3、区長提案の議案などに対する討論 @ 区民保養所廃止条例反対討論 10月19日 伊藤 和彦議員 |
ただいま議題となりました第79号議案、足立区立区民保養所条例を廃止する条例について、日本共産党足立区議団を代表し、反対の立場から討論を行います。 本案は、伊豆高原保養所、那須保養所と次々と廃止し売却されたなかで唯一の区民保養所の湯河原あだち荘も廃止する条例であり、これによって足立区には「区民保養所」という言葉がなくなります。 反対理由の第一は区民の願いを無視するものでまったく道理がないということです。 区民からは「まさか一つも区民保養所がなくなってしまうとは思いませんでした」との「唯一の区民保養所、湯河原あだち荘の存続を求める陳情」は短い期間にもかかわらず1015人分も届けられました。委員会では自民、公明、民主の各党がこの陳情を否決しましたが、その後も区民からは署名が届けられていると聞いています。 区が廃止の方針を決めていた6月の区民保養所のアンケートには「心を休めるのにとても良い所、また来たいと思ってます」、「足立区のただ一つの保養所、がんばってください。またいつの日かお世話になります」と廃止を知らない区民が期待の声を書きしるし、廃止を知った区民からは「湯河原は利用している方が多く、近所にも夏はいつもかかさずいっている家がある。続けて利用できるよう考えてもらいたい。区の施設として一つぐらい残して当然ではないか」と声が寄せられています。存続を求める声はあっても、廃止を求める声は一つもないことを、区も委員会で認めました。この区民の願いに応えるべきではないでしょうか。 第2に、区民保養所の使命は終了していないということです。条例で定められた保養所はそもそも区民の健康増進に寄与し、もって福祉の向上を図るためのものと位置づけているものです。 区は「当初の目的は薄れた、温泉旅館業やる時代ではなくなった」、等と言いました。以前にも那須保養所廃止のとき、民間にできる分野から行政は撤退し民間にやらせるべきとの主張がありましたが、本当にそうでしょうか。区民保養所は旅館業とは違う役割をもっているものです。 実際に湯河原あだち荘では、食事も他のサービスも、きめ細かいところまで利用者のアンケートを生かして行ってきました。夕食は和室での部屋食で行い、障害者のためにはテーブル席も用意して区民利用第一に、工夫もされていました。これらは公の施設だから出来ることで、だからこそ、委員会審議でも明らかになったように保養所については、廃止縮小を求める国の通達があっても、他区では予約しやすい新たな内容なども取り入れ改善、存続している区も多いのです。一方、民間に売却された那須保養所は採算制のためにふとんの上げ下ろしもしなければいけなくなり障害者や高齢者に迷惑をかけている状況さえあります。 区が言うような保養所を保有し運営するという使命が終了したどころか、現代社会の中で区民の健康増進、維持することが求められており、その役割・使命は今こそ必要なものです。 さらに、建設費14億4000万円をかけた貴重な区民の財産を安易に売却すべきではありません。区はプロポーザルにより買受事業者の選定を行い、売却先を決定するとし、条件が整わなかった場合は一般競争入札で売却をすると、ひたすら売却にするやり方ですが、区民のための区民保養所湯河原あだち荘は廃止すべきではありません。区の姿勢を改めるよう求めて反対討論を終わります。 |
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