1、本会議質問 一般質問「公立保育所の建設で待機児解消、足立の子どもを守れ」 2月25日 橋本ミチ子議員 |
保育行政は、市町村が保育実施に責任をもつこと ○橋本ミチ子議員 私は、厚生行政と土木行政について質問します。 初めに、保育行政のうち、児童福祉法に基づく保育制度について伺います。 1947年、児童福祉法が制定され、「市町村が保育の実施に責任を持つ」と明記されました。その後、1960年代、「ポストの数ほど保育所を」を合い言葉に保育所づくり運動が全国に広がり、足立区でも活発に展開されました。 保育所づくり運動をした女性たちは、自分の子どもには間に合わず、保育所ができたころ、我が子はもう小学生ということもざらでした。それでも女性たちは、子どもを持たない女性も、子どもが大きくなってしまった母親も、我が子だけではなく、他人の子も守る仕事を引き受けてきた経過があります。 働く女性の増加と、それにこたえるだけの保育労働者の労働条件保障が追いつかない矛盾の中で、主として産休明け保育の必要から生まれた無認可保育所など、様々な取り組みが進み、公立保育所が産休明け保育実施に踏み出し、発展しました。 現行の保育制度は、児童福祉法24条によって国と自治体に定められている保育運営についての財政責任、自治体の保育実施責任等に基づき、保育に欠ける子どもを保育所において保育することを求められていることを基本に構築され、発展してきたのではないか。 その立場からつくられた認可保育所は、保育所の入所の必要度を客観的・公正に行政が調整し、必要度の高い子どもから入所させるとともに、保育料負担は所得に応じた応能負担とし、お金がないから保育所に入れられないことのないようにしたのではないか。 そして、認可保育所がなければ、行政が公立保育所をつくり、社会福祉法人が私立の保育所をつくる場合には設置及び運営費を補助して増設を促進するとともに、保育の質の維持・向上を図ってきたのではないか。 以上、3点について答弁を求めます。 「新しい保育の仕組み」は子どもの最善の利益を失う 次に、新しい保育の仕組みについて伺います。 現在、政府の地方分権改革推進委員会や規制改革会議などにおいては、保育を経済効率の観点から捉え、市場原理に基づいた保育所への直接契約制度の導入や、入所要件及び最低基準の見直しなどの保育制度改革が論議されています。 しかし、様々な意見が続出し、社会保障審議会少子化部会で昨年12月に出された報告書でも、「現行制度を維持する」「新たな保育の仕組み」「市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式」の3案が並列で示される事態となりました。3案と言いますが、内容的に見れば、現行制度を維持する案と市場原理を導入して保育制度を変えることの二つに分けられます。 昨日、厚生労働省の部会は、利用者が保育所と直接契約を結ぶ新たな保育の仕組みを導入する第1次報告を決定しました。 しかし、地方議会では、保育は単なる託児ではなく、次代の担い手を育成する公的性格を持つとし、現行制度の堅持・拡充などを求める意見書の可決が党派を超えて広がっています。 日本保育学会会長も、子どもに悪影響を与える間違った政策を学会として見て見ぬふりはできないと政府を批判し、全国保育団体連絡会事務局長は、保護者の保育料負担がどうなるかなど具体的なことは一切議論していない。保護者や現場の意見を聞かないまま、制度改編の結論だけを先行させようとしていると批判しています。 仮に、本来福祉施策であるはずの保育制度に市場原理が導入されれば、保育業界に過度の競争を引き起し、無用の混乱や不安を招き、その結果、子どもの最善の利益を失うことが懸念されます。 近藤区長は、子育て支援を掲げたマニフェストでは、子どもを育てるのは個人の責任とばかりは言えない時代になっています。「子育てするならここで」と思っていただける足立区を実現しますとうたい、新基本計画では、子ども施策が4本柱のトップにきています。 新たな保育の仕組みは、区長のこのような考えと矛盾するものではありませんか。区長の見解を伺います。 