためには、区長が本会議で申し上げたとおり、後年度に備えるといった財政運営が非常に重要だと、このように考えているところでございます。
○大島委員 確かに、その調整3税、景気の動向の影響を受けやすいというのはありますけれども、1月31日の都区合意ということで、これまでの52%が55%になったということ、その中で2%は三位一体改革の影響分で、1%は都の補助事業を区の自主事業にするためのものだということでした。
 昨年1月の主要5課題の整理についての都区合意事項というのを見ますと、三位一体の改革として都から提案された調整率2%アップというのは19年度以降やるよと、これはあるんですけれども、影響の全体像を見きわめて、平成19年度の財調協議において合意できるように努力するというのが最後のやつだったんですよね。
 そして、この1%というのは、全くどこにも出てきてなかったわけです。大きく違うのは、この1%、特に都支出金の一般財源化ということになるんですね。これの方がもっと影響を受けやすいと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○財政課長 三位は、主要5課題のころから都区間に大きな認識の隔たりがございました。ただ、区側がこの間主張してきましたのは、あくまでも財調上の積み上げではなくて、三位一体改革の影響額だということで、777億円を主張してきたというところでございます。
 最終的には、委員ご指摘のような1%が都補助事業の振り替えになったということで、時間等の制約から保健福祉局の事業に限定してということになりましたが、私ども事務レベルといたしましても、例えば認証保育所の問題ですとか、ひとり親家庭医療費助成事業、こういった今後需要が大きく伸びそうだと想定される事業については、やや警戒感を持って臨んでいるというところでございますので、本来ですと特定補助金が入る分が財調に振り替わったということについては、多少今後財政運営上さらに気を引き締めていかなければならないと、このように考えているところでございます。
○大島委員 その不安定な要素を何で受け入れちゃったのかなと、逆に思っちゃうわけですよ。配分率が多くなるというのはこれまで主張してきたことだから、それは私もいいと思うんですけれども、この1%が、先ほど言ったように需要が今後大きくなるということが予測される、それからもう一つは、調整3税の財源がフレームが小さくなってくる可能性もあるわけですよ。いろいろ変わってくる。そうすると、一番ここが影響を受けちゃって、今までだったら補助金だから、その事業を実施することにちゃんとお金ついてきた。それが、今度一般財源化されたから、その中に入っていますと都は言うでしょうけれども、入っているお金だけじゃやれないと、こういうことだって当然出てくると思うんですね。
 そういうところで、非常に不安定要素が大きいと、私思うんですけれども、その点について、例えば区は、過去に一般財源化された敬老金を打ち切ったという経過もありましたし、今後もこういった一般財源化されちゃった補助事業について、区としても継続していくんだということを確認したいなと思うんですが、いかがでしょうか。
○財政課長 今、申し上げた二つの振り替え事業については、特に19年度予算編成を見ていただければわかりますように、区長から、子育て支援については思い切って踏み込むような施策展開をずっと言われてまいりましたので、当然そういった方向で今後とも施策を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○大島委員 継続するということはすごく大事な事業ですよね。子育て関係、乳幼児医療費、障害者グループホームの事業、ひとり親家庭の医療費の補助、認証保育所の事業、家庭福祉員の事業、全部福祉関係のやつが入っているわけですから、しかも増大する財政需要ということから考えても、本当にこのまま継続してもらえるのかどうか危ないなと私なんか思っちゃうわけですよ。
 特別区の交付金というのが非常に増えまして、これは景気の動向があるということなんですけれども、2006年度の最終補正予算後は1,008億円ですかね。もう1,000億円を超えたということで、本当に大きいなと思いました。
 今、景気が回復しているという中なので、この調整財源はもっと増えるんじゃないかと、つまりフレームがもっと大きくなるんじゃないかとも思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○財政課長 予算編成時と現時点でも、ほぼ同様な見方をしてございますが、景気の動向に当然大きく左右されるわけでございますが、19年度につきましては、18年度並みの調整3税が収入されるだろうという見込みでございます。
 なお、それがいつまでもつかということにつきましては、23区課長会でもるる議論がありましたが、当面20年ぐらいまでは何とかいけるんじゃないかと、そういった非常に短期の見込みしか立ってございませんが、そういった形で対応しているところでございます。
