4、予算特別委員会の質問等(3月3日〜3月11日) 「貸し出し札数を増やす」「図書館だより」発行でがんばると『解雇』される指定管理運営の地域図書館 第4日目(3月9日) 橋本ミチ子議員 |
○橋本委員 私は、指定管理者制度に移行しました地域図書館についてお伺いいたします。 指定管理者の契約期間というのは何年なのでしょうか。 ○中央図書館長 現在、5年で行っております。 ○橋本委員 図書館の従事者の雇用期間は知っていますか。 ○中央図書館長 私どもの契約は5年でお願いしておりますけれども、個別の各事業者の社員の契約内容については、申しわけございませんが、把握しておりません。 ○橋本委員 足立区では地域図書館の管理を指定管理者の運営に移行させています。そのうちの一つの図書館で館長が解雇されました。それは知っていますか。 ○中央図書館長 私どもの方には、退職するということで報告を受けております。 ○橋本委員 退職するということですが、実際は解雇だそうです。 それでは、理由はわからないですよね、どうでしょうか。 ○中央図書館長 理由については、現在把握しておりません。 ○橋本委員 その人は一昨年の8月に公共機関勤務経験、管理職経験、それから、司書資格という条件を満たして指定管理者の受注会社に入社しました。 取締役から館長にお願いしたいと告げられ契約したそうです。また、二、三年で現場を離れて本社の図書館統括として働いてくださいと口頭で伝えられました。その会社は独立型図書館の経験がないため、受託準備はその人に任され、新規スタッフの面接、採用、研修手配など日々追われました。 3月1日に辞令が出され、館長になる地域図書館に移りました。受託に向けて研修手配や現有者との各種調整や引き継ぎのためかなりの残業と休日出勤を経て、4月1日に図書館長に就任しました。館長に就任すると、所管からの日々命じられる業務の遂行、仕様書の遵守、会社が区に提出した提案書の内容の実現、日々現場で起こる混乱の鎮静のために、やむなく4月100時間の残業、5月は65時間、休日勤務32時間という状況ですが、地域図書館でこんなに残業が行われていることは知っていましたか。 ○中央図書館長 個別の時間については把握しておりませんが、特に移行当初の4月、5月につきましては、どこの事業所でも、職員全体の従事体制等がまだ整っていない、あるいは不備といいますか、手なれていないとかさまざまなこともございまして、比較的残業が当初どうしても多いと、ただ、それが経過するに従って徐々に減ってくるということで認識しております。 ○橋本委員 館長についたその人が提案書どおり一生懸命頑張って、貸し出し冊数をふやすという提案を実現するために地域への広報活動を積極的に行いました。そして、貸し出し冊数を年間で8%アップさせました。 子どもへの読書推進という提案を実現するために、区立、都立の学校、保育園などの連携を強化して、事業集客数を年間二、三割アップさせたといいます。 子どもの学力向上という提案を実現するために、読書推進に結びつく小冊子を出す提案を、4ページの小冊子「図書館だより」を毎月発行しました。 このように選定された指定管理者は、さまざまな提案をし、その提案を実現するために努力する、それが区民サービスの向上であると思いますが、いかがでしょうか。 ○中央図書館長 私ども指定管理者の導入に当たりましても、そのようなサービスの充実を期待してのものでございます。 ○橋本委員 しかし、その人はことしの1月に退職勧告が突然なされました。理由は幾つかあったといわれていますが、社長は、なぜ残業をなくせないのかと厳しい口調で指摘してきたそうです。社長はまた、なぜ私の気持ちがわからないのかと言ったそうです。 その人は直ちに業務改善計画を作成し、1カ月で実行し、残業がゼロになりました。しかし、2月27日、指定管理事業者から雇用契約終了予告通知書と退職届の用紙が手渡され、解雇されました。 3月1日からは別の館長が配置についていますが、解雇された館長はこの契約打ち切りは二重、三重に不当だと訴え、いまちょうど先日の午後、指定管理者である会社側と解雇撤回を求めて交渉を行っていると聞いております。 私はこの館長が地域を回って貸し出し冊数をふやすための努力、「図書館だより」を毎月発行するなどのサービス向上、利用者の増など、一貫して努力してきた、区との協定書も実現に努めてきたという姿勢を感じます。その館長のもとで図書館の管理はどのようだったか、わかりますか。 ○中央図書館長 私どもが期待しております水準には達していたと認識しております。 ○橋本委員 水準に達していたということですが、しかし社長は、最後は、結局あなたがうちの会社に合わない、社長のやり方に合わないから契約更新しないことに決めたと述べたそうです。 理由にならない理由で解雇しなければならないということはどういうことなのかと、私も考えてみました。指定管理者は、図書館業務本体からは収益を上げることはできません。委託料のほとんどを占める人件費相当分か労働者に支払う賃金を削ることによって唯一利潤を生み出す、指定管理者の限界がここにあるのではないかと思います。そのことを指摘いたしまして、次の質問に移ります。 子ども議会を開催し、足立区の児童生徒が区政に理解と関心を深める機会に 子ども議会の開催について伺います。 子ども議会は、昨年選挙管理委員会で子ども議会の計画をして実施しようとしていましたが、選挙が行われそうという経緯で中止されました。しかし、子ども議会の開催は大人の事情で左右させるべきではありません。急に中止になった学校からは、参加を決め、企画、質問内容をつくり、真剣に取り組んできました。大人の都合で中止は問題、延期でもいいから実施してほしかったとの声が上がったと聞いています。 