3、決算特別委員会の質問等

10月10日(6日目)針谷みきお議員
○針谷委員 私の質問は、きょうは2問です。
 一つはコミバスの問題でございますが、はるかぜが平成10年の交通懇話会の答申で具体化されまして、西新井―区役所―綾瀬駅、これの第1号を皮切りに順次路線が拡大をしてまいりました。
 まず、このコミバスの目的といいますか定義といいますか、これはどういうところから始まったのかと思うのですが、いかがでしょうか。
○土木部副参事(交通・道路計画) コミバスの定義というか、導入の目的でございますけれども、交通不便地域の解消というのが一番大きい目的でございまして、その次に高齢者障害者の移動制約者の移動確保、それ から自家用車への依存を抑制し環境負荷軽減というようなことが一番大きな目的だと思われます。
○針谷委員 それで、空白地域の利便性、非常に足立区の場合11路線になっているわけです。
 それで、現在23区でコミバスを運行している区はどのぐらいあるのか、そして区が事業者へ何らかの補助をしている区は何区あるのか、この2点をお伺いしたいと思います。
○土木部副参事(交通・道路計画) 23区内でただいま14区がコミュニティバスを運行しております。その中で、運行経費に対して補助金を出している区が9区、それから車両購入費のみ補助を行っている区が1区、それから足立区のように全く補助をしていない区が3区ということでございます。
○針谷委員 決算委員会でいろいろな委員から新設路線をつくってほしいというさまざまな要望が取り上げられました。初めにそのコミバスの設置目的お聞きしましたけれども、やはり住民の利便性を確保するという観点からその空白地域をカバーしてほしいということで住民が署名運動などを取り組んでいるところが幾つかあります。
 これは区のホームページのちょうどはるかぜの運行の路線が書いてあるもの、ちょっと大きくしてきたのですが、11路線あって、それでこの黄色い部分がいま走っている11路線なわけですね。これを見ますと、一つはやはり関原、本木、梅田、興野、ここら辺はちょうど補助100号線があるのですが、既存のバス路線はあるにしてもかなり空白かなと。それから、この間新井委員が言っていた花畑が空白かなとこういうふうに思うのですけれども、北千住の東口もないですけれども、こういう空白路線、特に例えば署名運動などをやられているような関原、本木、興野、こういうところがなかなか実現しないということは、何か障害というか困難さがあるのかなと思うのですが、その原因というのは何だというふうにお考えでしょうか。
○土木部副参事(交通・道路計画) この件につきましても、交通空白地域についても交通懇話会というところで毎回要望を行っているのですが、どうしても事業者においてその地域について乗車人数が余り見込めないというふうに予想しておりまして、採算性の面から非常にはるかぜの導入が厳しいという状況でございます。
○針谷委員 それで、実は19年10月に国において地域公共交通活性化法というのが施行されまして、20年度は、もうやめてしまいましたけれども福田内閣のもとでつくられた骨太の2008の方針でこの地域交通の住民の足の確保について支援をしていこうという動きがあり、方針まで示されたと思うのですが、この制度を活用するというのはできないのでしょうか。
○土木部副参事(交通・道路計画) ただいまお尋ねの件は地域公共交通活性化法に基づく国土交通省の支援制度だというふうに理解しておりますが、この制度については特に地方の交通過疎地域とか地方の主要都市に国が重点的予算を配分していくというふうに聞いておりますので、なかなか東京23区内においてこの支援を活用していくということは非常に難しいと聞いております。
○針谷委員 私はコミバスというのは、考えてみますと非常に大きな自治体の施策では重要なことになってきているかなと思っているのですね。特にだれもが自由に交通することができるという交通権というのが打ち出されて、これは憲法の22条の居住移転及び職業選択の自由とか25条の生存権の保障だとか、13条の幸福追求権などに関連する人権を集合した新しい人権であるということで交通権学会というのが主張しているのですが、そういうものが具体化され実際に国としてやっているのがフランスの国内交通基本法、1980年に制定されて、イギリス、ドイツ、ヨーロッパで当たり前という交通権を尊重した実際の取り組みがやられていると思うのですね。
 ヨーロッパなどでは、いわゆる採算よりも利用者の利便性や先ほど言ったような環境の改善とか町の活性化、こういうような視点から運営をされているということであります。
  私も実は個人的にいわゆる社会主義研究というのでロバート・オーウェンの空想的社会主義のイギリスのスコットランドに行ったのですが、そのときに驚いたのが、夏休みだとブリットレイルバスという列車ですが、安くなってしまうのですね。夏休みは人が多く使ってくれるので安くするということで安くしてくれる、非常に驚きました。日本は夏休みだと高くなってしまう、そういう点でも単なる採算というよりも住民の利便性をもっと重視するというふうに私は思っています。
 日本の場合はこの採算性に重点を置かれているために事業者が出てこないというところは、幾ら要望が住民からあってもだめだと、場合によっては不採算路線は廃止だと。現にはるかぜも1時間に3本ぐらいあったダイヤが1時間に1本ぐらいになってしまって、一層赤字で悪循環になる、こういうことになっているというふうに思うのですね。
 そこまで考えますと、やっぱりいつまでも住み続けられる町をつくる、実質的に保障する地域の公共施設として位置づける、動いているけれども公共施設で位置づける、そういう考えに基づいてこの空白地域、例えば本木、関原、興野からこの区役所へという、この新路線を検討して設置すべきではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○土木部長 ご指摘の交通権の考え方、ある点でそのとおりだと思います。
