3 第1回定例会 代表質問 質問と答弁(6月28日) 6月28日 鈴木けんいち議員 |
○鈴木けんいち議員 私は日本共産党足立区議団を代表して質問します。 区長の政治姿勢を問う 初めに区長の政治姿勢について伺います。 区長はあいさつで、区民の生活水準の向上について述べましたが、いま区民の暮らしはどうなっているでしょうか。一生懸命働いても生計を維持できない低賃金で、先行きの生活設計もままならない不安定な非正規雇用が増え続け、全労働者の3人に1人、若者や女性では2人に1人が非正規雇用です。また、働いても生活保護水準以下の収入しか得られないワーキングプアー(働く貧困層)は、都市部ではひとり暮らしの場合、年収270万円以下を指しますが、東京都の調査では、世帯の収入が300万円未満が27%を占めるなど、この5年間で急速に収入が減少し、低所得者層の増えていることが明らかになっています。 一方、年金は保険料は引き上げ、給付は削減、医療は高齢者の窓口負担が1割から3割へ引き上げ、介護は保険料の値上げ、部屋代や食費の負担増、しかし、サービス利用は制限が強化、そして障害者にまで原則1割の定率負担が導入されるなど、社会保障のあらゆる分野で給付は削減され、負担は増えています。昨年からの住民税の増税はこれに追い討ちをかけ、課税課には6月の約2週間で9、000人を超える電話と来訪者が殺到しました。 こうした状況はわが党区議団が毎年実施している区民アンケートにも示されています。「生活が苦しくなった」と答える人が年々増え、今年はこれまで最高の74%になっています。特に今回は回答の返りが早く、「生活は苦しくなる一方だ」「いままで受けられたサービスが受けられなくなって、何で介護保険料が上がるのか」「正規の人と同じ仕事をしているのにもらえる給料が低くてやり切れない」などの声が多くなっています。 全体として区民の収入は伸びていない中で社会保障の切り捨てが進められ、負担だけは重くなって、ますます苦しくなる区民が増えているのが現状です。こうした実態を区長はどう受け止め、どう救済しようと考えているか、まずお伺いいたします。 今回の区長選挙では、吉田万三元区長が担った区政についてさまざま言及がありましたが、鈴木区長が助役として支えた古性区政が4年間でつくった900億円を超える借金を受け継いで、1996年吉田区政はスタートしました。そして「区民の暮らし第一」の立場から、福祉と産業を区政の二つの大きな柱に据え、「子育てをするなら足立区で」「商売をやるなら足立区がいいね」「老人介護は足立区を見習って」と言われました。同時に危機的だった財政の再建に乗り出し、新たな借金を減らし、返済するお金を増やして、財政再建のレールを敷くなど、自治体と区政のあり方を大きく変えたのが吉田区政でありました。 吉田区政は残念ながら理不尽な不信任で2年8カ月で終了しましたが、不信任を強行した自民、公明、民主の陣営は、財政状況の指標にはならない実質単年度収支を持ち出していつわりの赤字宣伝を行いました。その陣営に支えられて就任した鈴木恒年区長は、財政を建て直したと強調してきましたが、みずから助役時代につくった借金への反省はないまま、社会教育団体施設利用料減免制度の廃止、高齢者緊急通報システムの有料化など、次々と暮らしや福祉を支える予算を削り、ため込んだお金は652億円になりました。 鈴木区政はまた、行政改革や構造改革の名のもとに、行政の民間委託を次々進めましたが、指定管理者第1号のコミュニティアーツは公私混同、自治体運営ではあり得ない事務手数料の不当な支出も行い、乱脈経営で役員総辞職となりました。委託契約改革として持ち出されたプロポーザル方式は、不明朗さがつきまとい、遂に税金を食い物にした汚職事件も発生しました。 教育の分野では、区民の声を無視した学校統廃合の強行に続き、学校選択の自由化と学力テストの結果公表で学校間に格差をつけ、テストの結果で予算に差をつける方針を打ち出して、区民はもとより、全国から批判が集中しています。 区長は前鈴木区政の継承を掲げているが、こういう区政を継承しようとしているのか、伺います。また、地方自治の本旨は、住民福祉の増進を図るところにあり、区長はこうした地方自治の精神に基づいて区政を運営することが最も重要な仕事だと考えるがどうか、伺います。 