次に、厚生労働省が提案する新たな保育の仕組みは、市町村の関与を著しくなくし、多様な民間組織の参入と利用者による選択制の導入を基本にして、保育の市場化を進めようとしています。この考え方によれば、保育を必要とする子どもに公的保育を保障する自治体の役割を後退させることになると思うがどうか。 児童福祉法に基づく待機児童の解消について、区の責任がなくなるのではないか。障がいを持った子どもや虐待を受けている子ども、生活保護などの低所得者の家庭の子どもが排除されるおそれが出てくると思うがどうか。 足立区の子どもの将来のために、新たな保育の仕組みが目指す保育所への直接契約の導入や最低基準の見直しではなく、真に子どもの最善の利益が確保されることが必要です。 国は、「待機児は入りたくとも入れない」、「認可と無認可の差がある」という言い方をしますが、問題はその差をどういう形で解消するかということではありませんか。 待機児問題では、小泉元首相はゼロ作戦を掲げましたが、効率化でやっていけばいい。福田前首相の新待機児ゼロ作戦でも、整備計画を示していません。困っている子どもにきちっと施設を提供する条件を保障することが、国の第一の仕事ではありませんか。十分な財源補償を行い、保育の質をしっかりと確保できるよう制度を維持するための意見を国に上げるべきと思うがどうか。 保育園の民営化、民間委託はやめるべき 次に、保育園の民営化、民間委託問題について伺います。 足立区では、構造改革戦略のもと、第4次行政改革大綱に基づいて、6年前から区立保育園の民営化を進めてきました。既に7園を実施し、2014年4月までに更に12園を民営化する計画です。 区は、民営化の目的は、今後の多様な保育サービスの供給、効率的な保育の運営と言っていますが、公立保育所でも、働く女性の増大と労働形態の多様化が相まって、産休明け保育や0歳児保育、延長保育、年末保育、相談事業などの多様な保育サービスを実施しています。 また、効率的な保育の運営について、区は、同じサービスを提供していくのであれば、やはりコストの安い方を選ぶのは当然と答弁しています。コストの安い方とは、人件費の削減を意味しているのは明らかであり、安い人件費を見込んで民間の犠牲の上に成り立つのではありませんか。人件費を抑えようとすれば、経験の少ない保育士を多く採用せざるを得ませんが、保育の経験の蓄積は不可欠であります。区立保育所は、国基準を上回る人的配置と定期的異動もあり、保育・育児のノウハウが区と保育所に蓄積され、優れた面を持っています。また、研修を積んで、経験豊かな保育士として子どもたちの保育に当たることができることは、より良い保育をつくっていくための条件整備です。こうして福祉サービスの向上を目指すことが自治体の役割であり、民営化の促進は、子どもの立場を大切にしているとは考えられません。民営化については、見直すべきではないか。 正規職員を増やすべき 次に、足立区が行っている公立保育所の産休、育休代替職員は、正規職員が不足し、派遣会社からの派遣社員で補充されています。派遣社員であるため、契約上、園長の指示・命令は受けますが、一緒に保育に当たる保育士には、それが許されないという状況が生まれています。区は今年、正規職員15人を採用しますが、園の円滑な運営のためにも、全体を把握し、必要な人数を引き続き正規職員を増やして対応すべきと思うがどうか。 待機児童数に見合って公立保育所の増設を 次に、公立保育所の増設について伺います。 2009年度の保育所入所申込受理件数が発表されました。2,526件で、昨年と比較すると、厳しい雇用、生活状況を反映して281件も増えています。昨年も全国ワーストクラスの待機児童数でしたが、今年は更に厳しい状況になっています。綾瀬でも、千住地域でも、育休や産休明けの子どもも入所できませんでした。これからどうしようかと思い悩んでしまいました。 足立区基本計画では、2011年度の待機児童目標値を1%と定めています。足立区の積立金は、新年度に取り崩すと言っても、まだ931億円もあり、土地もあり、活用できる施設もあります。やる気があれば十分可能ではありませんか。民間任せにせず、公立保育所を待機児童数に見合って更に増設するべき時期が来たのではないか。答弁を求めます。 