予算特別委員会の質問等第3日目 鈴木秀三郎議員 |
元気な商いが街の活力と賑わいを生む―商店会・商店を励まし支援策を ○鈴木(秀)委員 おはようございます。どうぞよろしくお願いします。 産業振興関係について質問させていただきますが、区長は新年度予算、これを「子どもの未来とまちの活力を生む予算」と言っていますが、町の活力は、地域コミュニティの核である商店街のにぎわい、これが重要であると思います。こうしたにぎわいをつくり出す原動力、これは個々の商店が元気で商いをすること、そういうことにあると。大切なことは、個々の商店をどう支援するのか、こういうことにあるのではないかと思います。そこで、商業振興策について何点かお伺いし、また、提案をしていきたいと思っています。 産業振興課は、商店街支援、地域経済の活性化にもつながる事業として子育て支援パスポート事業を位置づけていると思いますけれども、そのように理解してよろしいのでしょうか。 ○ 産業振興課長 子育て支援パスポートに関しては、子育て支援担当部とうちの部で共同で展開する施策でございます。 協賛商店の参加促進を図れ ○鈴木(秀)委員 この事業は、協力する商店で買い物をしたお客さんが、いわゆる子育て支援パスポートを、カードですけれども、提示して5%の割引を受けるというものですけれども、産業経済部として、商店の協力を得るためにどのような取り組みをやっているのか、またやろうとしているのか、その点はどうでしょうか。 ○産業振興課長 私どもは、まず足立区には商店街連合会というものがございますから、こちらの方の執行部会、役員会を通して協力依頼を、約半年前からやっております。そのほかに、未加盟の商店街等がございますから、こちらに関しては3カ月前ごろから私どもの職員が出向いて、いろいろな情報をお伝えしながら、ご協力を今、あおいでいるところでございます。 ○鈴木(秀)委員 かなり前から努力しているということですけれども、この事業は個々の商店の協力がなければ成り立ちません。 ところで、この事業費の予算額は1,003万4,000円、このうち産業経済部にかかわる予算はどのくらいになっているのでしょうか。 ○産業振興課長 私ども商店街にステッカー等、また参加する商店街等の予算計上を私どもがある程度見積もって、子育て支援担当部の方に情報を提供してございます。私どもの概算ですと約40から50万円と考えております。 ○鈴木(秀)委員 1,003万4,000円のうちの40から50万円ということですけれども、先週の区の答弁では、対象世帯は5万世帯と言われています。カードは対象世帯すべてに届けることになるのですけれども、産業振興課では協力する商店は何軒くらいと見込んでいるのでしょうか。 ○産業振興課長 私ども今、参加店の募集を行っているところなのですが、私どもの思いとしては、約4けたに何とかしたいと。1,000軒を目安に今、一生懸命努力しているところでございます。 ○鈴木(秀)委員 約4けた、1,000軒を目指す。しかし、対象世帯は5万世帯。こういう方々は子育てあるいは妊婦さんの家庭ですけれども、毎日のように食料品を買ったりしているわけですが、その程度では協力する商店が少ないのではないか。かつてポイントカード事業というものがありましたけれども、加盟店が少なくてなかなか事業がうまくいかないということもありました。協力店が少なければ混乱するということも考えられますけれども、そういった点はどう思いますか。 ○産業振興課長 私ども、今、委員がご指摘いただいたポイントカードと本事業とは全く異質のものと考えております。本事業に関しては、商店街の方のサービスの心をもって5%お引きしていただくと、こういう趣旨でやっておりますから、足立区の商店街の心意気がここで出てくると考えております。 ○鈴木(秀)委員 商店街がサービスとしてやると。商店街が望んでそれをやっているのかどうかは、その辺は定かでありませんけれども、例えば日常生活で買い物をする場合に、日常の範囲というのは限られておりますけれども、5万世帯にカードが送られても、身近なところで買い物ができない。協力商店がなければ、子育て支援のパスポート、カードをもらったけれども使えないということだってあり得ると思います。全くそういうことは考えていないということなのでしょうか。 ○産業振興課長 全くそういうことが考えられないのかというご質問に関しては、私どもそういうことが起きないように、今、最大限の努力はさせていただいております。 今、言ったように、私ども商店街振興を通してまちの活性化という部分を考えておりますもので、商店街の人たちが地域の人に受け入れられていただくように、今、言ったこの施策を考えておりますもので、いろいろな心配事その他ございますが、何とか乗り切っていくと考えております。 ○鈴木(秀)委員 何とか乗り切るということで、頑張るということなのでしょうけれども、今、商は本当に大変な状況にある。例えば、消費税5%の納税は、今年から多くの商店が義務納税の対象になっていると。その上に、協賛店になった場合に売り上げの5%を割り引くと。中身、性質は違うのですけれども、合わせて個人商店の負担は10%にもなると。そういうことが言えるわけですが、この協力する個人商店には大変な負担になると、このことははっきりしているわけですけれども、そういった点は考慮されていますか。 ○産業振興課長 私ども、パスポート事業で5%引きをしていただくやり取りに関しては、お店の負担でよろしくお願いしますと、このようなお知らせをしていますし、お願いもしております。 ただ、私ども、商店街がきれいになったり、区民の方がお買物をしやすくするための環境づくりの側面からは、ご支援をしていきたいと考えております。 ○鈴木(秀)委員 地域の活性化、商店街の活力、まちの活力を生む事業として位置づけているということですけれども、この点では本当に商店に負担をかけて行われるということが、本当に活力につながるのか疑問に思います。こうした事業では、産業経済部ではわずか40数万円という予算だという話ですけれども、商店に負担させることではなくて、協賛する商店街の加入を大きく広げていく、そういった点でも促進するための何らかの施策を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○産業経済部長 先日も前野委員にお答えしましたけれども、これまでも地元の商店街、大変厳しい状況の中で手をこまねいていたわけではございません。これまでも「よろず相談所」、これはほとんどの商店街に設置しておりますし、地域に根差した商店街、地域の活力とともに歩むという基本的なスタンスがございます。その一環で、私ども5万世帯という潜在的な需要があるわけですから、これを契機に商店街に一人でも多くの方たちに買い物に来ていただきたいという試みでやるわけです。ですから、私どもは商店街が自らの力で、こういったものをきっかけに新たな活性化に結びつけようと。そのための条件整備、様々な環境整備、そういったものは私どもの部で応援していきたいと考えてございます。 ○鈴木(秀)委員 自らの努力でやると。しかし、今、経済が回復しているとか言っておりますけれども、足立区内の業者の実態を見ると、必ずしもそうなっていないと。やはりそこに行政の支援策が求められている。本当に行政の負担でそういうことが乗り切れるのか、やりきれるのか、その点では非常に疑問があります。 我が党は、予算修正案で示していますけれども、協力する商店に対して一商店年1回5万円の助成をし、協賛商店の参加促進を図るべきだという提案を修正案の中で示しています。これは、売上額100万円程度で仕事をするものですけれども、これによって商店を励まして、まちの活性化に寄与するという事業に少しでも改善できるのではないかと考えています。 昨年の第1回定例会で、子育てクーポン券事業を私ども提案いたしました。協力する個人商店への支援を講じて、子育て支援パスポート事業が本当により良いものになることを強く望んでいます。求めてまいりたいと思っております。 次に、今、個人商店では、良い品を少しでもお客さんの注文にこたえて各家庭に届ける、いわゆる宅配サービスということをやっている商店が少なくありません。こうした個人商店を支援し励ます、こういうことも今、求められていますが、例えばきょう持ってきましたけれども、このカタログ、これは滋賀県の野洲市というところでつくっているカタログですけれども、このカタログには商店の名前、電話、ファクス、あるいはサービスの内容、付近の略図、全体的にこれは市役所でつくって、商店、業者の方々を励ましています。 こういうことでやっているところもあるわけですけれども、足立区でも、こうしたカタログに掲載を希望する商店などを募って、こうしたものをつくって、こうした中に子育て支援パスポート協力店といったお店も掲載したりしてお知らせをする。例えば、足立区は相当広いのですけれども、五つあるいは六つぐらいの地域に分けて、こうしたカタログを区で用意して全世帯に配布して、商店街を激励し励ましをするという事業も一つは考えられるのではないか。 例えば先ほどの子育て支援パスポート協力店。ステッカーを張って、そのステッカーの張ってあることに気がつかなければ、あるいは協力店がどこにあるのかわからないということになりかねません。