1、本会議質問

一般質問「学力テスト
・北千住駅東口周辺まちづくりについて問う」
9月25日  浅子けい子議員

―質問と答弁―
学力テストについて問う @不正問題について


○浅子けい子議員 私は初めに教育行政のうち、学力テストの不正問題について質問いたします。
 2004年、文部科学大臣が「競争は世界の常識だ」「競い合い切磋琢磨する雰囲気を高校、中学、小学校のレベルにも波及させたい」と競争教育をあおり、全国学力テストが復活しました。前安倍首相は「美しい国へ」の中で、全国学力調査を実施し、その結果を公表するべきであると言い、前首相の直属機関である教育再生会議でも「学力テスト」を公表し、学校選択の判断基準にすると主張しています。
 一方、足立区では、2000年を教育改革元年として統廃合と学校選択の自由化を推進しました。また、前教育長のもと、第二次教育改革では、「学力向上」を命題にした二期制の導入、区独自の学力テストの実施と公表、夏休み短縮など、矢継ぎ早に実施してきました。学校選択の自由化と学力テストの実施、公表が連動し、学校間、クラス間、児童生徒間に格差を生み、子ども同士の関係をばらばらにし、「勝ち組」「負け組」にふるい分け、子どもが「集まる学校」「集まらない学校」と格差を大きく広げる結果をつくり出してしまいました。足立区は前年度足立区と東京都の学力テストで第1位になった小学校で不正が行われていたことが7月に発覚したのに続き、今度は「区教育委員会自身が成績アップをねらい、不正を行おうとしていた可能性が出てきた」と新聞各紙が報道し、疑惑が明らかになってきました。
 まさしく国の教育改革を足立区が先取りしてきたことが、この間の事態を招いた大本にあり、起こるべくして起こった事態です。
 マスコミ報道によると、学力テスト問題の事前配布について、区教育委員会の担当者が「よく学習してください」「先生たちに見せてください」「扱いは任せます」と言ったとされています。受け取った校長側からは、「おかしい」と抗議があり、高い規範意識が発揮され、是正を求めたことは救いです。しかし、かりに事前の学習には使っていなかったとしても、不正を誘発した区教育委員会の責任は免れるものではないと思うがどうか、答弁を求めます。
 区教育委員会は、7月明らかになった不正の再発防止のためとして、学力調査委員会に新たに第三者を加えた検討会を設置し、今後の対応について、1)調査問題の配布は1週間前から前日の夕方にする。2)調査結果の方法を学校全体の平均正答率を出し、順位をつけという方法から、学校ごとに児童生徒の正答率の分布をグラフ化する。3)学力調査対象外とする児童生徒の基準の明確化を図る……などを取り組もうとしています。しかし、学校ごとの学力テストの結果を公表することや、特定の子どものテストを除外することには何らか変わりはありません。学力テストを実施し、公表してきたことをあくまでも前提にした対応で、今回のような不正が本当に防止できると考えているのか、伺います。

学力テストについて問う A過度に競争をあおってきた区教委について
 2004年、全国に先駆けて実施された東京都の一斉学力テストの結果を受けた形で、区教育委員会は緊急に校長会を招集し、各教科の取り組みや夏休み中の学習対策を作成するよに求めるとともに、各学校の成績を公表し、学校間の競争と格差付けを強める方向を進めてきました。
 また、区議会では与党が「23中23番目、最低」「こんなことでどうするのか」「学校名をあげ公開せよ」「23区の中で順位を上げることを目標にする」など、繰り返し発言をして、結果として点数と順位を上げることをあおってきました。
 区教育委員会は、学校へのテストの説明会で、過去の問題のCDを配布し、上位校の活用例をパンフで宣伝し、活用状況について「調査」という名の点検を行い、学力テストの点数を競うため、目標や評価の数値化を徹底しました。目標の数値化によって学校全体がテスト至上主義に陥りました。さらに今回、問題になった上位校の校長をほめあげ、挙げ句の果てに学力テストの結果によって学校予算に格差をつけることまで提案し、学校と子どもたちを過酷な競争に巻き込む教育を強行してきました。
 今日の学力テストの不正や教育のゆがみの原因は、このような区教育委員会の過度の競争をあおるやり方にあったと考えるがどうか、伺います。

