5、意見書・決議等 | ||||||||||
(1)都市計画税及び固定資産税の軽減措置の継続を求める意見書 区民や小規模事業者を取り巻く環境は、長期的な景気の低迷に加え、原材料価格の高騰など様々な危機に晒されており、非常に深刻な状況にある。 こうした中、東京都が実施している「小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置」「小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減免措置」及び「商業地等における固定資産税・都市計画税について、負担水準の上限を65%に引き下げる軽減措置」は、区民の過重な税負担を緩和し、厳しい経営環境にある小規模事業者にとっても、事業の継続や経営の健全化への大きな支えとなっている。 東京都がこれらの軽減措置を廃止するとなれば、区民や小規模事業者の経済的・心理的影響は極めて大きく、景気に与える影響が強く危惧される。 よって、足立区議会は東京都に対し、下記事項について平成21年度以降も継続するよう強く求めるものである。
(2)介護報酬の地域係数是正に関する意見書 現在、東京における高齢者介護の現場は、地方と比べて深刻な人材不足に陥っている。 足立区内の介護保険施設でも、職員の確保が困難なため厳しい運営を強いられている。こうした状況が長引けば、利用者に対するサービスの質の低下だけでなく、サービスの提供そのものができなくなることも懸念される。 その主な原因は、介護報酬の引き下げにより、介護職等に対する給与水準が他の産業と比較して著しく低くなっていることに加え、地代や建物賃料などの不動産関係費、食費をはじめとする物価水準が全国一高いにもかかわらず、現行の介護報酬の設定がほぼ全国一律の制度となっているためである。 現行の介護報酬における人件費の地域差は、国家公務員の調整手当の支給率に準じており、特別区内の施設サービスでは1単位10円に対して10.48円、4.8%の加算しかなく、かつ、物価水準に係る地域差は考慮されていない。 さらに、国は人事院勧告を受け、平成18年度に従来の調整手当を廃止し地域手当を創設している。 こうした国家公務員給与の見直しを踏まえれば、介護報酬における地域係数が据え置かれていることは、妥当性や合理性を欠くものと言わざるを得ない。 大都市東京において高齢者等に良質な介護サービスを提供するためには、国庫負担を計画的に引き上げ、保険料等の水準にも留意しながら、介護報酬の設定を都市部の実情にあったものとし、介護サービスの事業者が安定的に事業を運営していくことが不可欠である。 よって、足立区議会は政府に対し、介護報酬の設定における特別区の地域係数について、1級地の国家公務員の地域手当(18%)を適用することを強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成20年10月24日 議 長 名 内閣総理大臣 厚生労働大臣 あ て (3)国民年金保険料未納者に対する国民健康保険短期被保険者証の交付に関する意見書 平成19年6月の社会保険庁改革関連法の成立により、平成22年1月には日本年金機構が設立されることとなった。 その準備のため、手続きを簡素化し、保険料徴収を徹底する規定を定めた「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律」も成立している。 これにより、市町村を納付受託機関とした上で、国民年金保険料未納者に国民健康保険短期被保険者証を発行し、更新手続きにあわせて納付を催促する規定などが導入された。 しかし、国民健康保険加入者には、無職やアルバイトなどの不安定収入・低所得者が多く、限られた生活資金から医療サービスへのアクセスを確保するため、国民健康保険料を納付していることが推察される。 さらに、国民健康保険料の収納対策にも苦慮している中で、別制度である国民年金保険料の未納を理由に、国民健康保険料を納付している住民に国民健康保険短期被保険者証を交付することは、現場の混乱を招くばかりでなく、その主旨自体、適切とは言えない。 年金、医療保険、介護保険などの社会保障制度は、体系的に整備されたものではなく、また、相互補完的機能もない。 こうした制度の弊害を残したままで、国民年金保険料の徴収についてのみ、わずかな効率性を追求しても、制度疲労の度は増すばかりである。 よって、足立区議会は国会及び政府に対し、国民年金未納者に対する国民健康保険短期被保険者証の交付に関する規定(国民健康保険法第9条関係)を、削除するよう強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成20年10月24日 議 長 名 内閣総理大臣 厚生労働大臣 あて |
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