3、決算特別委員会の質問等 10月7日(4日目)針谷みきお議員 |
○針谷委員 私は、まず介護保険の決算についてお伺いをしたいと思います。 第3期の介護保険給付費の負担割合は、65歳以上の第1号保険料が19%、40歳から65歳未満の2号保険料は31%、つまり保険料は50%負担すると。そして公費負担は、国が25%、都、国が12.5%ずつ負担して50%となる仕組みであります。国は介護保険給付費等の25%を負担することになっているのですが、確実に自治体に支給されるのは普通交付金の20%で、残りの5%は調整交付金とされると。 調整交付金は75歳以上の高齢者の方が多いとか、1号被保険者の所得水準が低いなどで、1号保険者の保険料の基準額が高くなると。自治体間の格差を調整するために国から市町村に交付されることになっていると理解をしております。実際に国庫支出金が25%足立区に歳入されたことは一度もないと。 そこで伺いますけれども、足立区の国庫支出金のうち調整交付金の割合は、本来5%ですが、平成17年度は2.9%、金額にして7億8,100万円、18年度は2.92%、8億3,800万円余、19年度は2.91%、8億1,400万円という金額だと思うのですが、そのとおりでよろしいですか。 ○介護保険課長 そのとおりでございます。 ○針谷委員 それで、本来25%拠出されれば、3年間で、これは後で説明しますが、17億4,600万円国は歳入されることになるのです。しかも18年度というのは、区が年度途中で予定していた調整交付金5,000万円が交付されなかったということでありますが、国は次年度ごとに精算をするので、区は前年度予定していたけれども、国は国全体でいわばオールジャパンで5%の調整交付金額を超えてしまいそうだということで、交付できないという通知を区にしてきたということですが、そのとおりでしょうか。 ○介護保険課長 調整交付金の変更がございましたのは19年度でございます。 先ほどのパーセンテージで2.92%が2.91%と変更になりましたので、その金額5,000が当初の予定より少なくなったということがございます。 ○針谷委員 わかりました。本当にひどい話だと思うのです。 次に、歳入のうち1号保険料についてお聞きしますが、65歳以上の区民が支払う1号保険料ですけれども、決算を見ますと18年度は64億5,500万円、19年度は68億1,853万円歳入されておりますが、この金額でいいと思うのですが、ところで、この金額は保険給付費の負担割合はそれぞれ18年、19年度で何%になりますか。 ○介護保険課長 給付費に対するパーセンテージは、申しわけございません、ちょっと計算してございませんけれども、残の金額が出た場合には、基金という形で積み立てまして使わせていただくような形になっております。 ○針谷委員 私そんなこと聞いていないでしょう。何%かという単純な計算を聞いているのです。 私の方で計算をしました。18年度は、本来1号保険者が負担をするのは20%ですが23.4%、3.4%多いのですよ。19年度は23.19%。本来なら19%の負担でいいこの1号保険者の負担というのが、なぜこの65歳以上の保険者が多く負担をするのかということですけれども、この点はどうなのでしょうか。 ○介護保険課長 制度の設計がございますけれども、先ほど委員がご指摘になられましたとおり、負担割合が、まず半分は税金ということでございます。残り半分は保険料ということで、2号と1号と分けてございますけれども、税金の国の負担の部分につきましては、20%は確定でございますが、5%につきましては、日本全体で5%という組み立てになってございますので、その部分が割合に乗ってくるということでございます。 ○針谷委員 聞いている人にもう少しわかりやすく説明してほしいのですが、私がわかりやすく説明しましょう。 いま言った国の高齢者の1号負担料は、毎年64億円、68億円とふえているわけですね。負担割合は、先ほど言いましたように23%程度、本来19%なのです。なぜこうなるのかというのは、いまの介護保険課長の話をわかりやすく言うと、国が本来出すべき調整交付金を合わせて25%を出さない。つまり調整交付金は17年度2.92%、5%出すべきところを出さない。その影響額がほぼこの3年間で見ますと17億円足りなのです。それで、1号保険料が23%になるのは、例えば18年度は64億円入ってきていますから、本来19%であれば55億円でいいのですが、多く11億3,050万円多くこの1号保険者が負担している。19年度は12億4,000万円ほど多く負担している。 つまり、23億7,000万円、国の調整交付金、国が本来出すべきお金が削られているために、1号保険者に負担をしている。こういう非常に矛盾したといいますか、弱いものいじめと、私は本会議で言いましたけれども、そういう実態になっているのです。 しかも、この拠出割合において毎年国、都、31%の64歳までの人の負担、ここのところにつては、すべて余ったからとして精算をしていくと。区民には一銭たりとも返さない。