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●代表質問−鈴木けんいち議員(2009年9月29日)
自民、公明政権の弱肉強食「構造改革路線」に審判下ったが、区長はどう受け止めたか
◆鈴木けんいち議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して質問をします。
初めに、区長の政治姿勢についてお伺いします。
総選挙の結果、歴史の新しいページが開かれました。この間の政治は、医療・年金・介護・障がい者福祉など、あらゆる分野で社会保障が危機に瀕し、自己責任の名のもとに区民は負担が増えてきました。
日本共産党足立区議団が6月に18万世帯に配布して実施した区民アンケートでも、72.5%の人が「生活が苦しくなった」と答えています。そして25.8%の「変わらない」という人も「苦しいまま変わらない」との回答が多くなっています。区民からは、「税金、公共料金、教育費を払うと生活費が出ない」「もう一人か二人子どもが欲しいが、このまま給与が上がる保障もなく、今いる一人娘を進学させることや老後を考えると、これ以上子どもは増やせない」「医者を3軒かけ持ちしているので生活に響く。消費税がかかるので心配でお金が使えない」「年金が少なくなり介護保険料が多くなった」「年老いた両親も様々な病を患い、介護者私一人でもう限界です」「何でも年金から引き落とし、これから先、塩なめて生活しろと言うのか」と、叫びのような怒りの声が上がっています。
一部の大企業が未曽有の経常利益を上げる一方で、中小零細企業は衰退に追い込まれ、地域経済と地域社会が崩壊しつつあります。その本質は、弱肉強食の新自由主義的「構造改革」にあり、こうした政治を進めてきた自公政権に審判が下ったと思うが、区長はどう受け止めているか、まずお伺いいたします。
区民生活悪化に対応した行財政運営になっていないが
次に、区長は来年度の足立区行財政運営方針で「更なる区民サービスの向上を目指す」と言っていますが、あるのは、新線が開業した、大学が増える、桜が百周年を迎えるということばかりです。一体区民の生活をどう思っているのか。重点プロジェクトで「くらし」という項目がありますが、厳しい区民の生活については一言もなく、多くの区民が困っている介護も医療も区民の生活を支える視点もありません。区長はこの方針で来年度の行財政を運営すると言うが、これで区民が救えるのか、これが生活難にあえぐ区民のニーズに一番合った行財政運営方針と言えるのか。
今、区民の生活状況は、生活保護を新たに受ける人が昨年の2倍のペースで増え、失業者は過去最高を記録しています。区民の生活に正面から向き合い、区民生活を支える行財政運営を行うべきと思うがどうか、答弁を求めます。
区として核兵器廃絶の明確な意思表示を
4月にチェコ・プラハで、オバマ大統領が「核兵器のない世界を追求する」と宣言する演説を行い、今月24日の国連安保理は、全会一致で「核兵器のない世界」を目指す画期的な決議を採択するに至りました。
区は、非核宣言の有無を尋ねた自治体アンケートに、「非核宣言をしている」と答えていますが、そうであるならば、この世界的な核兵器廃絶の流れを受け、足立区としても核兵器廃絶を明確にした意思表示を行うべきと思うが、区長はどう考えるか、答弁を求めます。
「子どもの貧困」解決など子育て支援の総合施策をとるべき
次に、子育て支援・教育の充実について質問します。
OECDの調査では、先進国の多くが貧困率を下げる政策を実施し効果もあらわれていますが、日本は逆に子どもの貧困率が上がっています。先進国で高校に授業料があるのは日本を含めてわずか4カ国、給付制奨学金制度がないのは日本を含めて3カ国、そして両方当てはまるのは日本だけです。大学の学費も世界一高いと言われる中で、高校と大学を段階的に無償化するという国連人権規約第13条の批准を保留しているのも日本だけです。生活保護母子加算も廃止し母子家庭の子どもを直撃しました。子どもの貧困率が上がるのは当然で、こうした自公政権に国民が愛想をつかし、政権交代を願ったのは当然です。