新田地域の保育対策を講じるべき 新田地域は、何と常勤で、母子家庭で、指数44でも入所できませんでした。働きに行かなければならないのに、この子をどこに預ければいいのと切実な訴えがありました。新田地域は、3,000世帯のマンションが建ち、人口が増えるのは区としてもわかっていたはずです。人口が増えれば子どもも増え、保育所が足りなくなるのは十分知っていたのではありませんか。 新田保育園には19名の応募に43名、2倍。ココロットは20名に61名で3倍。新田わかば保育園は20名に28名、1.5倍近い申請という状況です。このような状況を解決する必要があります。早急に新田地域の保育対策を講じる必要があるのではないか。答弁を求めます。 都住梅田団地の建替え時に、保育所の併設を 都営住宅の建て替えが行われる上沼田、興本、竹の塚五丁目団地に保育所を併設する予定で、東京都と協議し、進められています。2年後、3年後を見通し、新田地域のようにならないために、今後、マンション建設が更に進む梅田地域の都住の建て替え時に、保育所の併設を東京都と協議していくようにすべきと思うがどうか。 足立区は、URなどが進める大規模開発地域に株式会社立の保育園を導入しています。企業の目的は、利益を上げてもうけることにあります。昨年10月に、東中野駅前にあったエムケイグループのスマイル保育園が突如閉園する事態が起きました。前日の夜、「あすから保育園は閉園します」とファクスが届きました。保護者たちは翌日、園の前で子どもを連れ、途方に暮れてしまいましたが、中野区が次に入れる保育園を探し、全員入所させました。それは現在は、保育に欠ける子どもについては自治体の責任として探さなければならないという責務があるからです。 エムケイグループは、首都圏を中心に同じ系列の保育施設20カ所を経営していましたが、経営難を理由に閉鎖しました。企業というのは、参入も撤退も自由です。エムケイグループのように自由に保育事業に参入し、「もうからないからやめます」と、子どもや保護者を放り出して閉園しました。まさに子どもの利益より企業の論理が先行したものであって、あってはならないことです。 このようなことが足立区において起きないよう、区は営利目的の企業保育園参入をさせるべきではないと思うがどうか。 療養病床削減でなく、増やすべき 次に、療養病床削減について伺います。 2006年6月に成立した医療改革法には、療養病床を23万床削減する旧老人保健法、介護保険法改定が含まれていました。その後、削減を18万床にするとの見直しもありました。療養病床を出された高齢者を受け入れる介護施設が大幅に不足しているもとで、介護施設の受け皿が整わないまま削減すれば、行き場のない介護難民が大量に発生するのではありませんか。 今後、一層高齢化が高まる中で、このような方針は本末転倒であり、許すことはできません。病院から追い出された高齢者を路頭に迷わせない、在宅に追い込まれた高齢者を孤立させないために、その対策は住民の命と福祉を守る地方自治体の役割であると思うがどうか。 療養病床について、東京都は、現在の1万9,831床を2万8,077床へと、8,246床も増やす計画です。区内の医療型病床は942床、介護型病床は268床ですが、足立区介護保険計画によれば、2年後には介護型病床はゼロにするとしています。足立区としても、療養病床削減ではなく、病床を増やす目標を持つべきです。また、療養病床の削減をやめるよう国に働きかけるべきと思うがどうか。 次に、療養病床が廃止された後の受け皿づくりについて伺います。 今でも短期で病院の退院を迫られる仕組みとなっており、患者と家族には耐えがたい問題となっています。 老人保健施設や小規模多機能施設の増設を 江北のSさん79歳は、要介護度2、認知症があり歩き回ります。現在、療養型病院に入院中ですが、12月に介護認定の変更で要支援になったことで、病院から「これ以上置けない。施設を探してくれ。そうでなければ自宅に戻るように」と言われましたが、妻72歳も病弱で夫を看ることができません。行き場のない高齢者の在宅や施設入所等を支援するために、老人保健施設や小規模多機能施設の建設を大幅に増やすべきと思うがどうか、答弁を求めます。 