 ただし、いまご指摘のように、ヨーロッパにおいては交通権の考え方が明確になっておりますけれども、日本ではまだまだそこまで行っていないというのが現状でございます。
 その上で、新井委員のご質問にもお答えいたしましたけれども、確かに採算性の問題はかなり多くの問題占めておりますので、これはバス事業者も含めまして、そういうような をつくりながら対応してまいりたいと考えております。
○針谷委員 ぜひこれは区でも、やはり23区中先ほど言った14区のうち9区が何らかの補助をしてやっているということを考えますと、一つの流れだろうというふうに思うので、ぜひその辺をこの本木、関原、興野から区役所へというのも含めて、ぜひ早急に実現をしていただきたいというふうに思います。
 最後に、悪臭防止の問題、本会議でも質問しましたが、入谷の地区には一般産業廃棄物業者が30社ぐらいあって、実際にはもっと多いという話もありますが、この業者から出される悪臭とかトラックの搬入による排ガス、それからごみ焼却による煤煙、被害は大変です。
 この悪臭被害は受認限度を超えているというふうに私実感をしています。実際、ある業者が生ごみのコンポスト化をやっていて毒ガスみたいのが発生して、そこでやっていた作業員も倒れるというような事件があります。もちろん悪臭防止法とか都条例がありまして一定の基準に基づいて指導されていると思いますけれども、住民の苦情はおさまらない。
 そこでお伺いしますが、ここ2、3年の区内の悪臭についての苦情件数と、そして具体的に指導をした件数があればお聞きしたいと思います。
○環境保全課長 悪臭に関しましては、ここ数年といいますか、平成18年ですと全体で51件、いまご指摘のありました特にごみ処理関係の入谷関係ではそのうち2件、19年が31件中3件、今年度、まだ年度途中でありますが、全体で22件中入谷中心に3件の指導をしています。これにそれぞれ同数程度軽度な相談というものが加わっております。
○針谷委員 そうすると、18年は51件苦情があり、指導したのが3、次年度は31の3、大体1割ぐらいは具体的に指導しているということですね。51件というのも大変多いなというふうに思うのですけれども。
 これらの廃棄物のほとんどが都心の企業から排出されていると。区長が許認可権者となっている一般廃棄物の事業者のうち、収集運搬業が23区620社のうち足立区で332社だと。処理業者は23区で32社あるうち足立区が8社ということで、この一般廃棄物の事務所の設置は区長が許認可権者ということでよろしいのですよね。
○環境部長 施設の許認可権は東京都にあります。業務許可権限について一般廃棄物は区長にあるということです。
○針谷委員 このごみのリサイクル再資源を進めるにはこれらの業者は確かに必要不可欠な存在だと思います。しかし、その多くが足立区、とりわけ入谷の七、八、九丁目、この準工業地域に集中しているというところに問題があると思うのですね。
 そこでお伺いしますけれども、悪臭防止法や都条例で規制している悪臭対策で、一般廃棄物処理業者の進出を押さえることはできるのでしょうか。
○環境部長 いまお尋ねですけれども、そもそも公害を防止する悪臭防止法あるいは環境確保条例、これは広く健康と安全の確保、あるいは生活環境保全のために区民も事業者も守らなければいけないということでありまして、そのために環境部は必要な調査あるいは指導もしているわけです。したがって、例えば地域を区切ってこの基準を上下するとか、そういうことは可能性があるというふうに思いますけれども、ご指摘にありましたような新規参入者を既存の事業者と異なる基準を適用して、それをいわばうちの方に来ないようするということは非常に難しい。あるいは基準全体を上げてしまっては既存の事業者に新しい投資を求めることになりますから、これも現実的な解決策にはならない、このように思います。
○委員長 2分切りました。
○針谷委員 そこでちょっとお伺いしますが、建築基準法の観点から一般廃棄物処理施設の設置の許可基準というのが平成16年にできていることがわかったのですが、そこの中に、許可基準は生活環境影響評価により住民への影響が軽微であることと、住民への計画が説明され調整が図られているというのがあるのですね、許可するに当たって。その住民が強く反対している場合は許可しないという意味でとっていいのでしょうか、この基準というのは。
○建築指導課長 住民が強く反対している場合等については「許可」は難しいと判断してございます。
○針谷委員 これは斎場の指導要項もそうですが、やはり指導要項に私はもう少し格上げをして、きちっと新たな一般廃棄物処理の設置に規制をかけるという必要があるのではないかというふうに思っていますが、この指導要項設置についてはどうでしょうか。
○建築部長 私ども確かに指導要項に基づいてその効果があるということの事例は多々承知しております。
 この産業廃棄物処理施設の問題でございますけれども、環境問題それからまちづくりの問題、それから私ども建築行政、さまざまな行政が絡み合っておりますので、関係部課とも協議しながら、そのあり方について検討してまいりたいというふうに考えております。
○委員長 時間、残りわずかです。
○針谷委員 最後、今決算審議で私は介護保険会計について主に質問してきましたが、国のひどさを追及しながら、高齢者に新たな負担をしておきながら、介護報酬、人材不足、サービスが十分に提供できないと、まさに保険あって介護なし、これが政府の進める構造改革の結果だろうというふうに思っています。