6、付属資料 A 区長あいさつ |
【初日】 〇近藤やよい区長 平成19年第4回足立区議会定例会の開会に当たりまして、ごあいさつを申し上げます。 今般の相次ぐ職員の不祥事につきましては、議会の皆様をはじめ、多くの区民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを、改めまして心よりおわび申し上げます。 このような不祥事を根底から防止するために、去る10月26日には臨時庁議を開催し、予防監察の改善をはじめ、職員の綱紀粛正を指示いたしました。 さらに、職員の非行防止策を幅広い視野から検討していただくために、「職員の不祥事根絶対策懇談会」を設置いたしました。区役所外部から意見や提案をいただく必要があることから、内部の職員をメンバーに入れず、弁護士、精神科医、人権擁護委員、行政相談委員、区民代表のほか、経済界からも委員をお願いいたしました。このようにいたしましたのは、役所の常識ではなく、区民感覚の視点から議論していただくことを目的とするものでございます。11月20日に第1回の会議を開催し、職員非行の原因究明、予防策と事件を起こした場合の厳正な処分の在り方等を検討していただいております。年度内には、懇談会のご意見を取りまとめ、具体的な形で徹底した非行防止対策を講じてまいります。 次に、地方自治をめぐる議論の動向についてでございますが、現在、国の様々な検討機関において、地方法人二税の配分見直しやふるさと納税など、東京をはじめとする都市部の税源を地方税偏在の是正手段として用いようとする検討が行われております。これらの検討の前提は、東京が富裕であるという一方的な見方に基づいており、本来、地方交付税制度など国の責任で解決すべき地方財源の確保の問題を地方間の税収格差の問題にすりかえているものと考えております。仮に、一方的な税制改正が行われれば、大都市であるからこそ生じる防災対策や、膨大な福祉需要にこたえられなくなるなど、極めて困難な行財政運営を強いられることが想定されます。 このことを踏まえまして、今後の税制改革の議論においては、東京固有の地方税収を地方間の財政調整の財源とすることではなく、本来行われるべき国と地方の役割分担の見直しを通じた実質的な権限と税源の移譲が図られるよう、特別区長会として国の関係機関等に要請したところでございます。今後とも、税制改正の動向には一層の注意を払ってまいります。 次に、インナーマニフェストについてでございますが、私は、第2回足立区議会定例会で、区民の皆様にお約束したマニフェストを実現していくために、それぞれの担当所管にインナーマニフェストの作成を指示し、まとまり次第、区議会にお示しさせていただきたいと申し上げました。 担当所管がインナーマニフェストを作成するに当たりましては、マニフェストの一字一句に不必要にこだわることなく、各項目の根本的な考え方を生かしつつ、現在執行されている事務事業の中に自然な形で溶け込ませるような提案をしてほしいと指示いたしました。 このような考え方のもとに、各所管と繰り返しヒアリングを行い、従来の各部運営方針の中に、マニフェストの項目の具体的な実施について盛り込むという形でインナーマニフェストを作成いたしました。したがいまして、インナーマニフェストは、私がマニフェストに掲げた25項目についてのみならず、各部の重点的な目標についての事業展開も盛り込んだものとなっております。今後、さらに来年度以降の事業費を入れ込むなどして、より完成型へと近づけてまいりますが、中長期的に取り組む課題等につきましても、一定の方向性を打ち出すことができたのではないかと思っております。また、各項目の途中経過につきましても、検証の結果を明らかにしてまいります。このたび、議会の皆様にご報告いたしますので、ご意見をいただければと考えております。 なお、マニフェストの幾つかの項目について申し上げます。 まず、「元気高齢者に対し、保険料の一部をお返しします。」についてでございますが、私は、「できるだけ早い時期に内容をお示ししたい。」と申し上げてまいりました。この間、介護保険制度との整合や他自治体の施策なども検討してまいりましたが、その結果、あくまでも仮称でございますが、「あだち・下町・支えあい事業」を来年度から実施しようと考えております。 この事業の内容は、介護保険第1号被保険者が介護保険施設等でボランティア活動に参加することにより、年間5,000円を上限として介護保険料を実質的に一部返還するというものでございます。この制度は、高齢者の皆様方相互の支え合いを促すとともに、介護予防に効果が期待できるものと考えております。