3、決算特別委員会の質問等 10月7日(4日目)ぬかが和子議員 |
○ぬかが委員 私の方は足立コミュニティ・アーツについてお伺いします。 ここに株式会社足立コミュニティ・アーツ検討部会報告、ことしの7月に出されたものですけれども、ここの中にこういうふうに書いてあります。 「自治法改正以前は民間株式会社に管理運営をさせることができなかったので、第三セクターである足立コミュニティ・アーツの設立の意義があった。法改正で指定管理者制度が導入され、シアター1010の管理を民間の事業者ができるようになったことから、第三セクターが必要ではなくなった」と、ここの中で書かれているのですね。 法改正がされて、区が三セクの必要がなくなったといわれる指定管理者制度が導入された自治法改正は平成15年なのですね。シアター1010の開館は16年、それ以降に、つまり法改正された後に区は増資を行いました。それから区の管理職員も派遣をしました。これにより持ち株比率が56.5%になりました。 私たちは、よりそれを公益性が高まって、そして経営を是正させるんだということで評価しましたけれども、この報告書の区の言い分からすれば、三セクは必要なくなった、それ以降にあえて区の持ち株比率を上げて区から役員を送り込むことをしたというのは、矛盾しておりませんか。なぜそういうふうになったのでしょうか。 ○政策課長 こちらの中でもお書きしましたけれども、私ども、アーツを当初設立したのは、法律が施行される以前でございます。以前に既に設立に入っておりまして、設立後に法律ができたという状況があります。 当初、この文化事業が果たして本当に会社の方でできるかどうかを当然見ておかなければいけない。そういう意味では第1ラウンドにつきましては、コミュニティ・アーツを積極的に評価をしてやってきたと、こういう経過でございます。 ○ぬかが委員 違うのですよ。様子を見るとか、そういうことはいろいろ言いましたけれども、設立前のことを聞いているんじゃないの、設立した後に増資したでしょう、役員を送り込んだでしょう、なぜそういうことをしなければならなくなったのですか。 ○生涯学習部長 18年増資というよりは、既存の株主の方から区の方で買い取りをしたという経過がございます。 また、18年6月ごろ株主総会から、区のOBが役員に入ったということでございます。これの経過につきましては、いろいろ調べましたところ、当時の経営の安定化ということで進めたと聞いてございます。 ○ぬかが委員 増資でなくて、株式取得でしたけれども、そうですね、経営の安定化を図らなければいけないということで、役員を、区の管理職員を派遣をしたという経過で、当時の、知っている方が多いかと思いますが、本当に多くのマスコミに報道されました。これが当時の墨東民報です。それから、これは当時の読売新聞です。 この墨東民報で報道されたこの中身ですね。これでは、これは17年9月5日付ですけれども、向島の料亭「いけす料理・大漁」で芸者をあげ数名で、このコミュニティ・アーツが20万円を超える宴会を公金で支出していたと。そのほか議会でも区の方も認めた部分ですけれども、芸術監督個人の出版記念パーティーに670万円のも税金が投入されていた。さらには、劇場の管理運営委託を、社長の親族が経営する同族会社に変更をした。その上、別の清掃会社にすべて丸投げしていたと、およそ区直営では考えられないような公私混同や乱脈経営がまかり通っていたと、そういうことを批判しながら、ここには非常にいい気なもの、向島の料亭でという記事が出て、本当に議会でも大変な議論があったと思うのです。 さらに、協定にもない事務手数料というのをつくり上げて、これで1億4,700万円もお金を区が支出する形になり、その結果、本来区に戻ってくるはずのお金が戻らない。株式会社コミュニティ・アーツは大幅に黒字になったということで8,300万円も法人税等を支払ったと。結果的に、事務手数料分はその議会の批判やいろいろ意見がある中で9,800万円返金されましたけれども、法人税、これは当時どうなったでしょうか。 ○文化課長 法人税も、その後、還付の手続をしまして、ちょっと資料の持ち合わせがないのですが、記憶によると3,000万円ほど戻ったというような記憶があります。 ○生涯学習部長 一般法人税を会社としては支払った後に、翌年度にたしか還付で戻ってきたと記憶しております。 ○ぬかが委員 法人税のまず更正請求をやったけれども、更正請求が当時通らなかったのですよね。仮に戻ったといっても、全額は全然戻ってきていないというようなことなわけですよ。赤字ならば払わなくて済む法人税まで、区民の税金で支払ったというのが当時のことでした。 まさにそういった批判やいろいろな運用について、あり方について意見がある中で、是正をしようとして区が立て直しに乗り込んだわけです。 この16年からの決算額で見ますと、劇場の管理運営委託費は、決算で16年度ですと4億3,500万円弱、17年度は4億2,500万円以上と、そういう金額なのですが、それが区の職員が派遣され、また株式を取得して区が56%持ち株を持つようになった、そういう18年度以降は、決算額は幾らになったでしょうか。 ○文化課長 18年度以降でよろしいでしょうか。 ○ぬかが委員 はい。 ○文化課長 18年度の決算額は3億7,650万円、19年度は2億6,340万円でございます。 ○ぬかが委員 つまり、最初のころ当時の教育長は、だれがやっても5億円かかるんだと、私たちがいろいろ批判しますとそう答弁したのですよ。でも実際はそうではなかった。きちんと区が入って、そして経営を是正させて金額も圧縮をさせてきたということだと思うのです。 また、専門性や効率的な経営の点から赤字を行政が補てんする体質ではなく、株式会社なら経営責任を明確にできるんだ、自由な経営の展開で収益性が高められ、区に頼らないで自立してやってもらえる、開館記念行事から始まっていろいろなお金のつぎ込み方が多すぎる。