日本共産党足立区議団は、療養病床削減後の受け皿問題では、昨年、本会議質問を繰り返してきました。4定で、東京都が医師会に委託して関連診療科の連携を中心とした在宅医療支援体制の構築のモデル事業の推移を見るとの答弁があり、そのモデルを先行実施している尾道市に行き、現場を見てきました。 切れ目のない地域連携パスで患者・家族の安心感を! ちょうどケア・カンファレンスを行っているところに伺うことができました。患者さんが退院するに当たって、医師から患者さんの状況や今後の生活の説明をしていました。そこには、患者さんの奥さん、看護師、ヘルパー、ベッド等のレンタル業者も参加し、在宅になる場合は民生委員も参加して対応するということです。ケアマネジャーが司会を務め、短時間で進められていました。患者さんは、当初在宅を望んでいましたが、妻の病状が思わしくないため、施設入所を勧められました。結果、患者さんも妻も、施設入所を了承しました。病院から在宅へ、病院から施設へ、切れ目のない地域連携パスで医療・保健・福祉のサービスを連動させ、それによって患者・家族の安心感と満足感を高め、医療・福祉サービス提供者との信頼関係をつくる。このようなシステムをつくり対応すべきと思うがどうか。 訪問看護ステーションの充実を 入院中は24時間心配なく過ごせますが、在宅になれば様々なサービスを使いながら暮らさなければなりません。とりわけ夜間の急変は、時には命にかかわる重大な事態も予想されます。このときに頼りになるのが訪問看護ステーションです。しかし、厳しい勤務実態や病状急変に対応することの難しさがあり、訪問看護ステーションでの職員が減る一方です。現状を改善するために、高度の在宅看護技術が提供できる訪問看護師の人材育成及び確保を図るため、訪問看護に関心を持ち、このような看護に携わることを希望する者に対する技術の習得のための熟練訪問看護師による実務研修事業を創設するなどして、訪問看護ステーションを充実させ、夜間同行型訪問などには区の助成をするなどで対応に当たるようにするべきと思うがどうか。 在宅介護を担う看護師、ケアマネジャーの専門職を増やし、技術アップするための研修事業助成を区としてやれることは積極的に行うべきと思うがどうか。 梅田地域に一日も早くはるかぜを 最後に、コミュニティバス「はるかぜ」について伺います。 コミュニティバス「はるかぜ」は、現在、区内を11本が走っています。どの路線も区民に愛され、交通不便解消に大いに役立っています。 しかし、いまだに梅田・関原地域は、区内の中心部分でありながら、交通不便地域になっています。この地域にコミュニティバス「はるかぜ」を通してと、署名も提出しています。 梅田一丁目に住むAさんは、私が元気でいるうちに通して欲しいと、ご近所50軒を回り署名を集めています。住民の願いが込められている路線でもあり、是非この地域の区民の声を取り上げるべきと思うがどうか。答弁を求めまして、この場からの質問を終わります。 答 弁 ○日比谷松夫子ども家庭部長 私からは、まず、児童福祉法に基づく保育制度に関するご質問に一括してお答えいたします。 現行の保育制度は、児童福祉法に基づいて実施しており、保育に欠ける児童を保育所やその他の方法により適切な保護をすること、保育に欠ける度合いを参酌し、その必要度の高い児童から入所させ、所得に応じて保育料を徴収することとしております。 また、社会福祉法人等に対して運営費の補助を行うことや、私立の保育所をつくる場合、整備費用を補助することができるなど、国や地方自治体の責務を明確にしております。 区としては、現行法に基づいて保育に欠ける児童を保護する責任があり、認可保育園の保育料は世帯の所得で決まっているので、お金がないからといって保育所に入れないことはありません。今後とも、保育所の誘致等に努めることにより、保育需要にこたえていきたいと考えております。 次に、新しい保育の仕組みについてのご質問に一括してお答えいたします。 厚生労働省の社会保障審議会少子化対策特別部会では、今後の保育制度の姿(案)を提示し、現在審議が行われております。