この審判を受け、子育て支援は子育てがしにくいという日本社会の在り方を変え、仕事と子育ての両立、経済的負担の軽減、「子どもの貧困」の解決など総合的な取り組みが必要だと思うが、区はどう考えるか。また、次世代育成支援行動計画をそういう立場から見直すべきだと思うがどうか、答弁を求めます。
待機児解消のための認可保育園増設に取り組め
足立区の待機児は4月1日現在で前年の倍の418人に増え、全国でも待機児数で13位、増加数では4位とトップレベルの多さです。8月1日には更に599人に増えています。
足立区は、これまで保育園が足りている時代は一度もありませんでしたが、認可保育園の増設を怠り、定員を超えた子どもの詰め込みや認可外の保育サービスの活用など、安上がりの対策に頼って計画的な増設をしてこなかったことも現在の事態を招いた要因です。区は緊急対策とともに待機児解消策を発表し、22年度中に3歳未満の定員を300人程度確保するとしていますが、すべて認可外保育の増と、既存の認可保育園への詰め込みであり、ニーズの高い認可保育園増設に踏み切る姿勢がありません。
緊急対策は積極的に行うべきですが、待機児解消は児童福祉法第24条によって国と自治体に定められている財政責任や自治体の保育実施責任の立場からつくられる良好な保育環境の認可保育園の増設を柱に、認可保育園の増設目標を持って進めるべきと思うがどうか。
また、区は認可保育園を補完する認証保育所の新設を推進し、区有地の活用を貸与という形で進めていますが、規定の地代に加え、2,500万円もの権利金・保証金が必要となっています。そもそも収益事業でない上に、区の子育て支援・待機児対象という公的目的に沿ってつくろうとする定員わずか30人の保育所の設置にこういう負担をかけることは、矛盾の極みであり、どうしても理解できません。区には社会福祉法人への無償貸し付けを規定する条例とともに、足立区有財産の交換・譲与・無償貸与等に関する条例があり、社会福祉法人でなくても「公用または公共用もしくは公益事業の用に供するとき」は無償または減額貸し付けができると書かれています。この精神にのっとって、区有地の貸与については、権利金・保証金を免除・軽減するなどして子育て支援を応援するべきだがどうか、答弁を求めます。
重い後遺症残さぬためにヒブワクチン接種助成を
次に、ヒブワクチン接種助成について質問します。
細菌性髄膜炎は、細菌が脳に感染する重症の子どもの感染症で、感染者の約5%が死亡し、約25%に重い後遺症が残る病気で、ヒブという細菌が主な原因となっています。ワクチンによって確実に予防でき、世界各国では15年以上前から接種されています。我が国でも昨年12月から任意接種ができるようになりましたが、3万円前後の費用がかかり、我が党は同年12月の議会で接種費用への公費助成を求めました。23区内でも助成を実施する自治体が増えている中で、改めて助成を行うべきと思うがどうか、答弁を求めます。
教育費の負担軽減、就学援助基準引き下げよ
次に、子どもの貧困の解消・教育費の負担軽減についてお伺いいたします。
文部科学省は8月28日公表した概算要求で返済不要の給付制奨学金の創設を盛り込み、新政権は高校授業料の実質無償化を来春から実施する意向を表明するなど、具体化が進んでいます。後押しをする意味も含めて、高校教育の実質無償化、大学の段階的学費負担の軽減、生活保護の母子加算の復活など、教育費の負担軽減の実現を迫る意見を国に上げるべきだがどうか。
入学希望者が集中している都立高校の入学枠を増やすとともに、私立高校入学支度金や授業料軽減補助の増額や所得制限の緩和などを行って、経済的に困難な家庭の子どもでも私立学校に進学できるように都に要望するべきだがどうか。
就学援助は、「逓減率」が導入されたことによって、以前と収入が同じでも就学援助を受けられなくなった子どもが発生しています。この問題で対策を求めた6月の我が党の質問に、区は「生活保護基準自体の問題」だと答弁し対策をとらない姿勢を示しました。しかし、これでは実質的な改悪を区教委が追認したのと同じであります。「子どもを重視する」という足立区なら当然それを補うべきであります。区の就学援助基準を引き上げるなどして、せめて逓減率導入以前と同程度に就学援助が受けられるようにするべきだがどうか。また、区の奨学金は再度募集を行い、金額も増額するべきだがどうか、以上答弁を求めます。
