1、本会議質問

○代表質問 大島芳江 議員
 私は、日本共産党足立区議団を代表し質問します。
 9月1日、福田首相は、安倍前首相に続いて臨時国会の直前に突然辞意を表明しました。この1年の間に2人目の首相辞任です。お年寄りを「うば捨て山」に追いやるような後期高齢者医療制度をこのまま続けて良いのか。若者を使い捨てにする派遣労働の在り方をどう抜本的に見直していくのかなど、切実な問題が山積みされ、原油高騰で庶民の暮らしや営業が大変な事態に陥っているときに、極めて無責任な政権投げ出しです。
 「構造改革」の名で国民生活を犠牲にして、一部の大企業だけを応援する政治が、貧困と格差を耐え難いまでに拡大させ、経済政策で進退極まった自民・公明政権の政治的な解体状況を象徴する出来事です。今こそ大企業中心から家計へと経済政策の軸足を移す大きな転換が求められています。
 疲弊した区民の暮らしの実態は、我が党区議団が毎年行っている区民アンケートにもはっきりとあらわれています。今年も11万枚の区民アンケートを無差別に配布し、回答があった10代から90代までの1,736人分を集約しました。「この1年で暮らしがどうなったか」の問いに、「苦しくなった」と答えた区民が78.0%で、昨年より2.6ポイント増え、「変わらない」18.6%、「良くなった」はわずか2.0%。
 「苦しくなった」原因の第1位は「物価高」で86.1%、昨年1位の保険料値上げ39.7%や増税39.0%を大きく上回りました。これまでの増税・負担増に加えて、原油高騰の影響による物価高が区民の暮らしを直撃していることがよくわかります。この区民の暮らしの実態を、区長はどのように受け止めているのか、お聞きします。
 次に、今年8月に出された来年度の行財政運営方針(依命通達)について質問します。
 区は、基本計画後期の中間年に当たる平成24年度を展望しつつ見直しを進める中で、施策の重点化を図るとして、「足立区重点プロジェクト推進戦略」を策定しました。依命通達は、この重点プロジェクトにおいて重点化されている施策を「子ども」「くらし」「まちづくり」の三つに整理し、21年度の重点項目として取り組む方針を示しています。
 重点項目の「くらし」では、「健やかな安心のくらしを支える」としていますが、今、危機的な状況に追い詰められている区民の暮らしを守り、支え抜くというものにはなっていません。この項目のトップに「健康・長寿社会を実現する」と掲げていますが、今、健康・長寿社会実現に最も弊害となっているものの一つが後期高齢者医療制度ではないでしょうか。
 今年4月に導入されて以来、国民の怒りの声はおさまりません。区民アンケートにも多くの声が寄せられました。50代の女性は、「母の月11万円の年金は入院費に消えます。早く死んでくれというような保険。母の世代は戦争で苦労し、戦後の復興に尽くしてきたのにあんまりです」。80代女性は、「75歳以上は邪魔者扱い。ひどすぎます。私たち世代も現役のときは高額な社会保険料も支払い、高額な税金も納入してきました。税金の使い方が間違っています」。70代男性は、「保険料が高いので苦しい。高齢者を苦しめて、政府の役人の無駄遣いはそのまま。今の政府は何を考えているか。年寄りは早く死ねと思っているのか」など、切実な訴えばかりです。
 今回、福田内閣と自民・公明与党は、このような世論の厳しい批判に押され、低所得者の負担軽減策の追加や、一部の人の年金天引きを口座振替に変更できるようにすること。「終末期相談支援料」について一時凍結することなど、後期高齢者医療制度の「見直し案」を慌てて決めました。政府試算でも、この一部修正での対象人数は75歳以上の3割以下に過ぎず、今回の軽減策で負担が軽減される世帯の割合も、全国平均でわずか6%だけです。多くの区民が4月以前に比べ負担増になる上、今回保険料が下がった人でも、「2年ごとの見直し」で際限なく保険料を値上げする仕組みそのものに変更はなく、将来の保険料が上がり続けることに変わりはありません。区長はこれで良いと思っているのか、答弁を求めます。
 区長は、そもそも75歳という年齢で人間を差別し、医療に格差を設け、高齢者の医療抑制を図ろうとする高齢者いじめのこの制度に対し、第二回定例会で、「代替案もないまま、単に制度の廃止だけ無責任に求めるつもりはない。」と答弁しました。しかし、この制度は存続するほど区民を苦しめます。長寿の人が増えれば増えるほど保険料は上がり、診療報酬は引き下げられるという究極のお年寄りいじめの仕組みです。
 我が党は、国民から批判も問題も多いこの制度は一たん中止して、3月まで実施していた老人保健法に戻し、財源問題を含め、国民すべてが安心できる医療制度について、国民的討論で合意をつくることを提唱してきました。今月20日、舛添厚生労働大臣が、「国民が支持しないような制度は大胆に見直すべきだ」と発言し、私案としながらも、「対象者を年齢で区分しない」「保険料の年金天引きを強制しない」「現役世代と高齢世代の保険料負担の不公平感を助長しない」の3原則を柱とする代替案を示し、事実上、現行制度の誤りを認め、撤回の意思を示しました。
 区長、あなたが真に区民の立場に立つならば、高齢者差別の仕組みそのものを廃止し、根本的に再検討するよう国に働きかけることこそ、区長として住民を守る責任ある態度と思うがどうか、答弁を求めます。
 次に、組織定数、任用管理方針について伺います。
 区は、職員の定数削減を進めてきたこれまでの手法も限界として、市場化テストなどで公共サービスの外部化を一層図ろうとしています。方針では、すべての職種の定数を削減することや、技能系職員の退職不補充を継続することなどが強調され、正規職員3,593名を来年度58人減らし、非常勤職員も1,785人を22人減らすとしています。