今回の区長選挙では、医療と福祉、介護の充実を掲げた宮崎わかこ候補が、前区政の転換を掲げて5万7、000人を超える区民の支持を得ました。こうした宮崎候補の政策に賛同した人々の声を区長はどのように区政運営に生かそうと考えているか。また、全国ではみずからの退職金を見直す首長が生まれ、中野区なども区長の退職金を減額しています。区長は、一般区民が生涯働いて受け取れるかどうかという額の退職金を4年間で受け取ることについて、区民の生活が大変になっている中、見直す考えはないか、答弁を求めます。 区長公約について 次に、区長が公約した次の事項は、これまで日本共産党も要求し、実現を願ってきいた区民要望です。まず、少人数学級編成の実施ですが、東京都以外のすべての道府県で足を踏み出しています。わが党はこれまで足立区でも実施をと代表質問、予算要望、予算修正案の提出を行って繰り返し求めてきましたが、前区政のもとでは実施されませんでした。区長は公約で、「小学校低学年では、社会性と基礎学力を身につけさせるため、少人数学級編成を実施する」と述べていますが、どのように行うのでしょうか。 介護保険料の減額措置については、わが党は7年前の制度開始時から低所得者の負担軽減を繰り返し求め、予算修正案で財源も示しながら提案してきました。区長は「介護保険のサービスを受けなかった高齢者に保険料の一部を返します」と公約していますが、対象は要介護認定を受けていない人や、自立とされた高齢者なのか、それとも要支援や要介護と認定されてサービスを受けていない高齢者なのかなど、よくわかりません。どのように実施するのか 小児救急診療については、現在は休日、祝日のみ3カ所で午後4時まで、2カ所で午後9時半まで実施されています。平日夜間への拡充は区民の願いであり、わが党もこうした方向で実現のために努力してきました。区長は夜間・休日診療を現在の午後8時から午前零時まで延長すると公約しましたが、小児科医の不足など、解決しなければならない課題が残されています。どのように実施するのですか。 区議会で最初に妊産婦の無料健診の回数を現行の2回から増やすことについて質問したのは、2003年3定の日本共産党橋本ミチ子議員の一般質問でありました。以来、日本共産党は機会あるごとに求めてきたことですが、前鈴木区政は実施を拒否してきました。しかし、今年1月、厚生労働省は区市町村に対して、平均2回にとどまっている妊婦への無料健診について「2007年度以降5回程度に増やすことが望ましい」との見解を通知しました。現在、2回から5回への妊産婦健診の回数増はいつ、どのように行うのか、それぞれについてお答えください。 日本国憲法第99条は、公務員について、「この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と定めています。新区長も当然、憲法を守って区政運営を行う立場だと考えますが、どうでしょうか、お伺いします。 増税・負担増への軽減策について 次に、昨年からの住民税増税で、今年も約30万人の区民に改定通知が送られ、定率減税の廃止と年金課税の強化で約15億円の増税が区民を襲いました。これに連動して国保料や公営住宅家賃が上がる人もいます。 区内の72歳で配偶者のいる男性は、5年前の年金収入327万円から今年は324万円に約3万円下がりました。一方、所得税は5年前のゼロからことしは4万6,700円に、住民税は4,000円から9万9,100円に、国保料は6万6,960円から13万3,502円に、介護保険料は4万8,200円から7万8,240円になりました。合わせると、5年前が11万9,160円、今年は35万7,542円、実に5年間で3.0倍、23万8,382円の負担増です。年金の減少を含めれば、26万円を超える規模の影響です。 区の試算でも、年収180万円の65歳以上の単身者は、所得税と区民税の合計で2年間で1・82倍になり、国保料・介護保険料を合わせると、2年前の5万330円から今年は11万8,646円と、2.36倍です。年間180万円の収入で12万円近くが税金と保険料で消えていく増税・負担増に悲鳴と怒りがあがるのは当然です。 現役世代でも、「ボーナスがもらえて年収が40万円増えたと喜んでいたら、昨年4,000円だった住民税が今年は7万7,600円と19倍になってしまった」「今日は給料日、明細を見たら住民税が3倍になっていた。