足立区の学力テストについてB
 区長は今定例会あいさつで、学力テストの目的を「学校間競争をあおることを目的にしたものではない」と発言しています。しかし、学校ごとの平均点と順位を公表することは、学校間の競争をあおる以外のなにものでもないことは明らかです。テストで1点でも2点でもいい点数を取ることに、また、テストの平均点を上げることに現場を駆り立て、子どもと学校からゆとりを奪い、自由な発想の教育を奪ってきました。前教育長は「伸び率と校長のやる気だ」と言い、2007年度は特色予算を増やし「2006年度区内でトップになった小学校に最高水準の金額を配分する」と言明し、教育現場をお金によって競争させるという事態まで生みました。
 心を痛めた子どもの親たちが自主的に足立区の学校教育を考えるネットワークをつくり、不正が行われた根源は学力テストの結果の公表であり、学力テストの結果で学校予算に格差をつけるという区の方針が問題をさらに深刻にしていると「学力テストの結果の公表をやめ」「学力テストで学校予算に格差をつけないで」という署名を短期間に7,000名も集めています。区は「情報公開が必要」だと言いますが、お母さんたちは、「自分の子どもの学力の到達度は知っておく必要があるけれど、学力テストを公表されて、それで子どもの学校が他と比較されて評価されるのはいや。学校ごとランク付けな順位を公表してほしいとは思わない」と語っています。過度の競争をあおり、教育をゆがめる学力テストの結果の公表はやめるべきと考えるが、どうか。
 本来、機会均等が保障されるべき義務教育の現場に、学力テストの結果で学校予算に格差をつけるというやり方は、競争をあおる教育に一層拍車をかけて、ゆがみを拡大するものです。学力テストの結果で予算に差をつけることもやめるべきと考えるがどうか、答弁を求めます。
 そもそもテストは子どもの到達を把握し、つまずきを発見し、指導に役立てるために行うものです。区長も今定例会あいさつで、学力テストの目的を「児童生徒の学習定着状況を把握し、学校での授業改善や家庭学習に生かすためのもの」だと発言していますが、そのとおりだと私も思います。しかし、実際、足立区が実施してきた学力テストは、区長の意図とも違い、2004年の全都一斉学力テストで足立区が23位という結果が出る中で、「学力向上」が至上命題として開始され、「学習名をあげ公表」など、競争を強化する方向で実施されてきたものです。こうして行われてきた学力テストが、真に子どもの学力向上につながったのでしょうか。
 愛知県犬山市教育委員会は、「子どもの学力評価は日常の教育活動の中で次の授業に生きるような形で行うべきで、『できた、できない』だけで評価すべきではない」と述べ、今年、全国一斉学力テストに参加しませんでした。いま子どもたちに必要なことは、豊かな基礎学力を育むことであり、他人と比べて自信を失わせたり、人間関係をばらばらにして、人を攻撃的にする競争原理ではありません。人と人との間で生きる喜びこそが、子どもたちを生き生きとさせます。子どもたちを競争に追い立て、ふるい分けを進める教育のゆがみを正すことこそ必要です。真の学力向上を願うのであれば、点数と順位にのみこだわる学力テストはやめるべきと考えるがどうか、答弁を求めます。

