4、決算特別委員会の質問 学力テスト問題「不正」の背景に教育委員会のプレッシャーがあった 第3日目 さとう純子議員 |
○さとう委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。 学力テストからの「除外」の明文化はやめよ 一連の一斉学力テストをめぐる問題について伺います。 学力テストをめぐる不正の一つが、調査の集計からの除外を、受験前あるいは受験後に、保護者の了解を得ることなく調査の集計から除外した行為が不適切であるとなっています。保護者の了解を得なかったことが不適切であって、集計から除外したことは適切だったのでしょうか。 ○学力向上推進室長 調査につきましては、個々のお子さんの状況に応じて、例えば前年の学習内容が何らかの事情で実施していない場合等ございましたので、そういうことに関しましては、従前に保護者に十分説明の上、ご辞退をいただいて、ご了承いただいた上では、集計の方から外すことも可能ということでございました。 ○さとう委員 集計から取り除くのは可能ということで、適切だったかどうかということでは、いまご答弁がなかったかと思うのですけれども、区は一斉学力テストの実施目的を個々の児童生徒の学習定着状況を把握し、その後の学習指導に生かしていくこと、及び調査結果を分析し課題を明確にすることで、授業改善に役立て、課題を克服していくことであるとしていますが、これでよろしいのでしょうか。 ○学力向上推進室長 委員おっしゃるとおりでございます。 ○さとう委員 今回の学力調査委員会の報告を受けての今回の教育委員会方針には、学力総合調査の対象者は原則として区立小中学校に在籍するすべての児童生徒であると、原則すべての児童生徒ということですね。 ○学力向上推進室長 そのとおりでございます。 ○さとう委員 ここで、今後調査対象に含めない児童生徒については、明文化して実施マニュアルに配慮が必要な場合の対応と指摘し、適切な対応を行うとしています。 保護者の了解を得ることで、学校現場では大変な苦労をして保護者に話していた事例をたくさん聞いています。その中の一つを紹介しますが、先生は「調査の対象にしません」とは言えずに、軽い発達障害を持つ児童の母親に対し、「このテストについて家庭でお母さんと一緒にゆっくり取り組んでください」と言ったそうです。子どものことをよく考えてくれたのかと思ったら、実は学校の一人の児童として認めてくれていなかったということが後でわかった。うちの子は学校では必要のない子なのかと思って、本当に悲しかった。こういう思いをさせることが、配慮ある適切な対応と言えるのでしょうか。 ○学力向上推進室長 現在の状況ですと受験がなかなか難しいということでの対応でございますけれども、私どもその間、調査の日にも別の施設で対応していただいて教育をしていただくということで考えてございます。 個々のお子さんの状況に応じたということであれば、必ずしも調査を受けることがすべてではございませんし、その個々の状況に応じたお子さんの教育ができる、そういうものをつくっていくのが目的でございます。 また原則として対象ということでございますので、今後の実施に当たりましては、そのような点も含めて適切に学校の先生方と相談をしながらやっていきたいと考えてございます。 ○さとう委員 学校現場がこれを決めた人というよりも、学校現場がこの対応に当たるわけですけれども、どんな形にしても除外の了解を得るということは、あなたのお子さんは一斉学力テストのときには学校の児童生徒ではありません。また、今後の学習に生かすこともありませんと突きつけることになるのではないかと思います。 子どもの心を深く傷つけて、除外という対象になった保護者の心を傷つけ、さらにはまた、この仕事をしなければならない教師の良心まで奪われてしまうと思いますが、いかがでしょうか。 ○教育指導室長 ただいまのお尋ねでございますが、子ども一人一人はさまざまなよさや能力がございます。それにあわせて学校は誠意を持って、子ども、そして親と連携をとっていくのが当然のことだと思います。信頼をかうためにも、各学校が一人一人の子ども、保護者に努力して接していくことが当然かと思っています。 ○さとう委員 そうですね。本当に教育基本法とか憲法に基づけば、一人一人の子どもたちに、それに応じたきちんとした教育を受けるということは、本当に大切だと思います。しかし、対象に含めない児童生徒に関する不正は、マニュアルがなかったから起きたのか、除外の目的が、学力テストの目的からも逸脱して学校の平均点を上げるための競争の教育となっていたからではないか。