手取りがぐーんと減って新人のころと同じくらいになってしまった」という状況です。テレビでは「これを増税と言わずして何と言うのか」「健康保険も満足に使えないだの、医療費の負担は増えるだの、年金は危ないだのと、一体どうしてくれるのという気持ちだ」と放送していました。 わが党はこれまでもこうした増税には反対し、実施された増税のもとでも、収入は変わらないのに、非課税から課税になった区民に年1万2,000円の仮称「痛みやわらげ手当」を支給することなど、さまざまな負担軽減策を提案してきました。 今回の税制改定は、税源移譲部分は所得税が減額され、住民税が増額されるという形ですが、課税時期が1年ずれるので、平成19年の所得が失業や休職などで大きく減って19年の所得税がかからなくなった場合、住民税は前年の所得に課税されるため税負担が増えるけれど、所得税で減額して調整することはできません。このことについて、20年に申告すれば税負担が軽減される経過措置が設けられていますが、十分周知がなされていません。また、平成15年の減免要綱はあるものの、これまで失廃業などは具体的には適用されていません。こうした新しい制度を周知することや、すでにある制度の活用を具体化することは、区長が指示すればすぐにでもできることであり、区民の負担を少しでも軽減するため重視するべきです。区はいまこそ区民の増税負担増の痛みを和らげる何らかの施策を実施する必要があると思うがどうか、答弁を求めます。 東京都は、生活保護水準程度の収入しかない人の都民税の免除を検討しています。区も同様に区民税を免除して、区民の負担を軽減するべきと思うが、実施する考えはないか。 前鈴木区政は、2期8年の中で、保育料の値上げを2回行い、足立区は23区で、保育料が一番低い区から、来年、一番高い区になろうとしています。来年度に実施が予定されている保育料の値上げを中止して、子育て世代を支援する考えはないか、答弁を求めます。 住区センターについて 次に、住区センターについて伺います。 住区センターは平成17年度の4万1,761団体、77万1,772人の利用がありましたが、団体使用料有料化後の18年度は3万6,509団体、69万7,413人へと利用者数が減りました。金融機関等に料金を払い込まないと利用ができないという手続きの煩雑化で、施設が空いていても使えない状況も生まれています。生涯学習の一番身近なセンターとして区民に広く使われ愛されている住区センターが、団体使用料の有料化で地域コミュニティが後退していることについて区長はどう考えるか、お伺いいたします。 障害者施策について 次に、障害者施策について伺います。 障害者自立支援法は、長年の関係者と国民の運動で築き上げてきた障害者福祉サービスの原点を根底から覆す応益負担を導入して、利用者の1割定率負担や、事業者報酬の月払いから日払い制への変更などが実施されました。 利用者の大きな負担増と事業者の減収は、政府も一定の見直しをせざるを得ないところとなり、施行後1年たたない間に、負担軽減などの特別対策を決めました。きわめて異例なことですが、しかし、この特別対策の実施をもってしても、現場は「施設運営の厳しさは今後も続き」、「(障害を持った)子どもたちが暮らしやすいものになるよう、これまで以上の」改善が必要という状況です。事業者の経営努力の結果は、サービスの削減、職員の非常勤化、委託業者への委託費の縮減であり、支援活動の低下につながりかねないと不安を隠せません。低所得者を中心に利用料の滞納も増えています。 政府の特別対策は期限付きの部分的な予算措置にすぎず、負担の見直しではありません。障害福祉の充実・向上の立場から、障害者と家族の苦悩の源泉である利用料の応益負担、事業者報酬の日額制の撤回を国に求めるべきだがどうか、伺います。 また、応益負担による利用者の負担増を軽減し、事業者報酬日額制による施設の減収を補う対策として、当面、区が以下のことを行う考えはないか、伺います。 1、昼食代補助の削減を中止して、自己負担1食400円を維持できるようにすること。 2、国の基準となっている264日の施設開所 日数は実現性に欠ける数字ですが、それに近づ ける通所日数と人数を確保しなければ事業所の運営か成り立たない仕組みとなっています。現在、区の通所バスの運行は226日ですが、バスが走れば通える利用者への支援を強めるとともに、施設の収入を確保していくために、通所バスの無料を維持し、年240日程度まで増発するべきと思うがどうか、以上答弁を求めます。 