また、合わせて、現行の健康高齢者表彰事業の対象者も拡大の方向で検討してまいります。 次に、妊婦健康診査についてでございますが、平成20年4月から、現在の2回から5回へと公費負担制度の拡大を図ってまいります。今年度におきましては、事務手続上、正式な実施は困難といたしましても、5回の方針が確定した以上、できるだけ早期の導入をと考えまして、本定例会に補正予算を計上させていただきました。 助成の期間は、平成20年1月1日から3月31日までの間で、対象者はおおむね4,600名を見込んでおります。金額は診査3回分の1万5,000円で、区内共通商品券での助成を考えております。 次に、小児救急医療体制の更なる充実についてでございますが、来年1月から平日夜間小児初期救急診療事業が始まります。小児科医の確保が非常に難しいなど、厳しい状況でございましたが、協議を重ねた結果、足立区医師会のご協力が得られ、長年の区の懸案事項でもありました事業を実現させることができました。足立区医師会館におきまして、午後7時30分から午後10時30分まで、中学生以下の小児を対象とした診療を行います。これにより、従来の休日・準夜間応急診療に加え、平日夜間におきましても小児の急病等に対応することができるようになります。 次に、現在策定中の第二次環境基本計画についてでございますが、10月に内閣府が公表した「地球温暖化に関する世論調査」におきまして、地球環境に関心があると回答した人が9割に達したと伝えられました。気候変動のもたらす影響が深刻であることを国民全体が肌で感じている実態が反映されたものと受け止めております。まさに、将来の危機ではなく、今、そこにある危機と認識して、適切な施策を実施する必要があります。そのため、現在策定中の第二次環境基本計画では、地球温暖化防止を最重要テーマとして位置づけてまいります。今回初めて温室効果ガスであるCO2 の排出削減目標を設定いたしまして、2012年までに1990年比でマイナス10%を目指したいと考えております。この目標は、京都議定書のマイナス6%を上回るものであり、「環境都市あだち」を目指すという強い意志を込めるものでございます。 その実現のためには、まず区自らが率先して内外にその意欲を明らかにすることが不可欠でございます。今後は、あらゆる施策を環境の視点から見直すことはもちろん、区主体のすべての行事や事業につきましても、環境負荷軽減の取り組みを徹底してまいります。 次に、垳川の水環境再生についてでございますが、私も都議会議員時代に垳川じゃぶじゃぶ大作戦に参加をいたしまして、この事業は地元や第十三中学校、六木小学校、NPOなどとの、まさに協働の実践そのものであると強く感じていたところでございます。11月21日には、鴨下環境大臣が垳川を視察され、その後、第十三中学校の体育館で、足立区、八潮市、東京都、埼玉県及び関係団体とのタウンミーティングが開催されました。垳川に関する様々な活動や要望などの提言があり、足立区といたしましても、この機をとらえまして東京都をはじめ関係団体と協働して水環境再生に強い決意で取り組んでまいります。 次に、日暮里・舎人ライナーについてでございますが、来年の3月30日に待望の開業を迎えることになりました。一昨年開業したつくばエクスプレスに続く新線の開業は、言うまでもなく当区がさらに大きく飛躍するチャンスでございます。区では、開業に合わせて駅前交通広場、自転車駐車場の整備、バス路線網の再編等の事業を進めておりますが、この開業を祝した記念事業を実施するため、「日暮里・舎人ライナー開業記念事業実行委員会」を11月12日に設立いたしました。私自らが先頭に立ち、区議会をはじめとした区内関係団体の方々にご協力をいただき、来年4月12日と13日に舎人公園で実施する記念イベントを中心として、様々な形で区民の皆様の心に残る開業記念事業を実施してまいります。また、これを単に一過性のイベントとして終わらせることなく、集客力のあるイベントとして継続的に行っていくことが重要であると考えております。 次に、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の鉄道立体化に向けた取り組みついてでございますが、23区初の区施行による連続立体交差事業として、本年度当初に新規着工準備採択を得て、現在、平成23年度事業着手に向けて取り組んでいるところでございます。 去る10月18日に開催されました「連続立体交差事業促進全国大会」におきまして、私は全国自治体の代表として、同事業の必要性、道路特定財源の堅持等を訴えるとともに、足立区の決意を表明してまいりました。 