介護保険というのはこうした問題があるということであります。 そして同時にもう一つの問題は、介護給付を拡充しようとすれば保険料にはね返えるという仕組み、我々はこれを称して第二の消費税だと言っているわけですが、そういう点で介護保険制度が持つ問題点は非常に大きいと思うのですが、そこで区長にお伺いをしたいと思います。 国が介護保険を創設する前には、国は老人福祉の2分の1を負担していたのですね。そして介護保険で負担が半分に減ったにもかかわらず、介護保険制度で約束した負担割合も値切ると。我が党は当面、国庫負担は5%ふやすべきだと主張していますが、こうした国のやり方に対してどう対処されるのか、区長の答弁を求めたい。 ○福祉部長 調整交付金につきましては、東京都を通じて国に要望しておりますし、また9月の全国市長会からの国への要望の中でも、国の負担金につきましては各保険者に対して給付時の25%を確実に配分し、現行調整交付金は別枠化とすることという要望を出しております。こういった方向で、区も一生懸命要望していきたいと思っております。 ○高齢サービス課長 いま調整交付金の25%ということでございましたけれども、20%プラスアルファなんですね。ですから、その部分を区民が負担しているということではございません。 ○針谷委員 それは改悪された介護保険法にそう書いてあるんだよ。実は介護保険法をつくったときには、そんなことは書いていないのですよ。そういうことを言ってはだめですよ。区民の立場に立った答弁をしなさいよ。 それで、介護保険特別会計の決算を見ますと、06年度は8億円、07年度は27億円余の給付残があります。08年度はまだ不確定なのですが、区の推計では32億円余の残が見込まれるということで、3期全体としては67億円余の残が出るので、したがって、次期介護保険準備基金に回せるのは、1号保険料の負担割合を掛けると14億円になると見込んでいるのですね。それでよろしいですか。 ○介護保険課長 そのとおりでございます。 ○針谷委員 しかし実際14億円という数字というのは、67億円の19%ではなんだよね。計算すると。21%で計算しているのです。実際23%区民が負担させられているのだから、いいかなという気もするのですが、しかし残りの53億円はどうなってしまうのでしょうか。53億円はどうなのですか。 ○介護保険課長 それぞれ給付費が固まりますと精算という形になりますので、国・都にお返しするということでございます。 ○針谷委員 法律ですから、国や都の支払基金に返還するというのが定められている以上、やむを得ないかもしれない。しかし、一般会計から負担している部分については、少なくても12.5%、計算しますと約8億4,600万円ぐらいあるのですが、このお金というのはもともと介護保険のために、もっと言ってしまえば高齢者支援のために組んだ予算でしょう。保険料を軽減するために準備金に使ってもいいんじゃないかと私は思うのです。新たな一般財源を投入するのではなく、既に介護保険会計に投入している、もともと介護保険のために組んだ予算を介護保険の準備金に使う、これは当たり前のことじゃないですか。 ○福祉部長 そもそも一般会計の繰出金につきましては、介護給付費の12.5%を区市町村が負担するという、いわゆる法定負担分を負担するというものでございます。介護保険の事業年度が終わって1年の集計が終わった後に、その12.5%繰り出すということになれば、戻すという行為は全くわかりません。精算する必要はありませんけれども、それでは保険事業が運営できませんの、あらかじめ計画に基づいて12.5%を見込んで繰り出している。事業年度の後から精算する、こういう行為を行っております。 ○針谷委員 介護保険制度が成り立たなくなるということではないのですよ。区がやらないだけなのです。 そこでお聞きしたいのは、区長のマニフェストも使わなかった介護保険料をお返ししますとあります。まさに、これ使わなかった介護保険料、1号保険料、これを次期保険料の負担軽減をするために準備基金に使うというのは、区長が区民と約束した公約そのものじゃないかと、逆説的に言えるのですね。 区長の公約はもうちょっと違うんだけれども、言っていることは違うと思いますが、逆説的には言えるんじゃないですか、区長、どうでしょうか。 ○介護保険課長 介護保険料につきましては、次期の保険料に充てさせていただくという形で使わせていただきたいと思っております。 介護保険につきましては、85%の皆様がお使いいただかないでお支払いいただく一方という統計もございます。次期に使わせていただくという形でお返しするという意味も込められていると考えてございます。 ○針谷委員 じゃあこの8億何千万円は、次期介護保険の負担軽減のために使うということでよろしいですね。 ○福祉部長 いわゆる余った保険料といいますか、8億円余につきましては基金に積み立てておいて、次期の保険事業に使うと、こういうことでございます。 ○針谷委員 私が言っているのは違うのよ。8億4,600万円、これを介護保険で余ったわけだから、介護保険の次期のものに使うべきだと主張しているのです。