2、区長提案の議案などに対する討論

平成19年度一般会計補正予算(第3号)に対する反対討論
12月10日 大島 芳江議員

 ただいま議題となりました第93議案「平成19年度一般会計補正予算(第3号)」につきまして、日本共産党足立区議団を代表し、反対の立場から討論を行います。
 本補正予算には、我が党も要求していた公費による妊婦健康審査の回数増について、来年度からの予定を年度内先行助成で実施するための予算が盛り込まれたことは、一日も早い実施を望む区民要求に応えたものであると考えます。
 しかし、本補正予算の主要な内容は、あらかじめ予定されていた決算剰余金の残や、都区財政調整交付金当初算定の残など主な歳入のすべてを積み立てるというものです。具体的には、2006年度決算で生み出された決算剰余金77億2000万円余のうち、地方財政法の規定により積み立てた分を除く38億円余から、当初予算、及び6月、9月補正で計上した繰越金を差し引いた残額18億7000万円余全額と、都区財政調整交付金の当初算定で増額となった36億3000万円余のうち、9月補正で計上した分の残額19億3000万円余のすべてを含む、39億4000万円余を減債基金に積み立てるというものです。
 区は、このような多額の積立をする理由について、長期債務の圧縮で、区民の将来の負担を減らすためだと説明しました。我が党も、高金利による長期債務は、利子分だけでも区財政への負担は相当のものになることは充分承知しており、高金利の時代に借り入れしたものなどは、低金利のものに借り換えることや、繰上げ償還することを否定するものではありません。
 しかし、総務委員会の質疑の中で区は、債権者の都合や区を取りまく状況、他区や都との関連等を考え、繰上げ償還は「無理」と判断していることを明らかにました。そして今度は、平成21年度に一括償還の時期をむかえる減税補填債の借り換えを回避するために積み立てるなどと言い出しました。そもそも区が、このような赤字債を発行しなければならない状況に追い込まれたのは、バブル経済の崩壊に伴う長期不況対策として国の政策によっておこなわれた減税や、予想しなかった経済の落ち込みによって生じた財源不足を補うためであり、こうした事態を引き起こした国の責任もあります。2004年度に行ったような借り換えも視野に入れ対応を考えるべきです。
 また、区の借金は、もともと毎年公債費を組んで計画的に返済しているもので、将来の借金返済に備えるとしても、いま緊急に40億円近いお金を、減債基金に積み増ししなければならない理由は全くありません。
 特に、今回の補正予算は、様々な区民要求を年度内に実現するための最後の予算となることから、いっそうこうした区民の願いに目を向けて編成されることが求められていました。我が党が代表質問で要求したように、身近な小売店、商店街が年末年始や子どもたちの入園、入学、進級の時期にあわせて元気な商戦が繰り広げられるよう、せめて子育てパスポートの5%の商店負担分を軽減することなどはやる気になればすぐにでも実施できたことです。また、墨田区のように定率減税の廃止などで増税となった世帯への保育料を軽減することや、渋谷区のように介護保険外でディサービスの利用増,ホームヘルプサービスの時間増、通院の付き添い、散歩や近隣施設への外出介助などの「生活支援サービス」と「軽作業代行サービス」を実施することによって介護の負担と不安を軽減することなど、緊急に取り組むべき区民要求は山積しています。このような区民の願いに耳を傾け、実行できる財源はここに充分あることを申し上げ、反対討論を終わります。