4、決算特別委員会の質問 環境・災害対策について問う 第2日目 橋本ミチ子議員 |
○委員長 次に、共産党から質疑があります。 橋本委員。 災害時の要援護者対策―支援者の組織急げ― ○橋本委員 本日最後の質問者でございます。よろしくお願いいたします。 震災対策についてお伺いいたします。 子どもたちが一日の大半を過ごし、突然起きる地震発生時には避難所として地域の防災拠点の役割を果たす小中学校の耐震化は、地震への備えとして大前提です。 我が党は、阪神・淡路大震災以来、すべての小中学校の一日も早い耐震化を求めてきました。今回、3年間計画を1年前倒しして補強工事を完了させるということは、大変よいことだと思っています。 それで、本日は、災害時要援護者対策についてお聞きをいたします。 ことしの3月に災害時要援護者支援防災マニュアルができました。改定されてわかりやすくなったと言われています。 要援護者編と支援者編ということになっておりますが、要援護者とはどういう人たちをいうのでしょうか。また、何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。 ○災害対策課長 災害時要援護者とございますけれども、この点につきましては、災害時に何らかの心身にハンディキャップがあって、迅速な避難行動がとれない方ということが大きな定義になっております。 ○橋本委員 もうちょっと具体的におっしゃっていただけますか。 ○災害対策課長 現在、災害時要援護者の名簿をリストアップしております。具体的には、人数的には2万9,000人ほどおります。 ○橋本委員 わかりました。 いわゆる要介護の高齢者だったり、障害者だったり、あるいは病人や妊婦さん、そして幼いお子さんたちを災害時の要援護者と呼ぶんじゃないかと思いますけれども、どうですか。 ○危機管理室長 ただいまご指摘のございましたとおり、要介護高齢者、あるいは身体障害者、知的障害者、外国人、乳幼児、精神障害者等をいいます。 ○橋本委員 そうだと思います。 そうすると、要援護者は2万9,000人いらっしゃると。そして、2万9,000人のこの方たちの名簿はあるんですか。 ○災害対策課長 現在、名簿をリストアップしております。 ○橋本委員 リストアップしているということは、まだ2万9,000人に達していないということですか。 ○危機管理室長 現在、区の方で名簿を持っておりますのは、65歳以上のみの世帯の要介護高齢者、身体障害者手帳1から3級の方、愛の手帳1から4の方、合わせて2万9,000人程度の名簿は持っております。 ○橋本委員 そうすると、いまの2万9,000人の中には、私がいま申し上げた病人や妊婦、そして幼い子どもたちというのは入っていないということなんですね。その人たちはどうしようとするんでしょうか。 ○災害対策課長 この方たちは、現在の名簿には入っておりません。 今後、こういった方々については、所管部と検討して対応を進めてまいりたいと思います。 ○橋本委員 そうですね。この方たちも災害弱者だというふうに思いますので、しっかりと各所管部と検討して進めていただきたいと思います。 それで、要援護者名簿というのはあると。2万9,000人の方のはあると。この名簿につきましては、どういうところに渡すのでしょうか。 ○災害対策課長 警察、消防、消防団、民生委員の先生を対象として考えております。 ○橋本委員 それでは、この支援者というのはどういう人たちですか。 ○災害対策課長 支援者といいますと、それこそ関係機関も含めまして、ご近所の方々、こういったものも支援者として、もちろん家族もそうなんですが、近所の方々も支援者として対象として考えております。 ○橋本委員 そうしますと、かなり広いことを考えていらっしゃるわけですけれども、いま言った方たち、災害弱者を助けるために私は支援者という方がいらっしゃるのかなと思いますが、関係機関というのはそういうことだと思いますが、名簿……とにかく家族や近所の方たちも支援者に入る、広い意味でという意味ですよね。 そうしましたらば、名簿を渡された方たち、警察とか消防団とか消防署とか民生委員の方たちも当然支援者だというふうに思いますけれども、そういうふうに確認してよろしいですか。 ○災害対策課長 そのとおりでございます。 ○橋本委員 それでは、支援者というのはどのぐらいいらっしゃいますか、現在。 ○災害対策課長 広く支援者という方たちまで含めますと、ご近所の方も入ってきますので、数についてはわかりません。 ○橋本委員 確かに、いざ災害といったときには、広くはご近所の方たちの力というのはすごく必要なんです。しかし、重傷を負っていらっしゃる方については、消防団や消防署、こういうところで救援に行こうとか、そういうことが決められているんじゃないのかなと思っていますので、私はそう聞いているんですけれども、そういうことじゃないんですか。 ○災害対策課長 もちろん消防、警察、消防団、民生委員含めてそうでございますけれども、人数ということになりますと、いま確認できているのは、消防団が約1,100名ちょっと、民生委員の先生方が553名、あと警察、消防についてはちょっとわかりません。 ○橋本委員 そうしますと、民生委員の先生たち550人いらっしゃる。そして、消防団員の方たちも1,100人いらっしゃる。こういう方たちは、私は災害のときの支援者ですと、そういう自覚を持って、もちろん日ごろからこの方たちはすばらしい人ですけれども、こういう今回出されたマニュアルに沿った支援者ということになっているんですか。 ○災害対策課長 おっしゃるとおり、消防団だとか警察……済みません。 ○危機管理室長 ちょっと前提からお話をきちんとさせていただきますと、今回、個人情報審議会にかけた名簿提供につきましては、いわゆる公助という仕組みを確立しようということでございまして、先ほど2万9,000名の方の名簿を警察、消防団、それと民生委員さんにこれから準備をしてお渡しをするというふうにしております。 これはいわゆる公助の仕組みでして、もう一つ、支援者を獲得する仕組みといいますのは、中川地区がモデル地域でやりましたが、それにつきましてはあくまでも共助の仕組みをしっかりさせていくということで、そちらの方につきましては、来年度に予定しているところでございます。 ○橋本委員 大体、大枠が見えてきたわけですけれども、実際はやっと2万9,000人の救わなきゃいけない方たちの名簿はできたと。しかし、個人情報ということもありますから、個人情報審議会で十分にこれを審議されて、そしてこの審議会で了承を得ないと、名簿ですから、外に出すということはできないんだと思うんですね。それがあったから、まだということもあるのかなと思うんですよね。 それで、2万9,000人の方たちを当面いざというときには救うということなんですけれども、私は、やはりこれからこの支援者を、あなたが支援者ということになってくださいということは、民生委員ということで名前が上がっているわけですよね。その民生委員さんたちは日ごろから本当によく頑張っていただいていますけれども、やはり事名簿ということがありますので、やはり渡すときには、きちっと個人情報ですからということで、個人情報を守ってくださいよということを、何といいますか、セキュリティーの問題としてやりとりをするように考えていますか。 ○福祉管理課長 実は、先月27日に個人情報審議会がございまして、結論からいいますと、そこで了承されたわけですが、その中でも、民生委員さんに名簿を渡す場合は、個人情報の扱いについてきちんと説明、それからどこまでやっていただくかということを徹底してもらいたいというご意見がございましたので、それに沿って私どももこれからきっちり進めたいと思っております。 ○橋本委員 それで、この個人情報の名簿ですけれども、まさかコピーなんかできるようなことはないでしょうよね。ないですよね。 ○災害対策課長 内閣府がつくっておりますガイドラインがございまして、そこにはコピーができない用紙を使うというふうになっております。 ○ 橋本委員 コピーができないような用紙を使って名簿をつくっている。だから、個人情報というのは本当に大事だから守ってくださいと、渡すときにきちっとそういうことを言ってお渡しする。そして、いざというときに活用していただくと、こういうことだと思うんですね。 災害避難支援プラン中川地域モデル実施を学んで ○ 橋本委員 それで、さっき危機管理課長がおっしゃっていましたけれども、災害時要援護者の一人一人に対する支援を確実に進めるために避難プランがつくられ、そして中川地域でモデル実施してきましたよ。ここから何を学んだでしょうか。 ○災害対策課長 このモデル地区では、避難支援プランを実施したわけですけれども、予想以上に回収率が低かったということがあります。 ○橋本委員 回収率というのは、対象者になる人に事前に用紙を配っていて、そして当日戻ってくることが少なかったというのかもしれませんけれども、私は、3月12日に危機管理対策調査特別委員会に報告された報告用紙を見ますと、非常に大事なことをしたんだなと思うんですよ。 それで、私が、いまずっとこの支援者の問題でお話をしていますけれども、支援者をどう獲得していくのかということが出されているわけですね。1として、要援護者自身が近隣住民に依頼をすることだと。そして2番目に、要援護者自身が支援者を確保できない場合には区が避難所運営会議で調整してやっていくんだ、そして区が募集するんだとか、それから支援者が確保できない場合には避難支援プランの地域における共有により災害時発生時に可能な方が支援をするんだとか、こういうことが出されているわけなんですね。 初めてのモデルケースですから、十分にいかないということは当然あるんだと思いますけれど、ここから学ぶべきものというのは、いろいろあると思うんですね。 ですから、大がかりに、いま回収率余りよくないと言いましたけれども、住民が500人近く参加して、職員も80何人参加してこれをやったということですから、やはりそこから教訓を得て、そして進めていただきたいと思いますが、今後の問題として、今回のモデル地域において、要支援者と支援者との日常的な交流の確保、防災訓練の参加などの取り組みに来年度以降も継続して実施するということですが、その来年度というのは今年度のことになりますけれども、今年度の計画はいかがでしょうか。 ○ 災害対策課長 今年度、避難所運営訓練等におきまして、災害時要援護者の訓練は既に実施しております。特に計画事項ではないんですが、なるべくやっていただくように指導しております。 ○橋本委員 ぜひ計画を進めていただきたいと思います。 それで、ことしになってからも、能登半島だとか新潟中越沖地震だとか大きな地震がありました。そして、災害対策というのは緊急課題で、全国でこの問題取り組んでいることだと思いますが、この要援護者を支援するということは、このプランを進めていく上でも、人を組織するということ、これがこのプランを進めていくことのかなめかなと思いますので、これは全庁的に取り組んでいただきたいと思います。 環境対策 次に、サーマルリサイクルの全区実施問題と自然エネルギーの活用についてお伺いいたします。 区は、これまでも、分ければ資源、まぜればごみという考えでリサイクルを進めてきましたが、その考え方はいまも変わっていないでしょうか。 ○計画課長 基本的に変わってございません。 ○橋本委員 区は、リデュース、リユース、そしてリサイクルの3Rを進めてきたと思います。力を入れてきたと思いますが、これも間違いないですよね。 ○環境推進課長 そのとおりでございます。 ○橋本委員 私もそう思います。そういう点では、本当に区と一致するわけですが、そういう方向で進めてきたのが、このペットボトルの回収だと思うんですね。 この回収状況についてお聞きいたしますが、ペットボトルも以前は店頭回収だったと思うんですね。現在は集積所回収になりましたが、店頭回収をやっておりました14年の年間総量と18年の集積所回収の結果はどのぐらいになっているでしょうか。その二つの年の数字だけで結構です。 ○計画課長 平成14年度の店頭回収につきましては、541トン回収してございます。それから、平成18年度につきましては、店頭回収が252トン、それから分別回収……。 ○橋本委員 集積所回収だけで結構です。 ○計画課長 集積所回収につきましては、14年度7万1,340……。 ○橋本委員 18年度だけで結構です。 ○計画課長 1,615トンでございます。 ○橋本委員 事前にいただいた用紙には1,614トンと書かれております。 ですから、店頭回収から見ますと、集積所回収に変わりましたらば3倍になっているんですね。集積所は区内1,800カ所ありますから、店頭数から見ても多くなるのは当然だと思います。 なぜペットボトルを集積所回収にされたんでしょうか。 ○計画課長 ペットボトルは、石油からできているんですが、非常に高分子で、精度が高いといいますか、すぐれた素材であるということから、そこを中心に収集を始めたところです。 ○橋本委員 最後は聞こえないんだけど。 ○委員長 もっとはっきり、大きい声で答弁してください。 ○ 計画課長 ペットボトルにつきましては、石油からできているわけですが、高分子でございまして、精度の高い素材でつくられておりますので、その部分の収集を優先的に進めているところです。 白色トレイも集積場回収を ○橋本委員 高分子で質的にいいものだからということなんですけれども、身近な場所で回収すると資源がふえるんだなと思いました。 そして、ペットボトルは、回収され、また資源化するんだと思うんですね。 それで、食品の白色トレーなんですけれども、これもトレーとして再利用、製品化されると思いますが、いかがでしょうか。 ○計画課長 食品トレーにつきましては、スーパーの店頭等で回収をしてございます。それにつきましては、再利用されるわけですが、食品トレーに一部戻りますが、各種文房具とかその他の植木鉢とか、そういったものに再利用されております。 ○橋本委員 それは色のついたものであって、白色トレーについては、またトレーをつくるというふうに私は伺っているんですが、これをペットボトルのように集積所回収にするべきだと私は考えているんですね。 サーマルリサイクルは温暖化防止に逆行 そして、区長は、マニフェストに、環境に優しい足立区を目指しますと、こう言っているんですけれども、区長はこの問題どういうふうに考えますか。 ○環境部長 ご指摘の点については、当然、問題点は環境部としても考えております。 ○橋本委員 だから、何なんですか。 ○計画課長 これは本会議答弁でもお答えしたところでございますが、販売者、製造者の責任としてスーパー等での店頭回収をお願いしているところでございます。 ○橋本委員 私は、区長がマニフェストに本当によく書かれているので、やはりこういう問題については区長の意見聞きたいなと思うんですけれども、どうですか。 ○区長 ご指摘を踏まえながら、きちっと整合性を求めて計画を考えてまいりたいと思います。 ○橋本委員 ぜひよい方向に頑張っていただきたいと思います。 それでは、来年4月から、全区でいままで不燃ごみとして出してきたプラスチックやビニール、ゴム、皮革類を可燃ごみにして燃やすというサーマルリサイクルをこの足立区は実施するというんですが、これはいまままで足立区が進めてきた、分ければ資源、そしてまぜればごみという、こういう方向と私は違うんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょう。 ○計画課長 サーマルリサイクルについては、時間をかけ十分に検討して判断をしたものでございまして、全体的にメリットがあるということで、あくまでも基本は分別の徹底というところは変わりません。 ○橋本委員 そうであるならば、やはりこれまでどおり分別をして、そして資源回収に力を入れていくべきだと思うんですよ。 そうしたら、なぜサーマルリサイクルを進めるんでしょうか。おかしいですよ、これ。 ○計画課長 サーマルリサイクルについては、最終処分場の延命、あるいはプラスチックの燃焼による熱エネルギーの回収、それからトータル的に経費の削減と、こういった多くの効果がございますし、安全性についても確認がされているところですから、計画的に進めているところでございます。 ○橋本委員 いま安全性のことをおっしゃいました。足立区の清掃工場の煙突からは、年間で3万3,850トンの温室ガスが排出されている。これはよくご存じだと思うんですね。 それで、この問題でいいますと、いま煙突の先にバグフィルターというのがつけられているわけなんですが、これはCO2を削減するためにつけられているんですけれども、私が調査したところによりますと、23区の中で、二つの清掃工場のこのバグフィルターが破れて、そして一時中止をしているということを聞いております。 ですから、こういう安全性という問題では、非常に安全性を疑うと。それから、学者さんたちも、どうしたって燃やせばごみが出る。そしてそれを固める。固めてコンクリートみたいにして建材にして使うけれども、そこからまたダイオキシンが出てくる。こういう問題があって、決して安全性はないんだと、こういうふうに言っております。 そして、足立区の煙突から年間3万3,850トンの温室効果ガスが出されている。これは先ほど白石委員さんもおっしゃいましたけれども、各部局でCO2を削減しましょうと言っているのに反するんじゃないかというふうに思いますけれども、どうですか、それは。 ○環境部長 ただいま委員の発言というか、ご指摘ですが、温室効果ガスを排出するかわりに、輸送費がその分少なくなります。清掃工場に持っていきますから。現在は、プラスチックと廃プラは中央施設に持っていきますので、当然ガソリン代等がかかりますので、そういった評価をした上で燃した方がいいと。 さらに、先ほど委員バグフィルターが二つ壊れて運転停止というふうに言っていましたけれども、これについては全然中身違いまして、バグフィルターじゃなくて中身の機械の方でトラブルが起きているということで、安全点検のための停止ということになっていますので、その辺しっかりとご認識をいただきたいと思います。 温暖化防止に逆行するサーマルリサイクルの中止を ○橋本委員 私もいろいろ調べました。それはそういうふうにしておきましょう。私が調べた東京都の環境課の方でも伺った問題です。環境課の講師をしてくださる人が、煙突の問題もあるけれども、コンクリートのように固めたものからもダイオキシンが出てくるんだよということを、足立区内の消費者グループの学習会の中でも言っているんですよ。 ですから、私は、そういう意味では非常に危険性があることだなと思っています。 それで、まぜればごみになってしまう、この問題では、子どもたちも動揺しています。 私は、そういう意味では、何でもかんでも燃やしてしまうということが、本当に自然環境を破壊していくんだというふうに思うんですけれども、いま足立区の約1,000人の子どもたちが取り組んでいるキッズISOというのがありますが、これは家庭の中で、水をむだに使わない、電気は小まめに消すなどして、このCO2削減に取り組んでいるんですよね。これで地球温暖化について家族と話し合ったりしているわけなんですけれども、その子どもたちが、何でプラスチックを燃やすのと、こういうふうに親に聞いているんですよ。 そうなると、親の方も困っちゃっているということなんですけれども、どういうふうにこの子どもたちに説明したらいいんですか。 ○計画課長 かつてはダイオキシン等公害問題がありましたが、その後の技術革新、それから工場の運転管理、そういったものを徹底することによりまして、現在は安全に燃焼しているということでございます。 ○橋本委員 私は、先ほどどういうふうに子どもたちに……いま言ったことで子どもが納得できると思いますか。納得なんかしないですよ、これじゃ。 ○環境部長 確かに10年来、プラスチックはプラスチック、燃えるごみは燃えるごみ、こういった分け方で我が家もやってまいりました。10年後になってこういうことになると、戸惑いはございます。 そういったことで戸惑いはあるんですが、熱回収をするとか、延命効果とか、そういったことを町会の方々、あと学校教育の中でも十分周知して、理解を進めてまいりたいと思います。 ○橋本委員 区が一生懸命3Rを実践しています。やはり私は、こういう方向で、このことに力を入れて、区民の皆さんにも理解をしてもらって、そういう方向で地球環境を守っていきましょうよというのが、やはり自治体の役割ではないかということを指摘しまして、終わります。ありがとうございました。 |
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