2、日本共産党区議団の条例提案など

A足立区高齢者入院時負担軽減支援金の支給に関する条例

(目的)
第1条 この条例は、高齢者が入院したときに生じる入院費用等に係る支援金(以下「支援金」という。)を支給することにより、高齢者の入院に伴う経済的負担の軽減を図り、もって区民福祉の向上に資することを目的とする。
(支給対象者)
第2条 支援金の支給の対象者は、医療法(昭和23年法律第205号) に規定する病院又は診療所(健康保険法(大正11年法律第70号) に規定する保険医療機関であるものに限る。)に入院している年齢6 5歳以上の高齢者であって、入院時以前から引き続き区内に住所を有 する者とする。
(支給額)
第3条 支援金の支給額は、次の各号に掲げる入院期間(1の会計年度(4月1日から翌年3月31日までをいう。)において入院した期間をいう。)に応じ、当該各号に掲げる額とする。ただし、1の会計年度につき3万円を上限とする。
 (1) 入院期間7日から60日まで 1万円
(2) 入院期間61日から120日まで 2万円
(3) 入院期間121日以上 3万円
(申請及び通知)
第4条 支援金の支給を受けようとする者は、規則で定めるところにより、区長に申請しなければならない。
2 区長は、前項の規定による申請があったときは、第2条に規定する要件を審査し、支給の可否を決定し、申請者に通知する。
(決定の取消し)
第5条 前条第2項の規定により支給可との決定を受けた者が、第2条に規定する要件に該当しなくなったときは、区長は、当該決定を取り消すものとする。
(支援金の返還)
第6条 区長は、虚偽又は不正の手段により支援金の支給を受けた者に対し、既に支給を受けた額の全額を返還させるものとする。
(委任)
第7条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
  付 則
  この条例は、平成21年6月1日から施行する。

「足立区高齢者入院時負担軽減支援金の支給に関する条例」の提案理由の説明
2月25日本会議 針谷みきお議員

○針谷みきお議員 議員提出第2号議案 足立区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例について、提出者である日本共産党足立区議団を代表して説明を行います。
 本案の目的は、第1条、高齢者が入院した場合に生ずる入院費用等に対する支援金を支給することにより、入院に伴う経済的負担を軽減するものです。
 対象者は、第2条、満65歳以上の区民であり、医療機関に入院している方です。支援金は、1回当たり、入院期間により違いはありますが、年3万円を上限とし、所得制限は設けません。施行日は、平成21年6月1日です。
 以下、提案の理由を述べます。
 総務省家計調査報告によると、年収200万円以下の高齢者世帯は43%、貯蓄は500万円以下が全体の3分の1を占め、とても将来の安心は望めません。
 さらに、昨年4月からは、75歳という年齢で高齢者を差別する後期高齢者医療制度が導入され、高齢者から「早く死んで欲しいというのか」と怒りの声が上がりました。年金、医療、介護などの社会保障の相次ぐ改悪と、高齢者をねらい撃ちにした年金課税の強化、住民税非課税措置の廃止、国民健康保険料の値上げは、生活を直撃しています。
 かつて国連のアナン事務総長は、一人の老人が亡くなると図書館が一つなくなるといったことわざがあるように、高齢者は過去、現在、未来を結ぶかけ橋であり、高齢者の知恵とその経験は、社会の存在、発展になくてはならないものであるして、高齢者福祉の重要性を指摘しました。
 とりわけ医療制度は、命を守るとりでです。その中でも、入院時の負担は、本人にとっても家族にとっても大変な負担になります。
 入院費用は、医療費以外におむつ代、洗濯代、日用品費など月15万円から20万円を超えることもあります。
 伊興に住む80歳の男性は、外出中に転倒して頭部を強打した後、認知症が発症し、昼夜逆転、家庭内暴力を起こし、家では介護し切れない状態で、療養病床に入院しました。年金がないため、貯金を取り崩しているが、あと1年はもたないと訴えられました。
 本条例案は、これほどまでに大きくなっている入院時の負担の一部を支援、軽減することにより、高齢者福祉の増進と高齢者の尊厳の回復に踏み出そうというものでございます。
 内容は、多少違いがありますが、千代田区、新宿区、中野区では既に実施がされている入院時の支援制度です。本条例案の施行は本年6月1日ですから、21年度必要な財源は4,475万円であります。
 議員の皆様におかれましては、本条例案の趣旨にご賛同いただきまして、速やかにご決定いただきますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。