 行革で職員は減らしても、仕事はそれほど減るものではなく、区民サービスを低下させないために、正規職員の減った分を非常勤職員など非正規雇用の労働者で穴埋めして、しのいできたのではないでしょうか。既に職員の3分の1は非常勤職員ですが、このほかにパート、アルバイト、派遣社員などが正規職員と同じように働いています。
 公立保育所の産休、育休代替職員は、正規職員が不足し、派遣会社からの派遣社員で補充されています。派遣社員であるため、契約上、園長の指示・命令は受けますが、一緒に保育に当たる保育士にはそれが許されないという状況が生まれています。また、区の派遣契約では時給1,780円支払っていますが、派遣会社の募集広告を見ますと時給1,300円から1,400円で、区が直接雇用するよりも月6万円から7万6,000円も低い給料で働くことになります。まさに区がワーキングプアを作り出しているのではないでしょうか。
 私たちは、来年度予算要望に向けての様々な団体との懇談会や、特養ホーム、包括支援センターを調査し、介護の現場で働く方々から貴重な意見・要望を聞かせていただきました。その中で区の職員への期待も数多く出されました。
 障害福祉センター「あしすと」の職員が、保育現場を巡回し、発達の遅れや障害のあるお子さんを保育する上での専門的なアドバイスや健常児との統合保育の在り方などの相談にのっています。今、公私立の保育所だけでなく、認証保育所からも定期的に来てほしいという声が上がっています。
 また、2006年4月から施行された「高齢者虐待防止法」では、高齢者虐待の防止、保護、支援の第一義的責任を担うのは、特別区を含む市町村と規定され、現業事務を担当する職員の大きな役割が期待されています。ところが、この事務を担当するのは、中部福祉事務所の高齢援護係に配置されている正規職員5人と再任用1人のわずか6人です。これで足立区全体を担当するには無理があります。そのため、介護事業者やケアマネジャーなどからも職員の増員を求める声が大きくなっています。このような状況が続くのは、正規職員不足がその背景にあると考えるがどうか。
 また、必要な部署に必要な人数が配置されていないことが、結果として区民サービスの低下につながっていないか。このようなやり方を更に続けるのか、答弁を求めます。
 次に、国の行革推進指針に基づき、構造改革戦略のもとで進められてきている集中改革プランは、「自己進化する協働型自治体」を構築するためとして、2005年3月に策定されました。
 今年5月、昨年度の進捗状況が報告されましたが、そこに示された行政評価では、千住児童館老人館、授産場の廃止、健康学園の売却、那須区民保養所の廃止、保育料の値上げ、高齢者住み替え家賃補助をなくすなど、区民にとって必要な施策の終了や、区民の負担増につながる施策を高く評価しています。区民に痛みを押しつけるこのようなやり方を、区民が高く評価していると考えているのか。
 また、区民の財産である塩原林間学園は現在、売却の手続に入っており、9月26日には入札が締め切られます。1983年、土地建物15億5,000万円かけて開設し、98年から99年にかけて5,700万円で大規模改修までしたのに、改修からわずか5年後の2004年3月に廃止し、売却を決定しました。当初予定した最低売却価格1億9,800万円では買い手がつかず、市場での売買に耐えられるようにと、前回より更に56%も値段を下げ、今回の最低売払い価格は8,825万円となりました。なぜ、区民の財産をこれほどまでに安い値段で売り払う必要があるのか。区民の施設として活用すべきはないか、答弁を求めます。
 次に、原油高騰・物価高から暮らしと営業を守る緊急施策の実施について伺います。
 我が党は、昨年末から続く原油高騰から区民生活を守るため、今年1月、区長に何らかの対応を求め、緊急要望を行いました。
 区内の商工団体が8月に行った「原油・原材料高騰の影響について」というアンケートには、息が詰まりそうな回答が数多く寄せられていました。宅配業者は、「ガソリンの値上げで燃料費が1カ月3万円弱から5万円強になり、運行が困難になった。1箇所宅配で180円の手数料委託なので、対応の仕方がない」、弁当の仕出し業者は、「ガソリンが109円から180円に、小麦粉128円から178円に、サラダ油298円から458円に、しょう油が198円から228円に、その他も1.5倍の値上げ。売り上げの転嫁は困難で、品数等で何とかやっていくしかない。月10万円の負担増」等々、原油高に潰されまいと必死に頑張っている業者の悲鳴が聞こえるようです。
 国は今年6月、「原油等高騰に関する緊急対策閣僚会議」が「原油等価格高騰対策」をまとめ、その中で国民生活の支援として「生活困窮者に対する灯油等の購入費助成」「社会福祉法人等に対する福祉ガソリン支援」「学校給食に係る保護者負担の軽減」「福祉施設・公衆浴場に対する支援」など、地方自治体がきめ細かく実施する対策への財政支援を上げています。区として次のような施策を実施できないか伺います。
 石油情報センターの小売価格情報によれば、今年1月の東京における灯油の店頭価格は18リッターで1,836円でしたが、8月には2,374円に値上がりしています。今年の冬には3,000円を超すのではないかと心配されていますが、国は、灯油価格高騰に伴う特別措置として、低所得世帯に灯油購入費を助成する福祉灯油を実施しました。実施する自治体は寒冷地以外にも広がり、今年2月現在では12道県689市町村が実施しました。ところが福祉部長は、今年3月議会の我が党代表質問に、「生活保護基準において石油高騰に伴う改定がなされていないので、区独自で灯油購入費の助成はしない」と冷たく答弁しました。しかしこの解釈は全く逆です。