夏休みの短縮について
 足立区では「教育改革」の中で、今年から夏休みが5日間短縮になり、学校が8月27日から始まりました。そもそも夏休みとは、家族の触れ合いが希薄になっていると言われる現在、子どもが学校から家庭に戻り、さまざまな体験をする学習の機会を得ることができ、家族や友人と深く関わるなど、人格形成に資する貴重な期間であり、宿題や補習を通して学習を深める期間でもあり、短縮すべきではありません。とりわけ今年の夏は猛暑が続きました。初日の27日は最高33度を超えていましたが、そうした中でも5時間以上の授業を実施した学校がいくつもありました。
 「エアコンのついていない特別教室は34度にもなり、図工室で気分の悪くなる子どもも何人も出た」、最初の5日間「生徒が次々休んだり、保健室がいっぱい」になったなどの状況もあり、学習効果が上がったかどうかもわかりません。区長は区のホームページで「授業数を確保するため、学校の諸行事にしわ寄せがきている」「勉強やクラブ活動以外のそうしたイベントで個性を発揮し、スターになる子どももいる。そんな子どもたちの活動の場がなくなる」「できるだけいろいろな体験をさせてあげたい」と指摘しています。そういう思いでいるのであれば、夏休みの短縮はやめるべきと考えます。答弁を求めます。

少人数学級について
 子どもたちが生きた学力を身につけるためにも、一人ひとりの子どもが「学校が好き」と言える行き届いた教育のためにも、どうしても少人数学級が必要です。すでに欧米各国は、30人以下学級を実施しています。日本でも東京を除く46道府県で少人数学級の実施が広がっていますが、それはとりもなおさず、「国民の要求が高く、教育効果が高いから」です。2005年にある民間教育団体と新聞社が行った調査では、教育制度についての保護者の賛否で「クラスの子どもの人数を少なくな」が一番賛成が多く81.9%にのぼり、少人数学級を行っている学校の9割が「総じて児童生徒の学力が向上した」「授業でつまずく児童生徒が減った」と評価、中でも小学校では98.7%が評価し、非常に効果を発揮していることがわかります。また、中央教育審議会でも、少人数学級について議論がされていて、一昨年5月には審議委員のほぼ全員が少人数学級賛成となり、これを受けて文科省の調査協力会議も開かれ、その年の報告書では、小学校低学年では、せめて35人学級をという提案もしています。区長も公約で「小学校低学年では、社会性と基礎学力を身につけさせるため、少人数学級編成を実施」すると述べ、第2回定例会のわが党の代表質問に対し、前教育長は「従来の少人数指導に加え、小学校低学年における少人数学級の実施について、都教育委員会に要請していく」と答弁しました。このことは少人数指導だけでなく、少人数学級も必要という見解を示したものと考えるがどうか、伺います。
 文教委員会では、都教育委員会と協議が始まったことが明らかになっています。これまでの都教育委員会の方針は、あくまでも児童教科等の特性に応じた多様な集団を編成できる少人数指導が有効であり、40人学級を維持する方針に固執しています。
 日本共産党は現在、TTや少人数指導のために配置されている教員をクラス担任に据え、不足する教員は、区が独自に非常勤教員を採用するなどすれば、35人以下の少人数学級は直ちに実現できることを予算修正などで明らかにしてきました。都教育委員会との協議はどこまで進んでいるのか、進捗状況を伺います。また、その協議内容について明らかにされたい。