地域産業支援と雇用対策に関して 次に、地域産業支援と雇用対策に関して伺います。 区内の商店は地域経済の中心であるとともに、対面で買い物ができ、大型店にはないきめ細やかさで高齢者や子どもに優しく、また、町会や消防・防犯活動の担い手でもあり、まちの宝です。区も「商店街は地域コミュニティの核と位置づけてきました。しかし、大型店の出店も続く中、小規模小売店は苦しい経営で店舗数も減少している状況です。区長はあいさつで、「足立区民の生活水準の向上のため、商店街や区内産業の支援を行う」と述べましたが、支援を強めにるあたって必要と思われる事項をいくつか質問します。 1、今年度から始まる子育てパスポート事業のうち、5%の商店負担分を軽減し、協力店を増やすため、協力店に一定の助成を行うべきと考えるがどうか。 2、高齢者世帯や妊産婦などは、買い物に容易に出られない場合があり、宅配サービスの需要があります。区内には環境対策に取り組む店舗を「Rの店」と表示してカタログを作成し、奨励している例がありますが、このような発想を生かして「宅配サービスの店」カタログ(商品宅配商店一覧)を区が作成し、必要な人に配って区民の生活利便性を高めるとともに、商業活性化に結びつける考えはないか。 3、商店街がトイレやお休みどころなどを設置する場合助成して、高齢者が買い物をするのに便利で、日常の生活の拠り所にもなるようにし、商店街の活性化を図ることを考えてはとうか。以上答弁を求めます。 次に、足立区は平成16、17年の2カ年で道路占用の一斉調査を行い、それに基づく占用料の徴収強化を18年度から行っていますが、商店の通行に迷惑にならない看板はまちに活気を与えたり、目印となって道案内の役割も果たしています。電飾看板は夜道を照らし、文字通りまちを明るくして、防犯の役割も果たしています。また、規格を守って設けられているひさしは、夏の強い日差しを避けたり、降雨時の雨よけ、雨宿りの場ともなって役にたっています。 こうした看板やひさしにかけられる道路占用料は、23区では17区が独自に、一定の面積以下の看板を免除し無料にしています。また、都議会議員だった区長は、東京都が中小業者を助けるため2u以下の看板は道路占用料を免除していることはすでにご存じだと思います。 これに対して足立区の規定は、無料とする免除は塩、郵便切手の規格化された看板などに限定されています。また、減額規定はあっても、2uの場合で1万円を超え、ほとんどの事業者が徴収対象になっています。その結果区内では、環7は都道なのでこれに面した看板は免除、一本裏側の道は区道なので徴収、旧日光街道は環7より北側は都道なので免除、南側は区道なので徴収、狭い道でも、池袋行きのバス通りは都道なので免除、本木新道は区道なので徴収という状態が生まれ、明らかに不公平です。区道の道路占用料を都道並みに免除して、こうした不公平を解消することは、わが党は予算修正案でも示しましたが、最大限でも2,000万円程度で実施でき、区道に看板を出している3,900軒の商店・中小事業者の支援ができます。地域産業支援の一環として、せめて区内でも都道では実施されている程度の道路占用料の免除を区道でも実施する考えはいか。 いま、青年の現状は、完全失業者、ニート、フリーターが増え、社会問題となっています。6月26日内閣府が発表した国民生活白書では、最近の職場の特徴として、若者の間で長時間労働の正社員が増え、疲労している一方、パート・アルバイト・契約や派遣社員などの非正規雇用が増え、疲労感やストレスを感じる理由では、「自分の雇用の安定性に不安を感じる」との回答が一番多く、39・1%にのぼっています。 また、非正規雇用の青年の多くは、低賃金で生活困窮が常態化し、契約・派遣・請負で働く人は年収200から250万円と、まじめに働いても生活保護水準以下の収入しか得られないワーキングプアです。わが党がいま実施している区民アンケートにも「相手はいるが、とてもじゃないが結婚なんてこの給料ではできないし、子どもは無理」という30代の男性、仕事が見つからない、正社員になれない」という20代のフリーターの男性など、いくつもの声が寄せられています。失業率は他の世代の2倍近くとの統計や、残業代が支払われないサービス残業が横行しているとの報告もあります。 