 今年1月、我が党の国会質問で、生活保護の冬季加算には今回のような原油高が織り込まれていないことが明らかになり、舛添厚生労働大臣も「新たな措置を生活保護が受けても冬季加算を減らすことはしない」と答弁し、更に福田首相も「生活保護世帯も助成の対象とするよう周知徹底する」と答弁しているのです。生活保護の基準に灯油高騰分が入っていないからこそ、低所得世帯への福祉灯油は必要なのです。今年こそ、秋冬に向けて低所得者などに対する「福祉灯油」を実施すべきと思うがどうか。
 社会福祉法人などの運営も大変です。議会採択された「高齢者在宅サービスセンターへの経営支援に関する請願」に基づき、デイサービスにおける食事代については、第4期介護保険料の設定と合わせて検討するという答弁でしたが、来年まで待っていられない事態となっています。この時期に調理コストの一部支援として給食費補助と送迎用自動車のガソリン代の補助を行うべきではないか。
 食材費等の高騰の影響から区民を守るために、6月の補正予算では、学校給食に対する支援を行いましたが、公的な施設等の給食への影響も大変です。保育園給食や高齢者の宅配給食サービスなどへの支援も行うべきと思うがどうか。
 銭湯(公衆浴場)に対しては、一時的な支援策を実施しましたが、それでも入浴料の値上げは避けられませんでした。公衆衛生を確保するためにも、営業が続けられるような支援を強化すべきと思うがどうか。そのためにも緊急入浴券を、希望する高齢者、障害者、低所得者に支給してはどうか。
 公の工事契約については、契約約款24条の5項(単品スライド条項)の適用を決めましたが、実態に見合った支援を行う必要があります。鋼材と燃料油の高騰額で全体の工事額の1%を超えた分しか適用されないため、工事額の1%以下の高騰分も対象にするとともに、6項の適用で、単品ではなく高騰した原材料すべてに適用できるようにし、良質な工事の確保と建設業者への影響を緩和する考えはないか。また、公の物品契約についても、単価を実態に見合って見直し、区内事業者にしわ寄せが及ばないようにする考えはないか。
 原油・原材料高騰対策資金として、10月から緊急経営資金融資が実施されることになりました。しかし、申し込み期間が10月1日から11月28日までの約2カ月では、あまりにも短すぎます。期間延長を行うべきと思うがどうか。
 次に、区は「区政を開く」観点から、経営改革プロジェクトを示しています。ここでは、透明でわかりやすい区政の実現や、区民を含む様々な主体間の協働と、それを支える庁内の協働、そして職員の意欲と能力を引き出し、経営と組織改革を進めることを強調しています。この観点から質問します。
 まず最初に、今年3月議会では、区の提案で来年度からの足立区文化芸術劇場(シアター1010)を管理・運営する指定管理者として「株式会社足立コミュニティ・アーツ(ACA)」を指定することを全会一致で議決しましたが、9月11日、区がコミュニティ・アーツの経営から撤退するという表明を行ったことに関して幾つかお聞きします。
 我が党は、足立の区民文化・芸術を発展・向上させるため、区の果たす役割は重要という立場から、コミュニティ・アーツを足立区文化芸術劇場の指定管理者に指定することに反対してきた経緯があります。最初の指定管理者の応募期間は、年末年始を挟んだわずか20日間だけで、結局コミュニティ・アーツ1社だけの応募となり、形だけの選考で指定してきた経過があります。
 当時、区は「株式会社なら赤字を行政が補てんするのではなく、経営責任を明確にできる」などと言っていたのに、開設から3年間でこの会社に約20億円もの税金をつぎ込み、経営を助けてきました。それでも乱脈経営で、区民から監査請求が出される事態になりました。
 我が党は、コミュニティ・アーツの指定が議決された時点から、この会社の経営に関して繰り返し改善を求め、積極的に批判や提案をしてきました。区も運営上の発言権を強めるために、当初3割しか保有していなかった株保有率を56.5%まで引き上げ、健全化のため社長を替え、区の職員を派遣するなど、まさに官から民への流れを、民から官に変えてようやく黒字の会社とすることができました。
 区のこのような努力で第三セクターとしての本来の機能と役割を発揮できるようになった矢先の「解散」は、あまりにも唐突です。区長自らが責任を持って議会に提案し、議会も全会一致でこれを議決したものを、わずか半年で撤回するとは、議会の議決をあまりにも軽んじているのではないか。
 区は、区及び区民の方々の出資で設立したコミュニティ・アーツを「柔軟で効率的な運営を期待し、収益を事業に再投資することで、効率的で継続的な事業展開を行い、更なる区民文化の向上に寄与できる」と言っていました。しかし、検討部会の結論では、「区が引き続き関与していく明確な理由が見当たらない」と言っています。収益の再投資や更なる区民文化の向上に寄与できるという利点についてはどのように考えているのか。
 区は、審査会で第2位の民間事業者を指定管理者に繰り上げて決着させるという方針ですが、全くの民間事業者に商業ベースで劇場運営をさせることになります。区民の文化・芸術を発展・向上させるための施設としてつくった文化芸術劇場の運営に、今後、区はどこまで、どのようにかかわっていこうと考えているのか。また、この劇場を使って足立の区民文化・芸術をどのように発展・向上させようとしているのか。
 区は今後の予定として、臨時株主総会で解散の方向性を決定してもらい、コミュニティ・アーツの株をすべて購入し、会社を清算するという方針と聞いています。本来、株式会社の解散、清算は、会社に残された財産を清算法人が持ち株数に応じて株主に分配することで終了するはずですが、区は第4回定例議会に株式取得のための補正予算を提案する予定といいます。これでは、区が購入する必要のない区以外の株主が持っている株を区民の税金で買い取ることになり、株式会社の解散の在り方がおかしいのではないでしょうか。もともとコミュニティ・アーツの株を購入した株主への責任をどう考えているのか。
