予算特別委員会の質問等第2日目 ぬかが和子議員 |
環境対策・廃プラスチック焼却について問う ○委員長 引き続き共産党から質疑があります。 ○ ぬかが委員 それでは、(予算修正案提案に続き)今度は質疑の方に入らせていただきます。 地球温暖化対策は人類共通の課題 私の方からは、環境、清掃行政についてお伺いします。 地球の温暖化対策は、人類共通の課題です。大量生産、大量消費、大量廃棄を伴う事業活動や家庭生活から発生するCO2 などの温室効果ガスがオゾン層を破壊し、気候が変化、氷河や永久凍土が解けるなど、この間テレビでも繰り返し特集で報道されています。 地球環境問題は、国際的なレベルでのルールづくりなどとともに、足元から従来の生活を見直しし、それぞれの立場で省資源、省エネルギーなどの行動を実践することが大切です。 例えば1枚のポリ袋を使わないで、ごみとして出さないだけで、20ワットのエネルギーの節約になり、その分CO2 の発生を抑えることができます。 私が驚いたのは、例えば缶ジュース一本で、これ製造コストを入れますと、小型テレビ10時間分のエネルギーだそうです。ごみになるものを購入せずに削減をする、減量するリデュースを中心に3Rを進めることと、それから緑化やCO2 削減などの直接的な地球温暖化対策の両側面から、環境施策を進めることが必要だと考えています。 そこで、お伺いしますけれども、3Rの中でも、まず、リデュース、発生抑制が最優先であり、次にリユース、再使用、そして残ったものがリサイクル、再利用だと言われていますけれども、これはどうしてでしょうか。 ○環境推進課長 今、委員がお話されましたとおり、缶ジュース一本製品化するには、その時点で当然労力やエネルギーが消費されております。 つくられてしまったものは、繰り返し使うということが大事ですし、またその後にリサイクルということも大事なんですけれども、リサイクルをするためには、またさらにその上に労力やエネルギーがかかるということで、私たちのCO2 削減のための行動には、リデュースが最も基本ということに考えられると思います。 ○ぬかが委員 そういう点で、まず、ごみになるものを買わない、ごみの発生を抑える、そこが大切であり、その視点からやっていくことが必要だと思いますし、また不燃ごみも、ごみを出さないというのがまず第一、その上で、不燃ごみの8割を占める容器を減らす、こういった角度からの意識啓発というのが何よりも大切だと思うんですが、どうでしょうか。 ○環境推進課長 そのとおりだと思います。 ○ぬかが委員 こういう角度から容器包装リサイクル法などもあるわけでして、この容リ法では、出されたごみについても、圧縮、梱包、保管までは自治体の役割とし、それ以降の処分は企業など事業者責任となっているわけですね。 ところが、23区では、マスコミでも批判されましたけれども、再利用のシステムもつくらないままに、焼却する方向にしてしまいました。世界の流れにも逆行しているわけです。 世界の焼却炉の3分の2は日本にありまして、遊ばせる炉なんていうのがあるのは、日本ぐらいだそうです。ここに多額の経費をかけており、23区でも、一部事務組合の経費含めて、高額の炉を買うために経費をかけていると。 そういう中で、今、申し上げた20年からサーマルリサイクル、廃プラスチックの焼却を全面実施するという方針が23区では出されているわけですね。 足立では、それを先行してやっているということだと思うんですが、19年度は、足立区では、モデル地域を全体の5分の1まで拡大をすると。その組成調査等々で1億4,200万円余を予算として計上されていました。 このプラスチックごみを焼却する事業のために、各区が出資を行って、昨年10月には東京ガスとの合弁会社も設立をしました。 そこで、お伺いしますけれども、もともと熱効率の悪い廃プラスチックを燃やすことで発電しようとすると、各自治体はプラスチックごみを大量に燃えるごみとして回収することに血道を上げなくてはならなくなるわけですよ。ごみを減らすという角度とは逆ではないでしょうか。 ○計画課長 サーマルリサイクル実施の前提は、ごみを減らす、また資源化を進めるという中でやっております。したがいまして、全体としてごみを減らそうという基本的な部分が変わっているわけではありません。 ただ、一気に進みませんので、計画的に取り組んでいるわけですが、廃プラスチックをそのまま埋め立てるのではなくて、熱エネルギーに変換し、発電等を行いながら活用していくということでございます。 長年培った「分別」の意識が一瞬にしてくずれる ○ぬかが委員 区は、広報でも、今言った熱エネルギーに転換するんだ、リサイクルするんだ、そういうリサイクルなんだよということで、サーマルリサイクルを宣伝しているわけですよ。でも、それはごみなんですよ。先ほどのリサイクルの一番最後の部分なんですよね。そこを強調してしまうがために、燃えるごみとして何でも出せて、楽になっちゃうわという感想も出てくるんですね。 これは区の方で廃プラスチックサーマルリサイクルに関するモデル地域でやったアンケートです。その中でも、感想としては、「ごみの分別が楽になった」「大変楽になりました」。それから、「今まで分別した不燃ごみはほとんど可燃ごみとなったので、分別するという意識が逆に薄らいでしまった気がします。埼玉県のように衣料品もリサイクルできないものか、とても不便さを感じています。公共の場にあった電池のリサイクルボックスがなくなったのも残念です。ごみを分別する意識は子どものうちから持たせなければいけないと思います」。こういった意見とか、それから、「本当に良かった。今までは一つ一つ分別をしなければならかったけれども、これを気を使わずどんどん一つにまとめることができ、助かっています」。 確かに、楽にはなるんですよ。でも、それこそ私たちが子どもの時代から何十年かけて培った、分けるんですよ、資源化するんですよ、分別するんですよという意識が一瞬にして崩れてしまう。一度崩れたものというのは、なかなか戻らないんじゃないかと思うんですね。 廃プラは処分場全体のわずか6%―延命策の理由にすべきではない 区の方は、これ、最終処分場の延命策ということでも強調していますよね。どうですか。 ○計画課長 東京湾の埋め立て処分場の延命というのも大きな柱でございます。 ○ぬかが委員 これも、区民環境委員会で要求して委員会に配られた資料で、埋め立て処分場の残余期間が10年ぐらい延びると予想されるという文書が出されているんですね。 これだけ見ると、最終処分場全体の延命策が10年できるかのような印象があるんですけれども、実はここでは、一般廃棄物の部分についてだけなんですよね、言っているのは。 じゃあ、その中央処分場の埋め立て地のうち、一般廃棄物の量というのは埋め立て総量の何%でしょうか。 ○計画課長 委員会に提出した資料によりますと、20.3%でございますが、ちょっと誤解がございますので申し上げたいのは、先ほど10年以上の延命の根拠は、一般廃棄物、産業廃棄物、都市施設廃棄物を含めた中での量でカウントしてございます。 ○ぬかが委員 私、これ、特別区の助役会の資料、これをもとにサーマルリサイクル検討したんですよね。 先ほどの20%ということで言うと、それはたしか容積比なのかなという気もするんですけれども、容積比だとここでは20%、重量比で16.4%と出ているんですけれども、ここに書いてあるものをちょっと表にしてみたんです。 これは区民環境委員会で最終処分場に視察に行ったときにいただいた表を拡大コピーしたものなんですね。埋め立て処分量の推移ということで、ここに分けてあって、見えづらいかもしれないけれども、水色のところが不燃ごみと書いてあるんですね。焼却灰、粗大ごみ、不燃ごみ、この部分というのが一般廃棄物ということで、これが重量で言えば16%、それからここが産業廃棄物と。でも、最終処分場全体では、実は、ここが16ですから、ここまでなんですよ。 つまり最終処分場に埋め立てられるものというのは、一番多いのは土砂系なんですね。建設発生土、港湾しゅんせつ土、河川しゅんせつ土などなんですね。産廃もある、下水の汚泥もある。そういう中で、一般廃棄物の占める割合が、先ほどは答弁で2割と、重量比では16%と。