区はこうした社会・労働環境の中で増え続けているニート・フリーターなどに目を向け、昨年からはあだち若者サポートステーションを中心に対応を強めるとともに、青年が労働法を知らなかったために泣き寝入りをしないようにと、青年向けの「労働契約の手引き」を作成し、区内高校などに配付しました。 このような状況の中で、アパートを借りるお金がなくて、ネットカフェ・漫画喫茶に寝泊まりする「ネットカフェ難民」と呼ばれる実態が若者の特徴としてメディアでも取り上げられるようになりました。足立区にもネットカフェ・漫画喫茶が13店舗あります。私どもも4カ所訪問し、聞き取り調査を行いましたが、いずれにもネットカフェ難民らしき常連が見受けられました。ワーキングプアやカフェに寝泊まりしている青年の実態などを区としても調査し、施策に生かしていく考えはないか、お伺いいたします。 まちづくりに関して 最後にまちづくりに関して伺います。 6月4日午後区立公園で発生したタイヤブランコ落下事故は、遊んでいた3人の児童のけがが軽かったのは不幸中の幸いでしたが、この事故を受けて区が緊急点検を行ったところ、新たに38基の公園遊具に問題点がみつかり、撤去や使用禁止の措置がとられました。国の指針が遊具ごとの一律の規定などなく、点検の具体化は各自治体に任されているとはいえ、事故が発生したタイヤブランコは、区が外部委託した業者による点検で、今年3月には「重要部分に異常が見られ危険な状態で至急対処が必要」とする結果が出されていたものです。 わが党は事態を重く見て現地調査を行うとともに、区に対して改善と対策の強化を求める申し入れを行いました。区も緊急の点検と安全対策に取り組んでいるところですが、さまざまな角度からの対策強化のため、申し入れした内容に沿っていくつかお伺いいたします。 現在、区では区立公園の遊具について点検済みのステッカーを張っていますが、緊急点検の結果や撤去の状況、どの公園のどの遊具はどうなのかなど、区民が知りたい情報をホームページなどで公開してはどうか。 点検活動については、国の「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」では、基本的考え方として「公園管理者は安全点検などについて保護者・地域住民と連携することが不可欠」とされていますが、この精神を生かして、公募した住民と共同しての安全点検活動を行うようにしてはどうか。 また、例えばチップを敷いて衝撃を緩和するなど、高低差のある遊具の落下時の衝撃を和らげる対策、また、児童の犯罪事件防止の観点から死角の解消など、公園の安全性を高める対策を総合的に講じる必要があると思うが、どうか。 遊具は区立公園や区有施設だけでなく、都営住宅や公社住宅、UR住宅、民間マンションにもあります。これらの施設の遊具は当該居住者だけでなく、不特定多数の子どもや区民も利用しています。区民の安全に責任を負う足立区として状況を把握し、可能な安全対策を求めていくべきだが、どうか、以上お答えください。 区役所前の歩道橋については、区役所に来る区民を初め、実に多くの人が利用していますが、上り下りが大変で、高齢者、障害者、体の弱い人などに困難を来しています。これまでも昇降困難に対する緩和・改善策は本会議でも取り上げられ、検討されてきていますが、実現には至っておりません。その後も改善を求める声があがっています。「みんなの区役所」の観点から、エレベーターを設置するか、国道に横断歩道を設置するよう、対応を一層強めるべきと思うが、どうか、答弁を求めてこの場からの質問を終わります。 答 弁 〇近藤やよい区長 鈴木けんいち議員の代表質問のうち、私の政治姿勢についてのご質問に一括してお答えいたします。 私の政治姿勢についてお答えいたします。 税制改正並びにこれに伴う各種保険料、保育料の改定等は、超高齢化・人口減少社会における持続可能な制度構築を目的としたものであり、広く薄く負担を求めていくことはやむを得ないものと認識しております。しかし、直ちに支援を必要とする区民の方々には、現行の福祉制度を適切に活用し、対応してまいります。 区民全体の生活の質の向上を図っていくことこそが、将来に責任を持つという意味で重要であります。私はその目標に向かって、区長として努力してまいる所存でございます。 