学力テストの目的からいって、除外の明文化ということはやめるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。 ○学力向上推進室長 私ども原則ということでさせていただきましたように、できるだけお子さんには受験していただくという方向で考えてございます。ただし、さまざまな事情でやむを得ず受けられない事情等もございますので、そういうものにつきましては、できるだけ明文化をして、学校の先生方も判断の迷いがないようにということで進めていきたいととらえてございます。 ○さとう委員 明文化というのは、本当にそれを実際に実施するのかというか、実際にその作業をするのは学校の現場の先生たちです。このことをよく考えないと、明文化することによって、そのマニュアルに沿って、どの子がどのマニュアルに合うのかなどということをやめていただきたいと思っています。 国の「教育改革」を先行実施し、教育委員会あげた競争教育が不正につながった可能性を認める 【矢つぎばやな足立区の教育改革】 〇さとう委員 次に、足立区の教育がなぜこんなに数字ばかりを追いかけるようになってきていたのかということで、ちょっと調べてみました。 足立区は2000年を足立の教育元年として、2003年には教育改革の第2ステージとして、学力向上をテーマにして新たな競争がここで始まりました。教育改革先進区として、他区に先駆けて矢継ぎ早な教育改革を進めてきました。 まず、学校規模の適正化の名による学校統廃合は、千住地区の小学校9校を6校に、中学校は5校を3校に削減廃止をいたしました。 学校選択制では、品川区が中学校で始めるということで、おくれてはならないとして、一気に小中同時に開始をいたしました。 授業時間増のために二期制が必要ということで、モデル実施の検証もないまま、一気に全校で実施しました。この中では、小学校1年生の入学式が午後に行われるという、こんなことまで起きています。 また、五反野小学校に教育産業のベネッセから民間校長が就任しました。 学校冷房化とあわせて与党議員からの要請もあり、夏休みの短縮が始まりました。 小中一貫校の開校もあります。 また、学力向上のためと、中学で塾、早稲田アカデミーですが、それによる補習講座なども始まりました。 この一連の教育改革に一斉学力テスト、東京都の学力テストですが、その結果の公表、23区中23位のショックが加わって、足立区の教育委員会が学力向上を名のもとにして、テスト対策にエスカレートさせてきました。これが大きく動いたのは、私は平成16年3月1日に内藤博道教育長を議長とした足立区学力向上推進会議を設置したことにあるかと思います。11月30日には、学力向上に向けて人間力につながる学力をはぐくむ緊急提言を示しました。この中で、次年度に向けて学力総合調査、足立区の一斉学力テストの本格実施になりますが、などを提言したことにあるかと思います。 質問に入りますが、実はこの推進会議のメンバーに民間教育機関委員として株式会社ベネッセコーポレーション小中学校事業部長が入っていたのは、なぜなのかを伺います。 また、この一斉学力テストを5,000万円で一括ベネッセコーポレーションに調査依頼をしたのはなぜなのかを伺います。 ○学力向上推進室長 まず1点目の学力向上推進会議に民間の方にご協力いただいたのは、今後足立区が進むべき人間力向上というテーマの中で、さまざまなノウハウ、ベネッセさんは他にも、単に学力テストだけではなくて、研究機能を持ちましていろいろな研究をしてございましたので、そういうお知恵をおかりしたいという趣旨でございます。 また、ベネッセに16年のプレ調査から委託をしてございましたのは、当時、保護者、教員あるいは管理職の先生方、その方々の意識調査ができるのが当時ベネッセさんしかなかったということで、科学的に単に学力の調査だけではなくて、意識調査も含めて傾向を見ていくという目的を達成するためにはベネッセしかなかったということで、ベネッセに依頼をしたところでございます。 ○さとう委員 このメンバーの中は、学識経験者などと書いてあって、実は一般の教員は全く入っていません。意識調査などというのであれば、また、今後の足立区の学力調査をする総合調査をするためにどうするのか、学力向上推進にはどうあるべきかというところで、現場の声が全く入らず民間企業の代表が入って、そこで審議をするというのはいかがなものかと思っています。 こうして足立区独自の一斉学力テストが始まると、後に学力テストの結果によって学校配付予算に差をつけるとエスカレートしていく、頑張る学校予算がここで始まっています。 