予算特別委員会の質問等第3日目 大島芳江議員 |
天空劇場―特定事業者のもうけを保障 ○大島委員 きょう最後の質問なので、お疲れでしょうが、よろしくお願いいたします。 私は、最初にシアター1010の問題から質問したいと思います。 このシアター1010は、指定管理者制度の第1号ということで、コミュニティ・アーツに管理運営を任せてきたと。しかし、ここでいろいろな問題が起きまして、例えば、芸者を挙げて数名で20万円を超える宴会をやったとか、それから、芸術監督の出版記念パーティーに670万円もの公金がつぎ込まれたとか、まさに公私混同、乱脈経営。当初、区の協定にもないような事務手数料1億4,700万円を区が負担したことで、精算によって区に返還されるべきお金が戻らなくなったり、逆に興行収入が赤字で経営も赤字のこの会社が大幅黒字となったために、本来払うことにはならなかったであろう法人税を、税金を使って支払うと、とんでもない会社経営がやられたと。 コミュニティアーツの健全化にむけて取り組み始まる この問題については、我が党はこのような不当な税金の使い方を、区民の立場で明らかにしながら世論にも訴えまして、区民からの監査請求、公開質問状といったものも出されるという運動がありまして、昨年の6月には古庄孝夫社長以下、取締役が全員辞職をして、区はコミュニティ・アーツの健全化ということに向けて、新たに区の職員を派遣する。このための議案が昨年の第2回定例会で全会一致で可決されたと。 こういった一連の流れの中で、シアター1010が開設されて以来2年間、様々な問題が起きましたけれども、今、健全化に向けて取り組みが進められていると思っております。そういう意味で、その内容を少しお聞きしたいのです。 当初、このコミュニティ・アーツには毎年5億5,000万円とか5億円とか区がお金をつぎ込むという報告もありましたけれども、来年度予算を見ると4億2,000万円余ということになっておりますし、それから、2005年度までは区が助成している会社ということで、負担金という形で交付していましたけれども、2006年度からは委託料に変更になっていると。このあたりの変更というのはどういう意味があるのでしょうか。 ○文化課長 およそ負担金の場合ですと、これは実績に応じて、最終的には精算をし、余剰金があれば、それに応じて返還をさせる、そういうことが負担金の内容でございます。 また、委託料につきましては、要するに渡しっきり、当初の見積もりを精査をし、適正金額を一括で委託料として支払う場合もあれば、各期に分けて分割で支払う場合もあるわけでございますけれども、渡しきりをさせていただいた中で、受託者がその金額の中で事業を行うという形でございます。 いずれにいたしましても、指定管理者制度でありますので、民間企業がやるということを前提にすれば、区の方で経費を、精査に精査を重ねて、必要経費だけを支弁をし、あとは企業努力によって効率的な営業をして管理運営をしていただく、こういうことが正しかろうという意味合いで、負担金の制度から委託料に変えたということであります。 ○大島委員 もちろん企業努力というのは大事ですけれども、それをある意味、委託料という形でいろいろな精査をしていくというのは、区の側の責任かなと思うのですが、毎年、年度協定書というのを定めておりまして、委託料の金額をそこで決めているということですが、19年度協定というのはいつ結ぶのかなと思いますが、今回の来年度の予算を見ますと、2006年度の当初に比べて4,000万円ほど減額されていると。その理由は、そうすると、どういうところから来ているのでしょうか。 ○文化課長 およそ人件費の減少に伴う減額であります。 ○大島委員 人件費というと、どのくらいに減らしたのですか。 ○文化課長 正社員ベースで申し上げますと、ピーク時からマイナス2名、契約社員でありますと、ピーク時からマイナス12名であります。 ○大島委員 そうすると、契約社員の方が大幅に減っているということになるのですが、これだけ減らしても大丈夫ということなのでしょうか。 ○文化課長 これまでは、16年度でありますけれども、こけら落とし公演のために、それに応じた自主公演、演劇を制作するということを主眼に置いたスタッフ、人件費等を支弁してまいりましたけれども、ここにおきまして、なかなか自主公演ですと経営上非常にうまくない事態が様々発生するということを踏まえて、例えばプロデューサー制度でありましたり、また、例えば劇場を運営していないときに必要のない照明、音響、舞台操作等のスタッフについては外注をするということでもって効率化を図る。