ここなんですよ。 しかも、これをもうちょっと見ますと、その一般廃棄物の埋め立てのうち、ここにもありますけれども、37.8%は工場の焼却残灰、その残りの不燃ごみ中の廃プラスチックの量がどのくらい入っているかと。不燃ごみ中の廃プラスチックは、ここなんですね。半分ぐらいなんですよ。半分強なんですね。 つまり全体の埋め立て処分場の量からいきますと6%ぐらい、このぐらいしか不燃ごみというのは、全部なくなっても、なくならないんですよ。つまり、あたかも最終処分場全体が10年延びるかのような印象というのは、間違いだということだと思うんですね。 プラスチックのリサイクル―11区で検討 もう一つ、お伺いしますが、しかも政府でさえ、そのサーマルリサイクルの前提としてやるべきとしている容器包装リサイクル法に定めるプラスチックのリサイクル、これ足立では行っていないんですけれども、23区ではどういう状況でしょうか。 ○計画課長 計画も含めて、11区が何らかの形で検討しております。 ○ぬかが委員 そうなんですよね。これは国の考え方を示した資料でして、ホームページからとりましたけれども、廃プラスチック類の取り扱いについては、まず発生抑制、次に容器包装リサイクル法により広がりつつある再生利用を推進すると。それでもなお残った廃プラスチック類については熱回収と。 私たち、熱回収そのものも否定しているんですけれども、ただ、政府ですら、まず容器包装リサイクル法に基づくリサイクルをやるべきだと言っているわけですよ。 足立では、ペットボトルはやっていますけれども、それ以外のものはやっていないんですよね。 これ、私、きょう家にあるもの持ってきました。例えばこれ、子どものお菓子のこれ、プラスチックマークついています。これは、容器包装リサイクル法に基づいてリサイクルしましょうというマークですよね。こういうのが家の中にもたくさんあると思うんです。 これはシャンプーです。私、詰めかえ使っていますけれども、これも全部プラスチックマークついています、リサイクルマークが。 それから、これは一見瓶かなと思っていたんですけれども、見たら、ここにプラスチックマークついているんですね。コーヒーのこれ、ここのふたの部分をリサイクルしましょうと、そういうマーク。家庭で皆さんも見ていただくと、本当に多いんですよ、このマークついているのが。 このリサイクルマークがついている商品が家庭にあふれているのに、そのプラスチックごみの資源回収も行わないで、燃やしてしまうというのは問題だとは思いませんか。 ○計画課長 今、足立区としては、資源化を進めながら、そういった容リ法に基づくプラスチックにつきましても計画的にやっていくと。 ただ、現時点では、財政等の問題、あるいはしっかりとした仕組みをつくるために時間が必要ですから、そういうことをこれまでも区民環境委員会でお答えしていたとおりでございます。 ○ぬかが委員 ついこの間の区民環境委員会でも、現状でこういうことがちゃんとやられていない、やるという方向を打ち出されていないということについて、繰り返し問題とは思いませんかということを聞きました。結局、今言ったような答弁で……。 じゃあ、課長自身は、そういう現状は問題があると思っているのか、思っていないのか。それだけ答えてください。もう一度。 ○環境部長 現実の改正法の容器包装リサイクル法ですけれども、現実的に、すべて自治体にそういったリサイクルをしろという形での法律ではございません。 それから、具体的に容器包装リサイクル法で資源化しているところなんですけれども、実際に集めたものの半分は、熱回収という形で燃やしております。 ですから、具体的に、今の3点でございますけれども、そのうちの1点だけ、ビニールの袋だけが再利用できて、あとはすべて燃やす形になります。これが実態でございます。 それから、埋め立て地でございますけれども、一番大きいのは……。 ○ぬかが委員 それ、今聞いていないんですけれども。 ○環境部長 プラスチックを入れるのに、結局、土を入れないと埋め切れない。プラスチック6%入れるんですけれども、さらに土を入れなきゃいけない。