そういう意味でも、こうした形で宅配サービス店とか、あるいは子育て支援パスポート協力店とか、そういったことも掲載しながら、区民の皆さんの利用を促進するということも一つの方法として考えられると思うのですけれども、こういったことについてはいかがでしょうか。 ○産業振興課長 今、委員がご指摘をいただいたPRの仕方、また参加店の区民への周知の仕方等に関しては、私どもこの事業をやるに関して、いろいろなことを検討中でございます。今、委員が言ったような部分も含めて検討させていただきたいと考えております。 ○ 鈴木(秀)委員 商店は大変な中で頑張っています。是非いろいろな形での支援を考える中で、一つの提起として是非、検討していただきたいと思います。 「創業するなら足立区で」というならチャレンジショップ再開に力をつくせ 次に、チャレンジショップ事業の問題ですけれども、これは、商店街の空き店舗を活用して、区民の方々の創業を支援する。そしてまちのにぎわいをつくるという、こうした意義ある事業で始めてきました。 チャレンジショップネオ千住は、平成13年にスタートして、千住の商店の協力を得て始めたわけですけれども、そこで一定の役割を果たしてきたと思っています。何店ぐらいの方がネオ千住に参加して巣立っていったのでしょうか。 ○産業振興課長 チャレンジショップの千住で出店させていただきましたネオ千住という名称で久しくご参加をいただいたのですが、13年の8月から18年の3月まで、4年と半年ぐらい開催させていただきました。参加していただいた店舗数で44店舗ございました。そのうち24店舗の方が開店、お店を持つに至っております。 ○鈴木(秀)委員 大変大きな役割を果たしてきたと思うのですけれども、このネオ千住の建物の持ち主が建て替えることになって、ネオ千住は残念ながら一時閉鎖をすると。 建物完成後にチャレンジショップ事業の再開も何とか予定したいということで、委員会にも報告があったと思うのですけれども、その再開の予定ということは考えておられたのでしょうか。 ○産業振興課長 ただいまの件なのですが、18年の3月で一応ネオ千住を閉店させていただいて、4月以降、オーナーの意向で改築をしておりました。去年の8月ごろまで、夏の期間、私ども鋭意、このチャレンジショップが再開できないかということでお話し合いをしていたのですが、オーナーさんの意向が一棟全部借りていただければという条件が付き始めてから、私どもかなり金額が張るもので、検討しましたけれども、一応断念するというものに至りました。 ○鈴木(秀)委員 1棟全部借りるのは大変だと。確かにあの建物を見るとそうだと思います。そこで、できないということになれば、ほかに探すという努力はされてきたのでしょうか。 ○産業振興課長 このチャレンジショップの事業で一番のポイントというのは、そのチャレンジショップをしていただく場所、スペース、そういうところが非常にキーポイントになっておりますもので、できれば同じようなところで私ども一生懸命探したのですが、現在のところまだ探し当ててございません。今後も努力していきたいと考えております。 ○鈴木(秀)委員 今後努力するとおっしゃいますけれども、「創業するなら足立区で」とも言っています。区民の創業支援に大きな役割を果たしてきた空き店舗活用のチャレンジショップの事業、平成19年度、来年度の予算はゼロ。予算を計上していないのですよ。 この事業は、商店街の空き店舗を活用して、先ほどもネオ千住の状況の話がありましたけれども、区民の創業を支援して、まちのにぎわい、まちの活力を生み出す、一石三鳥の事業ということが言える。 我が党は予算修正案で、千住地域を含めてチャレンジショップ事業を、創業を志す区民を支援するということからも是非、充実して実現を、事業を再開していただきたい、そういうことも含めて提案しておりますけれども、努力すべきであると思いますが、いかがでしょうか。 ○産業振興課長 チャレンジショップ等に関しては、私ども、鋭意今、努力しているところなのですが、予算計上を削ったのではないかというご指摘ですが、そういうものが私ども見つかって再開ないし今後事業展開できるということになれば、私ども予算計上して議会の方にご相談させていただきます。 ○ 鈴木(秀)委員 見つかればということですけれども、是非、努力して、補正予算も組むことができるわけですから、是非、チャレンジショップ事業について区民への支援をよろしくお願いしたい。 