これによって契約社員ないしは正社員を減少させる、これは可能であります。 ○大島委員 協定などを見てみますと、公演が赤字になった場合の補償は年2,000万円以内ということが、これ18協定の中に書かれているのですが、自主公演を少なくしているということですけれども、公演の赤字というのは減少しているのでしょうか。 ○文化課長 平成16年期のこけら落とし公演から比べれば、これは格段に減少してございます。 ○大島委員 そうなると、館長とか芸術監督というのは本当に必要なのかなと、逆に思ってしまうわけなのですね。この辺のところも、今後、契約の時期が切れるところで判断という話もありますが、そういう意味できちんともっと見直していくということが必要かなと思います。 そういう意味では、区民がもっと利用できるように、例えば鑑賞料金を低くすることとか、区民のニーズにこたえるような演目の設定、それから、2007年度は友の会の入会金がコミュニティ・アーツの予算には入っていませんけれども、観客を増やすなどということの努力は、どのようにしているのでしょうか。 ○文化課長 まず、鑑賞料金の設定の在り方でございますけれども、これは2通りの考え方がございまして、一つは貸し館で営業するときには、私どもの方の公演メニューを使っていただきながら、区民であることを窓口チケットを買うときに証明していただければ、興行主の方にディスカウントプライスでチケットを販売していただくということを、取り組みとしてやってございます。 また、シアター1010、コミュニティ・アーツが自主公演としてやる場合には、1010席(せんじゅうせき)と申しまして、1,010円で観劇できるような席を設けたり、今、ご案内にありました友の会に加入することによって、10%のディスカウントプライス、さらには劇場費が固定費としてかかってございませんので、それらを踏まえた形で、可能な限り区民の方が幅広く見られるような価格設定、これを指導してございます。 また、友の会の予算が計上されていないのはなぜかというご質問でございますけれども、友の会の在り方について、私どもでは抜本的な見直しを指示してございまして、社としてこの体制を今、再構築しているところであります。 例えばメール会員の新規設定でありましたりという内容で、具体的には、2つから3つ新しいアイデアが出てきているわけでございますが、その内容が確定した段階で事業計画として定め、6月期の株主総会でその事業について各株主さんたちにご承諾を得た後に、予算の内容として計上されると理解しております。 ○大島委員 そういうことで、様々な取り組みをしながら区民の皆さんがより安い料金でいい文化に親しめるという環境をつくっていただきたいと思います。 そんな中で、何か第1稽古場を改造して新しい劇場のようなものができたという話も聞いているのですが、その辺はいかがでしょうか。 ○文化課長 昨年来から、劇場運営についていろいろな取り組みに着手をしていただいてございます。 今、ご案内の第1稽古場を小劇場としても使えるような仕組みを取り入れて、本劇場700名余の観客を入れなくても、例えば講談でありましたり、例えば小さなひとり芝居でありましたりといった人数が少なく集客することの方が、より観客にとっては満足度の高いような演劇については、稽古場でありますので、音響、照明、舞台操作その他についてすべて本劇場と同じ、または少しはグレードは下がるのでありますけれども、機能を持った施設でありますので、そういった取り組みをしたらどうだということを踏まえて、シアターを管理しているコミュニティ・アーツの方で、二つの演劇について、小劇場を使ったミニシアターという形で実施をさせていただいたものです。 ○大島委員 そこは、大体何人くらい入る劇場なのか、それから、料金はどのくらいなのか。一般の700人入る方は、土日だと40万円、平日で35万円とかなり高いのですけれども、これは稽古場の金額と同じでこの小劇場を利用することができるのでしょうか。 ○文化課長 収容人数につきましては、席の設定について多少入り繰りはあるのでございますけれども、最大300人まで収容できるように仕組みを整えてございます。 