3、議案などに対する討論や修正案など A 足立区後期高齢者医療に関する条例に対する反対討論 3月27日 鈴木けんいち議員 |
ただいま議題となりました第22号議案、足立区後期高齢者医療に関する条例について、日本共産党足立区議団を代表して反対討論を行います。 本条例は、高齢者の医療の確保に関する法律で規定された後期高齢者医療制度について、保険料の徴収について定め4月から実施するためのものであります。 しかし後期高齢者医療制度は、75歳という、年齢を重ねただけで、今まで入っていた健保や国保から全員が脱退させられ、別制度の中に囲い込んで負担増、給付減を強いるという差別医療であり、皆保険制度の国では世界に例のないことが条例審議の中でも改めて確認されました。 保険料は原則年金から天引きとされ、すでに天引きされている介護保険料に加え「また引くのか」「どうして引くのか」の声が上がるのは当然です。年金額が月1万5000円より少ない人は納付書で納めますが、高齢者が保険料を払えない場合は世帯主に支払う責任を負わせることが法律に明記されました。保険は親子や夫婦であっても切り離しておきながら、保険料の徴収は一体で行うというものです。さらに、1年以上保険料が払えず「悪質滞納者」とみなされると保険証が取り上げられ、保険証の返還に応じない高齢者には10万円以下の罰金を科することまで盛り込まれました。 また給付について、政府は「74歳までと変わらず、必要な医療は受けられる」と宣伝していますが、75歳以上だけを区別した診療報酬の体系が導入されるなど、差別と制限が加えられるしかけとなっています。 「75歳になったら切りすてられるのか」「涙が出るほどくやしい」 多くの国民の反対を押し切って2006年の国会で成立した法律に基づくものですが、4月の実施を目前に国民の怒りは燎原の火のごとく全国に広がっています。制度の中止・撤回、見直しを求める意見書が530以上の自治体で上がり、反対署名は500万名を超え広がっています。「なぜ75歳で線引きするのか」「今まで一生懸命生きてきたのに75歳になったら切り捨てられるのか」「私らはこれまで国を作り上げてきた。それなのにこんなことをされるのかと思うと涙が出るほど悔しい」など、怒りと怨嗟の声が、制度を知り、保険証が届いてますます広がっています。問い合わせの窓口となっている区の高齢サービス課は電話が殺到しています。 本条例には、保険料の納付期限までに納付できなかった区民に対する規定など、区長の権限で救済・緩和できる条項がいくつかあります。また、区で条例を制定すれば独自に保険料を下げることが可能であると、区は予算委員会で認めております。住民に身近な足立区が、国の不十分さを補って区民を守ることこそ自治体本来の役割ではないでしょうか。しかし委員会の質疑では、条例は国の規定を上回るものではないことが明らかになり、区長の独自の姿勢も見えません。 さまざまな軽減制度が設けられたこと自体、制度の破綻を証明しているとともに、軽減制度は一時的なものであり、2年ごとの改定で負担は際限なく増えていきます。また後期高齢者診療料は包括払い(定額制)となり、患者一人につき1医療機関のみ、検査・画像診断・処置・医学管理をすべて含んで原則1ヶ月6000円とされ、あまりにも低いもので必要な診療が受けられないなど認められるものではありません。 国会でも廃止法案が提出されている通り、こうした制度は区民・国民の世論に沿って4月の実施を中止し、抜本的に見直すべきことを述べて討論とします。 |
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