また、「竹ノ塚駅付近鉄道高架化促進連絡協議会」といたしまして、地元と議会の皆様とともに東京都に赴き、菅原副知事に、財政面・技術面での支援を要請してまいりました。今後、駅周辺のまちづくりとともに、一日も早い鉄道立体化に向けて、全力で取り組んでまいります。 なお、懸案でありました都と区の費用負担につきましては、先ごろ、東京都各局の平成20年度当初予算要求の中で、都市整備局が、区の事業費に対する補助割合5対5をベースに、竹ノ塚駅付近の区施行連続立体交差事業の調査に対する補助費を計上したとのことでございます。これは、「竹ノ塚駅付近鉄道高架化促進連絡協議会」の要望活動、並びに議会の皆様のご支援の成果と考えております。今後、東京都内部におきまして、厳しい予算査定があるわけですが、このまま予算化されることを強く願うとともに、鉄道高架化とこれに伴うまちづくりには多額の事業費を必要とすることから、足立区単独の負担が少しでも軽減されるよう引き続き努力してまいります。 次に、おいしい給食に向けた取り組みでございますが、子どものときから、健康に対する意識を持たせる意味で、給食を通じた食育は大変重要と考えております。そこで、私自身が学校に赴き、実際に給食をいただきながら、独自の様々な工夫で努力されている給食現場のご意見を伺っているところでございます。今年度中に学校長やPTA、栄養士などから構成する給食の検討組織を設置するとともに、モデル校の指定や区独自のメニューを考案するなど、おいしい給食日本一を目指してまいります。 次に、補正予算について申し上げます。 今回ご審議いただきます補正予算は、一般会計、国民健康保険特別会計、老人保健医療特別会計の3会計でございます。 一般会計の補正予算は53億3,000万円余を追加計上するものでございます。 主な内容を申し上げますと、減債基金への積立金39億4,000万円余、財政調整基金への積立金4億5,000万円余、土地開発公社への土壌汚染対策助成経費4億1,000万円余、妊婦健康診査助成経費6,000万円余などを追加計上いたしました。 これらの財源につきましては、都区財政調整交付金、繰越金、テレビ電波受信環境整備資金積立基金からの繰入金などの歳入を充てております。 また、債務負担行為として、日暮里・舎人ライナー沿線各駅周辺放置自転車対策業務委託経費、地域学習センター空調設備改修工事費、区立中学校施設更新に伴う設計業務委託経費などを追加計上いたしました。 国民健康保険特別会計の補正予算は、退職被保険者の医療費など10億4,000万円余の追加計上、老人保健医療特別会計の補正予算は、一般会計への繰出金など5億円余の追加計上となっております。 今回ご提案申し上げました議案は28件、報告1件、諮問1件でございます。各議案の提案趣旨につきましては、参与より説明いたさせますので、慎重にご審議の上、ご決定くださいますようお願いを申し上げます。 【最終日】 [近藤やよい区長登壇] 〇近藤やよい区長 平成19年第4回定例会の閉会に当たり、一言ごあいさつ申し上げます。 議員の皆様には、17日間にわたり、補正予算など多数の重要案件につきまして、慎重にご審議のうえ決定をいただきました。心から感謝申し上げます。 また、本日は教育委員会委員の任命につきましてご同意をいただき、重ねて御礼を申し上げます。 また、損害賠償請求訴訟に関する和解について申し上げます。 第一審及び控訴審におきまして、足立区は時効除斥期間に関する法的な主張を行ってまいりましたが、このたび裁判所より和解の勧告の方針が示されました。区といたしましては、区立小学校における元足立区職員による教諭殺害という事情、さらに勤務時間中の行為と推測される状況と、ご遺族のご心痛を思い、このたびの勧告を真摯に受け止め、和解に踏み切ることとしたものでございます。ここに改めまして、石川ちか子さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。 最後になりますが、議員の皆様方におかれましては、年末年始、公私ともに最も激務の時期を迎えることと拝察申し上げます。くれぐれもお体、ご慈愛いただきまして、明るい新年をお迎えになられますように、心からご祈念申し上げて一言ごあいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。 |
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