この部会で「現行制度維持」「新たな保育の仕組み」「市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式」の3案が示されており、多角的に議論がされていると伺っております。 なお、昨日この部会が開かれ、保育制度の抜本的改革を軸とした第1次報告書をまとめた旨の報道がありましたが、現在のところ国・都から具体的な説明がございません。したがいまして、新しい保育の仕組みの説明を受けた上で、区としての考え方を明らかにしたいと考えております。 また、次世代育成支援に向けて新たな制度設計を議論することは、「子育てするなら足立区で」を現実のものとする区長の考えと矛盾しておりません。 次に、保育園の民営化・民間委託問題についてお答えいたします。 区立保育園の民営化は、新たなサービスの提供として2時間延長保育、産休明け保育、年末保育の実施を条件としているだけでなく、クラス担任となる保育士は保育園勤務の経験が5年以上あることや、職員配置についても区の基準に従って配置することを条件としています。また、十分な引き継ぎ期間を経て民営化しており、第三者評価の受審や都の指導検査、区による毎月の訪問指導を実施しております。 民営化を開始して5年が経過し、その間地域や保護者から様々なご意見をいただきました。こうした意見を大切にしながら、今後とも計画に従って民営化を進めてまいります。 次に、保育士の正規職員の増員についてお答えいたします。 保育士の正規職員の新規採用につきましては、本年4月から開始することといたしました。今後とも、保育園の民営化をにらみながら、計画的に行ってまいります。 次に、公立保育所の増設要望についてお答えいたします。 区は、足立区基本計画の待機児目標値、平成24年度1%に向けて待機児対策に取り組んでいるところです。この目標値達成に向けて、大規模開発地区への認可保育所の誘致や、待機児数が多い地域での認証保育所の開設、家庭福祉員の増員により保育の受け入れ定数の拡大に努めているところです。 区は待機児数に見合わせて公立保育所を新設する考えはなく、今後とも保育サービスの拡充に努めることで、目標達成に向け努力してまいります。 次に、新田地域の保育所対策についてお答えします。 新田地域は、新田三丁目の都市再生機構による大規模開発に加え、新田一丁目においてもマンション建設が進み、乳幼児人口が急増しています。このため、平成21年4月入所に向けての保育申請が急増し、入所できない児童が多数生まれました。このため、早急に認可保育所への弾力的入所等の緊急対策を講じております。 次に、梅田地区での都住建て替え時の保育園併設要望についてお答えいたします。 区は、地域ごとの保育需要に合わせて、認可保育園、東京都認証保育所の整備、保育ママの増員を進めています。 梅田地区につきましては、平成21年度に足立区認定保育室から東京都認証保育所へ2施設が移行する予定であり、また梅田・関原地区で私立保育園の定員割れも生じていることから、現在のところ梅田都住への認可保育園誘致は考えておりません。 次に、認可保育園への企業保育園参入についてお答えいたします。 足立区では、平成19年度に株式会社が運営主体となる認可保育園が3園開園いたしました。いずれも民設民営により区が誘致したものですが、いずれも人気が高く、入園希望者が多い保育園となっております。 昨年10月末に他自治体で起きたエムケイグループの破綻から、株式会社の参入をさせるべきではないとのことですが、認可保育園においては、国から示されている社会福祉法人以外の者が設置する場合の認可基準に基づき、都及び区で、財務諸表により、年間事業費の12分の1以上に相当する資金を有しているか、3年以上連続して損失計上していないかなどを審査しております。 また、保育所開始後において、保育園会計は、株式会社運営であっても、原則社会福祉会計に準じて会計処理がされており、保育事業以外に運営費を持ち出せない仕組みになっております。 現在、区内の私立認可保育園は、区も同行の上で、保育所運営について東京都指導監査を実施しておりますので、経理内容についても把握しているところです。 今後とも、適正な会計処理についても指導助言を行い、保育サービスの向上を目指してまいります。 ○有賀純三福祉部長 私からは、まず、療養病床に関するご質問にお答えいたします。 介護型病床の多くは、医療型病床に転換される予定です。また、介護型病床廃止後にいわゆる介護難民を発生させないためには、在宅医療、在宅療養体制の充実を図ることであり、その中心となるのが、患者の求めに応じて24時間往診が可能な在宅療養支援診療所でございます。これにより医療と介護の連携を図り、高齢者の方が住みなれた地域で安心して生活できる仕組みづくりの構築を図ってまいります。 次に、療養病床のうち、医療保険適用型療養病床につきましては、開設許可権限を持つ東京都の主導で行われるものです。都として減らす考えがないことにつきましては、都内の医療機関を対象とした説明会を実施しており、広く周知されているところです。 なお、療養病床の削減をやめるように国に働きかける考えはございません。 次に、老人保健施設等の建設の増加についてお答えいたします。 すべての施設入所希望者を受け入れるには、財政的制約もあり、限界がございます。在宅施策と施設施策の整合性を図りながら、施設整備を推進してまいります。 次に、地域連携パスについてお答えいたします。 急性期の病院から維持期の在宅まで、サービスが切れ目なくスムーズに提供される道筋をつけることが求められております。特に退院後の処遇について、区民の方から要望があります。医療と介護の連携を目指し、施策を構築してまいります。 なお、地域包括支援センターで認知症相談事業が開始されますが、これは医療と介護の連携の第一歩となるものです。 次に、訪問看護ステーションの充実等についてお答えいたします。 今回の介護報酬改定で、同時に二人の職員が一人の利用者への訪問看護を行った場合や、研修を実施しており、かつ3年以上の勤続年数のある者が30%以上配置されている訪問看護事業所の報酬がアップされます。原則として、介護サービスは介護報酬により提供されるべきものと考えておりますので、ご質問の助成を行う考えはございません。 ○宇賀潔土木部長 私からは、コミュニティバスの「はるかぜ」についてお答えいたします。 梅田・関原地域への「はるかぜ」路線につきましては、1月に開催いたしました都市交通懇話会においてバス事業者に対して要望したところですが、事業採算性の面から非常に厳しいとの報告を受けております。 今後のまちづくりに合わせて、運行についてバス事業者に要望してまいります。 再質問 ○橋本ミチ子議員 予算特別委員会もこの後ありますから、そこの中でも質問させていただくようにいたしますが、それでも何点かだけ質問いたします。 私が一番心配しているのは、企業保育の参入なんですが、この問題については、実際中野区でもこういう実態が起きているのだから、足立区ではこういうことが起きないようにするべきだと。そして、こういう問題が多く出ているのだから、足立区から東京都に進達をしなければ参入しないで済むのだから、それをやらなければいいのではないかという質問をしております。 次に、療養病床の方について再度質問いたしますが、私は、東京都が8,246床も増やす計画を持っていて、そして療養病床から追い出される高齢者を救っていこうという計画があるわけですが、それをしっかりと支えるのは各自治体なわけで、だから足立区でも、療養病床の削減ではなく、増やす目標を持っていくべきだ、そしてまた国に働きかけるべきだと私は質問しているので、そのことについて、きちっとしたお答えがなかったように思います。 この2点に答弁をお願いします。 再答弁 ○日比谷松夫子ども家庭部長 営利目的の企業が保育園に参入すべきではないというご質問に対してお答えいたします。 株式会社が運営主体となる認可保育園につきましては、都と区で連携して、認可の審査、それから開設後の指導検査を行っておりますので、更に連携を強化して対応してまいります。 ○有賀純三福祉部長 療養病床に関するご質問にお答えします。 区内での介護型病床の多くが医療型に転換されると考えております。したがいまして、医療型療養病床が減少することはないと考えております。 なお、国に働きかけを行う考えはございません。 |
![]() |
![]() |