 また、会社解散に伴い、区とともに会社の建て直しに貢献してきたコミュニティ・アーツの固有職員について、今後の処遇をどう考えているのか。
 次に、今議会に青少年センターの運営を指定管理者に任せることを視野に入れた条例案が出されていますが、青少年センターはこども科学館、青少年センター・文化ホールの施設の管理だけを受け持っているところではありません。青少年教育や青少年対策、青少年問題に関する調査研究、青少年に係る相談、青少年活動のための研修、人材育成、青少年の居場所づくりなど、これまで直営で運営してきた経過と内容を見れば、足立区の青少年行政そのものです。この青少年行政の分野で区の果たさなければならない役割まで民間事業者にゆだねていくのか。
 次に、昨年3月都民ゴルフ場の営業が廃止され、荒川河川敷の下流部約650mの区域について、区民利用の拡大をするということを理由に、昨年11月事業プロポーザルによる公募が行われました。地域住民の間でゴルフ練習場に対する賛成の意見はほとんどなく、下流部の半分を占める北区の意見でも、ゴルフ練習場について同意しかねるとの意見が出されていました。住民の要望も聞かず、1社のみの応募しかなかった中で事業を決めるというのは、区民との協働の観点からも横暴なやり方ではなかったか。また、プロポーザルに応募した事業者は、公募の受け付けが始まってから資本金50万円で設立された株式会社で、本店所在地は足立区内になっていますが、その住所地は駐車場で、賃貸契約も結ばれていませんでした。まさにペーパーカンパニーとも言える会社であったことは明らかです。
 応募提案書には、同種または類似業務の実績が必要で、財務関係書類では、過去3期分の財産、収支に関する書類が必要となっています。しかし、この会社は、提案書の提出期間に入ってからつくられた会社であったため、実績や収支に関する書類など提出できる条件は全くありません。しかし、副区長を委員長とする「都民ゴルフ場跡地提案型事業選考委員会」は審査会の時点でそのこと自体を全く問題にせず、審査基準の点数では、過去3年間の決算にかかわる財務関係書類の分析を参考にした財務状況審査で100点満点をつけた委員もあり、最低でも80点という評価を下しています。また、「地元の事業者か」という項目では、7人の委員の中で5人が50点満点をつけています。このようなずさんな選考のやり方そのものに問題があったと考えるがどうか。
 今月3日には、住民代表や有識者を入れ、メンバーを替えて再度開かれた選考委員会での反対意見を受け、区はこの事業提案を不採択としました。契約前に是正されたことは評価できますが、このような事態を招いた責任は一体どこにあるのか。また、提案事業者が、損害賠償請求訴訟も検討しているという報道もありますが、区として今後どのように対処していくのか、跡地の活用はどうするのか、答弁を求めます。
 次に、来年度予算編成について伺います。
 区は、来年度予算編成方針で、景気の悪化による減収が予測されることを前面に押し出し、事業の選択と集中の徹底を強調しています。また、特定財源が削減された場合は、事業の見直し等で対応するとしていますが、機械的な事業縮小ではなく、区民要望を十分把握するという方針を重視した予算編成を望むものです。この立場で質問いたします。
 我が党は、これまでも要求してきた少人数学級の一日も早い実現を望むものです。これは区長の公約でもあり、区としても取り組んできましたが、これまでは、東京都の姿勢が一貫して変わらず、進展が見られないが、都の教育長がかわる機会に改めて交渉すると答弁してきました。
 報道によれば、都と特別区長会は、公立小・中学校の教職員の人事権を都から区に移す検討作業に入るとのことですが、これまでの進捗状況と区長からの要請時期も含め、来年度実現に向けての決意をお聞きします。
 夏休み中の補習などで特別教室を使用したり、夏休みの短縮で残暑が厳しい中で授業が開始されるなど、小・中学校の特別教室へのクーラー設置が強く望まれています。一日も早く設置すべきと思うがどうか。
 年金は増えないのに、介護保険料や国保料など年金天引きは増え、年金だけでは暮していけない高齢者が増えています。特に高齢者にとって入院時の費用負担が重くなっています。我が党の区民アンケートでも「加齢とともに病気が多くなり、病院に行くたびに医療費が増えて、半年ごとに検査などすると、大変な金額になってしまう」80代女性。「親が介護状態になって、入院医療費は2万4,000円までの負担で済むが、おむつ代と食費で大きな金額になる。介護施設への短期入所でも年金額が負担軽減ラインよりわずか1,000円多いために恩恵が受けられない。更に介護用品の購入に要する出費もとても大きい。自分自身は医者にかかるのを控えているありさま。これからどうすればいいのだろう」60代女性など、切実な声が寄せられています。
 入院時の負担を少しでも軽減しようと、新宿区では、75歳以上の方が7日以上入院したときに入院期間に応じて1万円から3万円を1年度1回支給する入院時負担軽減支援金を実施し、中野区でもほぼ同様の助成をしています。東京都日の出町では、「日本一、お年寄りにやさしいまちづくり」を目指すということで、後期高齢者の町民が医療機関の窓口で支払う医療費の自己負担分について、来年度から町が全額負担する方針を明らかにしたという報道がありました。入院時の負担が重いのは、後期高齢者の方たちだけではなく、年金で暮らす65歳以上の高齢者にとっては同じです。そこで、65歳以上で入院したときに、足立区として(仮称)入院時負担軽減支援金を支給する考えはないか。