北千住駅東口周辺まちづくりについて
 次に、北千住駅東口周辺まちづくりについて質問します。
 北千住駅東口から荒川に囲まれた地域は、いまでも昔ながらの景観を保っています。駅前通りには地元商店が軒を連ね、一歩中に足を踏み入れれば、木造民家が密集して建ち並んでいつす。足立区の中でも下町の雰囲気があふれ、「金八先生」や「寅さん」の舞台にもしばしば使われてきました。平成18年北千住駅東口周辺地区まちづくりに関する区の住民意向調査でも「暮らしやすい、利便性がよい」「下町の良さ」「交通量が少ない」などの理由をあげて、76%の人がこのまちが好きだと答えていのを見ても、地元の人たちがこのまちにいかに愛着を持っているかがわかります。
 足立区は4年前、日本たばこ産業が駅近くの職員住宅だった3.4ヘクタールの土地を利用転換するのを契機に、千住旭町まちづくり計画案策定を進めています。この計画は40数年前に都市計画道路になり、車が通ることができる15m道路に拡幅することが決められている北千住東口駅前から続く学園通り商店街道路・補助191号線の見直しを求める住民の要望に合致し、代替の新設街路を日本たばこ産業と都市再生機構の敷地内に設置するという内容も盛り込んでいます。
 しかし、同時に日本たばこ産業と都市再生機構の敷地内の用途地域・容積率など、地区変更を行い、第一種住居地域を商業地域、近隣商業地域に変え、高さ制限、日影規制も大幅に変更がされようとしています。変更によって敷地内西側「賑わい誘導地区」と東側税務署に隣接する「複合機能整備地区」では、店舗床面積も3,000u以下から1万u以上の広さが可能となります。また、「賑わい誘導地区」の建築物の高さは、最高限度45mから100mに引き上げられ、高層建築物が可能になり、日影規制もなくなります。このような用途地域等の変更によって、大型店舗や地元商店と競合するような複合商業施設の進出に道を開くことになるのです。
 区は地元商店と地元の賑わいを守る立場に立ち、大型店舗などを誘導する条件整備となる用途地域等の変更は行うべきではないと考えるがどうか、伺います。
 また、補助191号線代替の道路は、日本たばこ産業や都市再生機構の開発を進めるために必要な道路となり、開発事業者に多くの利益をもたらします。そのためこの開発における区内業者の仕事確保を区が強く要求するとともに、多額の費用負担を伴う道路建設は、西新井駅西口地区の開発や新田周辺地区の開発などと同様、開発者負担で行わせるべきと考えるがどうか、伺います。
 区画街路12号と区画街路13号(駅前広場)建設に伴い、立ち退きを迫られる人たちがいます。中でも商店街沿い大規模敷地の交通広場予定地では、立ち退きをいまだ拒否している人たちがいますが、説明会ではそうしたことには触れず、立ち退くことを前提に説明を繰り返しています。立ち退きを迫られている人の中には、駅前という恵まれた立地条件のもと、長年生まれ育った地元で商売を営んでいる人もいます。そうした人たちの意向をよく聞き、強制執行はすべきではありません。交通広場は商店を巻き込むことなく、日本たばこ産業及び都市再生機構の敷地内で計画すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 千住旭町地区まちづくり計画案の広大な日本たばこ産業及び都市再生機構の土地利用については、駅前近くでもあり、駅の顔になる地域です。区は平成18年9月に住民意向調査を行いましたが、その後東口まちづくり構想案、千住旭町まちづくり計画案が具体的に出されてきました。2回行われた説明会では、区から提案された計画に驚きと反対の声もあがっています。また、地元商店街からも、商店と競合するような店舗が入居するのではないかなど、心配の声があがっています。地元住民と十分協議をし、住民合意が得られる計画にするため、まちづくり計画案が具体的になったいまの時点で、改めて意向調査を行うべきと考えるがどうか、答弁を求めます。
 また、千住旭町地区まちづくり計画案では、「新たな防災規制区域」となり、住宅建て替え時には、すべての建築物を準耐火建築物以上の防火性能にする方向が計画されています。高齢化の進む中、防災まちづくりの観点から速やかに建て替えができるよう、建て替え費用助成など、住居建て替えへの支援策を考えるべきだと思うがどうか、伺います。

牛田駅南北分断解消について
 地域の活性化を考えるのであれば、以前から開かずの踏み切りで知られる牛田駅南北分断を解消することが早急な課題となっています。東武鉄道の調査でも、朝のラッシュ時間帯は「1時間のうち40分以上閉まっている」と言われています。すでに町会連合会からは、区に陳情が、また地元住民からも署名とともに陳情が寄せられています。住民要望の強い牛田駅南北連絡通路と北口改札口設置の早期の実現は、相次いだ踏切事故を考えても緊急を要するものです。今年4月から区と東武鉄道本社との検討会が始まっているが、その進捗状況はどのようになっているのか。また、今後の見通しはどうなっているのか、答弁を求めましてこの場からの質問を終わります。

