4、予算特別委員会の質問等(3月3日〜3月11日) 「くらしを応援する生活資金貸付は貸しやすくすべき」 第2日目(3月4日) さとう純子 議員 |
○さとう委員 まず、初めに、昨日、鈴木(け)委員の質問で景気の悪化と雇用の不安定化などで失業、倒産、急速な収入減がふえていることを明らかにいたしましたが、こうした中で一時的な小口資金が借りられれば、再就職から自立へつながると緊急の生活資金を貸し付ける制度が各自治体で実施され、これには国もいま乗り出しているところです。こういうときのために、足立区応急小口資金貸付条例があると考えます。 しかし、質問に入りますが、足立区の応急小口資金は生活費には貸し付けないとしていますが、理由は何なのかを教えてください。 ○福祉管理課長 この応急小口資金でございますが、条例の第1条にありますように、「災害、疾病等により応急に必要とする生活費用の調達が困難な場合」ということを想定しておりまして、一般的な形での生活費を対象にしているものではございませんので、現在のところ生活費等に対しての費用については対象にしておりませんということでございます。 ○さとう委員 では、災害疾病等の「等」とは何のことを示すのでしょうか。 ○福祉管理課長 例えば冷蔵庫が急に壊れた、あるいは洗濯機が壊れた、これは生活に非常に必要なもので、これを欠くと生活の安定に支障が生じるところでございますし、それから、冠婚葬祭等で急に多額の費用が必要になったという場合、あるいは転宅、転居、区内転居でございますが、これに要した費用、こうしたものを対象にしてございます。 ○さとう委員 災害疾病等、そのほかに冷蔵庫とか、これが生活用品で生活費ではないということなのかもしれませんが、実は応急小口資金貸付案内、これは区民の皆さんに示しているところですが、そこに、災害を受けたり、ご家族がご病気になったり日常生活のいろいろな出来事によって急にお金が必要になりと書いてありますが、「いろいろな出来事」というのは、災害疾病のほかにはどんなことが出来事なのですか。 ○福祉管理課長 先ほど申し上げましたように、冠婚葬祭、区内転居、そのほか生活に必要な生活必需品の冷蔵庫が壊れた、洗濯機が壊れた、買いかえるというときに提供されているということでございます。 ○さとう委員 いろいろな出来事というので、いま本当にどうしてもほかにお金が工面できないとか、そういう意味ではいろいろな出来事は、失業とか倒産、急激な収入減、いま日常生活で起きている出来事、これがいろいろな出来事には適さないということですか。 ○福祉管理課長 そういうことでございます。条例の目的にありますとおり、災害疾病等ということでございます。 なお、そうした生活費が困っている場合につきましては、社協の行っているさまざまな貸し付け事業の活用も考えられると考えております。 失業・収入源の区民も対象にすべき ○さとう委員 いまの答弁は本会議の代表質問の答弁と同じ答弁なのですが、ぜひ区長に伺いたいのですが、この応急小口資金条例、これには区長が認めるといいますか、区長が認めたものには貸し付けができるとなっているのですけれども、区長もいまいろいろな出来事というのはそういうことであって、失業とか倒産、急激な収入減については、いろいろな出来事とは考えていないのでしょうか。 ○福祉部長 特別な場合とは、災害、あるいはご本人、家族の疾病以外には冠婚葬祭、就学、交通事故、転居等がありますけれども、生活に困窮されている方につきましては、そのほかのせいでございますので、そちらの方をご活用いただくと考えてございます。 ○さとう委員 同じ答弁って、なぜ区長に伺いたかったかと言いますと、条例に応急小口資金貸付条例、条例に区長が定める貸し付け理由とはということで、次のように8項目書かれているのですね。これは区長が決めた貸し付けの理由です。その中に実は(4)に食糧というのが入っているのですよ。それから、6番目には旅行と、それは冠婚葬祭ではなくてやむを得ない理由による旅行等、それから、最後に、これは大事だと思うのですが、その他区長が必要と認めたときには貸し付けができるとなっているのですが、その点で区長が定める理由、これは区長に責任があるわけですし、その他区長が必要と認めたときというところで、いま言いました失業とか大変な状況のいろいろな状況というところに認めるということになれば、貸し付けもできるかと思うのですけれども、どうなのでしょうか。 ○ 福祉部長 区長が認めるときというものにつきましては、貸し付け事務処理要綱の中に定めております。 「食糧」には貸すが「生活費」には貸せない矛盾 ○さとう委員 要綱ですか。 実は矛盾があるのでびっくりしてしまったのですが、応急小口貸付案内、これは区民向けに出しているものなのですが、ここから食糧というのが抜けているのですよ。食糧というのは、まさに日常的な生活費なのですが、先ほど申しましたように、冷蔵庫だとか冠婚葬祭とかと言っていましたけれども、なぜここから食糧が抜けているのですか。その上に生活費や、借金返済は別問題でしょうけれども、生活費には貸さないとなっていて、規則にはちゃんと食糧と入っているのですけれども、どういうふうに違うのですか。 ○福祉管理課長 パンフレットの記述につきましては、規則にある貸し付け理由の代表的なものをわかりやすく表記をしてございますので、まとめて記載してございます。 食糧に貸し付けるには、保証人が必要なことがあって、実際の貸し付けというのは非常に難しいと考えています。食糧費というのは、そんな高額にならない場合が多うございますので、そこに保証人をつけていくという形での貸し付けというのは、非常に額も少ないし困難であると考えておりますので、この表から外したものでございます。 ○さとう委員 繰り返しになりますけれども、私は応急小口資金というのは、まさにいま必要な資金だと思うのですね。ところが、借りる人たちの状況を見ますと、平成16年には一般の15万円が23件あって、特例、これは区長が認めたものですが、30万円が26件あったのですよ。ところが、20年度の2月13日現在で聞きましたら、一般は1件しかない、特例は18件になってしまっているのですね。 こんなに本当に生活が大変なときに、借りに行ったときに借りられない、応急小口資金のことについて「いろいろな」というところで先ほど区長が答弁なさろうとしたので、もう一度ぜひ区長に答弁していただきたいと思うのですが。 ○副区長 再三福祉部長がご答弁していますけれども、これは条例で、しかも原資は区民の貴重な税だとか、あるいはそういったものですから、それをさらに規則だとか要綱を個別具体的に適切に対応するためにそういったものをつくっているわけですから、区長が特に定めるということで条項がありますけれども、これはいろいろな個別具体的に適切に対応を求めるといった情報も載っておりますので、それをよく制度的な体系を理解していただきたいと思っております。 ○さとう委員 全く理解などできないと思うのですよ。区民の皆さんが本当に困って、この応急小口というのは、まさに保証人がついているわけですから、保証人をちゃんとつけている融資ということでは、本当にむやみやたらに、だれにでも貸せと言っているわけでもありませんし、ちゃんと審査をして、本当に生活が大変なときに救う手だて、これは手だてだと思うのですよ。 先ほど答弁にありましたように、社会福祉協議会に行けばいいじゃないかと、それでもだめなら生活保護を受ければいいじゃないかとおっしゃいました。 それで、社会福祉協議会の職員がいらっしゃるかと思うのですが、52歳の男性で80歳の母親の介護をしながら運送業をやっておりました。それがだめになって特別養護老人ホームの送迎の車の運転手になって、いま時給800円で働いています。次の仕事を求めていますけれども、8万円の家賃を払ってしまったら食費がなくなると。8万円の家賃を払わなければアパートを追い出されてしまったら困ると、この方は緊急応急小口、この社会福祉協議会でやっているのを借りられるかどうかなのですね。 実はすごく狭き門です。応急小口資金より狭き門で、貸し付け対象はもっと狭く、それから、収入基準があります。2人世帯の場合は月額25万9,000円の収入がない人には貸さないのですよ。社会福祉協議会の職員がいらしたら、こういう仕組みだと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○社会福祉協議会(事務局長) 先ほどの事案に関してはもう少し詳しいお話を伺わないと何とも申し上げられませんが、収入基準でございますが、2人世帯の場合はたしか24万8,000円以下となっていると思いますが……失礼いたしました。これは19年度でございます。20年度については、先ほどのご質問の「以上」というお話ですけれども、「以下」とご理解いただきたいと思います。 ○さとう委員 そういうことです。これは借りられないのですね。 それから、生活保護の申請にこの人、行きました。受けられません。どうやって救うのですか、こういう人を。受けられませんでしたよ。どうやって救うのですか。どういうふうにして救うのかを、ちょっとおっしゃっていただきたいのですが。 ○福祉管理課長 私どもの応急小口、それから、社協が行っている緊急小口につきましても、いずれも貸付金でございまして給付金ではございませんので、当然返すべきあてがないお金を貸すということはかなり厳しいということでございまして、所得制限等を設けているところでございます。 先ほどの例でございますが、詳しい内容をまだはっきりご本人さんから聞いておらない状況でございますので、場合によっては再度福祉事務所でのご相談ということも考えられると思いますので、よろしくお願いいたします。 ○さとう委員 とにかくひど過ぎますよね。 だって返せないものを貸せって、私は言っていませんよ。ちゃんと決まりがあって、審査して貸し付けるわけですから、返さないものを給付してくださいと質問していませんから、何と冷たい区行政なのかと私は怒りを感じます。 デイサービスや宅配給食に助成を では、時間があれですので、次にデイサービスや宅配給食についての質問をします。 いま足立区の高齢者福祉サービスに基づいて、区と足立の配食サービス協力店が共同して実施している高齢者宅配給食は、どのような目的や、どのような効果を持っているのかを伺いたいのですけれども。 ○ 高齢サービス課長 単身高齢者の方につきましては、安否の確認、それから、その他の方につきましては栄養の改善でございます。 