そういうことで、このお金はダブっているじゃないか、芸術監督のお金はおかしいんじゃないか、いろいろ言ったときに、この同じ答弁をずっと区は繰り返していたけれども、結果から見るとそうではなかったという、いわば民から官になり、公益性を高めて経営も是正したと。 ところがこの報告書には、その時期の評価、総括、こういうものはあえて行わないで書かれていないのですけれども、それはなぜですか。 ○政策課長 私ども、公社を見直す、あるいは外郭団体を見直す場合は、こういった第2次構造改革計画、これが18年に策定してございますけれども、基本的にはこの会社については、この中の基準に基づいてやっていくということでございまして、個別的な順位について見たわけではございません。 ○ぬかが委員 ただこのアーツがどうだったのかということを見るときに、アーツを解散するという結論を出すものでしょう。そのときにアーツをだれがどうやって是正したのか、そういう時期のことを触れないで、以前は株式会社でした、アーツのような形態にしないと運営できない。指定管理者制度ができたから要らなくなりました。それだけだったらもっと早く結論が出ている話なのですよ。そうじゃないから、そういう部分も含めて総括をしていかなければいけないということだと思うのです。 ところで、この報告書には現在のアーツの運営そのもの、いまちょっと答弁されましたけれども、に問題があるとか、現在のアーツの問題点、何か書かれていますでしょうか。 ○政策課長 先ほどから答弁し、また、文教委員会でもご説明いたしましたけれども、私どもは官から民へ、こういう流れで外郭団体、公社、株式会社を含めて見直しております。 そういった中で、今回見直しをしましたところ、例えば近所の葛飾区であるとか、江戸川区であるとか、そういったところでは民で十分やっていることが検証できたから、官から民への流れで大丈夫ということで結論を出したわけでございます。 ○ぬかが委員 聞いたことにきちんと答えてください。 私が聞いたのは、ここにアーツの運営に問題があるとか、問題点が書いてありますかと聞いているのですよ。 ○政策経営部長 いま政策課長からお答えがあったわけでありまして、これは集中改革プランとか、これまでのスケジュールの中で今年度に法人の縮減に向けた作業、これは具体的に踏み出しているスケジュールがございまして、言ってみれば、それに沿って構造改革の幾つかのチェックポイントに基づいて継続するかどうか、こういった判断を今回はさせていただいたということでございます。 ○ぬかが委員 結局、アーツに問題点があると書かれていないのですよ。そういう観点はないんですよ。それはそうですよ、経営是正されて、いま全うな運営の仕方を、それこそ区の職員頑張って、派遣の方々も頑張って、そして是正してきたのですから。アーツに問題点がない。そういう中で突如このアーツを解散するというのは、非常に違和感を感じるのですね。 かつて湯河原の保養所汚職事件がありましたけれども、あのきっかけになったのは、湯河原の保養所のときには、曲がりなりにも食事がまずいという言い分があって、それで、じゃあというので業者を交代したのですよ。そこから汚職事件になってしまったのですけれども、でもこっちはそういう問題も書かれていないし、ないのですよ。それは違う観点だからといまお答えがありましたけれども、事実としては書かれていない。 そして、私たち7月に区が検討部会の報告を出してからアーツに行きまして、職員の方々に話を聞いてきました。コミュニティ・アーツの職員の方々は「寝耳に水で本当に驚いた。見直すという話があるのは知っていたけれども、指定管理者に指定してもらえたのだから、議決してもらえたのだから、あと5年は存続できる、頑張ろうと、本当にいい文化を提供しようと励まし合っていた矢先だった。仮に解散するにしても突然解散なんてひどい」、それから、「職員のモチベーションが心配だ」、こう語られていたのも当然のことだと思います。 次に、9月11日付のあり方の方針決定、これが行われましたけれども、これを見て私疑問に思ったのは、通常の会社法に基づく解散ですと労働債権を優先し、その後、清算に入って、残った資金を、資産を分配すると。ところが今回は12月に補正予算を組んで、民間が持っている残りの株を区が買い取ると。一人株主になり、それから清算法人に移行すると。通常の会社法に基づく処理の仕方とは違う仕方を行おうとしているのですが、なぜこうやろうとしているのでしょうか。 ○政策経営部長 これについては、この劇場の運営というものが一つございます。この劇場運営の4月以降の運営というものをスムーズに行うために、事前に指定管理の辞退、こういった一連の手続が必要であろうと。こういったことで区としては一定の提案という形で、アーツに考え方を示させていただいたということでございます。 ○ぬかが委員 いまアーツに提案ということで考え方を示させていただいたと言っていますけれども、この株主総会はいつやるのでしょうか。 それから、株を買い取ると言っているのですけれども、財価審の日程はいつになっていますか。 ○副区長 株主総会でございますが、既に取締役会の議決を経て、今月の31日を予定してございます。 ○財産活用課長 財価審は10月16日を予定しております。 ○ぬかが委員 そうしますと、株主総会で返上するとか、解散とか、そういうことを決める前に、先に区が財価審で株を買い取る価格を決めると、これは逆転しているし、非常におかしいことだと思うのですよ。 しかも通常の処理の仕方とは違う、無理やり急ぐからそういう処理の仕方をせざるを得ないという点でも非常に問題があると。 会社設立から乱脈経営、癒着が指摘され続けてきたアーツですけれども、問題が生じているときには税も随分投入してきました。累積しますと20億円を超えています。投入してきました。運用が改善されたとたんに急いでこれを解散すると、もともと芸術劇場の税金をすべて使って投入した財産ですので、そのあり方を指摘して質問を終わります。 |
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