区政の継承についてですが、鈴木前区長は、民間活力を積極的に活用し、財政再建を成し遂げられました。そして、そこで生み出した財源については、福祉ニーズに応えつつ、学力向上等の教育施策の充実、つくばエクスプレスや北千住駅西口再開発など、未来への投資に活用されました。 こうした考えを受け継ぎ、さらに発展させ、成果を出していきたいと考えております。 次に、地方自治の本旨についてでありますが、地方自治法第1条の2にあるように、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」と規定されています。私も区長として、この規定に基づき、区政を運営していきたいと考えております。 また、宮崎候補を支持された方々ばかりでなく、選挙に行かれなかった方々の声にも広く耳を傾け、私の考えを十分にお伝えし、区政運営に対する理解と賛同を求めてまいりたいと考えております。 区長の退職金についてのお尋ねですが、いまのところ見直す考えはありません。 憲法99条には「公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と規定されており、当然、この規定に従い、区政運営を行う立場にあると認識しております。 ほかのご質問につきましては、参与から答弁いたさせます。 〇丸山 亮福祉部長 マニフェストにおいてお示しした介護保険のサービスを受けなかった元気高齢者に対する保険料の一部お返しにつきましては、なるべく早いうちにスキームを報告したいと考えております。 次に、障害者施策に関するご質問ですが、まず、定率負担と事業者報酬日額化についてお答えいたします。 自立支援法の施行により、国や都道府県の負担が義務化されました。この財源は税であり、一定の負担をサービス受給者に求めることは、広く国民の理解を得るために必要なものと考えます。 報酬の日額化につきましては、従来の月額化では自己負担額増につながるため、利用者負担を考慮すればやむを得ないものと考えます。したがって、定率負担や報酬日額化の撤回を国に求めていく考えはありません。 次に、給食費補助についてお答えいたします。 区内通所施設をご利用の一般世帯を対象とした給食費補助につきましては、平成19年度も18年度同様、自己負担額が1食400円となる軽減策を実施しているところでございます。 通所バスの運行についてお答えいたします。 現在、通所バスは、14施設に対して毎日25台を配車し、土日・祝日、年末年始、8月中旬の夏休みの時期及び年度末の施設整理時期を除き、年間226日運行しております。これを年間240日運行しますと、新たに約1,400万円ほどの経費増になります。現行の運行日数の確保に努めていきたいと考えております。 また、この通所バス事業を維持していくためには、利用者で支え合う適切な利用者負担も必要だと考えております。今後、利用者、施設を運営する法人等の意見も踏まえ、適切な時期に利用者負担を導入することを検討してまいります。 以上でございます。 〇黒岩京子衛生部長 平日夜間小児初期救急診療事業につきましては、小児科医の確保等、難しい課題がございますが、医師会の協力を得ながら、早期実現を目指して努力してまいります。 妊婦健康診査の回数増につきましては、先ほど前野議員にご答弁いたしましたとおりの内容で対応してまいります。 以上です。 〇坂田道夫区民部長 私からは、増税等による痛みを和らげる施策についてお答え申し上げます。 平成18年度から実施された年金課税の強化と言われる公的年金等控除の見直しなどは、わが国の構造的課題を解決する取り組みの一環であり、今後の持続可能な制度を構築するために、広く薄く負担を求めていくものであります。 また、平成19年度に実施された定率減税の廃止は、景気対策のために導入された税負担の軽減措置を廃止し、従前の税負担に戻すことが目的であります。したがって、区といたしましては、痛み和らげ手当等の創設は考えておりませんが、国民健康保険料の激変緩和措置など、必要な施策は実施してまいります。 次に、区民税の免除についてのご質問にお答えいたします。 都民税の軽減措置については、東京都独自の制度であり、現時点で制度の内容は明らかになっていない状況であります。国での地方税法等の改正理由は「現下の経済・財政状況を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けた改革の一環」としております。