利用者「お弁当やさんが私の命を運んでくれる」 ○さとう委員 足立宅配サービス協力店連絡活動報告に、会長のメッセージがあったのでぜひ読ませていただきたいと思うのですけれども、「食は命、私たちが健康な生活を送る上で一番大切なものが食事です。配食を始めて間もないある日のこと、当時86歳のおばあさんに言われた忘れられない一言がある。お弁当を始めて2キロも太ってお医者さんに元気になったねと褒められた。毎日お弁当屋さんが私の命を運んでくださったおかげよと、こう言われた」ということです。 また、報告によると、「安心ネットワークの協力機関として、食事を届ける中で高齢者の見守りを行い、急な対応をした事例もある」という内容です。 これを読まれましたでしょうか。どなたか、読まれましたでしょうか。 ○高齢サービス課長 読んでおります。 ○さとう委員 要介護、要支援で暮らしている方が、デイサービスで食事を楽しみにしていらっしゃるのですね。また、在宅の方がヘルパーさんに食事づくりをお願いしたんだけれども、宅配給食を勧められたと。あっちこっちの事業者を検討したんだけれども、負担を考えるとお願いできないという状況だそうです。 そこで、葛飾区では主に安否確認を目的とした宅配弁当を1食につき297円を補助して、安否確認が目的なので必ず手渡しをしているということですが、葛飾区のこのようなことをご存じでしょうか。 ○ 高齢サービス課長 知っております。 見守り、介護予防に効果 ○さとう委員 本当に葛飾区でこういうことをやることによって、実は葛飾区の職員に聞きましたら、これは見守りだけでなくて、介護予防の観点にすごく効果があるということなのですね。お年寄りがきちんと栄養バランスのとれた食事をとるということが本当に元気な高齢者をやっていくと。介護予防に本当に大きな力になると言いました。 それで、私たちは予算修正案で、足立区でもデイサービスの給食と宅配給食にそれぞれ1食100円の補助をすることを提案していますけれども、この提案は、先ほども説明申し上げましたが、高齢者に栄養バランスのとれた食事を提供し、補助することによって、利用者にも、喜ばれるだけでなくてふえると、それによって事業者収入にもなる、さらに先ほどお答えになっていましたけれども、見守りができるということで一石二鳥にも、三鳥にもなる事業だと考えるのですが、足立区としてどうしても必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢サービス課長 配食サービス等については、意義は認めますけれども、補助することにつきましては、一般の高齢者の方は自己負担でございます。したがいまして、負担の公平性という見地から、補助をすることはなかなか困難であると考えております。 ○さとう委員 この高齢サービス事業というのは、一般の方とはまた違うという意味でお答えになったのでしょうか。宅配給食をお願いしたいという人はいっぱいいるのですが。 それでは、実はこれ伺いたいなと思ったのは、お年寄りが、高齢者の方が使える食費について伺いたいと思うのですけれども、生活保護基準の1類、食費と衣類が入っていると思うのですけれども、60歳から69歳までの方は1カ月どのぐらいなのか、それから、70歳以上の方は幾らなのかをお答えいただきたいのですけれども。 ○中部福祉事務所長 60歳から69歳までが3万6,100円です。それから、70歳以上が3万2,340円。 ○さとう委員 ということで、いまお答えがあったように、お米から調味料、それから、嗜好品、果物、さまざまな食べ物として使えるお金は、60歳から69歳までの方は3万6,000円ですから、1日1,000円とちょっとですよね。それから、70歳以上の方になると1日約1,000円です。これもお米代も全部含めてなのですね。 ここで1食のお弁当をとったとすると、それだけでいまだと600円から700円かかってしまう。それを2回に分けて食べたにしても、あと残りは400円しかないと、以前は実は高齢者加算というのが生活保護には1万8,000円程度あって、それが全廃されてしまったのですね。それがあったときには、たまにはお刺身も食べられたなというのが皆さんの感想です。こういう生活保護世帯だけではなくて、年間七、八十万円で年金で暮らしている方がたくさんいると思うのですけれども、このような状況をご存じでしょうか。 ○高齢サービス課長 国民年金の方は満額納めましても80万円以下でございますので、そういう状況というのは把握しております。 ○さとう委員 やはり、先ほど申しましたように、高齢者の方が1日1,000円未満で生活していかなければいけない、こういう実態があるということをしっかりと受けとめていただきたいのですね。それで、できるところ、応援できるところをいかに応援するかというのが、いまの足立区でやらなければならないことだと思うのですね。 先ほど、支援する考えはありませんとおっしゃっていましたけれども、これは経済効果も生まれます。先ほど申し上げましたように、一石二鳥、一石三鳥といろいろな効果が生まれますし、介護予防にもなるということですので、ぜひ検討していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。 |
![]() |
![]() |