3、議案などに対する討論や修正案など

⑤ 「足立区小中学校等入学祝金の支給に関する条例」の可決を求める討論
3月27日 針谷みきお議員

 私は日本共産党足立区議団を代表し、ただいま議題となりました議員提出第3号議案「足立区小中学校等入学祝金の支給に関する条例」について、文教委員会の否決に反対し、原案に賛成の立場から討論を行います。
 総務省が実施している「世帯主の世代別に見た平均消費傾向の推移」でみると生活が苦しいという認識のある人では児童がいる世代が60.8%で最も高いことが明らかになっています。
 さらに「全国消費実態調査」では世帯主の世代別に見た負債と貯蓄では、1999年以降、30歳代では負債が貯蓄を上回っています。また、日弁連の調査でも自己破産した人の年代別内訳では、子育て真っ最中の30歳代が最も多いことが明らかになっています。弁当を持参するサラリーマンは30歳代が一番多く、生鮮食品を買うときに消費期限より値段を重視するのは30歳代の主婦であるという報告もあります。
 こうした統計が示しているのは30歳代から40歳代にかけての子育て世代が経済的に非常に厳しい状況に置かれていることを証明するものです。その背景には雇用情勢の悪化があり、正社員における成果主義賃金の導入、日雇い派遣に代表される非正規雇用の増大があります。
 今こそ、子育て世代に対する所得の再配分機能を強化することが求められています。
 本条例は、小、中学校等に入学する児童、生徒の入学を祝い、一人につき10000円の入学祝金を支給するものですが、予算額は1億1330万円余、その内訳は小学校入学予定者5613人、中学校入学予定者5615人、特別支援学校予定者108名であります。
 わが党は代表質問でも区長に対して「入学祝金」を実施するよう求めました。しかし、区長はその意思がないことをあらわにしました。
 足立区にお金がないわけではありません。当初予算でも852億円という史上空前の溜め込んだ基金があるではありませんか。ないのは区民生活を支えるという自治体の本来もつべき「暖かな心」がないのです。
 入学祝金は、足立区として子どもたちの成長を祝福し、さらなる成長を願う気持ちをあらわし、励ますものとなります。
 未来をになう子どもたちは足立区の宝です。だれもが子どもを産み育てることの尊さと喜びを持てる地域社会をつくろうではありませんか。
 付託をうけた文教委員会では質疑や討論では一言も発言せず否決されたものですが、今からでも遅くありません。本会議において可決すれば実現可能なものです。
 今、議会が問われているのは区長に対してチェック機能を強化するとともに、政策能力を高めることではないでしょうか。
 夢と希望に胸ふくらませて各学校に入学する子どもたちを応援するため、本条例案の趣旨にご賛同いただき、すみやかに可決されますようにお願いいたしまして、討論を終わります。