7、付属資料 A区長あいさつ |
【6月10日】 ○近藤やよい区長 平成20年第2回足立区議会定例会の開会に当たりまして、所信の一端を申し上げます。 まず、一昨日、秋葉原で発生いたしました無差別殺人事件でございますが、東京藝術大学千住キャンパスの在校生を含む、7名という多くの方々が、理不尽な犯罪の犠牲となられました。ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、足立区の多くの区民が日常的に訪れる比較的至近な場所で発生した今回の事件につきまして、こうした悲劇を二度と繰り返さないためにも、今後明らかになる事件の真相や背景、社会的要因なども含め、重大な関心を持って注視していく必要があると感じております。地域社会の安全・安心が脆弱になっているという認識は、大変多くの国民が等しく感じているところでもあり、一層の治安回復に、できるところから取り組んでまいる所存でございます。 また、先月、大型サイクロンの直撃を受けたミャンマーと、大地震に見舞われました中国四川省では、多くの方がお亡くなりになられました。犠牲者の皆様には、心から哀悼の意を表しますとともに、一日も早い市民生活の復興をご祈念申し上げます。 この首都東京でも、今後30年以内にマグニチュード7クラスの直下型地震の発生する確率は70%と言われております。日ごろの備えが大変重要となっており、当区におきましても、災害に強いまちづくりを積極的に進めております。 要援護者お一人お一人の避難支援プランの作成を全区展開するなどの災害時要援護者支援策の充実や、水害対策につきましても、足立区は国のモデル地区の指定を受け、東京都や気象庁とも連携し、他の自治体の範となるべく、避難勧告等のマニュアルづくりを進めてまいります。 また、区内小・中学校の耐震補強でございますが、校舎につきましては平成20年度中に、体育館を含めれば平成22年度までにおおむね100%完了を目標に、現在、計画を前倒しして取り組んでいるところでございます。 さて、3月30日に無事開業いたしました日暮里・舎人ライナーでございますが、開業の初日7万3,000人、翌日が3万6,000人、その後も1日平均4万人の乗降客数を数え、まずは順調な滑り出しとなっております。また、開業を記念した区主催のイベントも、初日は天候にも恵まれ15万人の人出となり、両日を合わせまして20万人と、予定の倍のお客様にご来場いただき、大きな事故もなく無事に終了することができました。ご協力を賜りました議員の皆様、及び区民の皆様に心から感謝を申し上げます。 今後はこのにぎわいを一過性のものに終わらせることなく、沿線のまちづくりや舎人公園などの施設整備の充実を図り、足立区全体の活性化に結び付くよう、様々な角度から積極的に取り組んでまいります。 次に、後期高齢者医療制度について申し上げます。 この制度が開始されました4月1日以来、1日平均300件を超える区民の皆様からのお問い合わせが殺到し、担当所管は全力を挙げて対応に当たったところでございますが、更に身近な場所でご質問に丁寧にお答えするため、梅田地域学習センターや鹿浜地域学習センターなどにおいて、計8回の説明会を実施いたしました。今後も引き続き説明会を開催してまいりたいと考えております。 先般、「自治体がきちんと対応しているところでは問題は生じていない」という政府関係者の発言が報道されました。しかしながら、制度の根幹がぎりぎりまで二転三転し、説明会を開きたくても開けない、また、制度に関する大臣発言などあまりに唐突で、マスコミを通じてそれを知った区民の皆様から質問の電話が寄せられても、その発言の趣旨について国から説明も受けていない私ども地方自治体では、対応が後手後手に回らざるを得ないのが実情でございました。一度制度として決定された以上は、混乱なく実施されるよう最善を尽くすのが私たちの責任と自覚し、取り組んでまいったわけでございますが、一連の国の取り組み体制、発言には、疑問を呈せざるを得ません。 今後制度を運営していく中で、区民の皆様からの疑問点や制度に対するご意見、また具体的な課題などを整理し、区として取りまとめて、区長会などを通じて国に働きかけてまいりたいと考えております。 次に、平成20年度予算の一つの柱である環境施策につきましては、4月に「地球にやさしいひとのまち」を基本理念とする第二次環境基本計画を発表いたしました。