 障害者の福祉タクシー券の増額について、住民からの請願が第2回定例会で、全会一致で採択されました。この議会の意向を受け止め、いつ、どのように実施するのか。
 女性の社会進出や核家族の進行、物価高騰に加えて家族の収入減少などで母親も働かなければ食べていけないなど、保育問題は、子どもとその家族の生活問題です。認可保育所だけではなく、認証保育所、認定保育室、家庭福祉員にも預けられない保育待機児は今年度205人います。学童保育室の待機児は、今年度255人で、待機児率は6.52%と、昨年度を2.12%上回り、基本計画中期目標の待機児率3.7%の達成が求められています。待機児解消のために、学童保育室や認可保育所を増設する考えはないか。
 戸建て住宅及びマンションの耐震診断や耐震改修の工事費助成について、今年度で終了となるが、耐震化がなかなか進まない状況にある。来年度以降も適用されるよう適用期限の延長と助成の拡充を行う考えはないか。
 区は、災害時要援護者対策を進めていますが、第2次避難所として協定が結ばれている施設であっても、全施設に避難所を使用する人の分の備蓄もなければ、支援プランも示されていません。協定が結ばれている全施設には、早急に備蓄物品を配置し、支援プランを策定して、協定先に示すべきと思うがどうか。
 廃プラスチックの再資源化は、資源循環型社会を構築する上で欠かすことができないものです。区は「今後、廃プラスチックの資源化を検討する」と答弁していますが、一日も早い資源化が望まれています。区は資源化についてどこまで検討しているのか。また、いつごろまでに実施する考えか。以上の答弁を求めてこの場所からの質問を終わります。

答弁

○近藤やよい区長 大島芳江議員の代表質問のうち、私の政治姿勢についてのご質問にお答えいたします。
 昨今の金融不安や原材料高騰の影響により、我が国の社会経済情勢にも先行き不透明感がますます高まり、とりわけ区民生活への影響については、強く憂慮しておるところでございます。区としても、今後の税収をはじめとした財政運営にも慎重に配慮しつつ、区民生活に直結する施策については、国や都との連携も図り、支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、長寿医療制度に係る高齢者の負担についてお答えをいたします。
 長寿医療制度は、75歳以上の方々の「生活を支える医療」を国民みんなで支えるものとして創設されました。ここでは、高齢者及び現役世代のそれぞれの負担を明確にするとともに、被保険者の方々にも相応の負担をお願いしております。このたびの政府による見直しにより、所得の少ない方々を重点として、新たに約4割の方々の保険料負担が軽減されております。
 とは申しながら、区長はこれで良いかと思っているのかというご質問でございました。現状で決してよしと考えているわけではございません。
 健康・長寿社会を実現していくためには、将来にわたり安心して医療を受けることのできる仕組みが不可欠であり、今後も高齢者の負担軽減に向けて財政支援を国等に働きかけてまいります。
 次に、長寿医療制度の廃止に関するご質問についてお答えをいたします。
 かかりつけ医に対する後期高齢者診察料など、幾つかの特徴的な診療報酬が設定されましたが、基本的にはこれまでと同様の診療を受けることができ、必ずしも高齢者を差別する仕組みであるとは認識しておりません。
 しかしながら、長寿医療制度には「後期」という名称や75歳で本人の選択にかかわらず強制的に加入することなど、いまだに改善すべき点が残されております。
 これまでも国に対して様々な要望を行ってまいりましたが、高齢者が今後も安定した医療を受診できるよう、医療制度を維持するための財源問題を含めた責任ある議論を通して、今後も高齢者本位の制度への改善や収入の少ない方への配慮をお願いしていくことで、区長としての責任を果たしてまいりたいと考えております。
 その他のご質問につきましては、参与から答弁をいたさせます。
○青木光夫政策経営部長 私からは、組織・定数等のご質問にまずお答えをいたします。
 区は、これまで構造改革戦略に基づき、公共サービス改革を進め、行政組織の最適化、定員の削減に取り組んでまいりました。公共サービス改革の柱の一つである公共サービスの外部化の趣旨は、サービス供給主体の多様化、競争化による効率化と質の向上であります。
 今後も、行政の効率化と区民サービスの向上を図りつつ、公共サービス改革に取り組んでまいります。
 ご指摘の所属につきましても、サービスの低下を招くことなく、事業の効率化を図るための組織と職員の配置を行っているところであります。ただし、状況の変化等により見直す必要のあるところについては、現状を十分検証した上で配慮してまいりたいと考えております。
 次に、集中改革プランの平成19年度進捗状況報告書についてお答えをいたします。
 区においては、社会経済状況や区民ニーズの変化など、様々な状況の変化を踏まえ、各種事務事業を不断に見直すことが必要と考えており、そのために行政評価制度や包括予算制度も導入しております。事務事業の見直しの結果については、各部において様々な状況を勘案して検討した上での結果であり、区民の皆様のご理解をいただけるものと考えております。
 次に、塩原林間学園について、現時点での基本的な考え方についてお答えをいたします。
 塩原林間学園は開設後21年を経過し、その役割は十分果たしたものと考えております。今後の施設の維持については、施設を維持するだけでも経費がかかり、更に利活用するには莫大な改修経費を必要といたします。売却方針の決定につきましては、庁内組織である公有財産運用委員会において協議をし、各所管の利活用の予定がないことから売却を決定したものであります。