答 弁

○岡野賢二市街地整備・立体化推進室長 北千住駅東口周辺地区まちづくりに関するご質問にお答えいたします。
 まず、用途地域の変更についてですが、地域の拠点である北千住駅周辺において、東口駅前の賑わいを誘導するためにも、商業系の用途地域に変更することが必要であると考えております。当地区では地元から提出された要望書を踏まえるとともに、地区計画やJT、都市機構が作成する開発基本計画をもとに、地元商店街との共存共栄を目指したまちづくりを進めてまいります。
 また、区画街路の整備につきましては、区内業者が確実に参画できるよう、すでに都市機構施行から区の施行に変更しています。また、開発者の負担につきましても、今年の5月にJT、都市機構と区が締結したまちづくり基本協定により、街路部分の開発者負担割合を34.6%とするとともに、事業用代替地を区へ無償譲渡するなどの協力を得ております。
 次に、交通広場計画につきましては、JT敷地を活用した駅前広場や都市計画道路の見直しには、学園通りに面して交通広場を配置することが必要であると考えています。
 なお、交通広場予定地内の地権者の皆様には、商業代替地を確保した上で、今後も個々の事情を十分考慮し、誠意を持って丁寧に対応してまいります。
 次に、意向調査についてですが、平成18年にまちづくり計画を作成するため、当地区の課題や将来像について意向調査を実施したところです。今後更なる意向調査を実施す予定はございませんが、地元まちづくり連絡会や地元説明会、全世帯にお配りするまちづくりニュースを通じて地区の皆さんの意向を把握してまいります。
 次に、新たな防火規制区域の指定につきましては、地区の大きな課題の一つである防災性の向上には必要不可欠なものと考えています。現在、住宅建て替え時の助成制度を設ける予定はございませんが、道路斜線や前面道路幅員による容積率の制限を緩和していく街並み誘導型の地区計画の策定を進め、建て替えを誘導してきたいと考えております。
 次に、牛田駅の踏切対策に関する東武鉄道との検討会についてですが、現在まで3回の検討会を開催し、合同での牛田駅構内の調査や課題の抽出などを行いました。今後は駅周辺の現況や鉄道工作物の状況を精査し、実現可能な方策について検討してまいります。
○齋藤幸枝教育長 学力調査の不祥事に関する質問に一括してお答えいたします。
 一部の小学校において不適切な行為が発覚したことに加え、9月11日の報道で、担当者が「よく学習してください」などと話し、区教育委員会自身が成績アップをねらい不正を行うおうとしていた可能性が出てきたと報じられました。
 不適切な一連の行為が発生した原因は、当該校や関係者の事情聴取の中では、その背景が必ずしも明らかになっておりません。しかしながら、よい意味で学校間の競争を促し、学力を向上させる教育改革の取り組みの中で、例えば数値に基づく順位の公表といったことが、一部で「短絡的に学校の順位を上げたい」といった考えに結びつき、学力調査本来の目的を見失わせる遠因となったのではないかと考えております。
 また、調査問題の漏洩等がなかったとしても、誤解を招く行為を行った当時の教育委員会事務局の道義的責任を含め、一定の管理運営責任は避けられないと考えております。
 このたびの事故が発生したことを重く受け止め、現在、学力調査委員会において、再発を防止するための調査をしておりますが、数値に基づく順位の公表や学力の伸び率等により配付予算に配慮を加えることは、学校間の過度な競争を助長すると指摘されておりますので、改めることを前提に検討してまいります。加えてコンプライアンス制度を徹底し、再発を防止してまいります。
 学力調査の目的は、児童・生徒の「教科学力」を的確に把握し、学校がその結果を分析し、課題を明確にするとともに、指導方法や家庭との連携における工夫・改善を図ることにあります。また、学力調査の実施によって学校の努力や教員の意識に変化が見られてきております。このようなことから、学力テストを中止することは考えておりません。
○中村 豊教育指導室長 私からは夏休みの短縮についてお答えいたします。
 夏休みの5日間の短縮は、年間を通したゆとりある教育活動を進め、児童・生徒に確かな学力を定着させることを目的とするものであります。
 この短縮によって、今年度は各学校においては、通常どおりの授業を行うほか、一部の学校では職場体験学習を実施するなど、工夫ある取り組みも進められ、ゆとりある教育活動を展開する中で、授業時間の確保ができたものと考えております。したがいまして、今後も中止することは考えておりません。
○高木直樹教育委員会事務局次長 少人数学級に関するご質問にお答えいたします。
 少人数学級につきましては、小1プログラムや学習習慣の定着など、さまざまな課題を解決するため、小学校低学年において実施することが効果があると考えております。
 東京都との協議につきましては、小学校一学年の35人学級編成に必要な教員の追加配分を要請するとともに、人件費につきましては、足立区が応分の負担とすることで協議を始めております。