ポケット労働法について 次に、「わかりやすいポケット労働法」の発行について伺いますけれども、昨年の第4回定例会で我が党の松尾議員が質問しましたが、これに答えて産業経済部は、高校等を卒業し就職を予定している青年を対象に、わかりやすい労働法をまとめた冊子を検討していくと、そういう答弁をされていますが、わかりやすい労働法をまとめた冊子というのはどのようなものなのか、どのような準備をしているのか、お伺いしたいと思います。 ○就労支援室長 東京都労働情報センターで発行している「労働契約の手引き」という、ちょっとポケット労働法より薄い冊子がありますが、ポケット労働法よりやさしく簡単に解説をしていると判断をいたしましたので、準備をしているところでございます。 ○鈴木(秀)委員 いつごろ発行される予定ですか。 また、何部くらい、そして配布方法はどういうことを考えられているのでしょうか。 ○就労支援室長 年度内に何とか、関係のご受諾をいただきましたので、年度内に発行していきたいと考えています。 当初申しましたように、高校を卒業し就職する予定の人に配布予定でございますが、庁内、出先とかあだち若者サポートステーション等々の就労支援施設にも配布を予定しておりまして、全体で5,000部を予定しております。 ○ 鈴木(秀)委員 有効に活用してほしいと思うのですが、今、パートとか派遣とか、そういう不安定雇用の若者が多くいます。そういう方にも是非、見ていただきたいと思いますので、そういった点でも是非、十分な活用をしていただきたいと思います。 芸術センター周辺の風害の対策を 次に、東京芸術センターの風害の問題についてお伺いしておきたいのですけれども、この建物は、千住一丁目の区役所の跡地に建物ができてから、それ以前からも地域からいろいろ要望が出されていたわけですが、特に建物が完成した後、風の強いときには本当にひどいと、商店街から声が寄せられています。 私も近くへ行ったときに、たまたま靴屋さんでしたけれども、シャッターを半分おろしているのですね。どうして店を半分あけて、シャッターをおろして店を開いているのですかと言ったら、風が奥まで入り込んで本当に大変なのですよと。何とかしてほしいという意見が出されました。 また、ほかのところでも、自分の敷地の店の前のところに幾つか置いたものが飛ばされてしまったと。ちょっと強くなると本当に大変なのですよと。風害対策については、建設のときにも、たしかありました。前の資料を見ますと、この風害対策について、植樹をすると、木を植えて風害については対策を何とかしていこうということでやっていますけれども、これがどうだったのでしょうか。風害対策問題はどうでしょうか。 ○中小企業支援課長 芸術センターの前のところに区が管理する広場がございまして、その部分に当初、真ん中にシンボル的なツリーが建設される予定だったのですが、地元の方々の意向で、イベント広場、イベント等で使いたいので、それは若干支障になるので撤去してほしいということがございまして、真ん中の部分は撤去して、周辺の部分についてはそのまま残したという経緯でございます。 ○鈴木(秀)委員 地元の意見ということで、そういうこともあってそうなったと思いますけれども、シンボル的なということをおっしゃいましたが、この計画では相当な数の樹木の、図面の配置を見ると、シンボル的な大きな木1本ではなくて、本当に配置がどうなるかわかりませんが、細かく出されています。こういうことによって風害対策を考えていくんだと。ところが、今、実際にはその対策がない状況ですよね。 この前、おばけ煙突のモニュメントが設置されました。あれで幾らか風が和らいだと、実際にお店の方は言っているのです。前のところですから、それだけでも違うと。ですからそういう意味では、区でできる商店に面している部分、区で活用できる部分があるでしょう、その土地を活用して何らかの対策をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○中小企業支援課長 いずれにしましても、風害につきましては、大変困難な問題と私ども認識しております。そこで、芸術センターはもとより、専門家等の意見、また住民の方の意見も聞いておりますけれども、そういったものを総合して考えてまいりたいと思っております。 ○ 鈴木(秀)委員 商店はそのほかにも喫茶店のところとか、そのほかのところも数多くの協力はありますけれども、かなり影響があるということですので、是非、何らかの対策をできる限り講じて、商店街の協力を得ながら、地域の住民との合意を図って進めていただきたいということを要望して終わります。どうもありがとうございました。 |
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