 なお、売却価格につきましては、現在の市場価格を正しく評価し、財産価格審議会において決定したものであり、適正な売却予定価格となっております。
 次に、足立コミュニティ・アーツに関してお答えをいたします。
 足立コミュニティ・アーツの在り方については、公社改革の一環として見直し検討を行ったところであります。
 その結果、「民間にできることは民間に」との区の方針のとおり、経営からの撤退、解散提案が妥当であるとの結論に達しました。また、新たな指定管理者が、来年4月から円滑な劇場運営を行えるよう、早期の解決が必要であると考え判断したものであります。
 しかしながら、3月の議決をいただきながら、その直後に見直しをすることになったことにつきましては、問題を先送りしないためとはいえ、区議会の議決の重要性を考えますと、深く反省すべきことと心からお詫びを申し上げる次第でございます。
 次に、自主事業などへの収益を再投資し、区民文化の向上に寄与していくことにつきましては、民間事業者でも可能であり、そのことで区が引き続きコミュニティ・アーツに関与することの理由にはならないと考えております。
○有賀純三福祉部長 私からは、まず、原油高騰・物価高から暮らしと営業を守る緊急施策の実施についてのうち、福祉部の所管事項について一括してお答えいたします。
 デイサービスにおける食事代補助でございますが、介護サービスに関する経費は介護保険の枠内で行うことが基本であり、一般財源を投入することは適切ではないと考えております。食事代補助を行うとしても、介護保険の枠内ですべきと考えます。したがいまして、第4期介護保険事業計画の中で検討してまいります。
 次に、「福祉灯油」、送迎用自動車のガソリン代補助、高齢者の宅配給食サービスへの支援につきましては、「原油等高騰に関する緊急対策関係閣僚会議」において示された、地方がきめ細かく実施する対策への国の財政支援の内容が不明確な中では、区独自で実施する考えはございません。
 次に、(仮称)入院時負担軽減支援金の支給ついてお答えいたします。
 今後、高齢者の増加が見込まれる中、区の財政負担が大幅に増大するなど厳しい財政状況等を踏まえますと、ご提案の(仮称)入院時負担軽減支援金の支給は困難であると考えます。
 次に、福祉タクシー券に関するご質問にお答えいたします。
 タクシー券増額に関する請願が採択されたこと、及び厚生委員会においていただいたご意見を踏まえながら、現在検討を行っているところでございます。
○日比谷松夫子ども家庭部長 私からは、まず、保育園給食への支援についてお答えいたします。
 現在、認可保育園では、米飯給食を中心に栄養士が献立に工夫を凝らして対応しております。また、私立保育園の給食食材費や光熱費は、国庫負担金である保育所運営費により手当されていることから、区による直接支援は現状において慎重にならざるを得ない状況です。
 区といたしましては、毎年12月に予定している国の運営費補助の改定に、食材費や光熱費の物価上昇分を反映するよう要望してまいります。
 次に、学童保育室や認可保育所の増設についてお答えいたします。
 まず、学童保育室の待機児は、共働き家庭や大規模開発の影響により増加傾向にあります。待機児が多数集中する待機児解消必要地区については、民間活力の導入を含めて検討してまいります。
 次に、認可保育所は待機児解消を図るため、平成19年度大規模開発地域に民設民営による認可保育園を3園誘致いたしました。また、UR東綾瀬団地の建て替えに伴い、22年4月開園を目指して認可保育園の設置を計画しております。
 今後とも、保育所の待機児解消のため民設民営による認可保育園並びに認証保育所の誘致、家庭福祉員の増員などに努めてまいります。
○中田善樹衛生部長 私からは、公衆浴場に対する支援についてお答えいたします。
 現在、公衆浴場に対する支援といたしましては、設備改善補助金の交付、改築資金利子補給のほか、「ゆ〜ゆ〜湯入浴事業」の委託、無料入浴券の支給等を実施しております。新たな支援策につきましては、毎年開催している公衆浴場連絡協議会において、公衆浴場組合の方々と協議しておりますが、現段階では、緊急入浴券を支給する考えはございません。
○丸山 亮総務部長 契約約款についてのご質問にお答えいたします。
 工事請負契約書第24条第5項、いわゆる単品スライド条項の運用基準は、資材価格の上昇による請負代金額の増加分のうち、請負代金額の1%を超える額を発注者である区が負担するものです。第24条第6項、いわゆるインフレ条項ついては、適用する考えはございません。
 また、物品契約については、実勢価格に見合った価格設定を行い、区内事業者にしわ寄せが及ばないように努力しているところでございます。
○橋本 弘産業経済部長 私からは、緊急経営資金につきましてお答えします。
 緊急経営資金の融資あっせんにつきましては、資金需要が高まる年末年始にご活用いただくための緊急かつ臨時的な特別事業資金として実施いたしますので、受け付け期間は約2カ月間が妥当であるものと考えております。
○宇賀 潔土木部長 都民ゴルフ場跡地に関するご質問について一括してお答えいたします。
 下流部の事業提案に当たり、都民ゴルフ場と同様に、河川敷を区が占用し、民間事業者が運営するという仕組みの継承と、現状の景観を最大限に生かすことを条件に公募したところ、1社から応募がありました。
 事業提案を受けた後、4回の住民説明会を行い、住民の意向把握に努めたところでございます。
 しかしながら、当初、住民の意向把握に甘さがあったことも事実でございます。
 続きまして、事業提案があった事業者についてのご質問ですが、同事業者につきましては、この事業を行うため設立された会社であり、その親会社の経営状況を中小企業診断士に依頼し、診断したところ、経営状況は良好とのことでありました。したがいまして、事業者の選考結果については何ら問題はなかったものと考えております。