教育基本法改定を含めた国の教育改革、これは全国一斉学力テストとか学校選択制の自由化、民間活力の導入、教育予算に差など、これらを先取りしながら足立区の教育委員会全体が競争の教育改革に巻き込まれていったと言えるのではないでしょうか。 この改革に対し、与党議員からの質問がさらに拍車をかけたことは、代表質問や一般質問で指摘したとおりです。学力テストの結果にシフトした教育は、不正というよりも、学校の勉強そのものを変質させていきました。学力テストの点数を上げるためものになっていったのです。 ここに「足立区教育委員会発行の学力向上を実現するために」と題する教職員研修資料があります。ここのあいさつで教育指導室長が、平成17年1月18日に行われる東京都教育委員会の平成16年度児童生徒の学力向上を図るための調査に向けまして、学力の定着に向けた取り組みをお願いします、と書いてあります。そして、参考にしてほしい学校の事例が紹介されています。参考にといった学校のその事例は、こういうものも含まれていました。 学校の目標、「都の調査の実施教科で足立区立中学校の平均正解率を上回る」として、その方法は類似問題を作成し授業で実践したり、宿題として出したり解説を行う。昨年度実施の調査問題に取り組ませ解説をする。冬休みに宿題を出し、冬休みあけに確認テストを実施するというものです。 教育委員会を挙げて学校での学力テストの点数を上げること、23区中で区の順番を上げることに邁進してきたということではないでしょうか。いかがでしょうか。 ○教育指導室長 ただいまご指摘いただきました冬休みの宿題とか、または、昨年度の問題とか、当時私は、子どもたちのいま持っている力をできるだけ伸ばすためにはどんな方法があるのかということで、決して不正でない形で、各先生方が努力をもって子どもたちに指導していく、時間を大事にしながら指導していく、そういうふうに受け取っておるところでございます。 【教育委員会が必要以上にプレッシャーをあたえてきたことは否めない】 ○さとう委員 いま問題になっている不正、学校のテストをコピーして渡したとかいろいろ出ていますけれども、いま示しました資料にもあるように、既に平成16年ですね、このニュースは平成16年12月6日号です。教育委員会発行の資料で、これは全教職員に配れて研修資料として渡されているわけですね。このことをよく考えていただきたいと思っています。 昨年の決算特別委員会の私の質問で、足立区の学力テストで1番になった学校の校長と教育長のやり取りが明らかになっています。覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、前教育長は私の質問に対し、「経営者である校長は、当然数値目標を持って、数値目標に向って総力戦で戦っていくということが学校経営の基本的な線だと考えている。先ほどの学校、これはプレテストを、過去問を6回もやった学校のことですが、この学校の名誉のためにも言うが、決してそうやって学力を向上させたわけではない。すぐに校長に電話をしたら、校長の最初の言葉は、苦しかったと言った。相当、校長先生がリーダーシップを発揮して苦しい戦いをやらない限りは、そう簡単には上がるものではないと考えている。そう考えているので、そういう校長をしっかりと支援していきたい。頑張ったねと激励をした」と、このように答弁をしました。 そして、この学校には、学力向上に寄与したとして、大きな、大きな表彰状を与えました。また、ことし2月には、学力向上は学校図書に力を入れてきたからという理由づけをして、文部科学省の研究授業まで行われています。学校長が「苦しかった」と言わなければならないほど追い込んできたと言えます。 また、前教育長は、この「苦しかった」という言葉の意味をとらえられなかったのかと思いますが、このように追い込んできたと言えますが、いかがでしょうか。 ○教育長 前教育長の本当の真意というのは図りかねない部分がありますけれども、多分その当時、教育長は、学力向上対策、これが子どもたちが本当に社会に出ていくための基礎基本の一番のところだろうと考えていて、何とか人並みに社会に出ていく力を植えつけたい、こういう思いの中で学力向上を一番の目的にしたのだろうと考えております。 当時、頑張った、前教育長にも伺いましたが、本当に学校の校長先生たちを信じていて、不正などするはずはない、こういう考えの中で行ったと伺っております。ただ、いまとなってみれば、その辺の甘さはあったと、私ども考えざるを得ないわけですけれども、当時としては、そういう心境の中で行ったと私は信じております。 ○さとう委員 心の中までは読み取れませんが、あらわれた現象、または議会での質問に対して、こういう答弁をしていたということは消せない事実であります。 