平成24年度までにCO2 マイナス10%、ごみ減量8%を柱とする目標を達成するため、精力的に取り組んでまいります。 その皮切りとして、今月「環境サミットin足立」を開催いたします。地球温暖化の進行により、水没の危機が叫ばれておりますツバル共和国からターバウ・テイ副首相をお招きし、ご講演いただきます。また、環境大臣をはじめ、国内で環境問題に先進的な取り組みをされている二つの自治体の首長や学識経験者等にもご参加いただき、足立区の現状も踏まえ、今後の温暖化対策につきましてご意見をちょうだいすることとしております。 会議の中では、「足立区環境サミット宣言」を区の内外に向けて発信し、地球規模の温暖化防止という大きなテーマに対する、足立区ならではの姿勢をアピールしてまいります。 更に、サミット宣言を受け、環境運動を盛り上げていく温暖化防止区民会議を結成いたします。一人でも多くの皆様に会議に参加していただくために、個人でも気軽に会員登録できる仕組みをつくり、CO2 削減の行動目標を設定し、実践していただきます。 同時に、「環境サミットin足立」に合わせて、本庁舎南館の壁面緑化も行いました。壁面緑化は既に一部の小学校などに設置されておりますが、本庁舎で実施することにより、壁面緑化の一層のアピールになればと考えております。100人の一歩が地球を救うかぎであると信じ、それを最大限に引き出す役割を担うのが行政のあるべき姿だと考えております。 今後も取り組みを一層強化し、目標達成に全力で取り組んでまいります。 次に、治安回復施策につきましては、既に関係所管によりワンチャリ・ツーロック作戦や迷惑喫煙防止パトロール地域の拡大などを実施しております。各課が行っている事業の相乗効果を高めるため、8月をビューティフル・ウィンドウズ強化月間に指定し、区民の皆様や関係機関とともに協働したキャンペーンなどを実施し、更に事業の徹底、拡大に全力を尽くしてまいります。 また、子ども施策につきましては、4月に関原と新田に新たに2カ所の「子育てサロン」がオープンし、区内に計10カ所が整備されました。今後、23年度までにあと5カ所、新規に整備を行う計画でございます。21年度には梅島、22年度には上沼田にそれぞれ開設を予定しております。 次に、道路特定財源の問題でございます。 この度の租税特別措置法などの成立を受け、今年度の区歳入への影響は最小限にとどまる見通しとなりましたが、今後も、国の一般財源化に向けた税制の抜本改革の動向を注意深く見守る必要があります。とりわけ、竹ノ塚駅付近連続立体交差事業につきましては、平成20年度国庫補助金は、年度当初ゼロ円で内示を受けておりましたが、竹ノ塚駅付近鉄道高架化促進連絡協議会の皆様方のこれまでの努力が実り、5月1日付で、足立区の要望どおり国庫補助金の内示があり、ひとまず胸をなでおろしたところでございます。今年度は、鉄道の比較設計協議やまちづくり構想の策定及び環境影響評価調査などを実施し、平成23年度の事業着手に向け着実に推進してまいります。 株式会社足立コミュニティ・アーツが、区との事前協議なしに職員手当を支給するという想定外の問題が発生いたしました。法的に問題はないとは申せ、到底区民の皆様の理解を得られるはずはありません。現在、区では、区と外郭団体や第三セクターとの関係を明確にするため、指導、監督の基準づくりを進めておりますが、同時に、区と足立コミュニティ・アーツの関係に関する課題を整理・明確化し、その対応策の検討に着手してまいります。 以上、「こども・環境・治安」の三つのかぎを中心に今後の施策について申し上げましたが、本年度は基本計画の見直しの年でもございます。私は、基本構想及び基本計画に掲げられた協働の理念と目指すべき足立区の将来像を実現するため、区民にわかりやすい政策の重点化を行う必要があると考えております。「こども・環境・治安」の三つのかぎは、ここ数年の間に、特に力を入れたい分野ではございますが、このほか、足立区のまちづくり、地域経済、行政改革等の課題にも取り組んでいく必要がございます。これらの重点課題につきましては、「まちを拓く」視点と「区政を開く」という二つの視点で整理しながら、重点プロジェクト推進戦略として現在検討を進めており、8月中には皆様方にお示しできるものと考えております。 続いて、うれしいご報告を申し上げます。 区内在住の藤野舞子さんが、女子400m個人メドレー日本代表として、北京オリンピック出場が決定いたしました。