また稽古場の利用料金については、条例で定める金額となってございますので、通常稽古場として使用する料金と同じだけのギャランティーで貸し出しを行っております。 なお、これは将来的にはそういう形での施設利用が定着すれば、それに見合った形で条例を改正させていただきたいと感じております。 ○大島委員 稽古場と同じというと1日7万円なのですよ。だから、本当に大きい劇場を使わなくても済む、ある程度の観劇などについては大いに利用できるようなことなので、アピールしていっていただきたいなと思います。 このコミュニティ・アーツの運営改善のために、昨年8月、区の管理職がアーツに派遣されていまして、区は盛んに官から民へということを進めていますが、結局官が入らないとうまくいかないのかなと思います。この管理職を派遣するときに、ある意味でアーツだけの立て直しではなくて、千住を中心とした文化芸術を発信していくためにシアター1010、芸術センター、東京藝術大学、それらの連携を強固にしていきながら、文化発信の拠点としていくという考えで進んでいくんだと、そういう意味で答弁をなさっていました。 ところで、このシアター1010、芸術センター、東京藝術大学というところの三者の連携という話し合いなどは、どのくらい行われているのでしょうか。 ○文化課長 三者が相そろいまして、これは一堂に会しそういう会合をするということではなくて、それぞれのコミュニケーションのルートの中で請負をさせていただいています。 私どもとコミュニティ・アーツ、それから、東京藝術大学とは定期的に会合を開いてございますが、芸術センターの方は中小企業支援課を通じて我々のメッセージを届けたり、そのメッセージについてのご返答をいただいたり、こういう流れで、実施上の三者連携ができるような体制を整えているところであります。 芸術センター―使っても使わなくても区が毎年1億5900万円支払う ○大島委員 直接話し合うというよりも、産業センターを通じて間接的にいろいろな取り組みをやっていくと、なかなかやりにくいのではないかと思うのです。この芸術センターの問題というのは、この間もいろいろありました。特に芸術センターの天空劇場と会議室というのは、パートナーシップ事業として、区は年間6割分を区民利用分という形で負担してとっているわけです。予算書にも書かれているのですけれども、この産業芸術プラザの管理運営事業1億5,900万円余が計上されておりますが、この中で天空劇場と会議室分の、区が負担しているというのは、幾らになるのでしょうか。 ○中小企業支援課長 天空劇場につきましては、1日34万円で6割、219日分でございますので、消費税込みの7,800万円余でございます。 会議室につきましても、同じように1日9万円で219日、消費税込みで年間2,000万円余でございます。 ○大島委員 それを区民に貸し出すということで、あとは歳入で入ってくるということですけれども、昨年11月に出された委員会報告を見てみますと、4月から9月の実日数で183日あったということですが、そのうちの6割というのは110日分になるんだけれども、実際に区や区民が利用した日というのは、ホールで65日およそ6割、それから、区民利用ということで限ってみれば利用日数は29日ということで、110日あるうちの26%程度しか利用されていないと。 会議室の稼働率も3割程度だということだったのですけれども、そのとおりですか。 ○中小企業支援課長 そのとおりでございます。 ○大島委員 そうすると、これ半年分ということなので、1年分に換算すると大体90日分くらいが空き室というか、使う人がいないと、219日分の約半分ですよね。そのくらいのお金を計算したら約3,000万円くらいになると。 会議室も全体の7割ということで見ると、およそ1,400万円分が、だれも使っていないのに毎年毎年区からお金が支出されると。つまり空き室、空気だけのところにお金を払っていると。こういうことになるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○中小企業支援課長 まだ昨年の4月にオープンしたばかりでございまして、周知だとかPR等が不足しているのかなという点もございまして、さらに周知、PR、また使いやすい施設になるよう努力してまいりたいと思っております。 なお、会議室につきましては、全部で6室ございますので、ほぼどこかの部屋は毎日使われていると。