 昨年12月のプロポーザル選定委員会において、「住民の合意形成を図ること」という決定がなされました。このため、2回にわたり地元説明会を開催したところ、住民の意見が分かれ、住民合意に至りませんでした。事業者へは採否が遅れること、当初のスケジュールに変更が生じることを本年2月に通知し、回答をいただいたところでございます。
 その後、8月4日の第4回地元説明会において、反対多数になったことに加え、だれもが自然を体験できるよう整備をしてほしいという246名の要望書の提出があったため、地元住民の意向を最優先し、不採択という結論に至ったものでございます。
 今後の下流部の活用につきましては、今月末発足する上中流部の整備検討会や関係機関との協議を踏まえ対応してまいります。
 なお、提案事業者から訴訟の提起があった場合には、適切に対処してまいります。
○船田榮二建築部長 耐震助成についてのご質問にお答えいたします。
 建築物の耐震化については、平成19年度、20年度の2カ年を耐震化促進期間と位置付け、助成制度を整備し取り組んでおります。
 耐震化率向上のためには、来年度以降も制度の適用期限の延長が必要と考えており、木造住宅や分譲マンションを中心に助成制度の拡充や普及啓発活動の充実など、様々な方策を検討しているところでございます。
○紙谷 衛危機管理室長 私からは、第二次避難所の対策についてお答えいたします。
 現在、都立の特別支援学校や民間施設等との施設利用協定を推進しているところですが、協定先の物理的な保管場所(倉庫または敷地内空地)の提供が可能な場合は、備蓄を行っております。今後も社会福祉法人等に協力をお願いしてまいります。
 また、ご質問の支援プランについてでございますが、開設・運営は福祉部等が行い、避難者の介護については、ご家族も一緒に避難していただくことや、外部からのボランティアの活用を考えております。また、協定締結前の打ち合わせ等の際に、説明させていただいているところでございます。
 なお、第二次避難所の開設運営マニュアルにつきましては、福祉部等と連携し、早急に策定してまいります。
○定野 司環境部長 廃プラスチックの資源化についてお答えします。
 廃プラスチックの資源化につきましては、大量消費される容器包装プラスチック製品そのものの使用、発生抑制を進めるとともに、再商品化技術の進展などを見据えながら検討しております。現段階では多大なコストや残渣の問題から実施に至っておりませんが、今後も他区の実績や経費等を把握しつつ、検討を続けてまいります。
○齋藤幸枝教育長 少人数学級編制に関するご質問にお答えいたします。
 今月に入りまして、私から都の担当部長に少人数学級編制の早期実現に向けた要請を行っており、また、教職員課長は、毎月のように東京都を訪問し要望しておりますが、都教委の考えは変わっておりません。
 引き続き、都教委に要請するとともに、区独自の対応として、新年度より小学1年生を対象に、1クラスが36人以上の場合、学年が2クラスまでなら1名、3クラス以上なら2名の非常勤講師を配置し、35人学級と同様の効果を発揮できるよう進めてまいります。
○岡野 進生涯学習部長 文化芸術劇場の運営についてお答えします。
 民間事業者を指定管理者に指名した場合における区のかかわり方につきましては、指定管理者制度を導入した他の施設と同様に、施設の設置者として劇場が適正かつ円滑に運営されるよう指導・監督していく考えであります。
 また、文化芸術劇場では、区民の皆様の声を反映させた演劇の鑑賞機会を継続的に提供するとともに、区民劇団の育成やワークショップ、講座の開催等、様々な文化事業を実施してまいります。これらにより、文化芸術劇場の目的である文化芸術の鑑賞機会と活動の場の提供、舞台芸術の創造、人材育成等を図り、更に区民の文化・芸術の向上に寄与させてまいります。
 次に、株主の皆様方には、これまで文化行政にご理解、ご協力いただいたことにお礼申し上げるとともに、今後、文化芸術劇場を文化芸術の活動拠点として一層充実させていくことで、株主の皆様方への責任を果たしていく考えであります。
 また、社員の処遇問題は重要な課題と認識しております。社員一人ひとりの実情に合わせて対応する必要があり、今後、就職先のあっせんなどをはじめ、可能な限り支援してまいります。
 次に、青少年センターへの指定管理者制度の導入についてお答えします。
 本定例会にギャラクシティの指定管理者制度の導入に伴う、条例改正案を提案させていただいております。指定管理者に代行させる青少年センターの業務としては、施設の管理運営と施設を活用した一部の事業を予定しております。教育委員会の役割である青少年教育の推進や家庭教育に対する支援、青少年団体や青少年健全育成団体の活動に対する支援等の事業につきましては、引き続き教育委員会が担当し、その責任を果たしてまいります。
○鈴木一夫学校教育部長 最後に、特別教室のクーラー設置についてお答えいたします。
 現在の学校施設整備事業といたしましては、子どもたちの安全対策を最優先に耐震補強工事を中心に進めており、体育館を含めた施設全体の耐震化を平成22年度までに完了する予定でございます。
 ご質問の特別教室へのクーラー設置につきましては、学校現場から同様の要望も受けておりますが、多額の財政負担を伴うことなどから、現段階では困難であると考えております。
 なお、当面、各学校における時間割や教室活用の工夫などによる対応をお願いしてまいります。

再質問

○大島芳江議員 何点か再質問させていただきます。