また、教育委員会が挙げてこのことに取り組んできたということには、間違いないかなと思っています。教育委員会の責任があると考えています。 本当に教育委員会が挙げて、このように取り組んできたということは否定できないと思うのですけれども、このような方針を持ってやっていたことについて、その責任はどのように考えているのかも伺います。 ○教育長 先ほどの繰り返しになるかもしれませんが、学力向上対策は、ある意味で足立区の悲願であったと認識はしております。 そういう意味もありまして、教育委員会一丸となって率先して行ってきた。ただ、いま振り返ってみますと、教育委員会として必要以上のプレッシャーを学校長あるいは教育界の方々に与えた部分も否めないかなと思っております。その必要以上のプレッシャーの部分のところが、ややもすると今回の不祥事のところにつながった可能性もあるかなと考えておりますが、教育改革は必ずプレッシャーがつきものですので、必要以上のプレッシャーがどの程度かというのは非常に難しい部分があります。 今後も教育界全体に改革をしていく必要はありますし、私ども自身、教育委員会自身も事務的な部分も含めて、常に改革の志を持っていかないと、区民の皆様の信託にこたえられないと感じているところでございますので、教育改革の考え方は、教育委員会としてもしっかり持ちながら、この学力調査問題についても対処していくことが、本当の意味での責任のあり方を全うできることかなと考えております。 ○さとう委員 言葉じりをとらえて申しわけないのですが、いま、教育改革にはプレッシャーが伴うとおっしゃったかと思うのですけれども、教育改革にプレッシャーはあってはならないと私は考えます。 【教育改革は子どもをまんなかにすべき】 というのは、この一連の問題で、うちの近所のお母さんがこういうふうに言いました。「いま学校はドーナツ状態です」と、このようにおっしゃいました。「どうしてですか」と聞いたら、まんなかにいるはずの子どもがいないと、お母さんがこう言いました。外に外に向って、教育委員会に向って、あっちに向って、こっちに向っての資料づくりはいっぱいある、だけれども、実際真ん中に置かなければならない子どもがいないと、このように言いました。 まして今回の教育改革の中に、子ども、それから、学校現場の教師、そこをきちんと踏まえていたかどうか、これが非常に大きな問題だと思います。 いま学力の問題、学力向上というのは皆さんの願いですから、これに取り組むことは当然のことですし、学力向上は本当にみんなの願いです。子どもたちの願いでもあり、保護者の願いでもあり、教育委員会の願いでもあり、教師の願いでもありと、そういうことです。ところが、学力向上ということを最上段に掲げながら、だれも否定できないことを掲げながら、さまざまな問題が起きているということが問題なのです。 いま学力の問題、それから、不登校の問題、教育をめぐるさまざまな問題が深刻になるにつれて、学校は本当に忙しくなっています。校長も、教師も、子どもたちも、そして学力向上の名のもとに競争に追われています。 いま教職員は指導力、これが問われる名のもとに、精神疾患に追い込まれている教職員が非常にふえています。足立区では2003年、2004年、2005年と、連続して現職死亡者、現職の先生が1年間に5人ずつ亡くなっているという事態です。また、定年退職を迎える前に、定年退職でやめる人よりも多い人数の教職員が退職しています。この事実を把握しているでしょうか。 ○教職員課長 いまお尋ねの件ですけれども、精神疾患、いわゆる病的な形で休まれている方は、小学校の先生で十二、三名、それから、中学校の先生で8名ほどだと思っています。 それから、退職される先生方ですけれども、1年間に約100名ほどでございまして、必ずしも定年前にやめる方の数が多いとは認識してございません。 ○さとう委員 連続して5人の方が亡くなっているという事実は、把握していらっしゃいますか。 ○教職員課長 それは把握してございます。 学力テストで予算に差、結果公表はやめよ ○さとう委員 それから、これらの学力テストの問題でさまざまな不正の問題が今回明らかになった。不正と言えるかどうかという内容の問題もありますが、今回の学力調査委員会の設置となりました。この機会に、足立区の教育改革をプレッシャーなどというのではなくて、本当に子どもたちのために、子どもたちの心が豊かになるような教育改革をしっかりと見直していくことが必要だと思っています。 足立区の学力総合調査における教育委員会方針では、教育改革の中で成果を上げたうえで、このたびの事態を踏まえ是正すべき点を明らかにするとしています。調査委員会報告には、是正すべき点について多くの指摘が入っています。 