先日、藤野さんは、お母様とともに区役所を訪れ、「出場する以上は決勝に残り、金メダルもねらうという気持ちで全力を尽くします。皆さん、応援よろしくお願いします」と、お話くださいました。区といたしましても、区民の皆様とともに精一杯応援していきたいと思っております。 最後に、補正予算案につきましてご説明を申し上げます。 平成20年度予算は、包括予算制度のもと、年間の財政運営を見通した総合予算として編成したところでございますが、新年度に入り明らかになった課題のうち、特に緊急度の高い事業について補正計上することといたしました。 一般会計補正予算の主な内容を申し上げますと、東京都の低所得者支援事業を一部受託して実施する生活安定化総合対策事業経費4,300万円、旧第三中学校体育館跡防災公園土壌処理経費7,100万円、給食用食材など諸物価高騰に伴う小中学校給食運営事業への支援経費3,700万円余などを追加計上いたしました。 老人保健医療特別会計の内容でございますが、本年3月末で終了となった老人保健医療制度における20年3月分及び過年度分の医療給付費の請求が、見込みを大きく上回ったことに伴い、不足すると見込まれる医療給付費などを追加計上いたしました。 ご審議いただきます一般会計補正予算は1億8,400万円余、老人保健医療特別会計補正予算は24億3,200万円余、ともに増額補正でございます。 なお、今回ご提案申し上げます議案は32件、報告3件、諮問1件でございます。各議案の提案趣旨につきましては、参与より説明いたさせますので、慎重にご審議の上、ご決定くださいますようお願いを申し上げます。 【6月25日】 ○近藤やよい区長 平成20年第2回足立区議会定例会の閉会に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。 議員の皆様方には、16日間にわたり、平成20年度一般会計補正予算など、多数の重要案件につきまして慎重にご審議の上ご決定いただきまして、心から感謝申し上げます。 本会議、並びに各委員会を通じて承りました貴重なご意見、ご要望につきましては、十分その意を体し、区政伸展のため努力をしてまいります。 さて、今定例会会期中に開催されました「環境サミットin足立」には、議員の皆様にも多数ご出席をいただき、心からお礼を申し上げます。 ツバルのターバウ・テイ副首相、アルピニストの野口 健さんから、直接現地の窮状を伺い、また多数のパネラーの方々と有意義な論議を行うことができたと考えております。 また、サミット会場と西新井アリオをはじめ、区内37カ所のサテライトブースにおいて募集した「地球にやさしいひと」になる宣言には、1万人を超える区民の方々がご署名くださり、1人でも多くの皆様に環境に配慮した行動をとっていただくきっかけづくりに貢献したものと考えております。 当日、大勢の皆様とテレビの前で披露させていただいたサミット宣言を忘れることなく、これをスタートとして大きな区民運動へと広げていきたいと決意を新たにしているところでございます。 また、G8サミットが7月7日の七夕の日に開催されることにちなんで、この日を一斉消灯の日とし、環境の大切さを国民全体で確認する「クールアース・デー」とすることが決まりました。区といたしましても、庁舎や区施設はもちろん、企業やご家庭でもこの「クールアース・デー」の趣旨にご理解いただき、当日は午後8時から10時までのライトダウンにご協力をお願いしたいと存じます。 次に、議員の皆様方には、新聞報道等で既にご存じのことと思いますが、昨日、北千住駅東口地区のJT跡地に東京電機大学の進出が決定をいたしました。東京電機大学は理工系総合大学であり、学生数は5,000人、平成24年4月開校予定となっております。千住のキャンパスでは、ハード、ソフトの両面から地域に開かれた大学づくりを目指すと伺っております。 この東京電機大学の進出に伴いまして、防災や教育分野はもちろん、地域経済の活性化や産学官の連携など、多くの分野で期待される大学と地域や区との協働事業を着実に進めてまいりたいと考えておりますので、区議会の皆様をはじめ、区民、関係者の方々の一層のご支援をお願い申し上げまして、閉会のごあいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。 |
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