3、議案などに対する討論や修正案など @ 足立区一般会計補正予算案に対する反対討論 3月6日 浅子けい子議員 |
○浅子けい子議員 ただいま議題となりました第77号議案 平成20年度足立区一般会計補正予算(第5号)、第79号議案 平成20年度足立区介護保険特別会計補正予算(第2号)について、日本共産党を代表して反対の立場から討論を行います。 まず最初に、一般会計補正予算に含まれている定額給付金についてです。 国民8割が反対の定額給付金 私たちは国会で定額給付金に反対の立場で対応してきました。定額給付金は、国民の8割近くが反対を表明していたように、政権与党の総選挙政策と批判され、消費税増税とセットで施策化が検討された経緯もあり、2兆円は雇用や社会保障などに有効に使うべきだと考えています。補正予算が成立したからといって、その評価が変わるわけではありません。同時に、国会で関連法案まで成立すると、「自治事務」とはいえ、住民一人ひとりに定額給付金を受け取る権利が生じ、それを行使し受け取るかどうかは、住民の意思にゆだねられるべきもので、地方自治体がその選択権を奪うべきではないと考えますし、支給の事務はより的確に遂行すべきと考えます。よって、その部分に異議を唱えるものではありません。 くらし大変な区民生活の認識なしー区長の姿勢 しかし、この最終補正予算は、歳入歳出の実行状況を精査し、最終調整を行った結果であり、近藤区政の政治姿勢があらわれているものです。 金融危機のもと不況の大波が区民の暮らし、雇用、営業に襲いかかり、自動車取得税交付金などの税収減に見られるように、消費が大きく落ち込んでいます。中小企業は、「仕事がなくなった」「資金繰りができない」と悲鳴を上げ、昨年区が実施した緊急融資には予定の3倍の申し込みが殺到しました。家計が大変で、給食費を滞納したり、進学をあきらめる子どもも増えています。生活保護受給者は、11月からの4カ月で過去2年分の申請がありました。区長も「このような時こそ最も身近な自治体として」「全庁一丸、決意新たに」と述べています。 しかし、区長の言葉とは異なるお金の使い方の結果が、最終補正予算にあらわれています。 12月の補正で実施した緊急経済資金は、継続してほしいという強い要望があるにもかかわらず、予定どおり打ち切ってしまいました。融資の予算は約1億7,000万円も余る見通しなのに、年度内にも再開しようという姿勢がありません。就学援助は、急激な景気落ち込みで給食費を払えない子どもが急増しているにもかかわらず、何ら対策を講じることもなく、2,100万円の減額を行い、保育園も千住などの認証保育園2カ所分を開設できず、千住地域では0歳児の募集に対して4倍の応募がありました。 いずれも急激な景気の悪化の中で、大変な思いをしている区民生活への認識が弱いことのあらわれです。こうして浮いたお金を新たに77億円余ためこみ、ついに基金は1,000億円を超えました。 特定業者に至れり尽くせりー竹ノ塚駅東口公共駐車場 さらに、ジョイビルの中にある竹ノ塚駅東口公共駐車場については、当初、駐車場収入を1,176万円としていました。実際の駐車場収入は、19年度で3,800万円あるのに、区の収入は1,106万円減額し70万円。わずか当初の7%になってしまいました。 民間の中にある駐車場を公共駐車場とすることで、区は1,130万円税を投入し、ジョイビル側は駐車場収入3,800万円の95%以上と合わせて4,000万円以上を手にしていることが、先の総務委員会の質疑で明らかになりました。区の駐車場歳入が少ない原因は、実際の収入の大半が管理運営費としてジョイビル側に入るためであり、その内容は、駐車場に人もいないのに人件費として2,040万円も見込んでいる、まるでビル全体を管理するためのようです。区民の暮らしが大変なときに、特定の業者には至れり尽くせりのあり方は、直ちに是正すべきです。 全庁あげての経済対策を求め動議提出 我が党は総務委員会に、一般会計補正予算の編成がえを求める動議を提出しました。その内容は、「民生費5億円のうち、地域福祉振興基金積立金を5億円減額し、産業経済費の中小企業融資事業のうち、5億円増額し緊急融資の実施に必要な金融機関への預託を行う」というものです。この動議は残念ながら可決されませんでしたが、全庁挙げて工夫を凝らし、緊急経済対策に取り組むことを強く求めるものです。 区に戻す余ったお金は介護のために使うべきー介護保険会計 介護保険特別会計については、「制度改正に匹敵する大きな改正」と区も認めるように、介護認定が低く抑えられ、「介護予防」の名のもとに介護を取り上げ、利用抑制が進められてきました。その結果、41億円7,000万円余の給付残を生み出したもので認めるわけにはいきません。しかも、全都でも5番目に高い保険料を徴収し、余ったお金は国や都に返し、区の一般会計にも5億円を返そうとしています。区の一般会計に戻すお金は、もともと介護のための予算です。返さずに介護のために使う立場に立つよう求めて、この場所からの討論を終わります。 |
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