再質問

○浅子けいこ議員 2点質問いたします。一つは学力テストの問題ですが、学力テストはいい意味での競争をはぐくみ、児童・生徒の云々ということで、これからもやっていくという、私の質問の前に言っていた区の教育委員会の姿勢と変わりないのですが、私はそれを1人ひとりの児童・生徒の能力をきちっと把握したり、つまづきを解消したりするようなものではないいまの学力テストはやめるべきと言っているのです。いま足立区でやっている学力テストは、先ほど言われた学力テストの意味とは違うと言っているのに対して同じ答弁をなさったのですが、それを踏まえて改めて同じ答弁だったのか、伺いたいと思います。
 フィンランドの学力テストは、OECDの国際調査で第1位ということで有名ですが、そこでは学校間で競ったり、子ども同士を比べるようなテストは行っていないというのです。日本でも、40年前か、1960年代に一斉学力テストが行われました。そのときに愛媛県とか香川県で、同じように、学力テストの前に、同じような内容のテストを何回も行ったり、当日は教師が正しい答えを指で指し示したり、点数のとれない子にはテストを受けさせない、そういうことをやったということで、テストを中止させたことがあるのをご存じの方もいらっしゃるかと思いますけれども、そういう同じことが足立区でもやられているのだというふうに思っているのです。そういうための学力テストはやめるべきだと思うのです。
 もう1点、質問の意味が正確に伝わらなかったかと思いますけれども、北千住まちづくり問題で、区内業者……。
○加藤和明議長 浅子議員、簡明にお願いいたします。
○浅子けいこ議員 区内業者の仕事確保の問題なのですが、区施行のものは、区内業者に仕事をやらせますという答弁だったのですが、私は区施行のものでなくても、区内業者に仕事を確保できるように努力してほしいと言ったのです。そういう意味で、答弁が抜けていましたので、お願いしたいと思います。

再答弁

○齋藤幸枝教育長 ご質問の趣旨ですと、私の方が答弁漏れだったということなので、少し付け加えてお話しさせていただきたいと思います。
 学力テストにつきましては、学校の教員同士の切磋琢磨、校長先生も含めてですが、こういう意味を持って、学校の努力や教員の意識に変化が見られている、こういうことを申し上げました。そして、子どもたちにつきましても、議員からいまご質問をいただきましたように、その子どものつまづき加減がどこのあたりかということがわかるような問題をつくること、特に区の調査についてはそういう意向のもとでつくられておりますので、私といたしましては、学力テストは非常に役にたっているという認識をしておりますので、中止をすることは考えておりません、このように述べさせていただきました。
 もう1点、不正部分についてご指摘いただいたのですが、これにつきましては、私ども今回、謙虚に受け止めておりますので、学力調査委員会の中でいま、鋭意検討しております。その検討を受けて教育委員会で決定し、その不正が起こるような素地をなくしていく形の中で学力調査を続けていきたい、このように考えているところでございます。
○岡野賢二市街地整備・立体化推進室長 区施行以外の工事の場合の区内事業者の活用ということですが、これに関しましては、すでに要請をしていますし、そのような仕組みづくりについても要請しているところでございます。