それについては意味がわからないわけではないと思うので、部長の答弁を私はとりますけれども、これは私は区長のマニフェストから言ってもそうすべきだろうと思っています。 区民の実際いまの原油高騰や物価高、また先行き見えない経済の状況などを考えますと、これ以上の区民負担を求めるべきではないと思っています。実際区民の声というのを若干紹介します。我々がやったアンケートを紹介すると、それはおかしいじゃないかという方がいらっしゃるので、そうではなく、区が行った介護と介護予防に関するアンケート、この例を出させていただきます。 いっぱいありますが、まず30歳代の女性、「区で負担していただかないと若年層、老年層はますます負担が重くなり、生活そのものが苦しくなりかねません」。2番目、「世の中に収入が少なくやっと生活している方々がたくさんいます。介護保険料は高く、払えない方々はどうすればいいのでしょうか。何か格差があり過ぎです」50歳代女性。「財政難という理由ばかりで区民から徴収ばかりしないで、もう少し工夫すべきではないか」40歳代女性。これは区がやったアンケートですからね。我々がやったアンケートではないのですね。誤解のないように。 そういうことで、介護保険の事業計画を策定するに当たっては、こうした区民の意見に耳を傾けて保険料を決めていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○介護保険課長 ただいま委員にご紹介いただきましたのは区政モニターのアンケートかと存じますけれども、そのほかにも高齢者の皆様の実態調査等をさせていただいております。 そうしたものを踏まえまして、地域保健福祉推進協議会の方で十分議論をしていただき決めていただくということを考えております。 ○針谷委員 ぜひそれは区民の意見をよく聞いて定めるべきだろうと思っています。 ところで、この区の第3期介護保険決算を見ると、どうも見積もりが正しかったのかなというような疑問が若干生まれました。私も何回もそろばん勘定もやってみました。次のようなことが判明をしたので、ちょっとこの辺についての見解をお伺いしたいと思います。 まず、介護利用の抑制がかなり進行しているということで、伸び率が当初予定しているより減っているのかなということで、介護給付費の伸び率が2年間で平均4.5%、5%と介護保険課長はやり取りで言っていますけれども、数字からいうと4.5%しか伸びていないのですからね。 それで、実際にこの介護給付費の伸び率を4.5%で掛けていく、仮に5%でもいいです。掛けていく、今年度は地域支援事業と合わせてみるとどうなるのか、ちょっと試算をしてみました。 3期の介護保険会計の決算の見込みですが、18年度、19年度は先ほど私が言いましたように、18年度が8億余っている、19年度が27億円余っている。これは固まった数字ですので、議論の余地はない。 私が20年度の推計というのをやってみたのですが、総事業費の計画費が343億円、地域支援事業が10億円、合計353億円を見込んでいたわけですね。この2年度の計画事業費の実際の決算、予算ではなくて実際の決算は、18年度が280億円、19年度が294億円ということで、区は20年度は321億円と見込んでいるのです。余るのが32億円、それで先ほど言った67億円が余るという見込みですよね。 ところが、私がさっき言ったように、伸び率を掛けると、327億円にはどうもなりそうもない、地域支援事業を入れても307億円ぐらいでおさまるのではないかと思っているのです。そうすると46億円余る。合計82億円ぐらい余るんじゃないかという推計をしたのですが、これは結果として82億円余ると第4期介護保険に回せるお金は18億3,000万円になりますが、最終的には決算を待たなければなりません。そうした可能性も残されているということですよね。 ○介護保険課長 介護保険の給付費につきましてでございますけれども、ことしの3月、区におきましては前年比7.5%伸びているという実績がございます。 また、4月につきましては、全国ベースですけれども、それまでの伸びと違って5.7%伸びたという実績もございます。 また4月の新規の認定でございますが、病院等から退院に備えた申請が急激にふえている等実績がございまして、委員がおっしゃいましたように、決算を待たなければわからないと考えております。 ○針谷委員 わからないのですよ。 先ほどの課長のお話でも、という意見もありますということだからね。これはやってみなければわからない。しかし可能性も残されていると私は思っています。 次に、区は第4期介護保険料を算定するに当たって、第4期介護保険事業計画の総事業費を3年間で1,180億円と予測して、介護保険料を4,800円値上げするという提案を福祉推進協議会の専門部会に提案したということですが、65歳以上の高齢者が負担する1号保険料の負担割合は何%で見積もりましたか。 ○介護保険課長 介護報酬の改定を5%と見込みまして、そのほか自然増を見込んでございます。 ○針谷委員 質問に答えてください。 ○福祉部長 第1号被保険者の負担割合でございますけれども、第2号被保険者の負担割合は31%、30%になりますので、20%と見込んでおります。 ○針谷委員 それは理論上の話なのですね。 ところが、区の試算では介護報酬が5%上がると、高齢者人口増で介護保険の給付算出1,186億円をやっているのですが、計算をすると前年度より1%ふえた介護給付費の20%を1号保険料で賄うといっているのですが、実際にこれをそろばん勘定しますと20%ではないのですよ。22.1%で見積もっているのですよ。どうしてそうなるのですか。 ○介護保険課長 必要な給付費、総給付費からそれぞれの負担割合を引いてまいります。 先ほど来お話が出ております国等の実績が、調整交付金につきましては5%来ていないといったところから、1号被保険者の負担割合が20%を超えるという形になっております。 ○針谷委員 またもや国の補助金の削減を1号保険料の65歳以上のお年寄りに負担をさせると。こういうことを区の考えとして持っていると思うのですね。 私が先ほど言いましたように、1号保険者は本来持つべき3期で言えば19%を、23%も背負わされていて、そしてそれぞれ余ったお金は区や都や国に返すということで、実際区民が負担を多くしているのは、この間、本当に35億円ぐらい多く負担をさせられているということであります。 私は区から繰り出したこの介護保険会計上に余ったお金8億4,600万円、そして実際に今回残るであろうお金を合わせると、少なくても一般財源を投入しなくても4,380円のまま据え置くというのは22億円あればできると計算をしましたが、やる、やらないということを聞くのではないですよ、理論上は可能ですよね。 ○介護保険課長 本会議でもご質問いただきましたけれども、保険料を据え置く場合には、ただいまご提案させていただいている保険料のほかに22億円必要と計算させていただいております。 ○針谷委員 一致しているわけね。 いま、本当に介護保険がスタートしたときには、保険料はお年寄りには半額だという話から始まっているわけですよ。そしてサービスもどうぞお使いくださいと、介護を社会化しましょうと、2003年度までは順調に伸びた、確かに。しかし、介護保険料はこの間、3,217円から4,380円に値上げをされる。年金からも天引きは満額される。サービスを使いたいときに申請しても認定をしてもらわないとだめだと。特に軽度の方のサービスは非常に厳しいと、重度で施設に入りたくても特養は3,000人の入所待ちと、いつ入れるかわからない。老人保健施設はやはり国の病床の削減で介護難民が生まれる、そんな状況になっている。 介護で働く人々は低賃金でなかなか定着しない、非常勤職員は年収200万円でワーキングプア、こういうものをつくり出した。これが構造改革のお手本として始まった介護保険ですよ。実際は貧困と格差を広げる結果となっている。 私はいまこそ区が区民の介護に責任を持って、老後を安心して生きられる体制をつくるということで、この第4期事業計画については、区民の暮らしを守る立場から、介護保険料は値上げどころか値下げできるはずだということを指摘して、次の質問に入ります。 9月30日付の東京新聞の中に「官製ワーキングプア」、こういう記事が載りました。自治体の非正規職員の年収200万円以下が67%になっているという記事であります。本会議でも保育園の派遣職員は区が試算した賃金よりもかなり低い、派遣会社から雇われているということがわかりました。 区民部でも戸籍住民課の住民票の郵送事務に10名の派遣職員を採用していますけれども、これも賃金はいかがなものかというような感じなのですが、時間がないので、官製ワーキングプアについて、私は区自身がつくっているのではないかと思うのですが、少なくてもそういうことにならないように、この派遣会社や区が委託している事業者については、例えば労働条件をチェックする、この区議会で意見書を上げたように、例えば労働環境に関する情報開示を請求できる。そのような公契約の指導要綱などをつくってチェックする体制、そういう一定の指導をすべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○政策課長 現在ワーキングプアの問題があることについては重々承知しております。しかしながら、会社といたしましては、私どもの契約金額を受けた中で適正な、あるいは会社の事業費の中でやっていくものを基本としていく。したがって、その観点から規制をかけるということについては、まだ時期尚早かなと思っております。 ○針谷委員 それは市場化テストの討論のときにモニタリングをやるといって、当時の政策経営部長は違いますが、そういう答弁をしていませんので、それは部長の答弁を覆すことになりますので、私はこれはぜひ訂正をしてもらいたいと思っておりますが、時間がないので、本当はコミバスの問題をやろうと思ったのですが次回にいたします。 以上で質問を終わります。 |
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