○大島委員 そういうことで景気の回復というのがもし感じられるとしたら、この財調財源ぐらいかななんて、私思っちゃうんですが、景気の影響ということで見るということと合わせて、区長の財政運営の問題で少しお聞きしたいと思いますが、財政運営上の目標に基金残高の回復というのを区長は挙げて取り組んできたと、このようにおっしゃいました。
 2006年度の最終補正予算を見てみましても、区民の施策などを削ってきた、余らせた、そういったお金の積み戻しなどを含めまして、トータルで153億円余積み増ししました。その結果、647億円という最終補正でため込み金を持つ区になりまして、これは港とか江戸川とか大田とかに次いで4番目と、調査の方では聞いております。
 藤沼委員さんが、景気の影響を非常に受けるということで、平成2年の積立額750億円が平成11年に250億円になった、負債も増えたということで、吉田区政の時代にちょうど減ってしまった。古性区長から引き継いだときは本当に空っぽな状況だったんですけれども、そのときに借金の返済よりも新たな借金を少なくする、逆転をさせるということで、財政再建のレールを吉田区長時代に引いてきたと、その上をずっと今も走っているのかなと思います。
 区の中期財政計画では、基金残高500億円、これを目標とすると言ってきましたけれども、これを大幅に増やしていると。
 先ほどの藤沼さんの質問の答弁には、平成17年度平均値を当てはめると1,000億円ぐらい必要なんだと、区債と基金がイコールになりつつあるんだと、こう言っていまして、当初の計画の土俵を勝手に大きくしちゃって、その中でさらにため込みやすいような環境をつくっているとしか思えないんですが、いかがでしょうか。
○財政課長 中期財政計画の中にもうたってございますが、当面の負債比率の目標値を23区の平均値に置くということで、策定時は500億円という数字を挙げましたが、当然、その負債比率、23区、当区よりもさらに加速度的に改善しているということを当てはめますと、同じ23区共通のサービスを継続的にするのであれば、財務状況も同じように保つ努力が必要だと、こういうことでございます。
○委員長 大島委員、あと3分です。
○大島委員 区民の暮らしが本当に苦しくなっているときに、土俵を広げてため込むことだけに邁進すると、これはいかがなものかと思います。
 大体、この2006年度の最終補正でため込んだ分というのは、2007年度の区民施策の充実のために使うべきものなんですよ。税制改正による区民の痛みを軽減することには一向に使おうとしない。
 認証保育所の利用者の助成事業というのも、認可保育所に預けられずに、高い保育料払って認可外の保育所にお子さんを預けている、そういう区民にとっては、待ち望んでいた事業ですし、私たちもぜひそうしてほしいと思っていました。しかし、この財源は、同じ子育て世代である保育所の入所者の保育料を充てると、こう言っているんですよね。
 また、今回、子育て支援のパスポート事業もやるということで、これも我が党が提案した次世代育成クーポンの発想に非常に似ているなと思うんですけれども、いずれにしても、子育て世代を応援する施策というふうに私たちは考えています。
 しかし、これも今、不況で苦しんでいる商店の方に5%の負担をかぶせると、こういう内容になっています。これでは、「子どもの未来とまちの活力を育む予算」と言えないんじゃないでしょうか。
 区民の暮らしよりも区財政を優先する予算じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○財政課長 子育て支援の施策、今回の19年度当初予算の中身を見ていただければご案内かと思いますが、とにかくタイトルにもございましたように、足立の子どもたちのための未来の投資、こういうところに最大限財源を充てているということでございますので、決して委員のご指摘のようなものではないと考えてございます。
○委員長 大島委員、1分割りました。
○大島委員 増税負担増で税収が増えて、区民の負担が重くなる分、区の負担が軽くなる、ため込み金も増えるというのが、この予算の特徴だと思います。
 基金の積立額は、2007年度当初の残高で652億1,600万円、15年度末では255億円6,000万円だった積立金が、この4年の間で396億4,900万円も増えている。400億円近く増えて2.5倍になったと。相当に財政的な余裕が生まれていると言わざるを得ません。
 私たちは、この積立金の一部を使って区民の痛みを少しでも和らげようと、痛みやわらげ手当の支給条例、今、議会に出しておりますが、これはおよそ1億5,600万円でできる仕事なんですね。
 区長は、このような低所得者に重くのしかかるような増税や負担増、そして格差と貧困を拡大する構造改革路線を一層進めながら、痛みを和らげる施策の実施を拒否し続けていると言わざるを得ません。
 私は、足立区にないのは、お金ではなくて区民を思いやる心だと思います。少しでも区民の痛みを和らげることに目を向けてほしい。そして、区民の暮らしを守るという自治体の使命を果たしていただきたいと、このことを述べまして終わりにいたします。