部屋をすべて満室というのは、正直言って非常に厳しいところがあると。 ○大島委員 すべて満室と、それはどこの劇場でもそうだし、それから、会議室だってそうだと。それはわかりますよ。だから、逆に言うと、そのPR不足とかいうのもあるんだけれども、もう一つ、使いやすさ、ここがなかなか使いにくくて借りられないというか、借りたくないというか、そういうのがあるのではないかと思うのです。 使った分だけ払うというならわかるんだけれども、使わない分も払っている、結局、綜合商事株式会社のその分のもうけを足立区が保障しているわけですよ。だから、この区民利用をもっとよくするための工夫というのを、常日ごろからしなければいけないと思っているのですね。 ここがなかなか大変というのは、元町の方が久しぶりに、お年寄りの方ですけれども、同窓会を開きたいと、千住で開くと、さっき加藤委員も言いましたけれども、千住が変わって、あそこにすばらしい天空ホールができたんだと、そこから足立のまちをながめてみようという話になったらしいのですね。それで、食事をした後なので、そこへ行きたいと言ったら、あのホールを借りない限りは、21階までエレベーターが行かないというのですよ。上が借りていないときには20階でとまってしまう。だから、上であのすばらしい景色を見たいと言ったって、入れないのですよ。あそこ。半日だって5万円とかかかってしまう、お金を払わないとだめと。 それから、じゃあ20階のところ北側のところの通路は自由に見られるのではないかと言いましたら、あれはレストランが管理しているからだめだと言うのですよ。後ろに和室があるから、そこを使ってもらえれば、通路ということで、そのとき見られるでしょうと。こう言うのですよ。 後ろの和室の金額は確かに安いから、そこを借りたらどうかという話をしたら、そこは満室だったのですよ。じゃあしようがないからレストランでながめたらどうでしょうかと、そうしたら食事をした後なので、コーヒーぐらいの軽いものでどうかと言ったら、コーヒー、ケーキはないと。それで、最低でもスープか何かをとって飲まないとだめだということで、結局、20階にも行かれないということなのですよ。 こういうところで空気にお金を払っているくらいだったら、この方たちに、せめて上からながめるということぐらいは、区の方としてやってもいいんじゃないかと思うのです。展望室だけでも開放するのはどうかと、それから、照明とか音響とか立ち会いとか、技術料は1日1人3万5,000円も取られてしまうと、借りると。 そのほかに附帯費用というのも大変で、後援会使用ということだと、いろいろなマイクとかを借りられるのですけれども、1日3万円取られるのです。それから、フルセットで頼むと1日5万円取られる。そうすると、あそこの天空劇場を利用する、それにプラスして、少なくても3万5,000円と3万円で6万5,000円は必要と。もっと言えば、もっと取られるわけですね。 そうなってくると、普通だとなかなか借りたくても借りられないということになると思うのですけれども、例えば附帯費用を会場費の中に盛り込んで、足立区の場合、6割分のところについてやるとか、音響とか立ち会いの技術料もその中に入れてしまうということで貸し出すということは考えられないでしょうか。 ○中小企業支援課長 一つの方策ということで、そういった点もあるかと思うのですけれども、附帯設備、備品等につきましては、どこのホールも原則的に別途料金で取られるという状況がございます。ただし、私どもが6割借りるということでございますので、その辺も含めて粘り強く交渉してまいりたいと、要望してまいりたいと。 ○大島委員 区はPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業だといって、あれをやってきましたよね。パートナーシップというのだけれども、パートナーというのは対等、平等ではないかと思うのですよ。どうも今までの経過を聞きますと、対等というよりも相手が、自分の施設だから、綜合商事株式会社は自分の施設だからその施設でやるのに何文句あるんだと、まるで区を見下しているような感じがするのですよ。 そういうところがやっぱり相手、区民の立場に立って使いやすくするように、区はもっと考えていただきたいということを要望いたしまして、終わります。 |
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