こういう状況のもとで、広く薄く負担を求めていくことはやむを得ないものと認識しております。したがいまして、区民税の免除の実施については考えておりません。 続いてご質問の住区センターについては、乳幼児から高齢者まで、地域の交流と触れ合いの場所として多くの方々に利用されており、地域コミュニティの後退はないと考えております。また、施設使用料の手続きについては、より簡便化し、さらに多くの方に利用していただけるよう努力してまいります。 〇井ノ部美千代子育て支援担当部長 保育料についてお答えいたします。 来年度から実施を予定している保育料は、学識経験者や公募の区民委員も参加していただいた「足立区子育て支援サービス利用者負担適正化審議会」の提言を受けて決定された、適正な保育料であると考えております。平成19年度で3年間の激変緩和期間が終了しますので、平成20年度からは、本則の保育料基準表を適用する予定です。 以上でございます。 〇鈴木 章産業経済部長 子育てパスポート事業の協賛店への助成についてお答えいたします。 この事業は、商店街が子育て世帯へ経済的な応援をすることにより、結果的に商店街へ消費者を呼び戻し、商店街の売り上げ増と賑わいの創出、イメージアップを実現することを目的として、足立区商店街振興組合連合会及び各商店と協働して始める事業です。したがいまして、区はパスポートの発行やステッカーの作成による支援を行いますが、5%の商店負担分の助成は考えておりません。前野和男議員の代表質問にお答えしましたように、今後はこの趣旨を一層理解いただくため商店街に出向き、個別の説明をさせていただきながら、協賛店の拡大に努めてまいります。 次に、宅配商店一覧の作成についてお答えいたします。 地域で生活する高齢者等は増えており、これらのニーズに応えることは、商店街にとっても顧客の拡大につながるものと考えております。しかしながら、区が画一的なメニューを一方的に示すのではなく、商店街も商店の特徴や実態に合った自主的な取り組みを支援することが何より大切と考えております。したがいまして、今後、商店街や足立区商店街振興組合連合会等とも十分協議し、各商店街からの要望を尊重しながら活性化事業を展開してまいります。 次に、商店街のトイレやお休みどころの設置についてお答えいたします。 商店街来街者の利便性を高め、商店街の魅力の向上を図ることは、商店街振興にとって大切であると考えております。このため今年度よりトイレやお休みどころなどの設置助成を目的とした商店街いやし空間促進事業をスタートさせております。 最後にワーキングプアやネットカフェに寝泊まりしている青年についてのご質問にお答えいたします。 区では町会・自治会連合会や民生・児童委員協議会を初め、多方面の皆様にご参加いただき、若年者就労支援委員会を設置するとともに、若者サポートステーションのセミナーやハローワークとの連携を通じて施策に生かすべく、地域の実態把握に努めています。したがいまして、現状では区単独の実態調査は考えておりません。 なお、本年4月、厚生労働省が、いわゆる「ネットカフェ難民」に対する初の実態調査に乗り出す方針を固めたと聞いておりますので、その推移を見てまいりたいと考えます。 〇江口由紀夫土木部長 看板、ひさし、日除けの道路占用料については、本年4月の占用料改定後も減免措置を実施し、看板で最大約8割、日除けで約6割4分の減額をしておりますので、区としてはこれ以上の免除については考えておりません。 次に、公園の安全対策についてお答えいたします。 今回の緊急点検において、撤去や使用禁止にした公園の遊具の情報につきましては、ホームページで公開してまいります。また、安全点検活動における住民との協働ですが、公園の自主管理の中に遊具点検の項目があり、気がついた点があれば連絡いただくようになっております。 次に、高低差のある遊具からの落下衝撃の緩和策についてですが、すでにブランコの下にチップを敷いている事例がございます。これらの方法も含めて、部内で公園施設の安全対策についてプロジェクトチームを設置し、総合的に検討してまいります。 区有施設以外の遊具につきましては、把握は困難でありますが、マンションの管理組合などからの問い合わせにつきましては、専門的な視点から点検業者の紹介やアドバイスをしているところでございます。 