一つは、結果の公表方法が校長等にさまざまなプレッシャーを与え、このたびの不適切な行為の遠因となったとすれば看過することはできない。また、平均点到達度、正解率は同じ50%でも1人が100点で1人が零点であれば50%になり、必ずしもその実態を反映していない。また、平均偏差値は集団の中での相対評価的位置を見るには大変優れているが、相対的な評価にとどまり、各学校の取り組み成果を読み取るのは難しいと指摘しています。 これらの学力テストの結果の公表はやめてほしいという多くのお母さんやお父さんたちの願いもあるのですが、教育委員会はこれまでの平均点で順位を競い、その結果を公表することは是正すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○教育委員会事務局次長 一つは、代表値はそれぞれ課題を持っているということは間違いございません。したがいまして、いままでやってきたように、平均正答率といったようなもので順位をつけて公表するということは取りやめます。 ○さとう委員 次に、学校配付予算についてもここにいわれていますが、学校配付予算に学力調査の結果の伸び率による評価を反映したことが、競争に拍車をかけていると指摘されていますが、確認しますが、学力テストの結果で学校配付予算に差をつけることは、完全にやめるということなのでしょうか。 ○教育委員会事務局次長 この学力調査と予算の関係でございますけれども、調査日から見まして不適切な行為があったことに影響を与えていないという考え方を、この調査委員会では結論づけてございます。18年4月に調査が行われて、この予算を決めたのが18年11月ですから、7カ月間、そこにタイムラグがございます。したがいまして、この予算を決めたから不適切な行為につながったということではございませんけれども、やはり経営者配分といったような言葉に代表される批判にさらされていることは決して好ましいことではございませんので、学力の伸びということは査定の対象からは外します。ただし、頑張る学校に、意欲のある学校に予算で支えるという姿勢は堅持いたします。 ○さとう委員 学校の配付予算に差をつけるということは、開かれた学校づくり協議会の委員の方からも苦情が来ています。これは、この方に言わせると、「横領だ」と言いました。点数のいいところにあげるなど学校に差をつけるということは、すべて学校は努力しているにもかかわらず、「これは横領だ」という言葉を使って、開かれた学校づくりの協議会の方はおっしゃっていました。 次に、学校選択ですが、不適切な行為まで行って成績を上げるといった過度な競争が学校選択制でも影響を与えているとしていますが、この是正についてはいかがでしょうか。 ○教育委員会事務局次長 これは、学力調査の公表の仕方を変えてまいりますので、必然的に是正されるということでございます。 ○さとう委員 私たちは、学校のテストを否定しているわけではありません。点数を競争させるテストと、指導に役立てるテストとは全く違うということです。テストというのは、つまずきを発見して、指導に生かし、子どもたちの学力を引き上げるために行うものだと思っています。 そこで、実はベネッセなのですが、東京都の学力調査、それから、足立区の学力調査にもいわれていることですが、多くの教育研究者などから、これはおかしな問題、回答が書けない、または問題自体がおかしいという指摘がたくさんあること、ご存じでしょうか。 ○学力向上推進室長 まことに申しわけございません。そのようなお話は聞いてございません。 ○さとう委員 普通、学校で先生たちが行うテストというのは、授業で教えて、その結果が定着度を図るために、先生たちがつくったり、また、ドリルなど購入してやっているかと思いますが、その問題については、すべて先生たちがチェックすることができます。ところが、いま答弁にありましたように、この一斉学力テストのチェックはしていません。それというのも、この報告書を読んで驚きましたが、著作権がつくった企業にあると。ですから、簡単にコピーしてはいけない、教育の中に、テストの問題に著作権があるというのは、私は非常に驚いていますけれども、ひとつちょっと問題を出します。指導室長がお答えになるか、だれがお答えになるかと思いますけれども。 ○委員長 さとう委員、残り1分です。 ○さとう委員 わかりました。ルーペと虫眼鏡の違いは何でしょうか。 ○教育指導室長 具体的にはよく差がわかりません。 ○委員長 以上で、共産党の質疑は終了です。 |
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