この部分が、相当量埋め立て地に影響していると。 こういうことでございますので、区としては、基本的に廃プラスチックのサーマルリサイクルを進めていきたいと思っております。 ○ぬかが委員 聞いてないことや何かを一生懸命述べていらっしゃるんですけれども、私が聞いたのは、問題があるか、問題がないかということを聞いているんですよ。 もし容器包装リサイクル法そのものに問題があるというなら、それは区からきちんと国に意見を言えばいいことですし、自治体だけに負担をかぶせているとか、自治体だけがやりなさいという法律だなんて、私は一言も言っていませんし、ですから、最初に、事業者がこういう負担もありますよというのを最初に申し上げたはずですよ。 その上で、家庭の主婦として見れば、リサイクルマークがついていて、リサイクルをしましょうというのに、それがリサイクルじゃなくて燃やすごみですよと出すのは、非常に違和感があるし、それは問題だと率直に思いませんかということを聞いているんですね。結局、お答えができないというふうに判断させていただきます。 で、同じモデル事業を行っている杉並区では、先ほどお金がかかる云々かんぬんという話もありましたけれども、今度は、全世帯28万世帯中3分の1の9万世帯を対象に拡大をして、この容器包装リサイクル法に基づく廃プラのリサイクル、これをやるんですよ。 これをもとに、足立でも試算をしてみました。杉並区で3分の1の世帯9万世帯で、合わせて2億円ぐらいなんですね。 ○委員長 あと3分です。 ○ぬかが委員 これが足立で世帯数30万世帯、もし仮に今回の5分の1とか6分の1とか、そういう規模でモデル事業をやりますと、1億1,000万円程度なんですね。 前に聞いたとき、15億円ぐらいかかるからできませんとか、まずできないことが先に立つと。その姿勢こそが逆に問題だと考えています。 それで、このサーマルリサイクル、逆に先ほど部長も言ってくれた部分でもあるんですけれども、実は事業者とか製造者の責任回避で出されてきているとも言われているんですよ。そこの部分だと思うんですね。 つまり容器包装リサイクル法では事業者の責任というのが発生するわけで、これ全部やったとしたら、企業なんかが1,000億円ぐらい負担しなきゃいけないだろうと言われていて、それを避けるということと、高額の炉も売ってもうかるわけですよ。そういう中で、全体がサーマルリサイクルというものが打ち出されてきているということだと思うんですね。 でも、やはり最初に申し上げましたように、世界の流れにも逆行すると。そういう点では、焼却中心の発想というのを切り替えるべきだと考えております。 同じ大都市でも、横浜市では、この廃プラの分別収集を5年間で充実させる中で、33%のごみの減量に成功しまして、ごみが減ったために、二つの焼却施設を閉鎖すると、こういうことまでできているんですね。 もう一度部長にお伺いしますけれども、率直に、発想として、焼却中心主義の発想というのは、大きな目で見れば切り替えるべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。 ○環境部長 現実に、その負担がごみの負担でやっておりますので、足立区としても、基本的にごみを減らす、または燃やすことも含めて減らしていく、これが絶対前提だと考えております。 ○委員長 ぬかが委員、1分切りました。 ○ぬかが委員 例えば「アエラ」で一時期大きくこの問題が報道されたときがありましたね。11月13日号、ここでずっとこのサーマルリサイクル問題を特集して報道されたんですけれども、このときにも、温室効果ガスも、委員会ではとんとんだという答弁ありましたけれども、実際には増えるということを言っているんですね。二酸化炭素が16.6万トン増える。逆に、減る部分もあるけれども、相殺しても温室効果ガスも増えてしまうと。しかも、分別リサイクル意識に逆行してしまうと。 そういうサーマルリサイクルの中止を要求しまして、また上に対してもきちんと声を上げていくということを要求しまして、私の質問を終わらせていただきます。 |
![]() |
![]() |