以上でございます。 〇青木光夫資産管理担当部長 みんなの区役所に関するご質問にお答えいたします。 高齢者や障害を持つ方たちが庁舎にアクセスする際の改善については、本会議や関係の委員会でお答えをしてきたところです。 区役所ロータリーへのバスの乗り入れについては、新しいバス路線が本年7月に開業いたしますので、これにより本庁舎から竹の塚方面へ戻られる来庁者の方々にとっては、利便性が向上するものと思われます。 お尋ねの歩道橋へのエレベーターや横断歩道の設置につきましては、その可能性について、引き続き検討してまいります。 以上でございます。 〇内藤博道教育長 少人数学級に関するご質問にお答えいたします。 先ほど古性重則議員にお答えしたとおり、従来の少人数指導に加え、今後は小1プロブレムや学習習慣の定着など、さまざまな課題を解決するため、小学校低学年における少人数学級の実施について、東京都教育委員会に要請してまいります。 再 質 問 〇鈴木けんいち議員 坂田部長の、痛み和らげ手当を実施しろという質問ではないので、そこは誤解のないようにお願いいたします。 ご答弁がなかった部分がありますので、再質問をいたします。 一つは介護保険料についてですが、これからスキームを検討するというご答弁ですが、区長は公約されているので、どういうことを考えて公約されたのかをお聞きしているので、お答えいただきたいと思います。 妊産婦健診については、ほかの議員にお答えしましたがということですが、私が質問しているのですから、きちんと内容についてお答えください。大変ひどい、失礼な態度であります。厳しく求めます。態度も変更して下さい。そういう態度はよろしくない。 少人数学級については、今後、東京都教育委員会に求めていくということですけれども、これも区長が公約されたことなのでお聞きしているのですが、東京都に求めていくということで公約されたのでしょうか。お答えいただきたいと思います。 もう一つ、住区センターについて、部長から答弁されましたが、区長はどう考えるかというふうに、新しい区長になられて、お考えを聞きたいと思いましてご質問いたしました。同じだということであれば仕方がないのですが、ぜひお答えください。 最後に、障害者の昼食代補助、現在、補助を実施しているのは知っているのです。その補助が、最初の予定では、補助を減らしていく、本人負担が上がっていくという計画がありましたが、そういう計画はやめて、引き続き400円で維持できるように、補助は減らさないようにするべきだがどうかという質問ですので、ちゃんと答えてください。以上です。 再 答 弁 〇丸山 亮福祉部長 マニフェストに関する答弁をいたします。 介護保険サービスを受けなかった元気高齢者の方々にお返しするということでございまして、この趣旨は、保険料だけを支払っている方々に対する保険制度の維持の貢献に対して応えていくという趣旨でございます。 昼食代につきましては、18年度と同様、19年度も同額で実施しているところでございます。 〇黒岩京子衛生部長 妊婦健康診査の回数増につきましては、5者協議会の作業部会等の検討を踏まえ、対応していきたいと考えているところでございます。 〇内藤博道教育長 学級編成権の最終決定権、これは承認権も含めてですけれども、東京都が持っております。ですから、この決定権を含めて東京都と協議していくということでございます。 〇坂田道夫区民部長 住区センターの利用の件ですけれども、確かに一部有料化で若干、利用が減ったという現実はございます。しかしながら、これについては、収納手続きについて、より簡便化するとともに、現在、住区の側と協議しているわけでございますが、住区センターの新しい機能、例えば一部実施した団塊の世代の回帰だとか、今後、特定健診あるいは特定保険思想の関係で、介護予防の拠点にするというお話ですとか、今年から一部リサイクル、地球温暖化対策の部分も、住区センターに一部機能を持たせる、あるいは学校連携ですとか、そういった非常に重要な課題について住区センターの機能を拡充することを通して、今後、さらに地域コミュニティの拠点となるるような性格を強めていきたいというふうに考えております。 |
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