今後も選管が子ども議会をやる予定なのでしょうか。 ○総務部長 本日選管の事務局長が出席しておりませんので、私の方から委員のいまのご主張はお伝えしたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○橋本委員 きょうは教育関係も入っているのではなかったですかね。 ○委員長 選挙管理委員会が入っていないんだよ。 ○橋本委員 私は子ども議会という問題で取り上げたものですから、当然教育の内容に関していると考えていました。 それで、総務委員会の中では選挙のないときにやるということが言われたそうですけれども、選挙のない年に昨年考えていたわけですが、しかしああいう形で選挙があるかのように日々延ばされて、いまだにない。まさに政治の世界はわからないというのが状況ではないかと思います。せっかく期待していた子どもたちと学校などに迷惑をかけ、落胆させる結果になりました。 子ども議会をやるのであれば、教育委員会や政策経営部サイドがよいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○教育政策課長 子ども議会についてでございますが、本会議でもご答弁させていただいているところでございますけれども、子ども議会については、周年のときに、50周年、60周年、70周年、そういった時期に子ども議会を開催するというところでございます。 また、教育委員会といたしましては、今年度20年度、こども教育委員会というものをさせていただいてございます。21年度に向けては、中学生も対象としたこども・生徒教育委員会というものを展開、充実していきたいと考えてございます。 ○橋本委員 そうですね。これまでは50年、60年、70周年と周年行事でやってきたと思います。それで、70周年のときの子ども議会の目的はということで見ますと、足立区の未来を担う児童生徒が区政への理解と関心を深めることで、子どもにとって区政が身近なものであるという意識の高揚を図るとしています。 区としても、子どもの意見表明と反映の場として子ども議会を、いま周年行事ということで答弁されましたけれども、そうしますと、3年後の80周年のときには実施する計画でしょうか。 ○学校教育部長 いま教育政策課長からご答弁いたしましたように、基本的にはこども教育委員会というスタイルで、子どもたちの、あるいは生徒たちの率直な区政に対する思いですとか、そういったものを十分コミュニケーションをとってまいりたいと思います。 また、80周年につきましては、3年先でございますので、いまの取り組みの推移状況を見ながら改めて検討したいと考えてございます。 ○橋本委員 私は、いま教育委員会のこども教育委員会を否定するわけではないのですけれども、やはり、70周年のときの子ども会議のことが載っております区報がとてもすばらしいのですね。ですから、教育委員会をやりながら子ども会議に踏襲していくというか、頂点をそこに持っていくということではいかがでしょうか。 ○委員長 本日、選挙管理委員会事務局長が出席しておりません。選管の管轄は総務部で、総務部長、答えてください。 ○総務部長 いま委員がお話になっていらっしゃる子ども議会につきましては、選挙管理委員会として予定していたものが、ご案内のように中止になったわけでございまして、私、所管しておりますが、委員会として予定していたことと思っておりますので、いまのご趣旨を伝えたいと思います。 ○橋本委員 私は子ども会議というのは教育委員会の分野に入ると思いまして、きょうこの質問を取り上げたわけなのですね。ですから、前もって選管の方にお話していなかったのがいけなかったのかなと思いますけれども、ぜひ教育委員会で答弁をしていただきたかったと思います。 ○教育長 子ども議会、私が最初のときの記憶でございますけれども、周年行事として何をやるかという一つのメニューとして子ども議会が取り上げられた。子ども議会として教育委員会が主催してやっていくというよりも、選出をして議員になっていただいて子どもが出てくるときの指導の仕方とか、学校関係とかを携わっている部として教育委員会の指導室が関与いたしました。そういう経過を私は伺っているわけですから、周年行事については、多分区全体の行事としての考えであると考えております。 また、先ほど来申し上げておりますように、教育委員会といたしましては、今年度こども教育委員会を小学校の児童を対象に行ってまいりました。こども教育委員会と子ども議会の違いは、あらかじめ決められた答弁に基づいてやる本会議を模倣したのが以前の子ども議会だったと記憶しております。それから考えますと、こども教育委員会は、子どもの自由な発想の中でテーマを決めて、私どももそれに答えてやり取りをするということですので、随分内容的には違うと思いますが、私どもは、調整しながら、先ほども答弁申し上げましたように、子ども議会が本当に必要なのかどうか、それから、どういう形がいいのかも含めて検討させていただきたいと考えております。 ○橋本委員 そうですね、テーマを自分たちで決める、そして調査をして学習をして議会で発言をする。これは練馬区でもそういうふうにやっていて、自由なテーマを自分たちが決めて、そして調査研究をして議会で取り上げて、それの質問に対して区長やそのほかの部長が答えるという形でやっております。 ぜひ80周年のときには復活をしていただいて、いま申し上げた練馬区など他の自治体のすぐれた経験を生かしていただきたい、そのことを要望して終わります。 |
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