 まず最初に、原油高騰に伴う物価高、これに対する区民への影響が非常に大きいということで、先ほど区長も強く憂慮しているというように答弁をされました。これからも、国や都と連携を図って支援していきたいという答弁がありましたので、是非、それを言葉どおりやっていただきたいと思います。
 その中で、秋冬に向けての福祉灯油の問題では、先ほど福祉部長の方から、「国の財政支援の状況がよくわからないから、今回はやらないのだ」と言っていますけれども、財政状況の問題などについては、問い合わせればわかることであり、また、仮に国や都がやらないから足立区もやらないでいいのかという点になりますと、非常に困難な区民がたくさんいるという状況を知っているのではれば、区の財政を投入してでもやるべきだというのが、私の考えで、それが質問なのですね。
 ですから、その点について、国に財政状況がなければやらないと言ってしまうのかどうか、そこをもう一度お聞きしたいと思います。
 同じように、給食の関係では、先ほど保育園給食については、答弁がありましたけれども、高齢者の宅配給食サービス、これも非常に影響がありまして、値段が上がっているのですね。こういう業者に対して支援をするという考えはないかという点については答弁漏れですので、是非、お答えをいただきたいと思います。
 次に、コミュニティ・アーツの問題ですけれども、これは深く反省をしているということで済まされていいのかと私は思います。ただ、私の方で質問した中で株主への責任ということも言っているのですが、実は、この株主への責任の取り方という点で、区が補正予算を組んで、そして、区以外の株を全部買って、つまり区民の税金で買って、それで清算をするという、この方向について、これが株主に対する責任のとりようなのかと私は思っているのですね。
 大体、区民の税金で、なぜ他の株主の株を買わなければいけないのかと、もともと清算するということであれば、残された資産、これをその時点で清算法人が分配すればいいわけですから、なぜこのようなことをしているのかという点については、この株主への責任の問題と合わせて答弁をいただきたいなと思います。
 次に、都民ゴルフ場の問題です。先ほど選考そのものに問題はなかったという答弁でした。しかし、これは親会社の経営状況を把握していたので問題はないというのですけれども、そんなことを言うならば、親会社がこのプロポーザルに応募すればよかったわけですよ。それなのに、わざわざこのプロポーザルのために、しかも足立区内の業者だと点数が高いということを承知して駐車場に賃貸契約も結ばないで住所をつくって会社を設立した。その何の実績もない会社を、調査しなければいけないところを、なぜ、親会社の経営状況の把握で選考そのものに問題がないというのか、もう一度答弁をいただきたいと思います。
 この問題では、このような事態を招いた責任はどこにあるのかということを質問しましたが、答弁がありませんでしたので、答弁をいただきたいと思います。
 次に、障害者の福祉タクシー券の問題ですけれども、これについては議会採択をされていて、いつ、どのように実施するのかと聞いているのですね。お答えが検討中ということでしたが、あれは一日も早くというのが議会の総意でもありますし、それからもう一つ、内部障害者だけでなく知的障害者の方たちについてのタクシー券の問題も議論をされて採択をされたということがあるわけです。そうすると、そのことも含めて、いつ、どのように、つまり来年度の予算にのせる気があるかどうかということについて聞いているわけですから、その点について明確にお答えをいただきたいと思います。

再答弁

○有賀純三福祉部長 福祉灯油に関するご質問でございますが、様々な行政需要がある中で、灯油の購入助成などを行うことは困難であると考えています。
 なお、国の財政支援につきましても、特別区に提供があるのか、また、国の財政支援の大きさがどれほどかといったことが不明であります。したがいまして、現段階では特別区においては、国の財政支援を期待できる状況にはないと考えております。
 続きまして、福祉タクシー券についてのご質問にお答えいたします。
 福祉タクシー券の増額に関する請願内容や議会からのご意見を踏まえますと、対象範囲をどこまでにするのかということ、また、必要財源の確保をどうするかなど様々な課題がございます。現在、真剣に考え、検討しているところでございます。
○岡野 進生涯学習部長 株主への責任につきましては、先ほどご答弁したとおりでございます。
 また、区の方で株の買い取りを進めているという、今後の予定ということで申し上げてございますが、これの理由でございますけれども、解散ということで株主の皆様のご同意をいただいた場合につきましては、今後手続を円滑に進めていくということがございます。
 それから、実際解散につきましてはかなり時間がかかるということもございますので、株主の皆様方への機会を多く設けるという趣旨で現在、検討しているところでございます。
○有賀純三福祉部長 高齢者への宅配給食サービスへの支援につきましては、最初の答弁の中で、区独自で実施する考えはございませんと答弁しております。
○宇賀 潔土木部長 都民ゴルフ場跡地の会社でございますけれども、この会社は、この提案した事業を行うための会社でございます。当然、事業が始まっていない以上、提案した段階ではまだ事業実績がないわけでございます。それゆえに親会社の財務状況を審査したということでございます。事業がない以上、ペーパーカンパニーだということは言えないと感じております。
 それから、責任でございますけれども、住民の意向把握が甘かったと述べました。その上で、私どもとしては4回にわたって住民の意向の把握に努めたわけでございます。その住民の意向に沿った形でもって結論を出したということで、そこに責任があると考えております。