4、予算特別委員会の質問等(3月3日~3月11日) 平成20年度足立区当初予算案に対する討論 3月10日 ぬかが和子議員 |
近藤区長の新年度予算「ためこみ金は過去最高の852億円。それでも区民生活は支えない冷たい姿勢」 私は、日本共産党区議団を代表し、第5号(一般会計)、第6号(国保特別会計)、第8号(後期高齢者医療特別会計)議案に反対、第7号(介護保険特別会計)、第9号(老健特別会計)、第54号議案(同時補正)、および予算修正案に賛成の態度を表明し、討論を行ないます。 区民生活の実態から見ても異常なためこみ 近藤区長の初の予算編成である本予算案には、近藤区長の政治姿勢があらわれています。「区民生活の応援を最優先にする」「税の所得再配分機能や社会保障の意義についても十分認識しており、個別に判断していく」といい、一部に区民要望にこたえるものはあるものの、実際には、区財政確保が最優先され、基金積立残高は過去最高の852億円に到達しました。わが党は、基金全般を否定するものではありませんが、質疑で明らかになったように、一括償還額をはるかに超える減債基金を積むなど、区民生活の実態から見ても、そのため込み方は異常です。 重度障害者の巡回入浴サービスまで負担増 一方、重度障害者の巡回入浴サービスなどわずか140万円でできる施策も「バランス」を理由に有料にするなど区民の負担を増やし、住民税の負担を実態に合わせ軽減することには背を向けるなど、区民生活をささえる視点がよわい予算といえます。原油・原材料高騰の影響への対策は、低所得者や障害者施設への対応も、事業者への融資改善の対応も行わない冷たい姿勢でした。 保育料は値上げ、子ども医療入院給食助成は検討すら行わず 区長は、「子ども」「環境」「治安」を新年度予算の3つの柱として打ち出しました。 しかし、「子ども」分野では、保育料の値上げ(本則実施)を行ない、子ども医療費の入院給食費助成は、すでに12区で実施され、600万円でできるのに検討もしようとしていません。 「環境」では、「日本で一番地球にやさしいひとのまち」をめざすといいながら、プラスチック容器までリサイクルせずに4月から全域で燃やしてしまうことを強行し、その理由も全く道理がないことが、明らかになりました。 イメージはアップさせても実体が伴わない 結局、イメージはアップさせるものの、実態がともなわない、逆行もあると指摘せざるを得ません。 日本共産党の予算修正案――ためこんだお金のわずか1・6%の活用で 38の新規・拡充事業が実現できます 我が党は、このお金の使い方を変えるため、財源の裏づけを示した予算修正案を提出しました。ためこんだ基金のわずか1.6%を活用し、ムダを省けば、原油高騰など新たな負担増や制度改悪の影響の軽減、高齢者を支える施策、子育て支援・区民のいのちと健康を守る施策、教育環境の整備、青年雇用や若者支援策、区内産業支援策、地球環境を守り安心安全の区をめざすなど、38の新規・拡充事業を行うことができ、区民の願いに答え、生活支援を充実できるものです。ぜひこういった立場に立たれるよう、強く望むものです。 道路特定財源―大切なのは高速道路よりもいのちと安全にかかわる緊急対策 なお、道路特定財源の暫定税率を廃止したとしても、道路整備に税金が使えないわけではなく、大切なのは、第2東京湾岸道路など高速道路建設よりも、人命が奪われた踏切事故を二度と起こさないためにも、開かずの踏切対策など住民の命と安全に関わる緊急対策を優先することです。わが党は、竹ノ塚付近鉄道立体化事業が一日も早く実現できるよう、今後も超党派で力をつくす決意です。 差別医療、後期高齢者医療制度は認められない また、新年度は、自民・公明政権の医療改革関連で、国保会計も数十年に一度の変更が行なわれ、均等割で1800円の値上げが提案されています。新たに後期高齢者医療特別会計も設けられました。両会計予算に共通しているのは、低所得者ほど、保険料の負担増の割合が高く、高額所得者は、負担増の割合が低いことです。後期高齢者医療特別会計の後期高齢者医療保険料は、高額所得者ほど今までの国保料よりも大幅に負担が減る、所得再分配機能を弱め、格差を拡大させる保険料負担になります。後期高齢者を現役世代から切り離し、新たな負担増を強い、給付内容も高齢者を差別する制度改悪は、認められるものではありません。 区長は、自治体の長として、格差を縮小し、区民の負担を軽減する立場にたたれるよう、求めまして、討論を終わります。 |
![]() |
![]() |