区立小・中学校の適正規模・適正配置計画の見直しを
次に、学校統廃合の問題で質問します。
区教委が決定した「足立区立小・中学校の適正規模・適正配置の実現に向けて」のガイドラインで、「当面の取り組み」として示された4校の一つ、本木東小学校では、「統廃合に反対」「存続すべき」の声が上がり、地元から2,000名を超える署名が区長と教育長に届けられて、とても合意が得られている状況ではありません。
そもそも「ガイドライン」が決定したのは「周辺の学校の学区域変更を含めて最も良い解決策を検討する」ことであり、統廃合することではありません。このことは文教委員会の質疑でも確認されました。区長及び教育長に伺いたい。
一体こんなに急激に、現場の声も聞かず子どもたちを散り散りにしてしまうことが、どうして最善の解決策と言えるのか。「本木東小学校はまちの願いが実ってつくられた学校で、それだけになくなっては困るという思いが強い。この学校があるからお祭りもできた。年寄りの多い町で、小学校がなくなったら子供たちの声が聞けなくなる」、こういう地域の拠点として学校を大切にしたいというまち声にどう答えるのか。
また、「人権尊重教育推進校として研究を重ね優れた教育内容を蓄積してきた。いい学校にしようと町会も協力している。子どもはいるし、小さい学校には小さい学校の良さがある。規模の小さい学校だから選んで入った」という子どもや保護者の願いにはどう答えるのか。
区立小・中学校の適正規模・適正配置の計画は、人口減少を前提としてつくられたものです。しかし、今定例会のあいさつで区長は、足立区は64万人で推移してきた総人口が若年層の流入などで過去最高の66万人を突破したと述べています。人口減少どころか、こんなに人口が増えています。計画の前提が崩れているのだから、当然、計画自体を見直すべきと考えるが、どうか、答弁を求めます。
区として来年度より少人数学級実施に踏み切るべき
次に、東京都教育委員会は全国で唯一40人学級に固執し、少人数学級について区市町村独自の実施さえ認めてきませんでしたが、9月14日、少人数学級の実施を求める都議会の質問に答えて、教育長が「国の動向を注視しつつ学級編制の在り方について適切に判断していく」と述べました。これは、6月に少人数学級の実施を求める請願に対して「重く受け止める」と答弁したことに続く変化で、知事も都教委の判断を尊重する考え方を示しました。区は、今こそ都に対し少人数学級実現を強く働きかけるとともに、区として来年度より少人数学級実施に踏み切るべきだがどうか、答弁を求めます。
対象者みんながワクチン接種を受けられるよう接種費用の助成を
次に、新型インフルエンザ対策について質問します。
インフルエンザ患者数は増え続け、大半が新型インフルエンザと言われています。国立感染症研究所の定点調査によると、東京都では4週間以内に本格流行が来る可能性があるとされる注意報レベルに達しました。日本感染症学会は緊急提言で、新型インフルエンザが季節性のインフルエンザに比べて決して軽症とは言えないとの警告を発しました。急速、大量に患者が発生し、重症化すれば死に至るという最悪の事態を考えて対策を総動員することが不可欠です。
まず、重症化を防ぐ対策に関して、(1)ワクチンの接種が妊婦、基礎疾患(持病)がある人など優先順位をつけて行われるが、厚生労働省は、費用は全国一律で原則自己負担とするとしており、2回接種で7,000円から8,000円になる見通しです。対象となった人がみんなワクチン接種を受けられるよう接種費用への助成を行うべきだがどうか。
(2)ぜんそく患者はワクチン優先接種の対象とされていますが、「旧公害患者健康法」に規定されている人だけでなく、都の救済対象になっている人は優先接種を受けられるようにするべきだがどうか。
(3)町田市は国民健康保険料を滞納している世帯に対する資格証の交付を1年間停止して、対象の家庭すべてに短期被保険証の交付を決めましたが、足立区もこのような立場で対応を図るべきと思うがどうか、お伺いをいたします。
感染拡大防止のために臨時保育体制、医療設備の充実を
次に、集団感染防止に関してですが、保育園入園児に感染者が出た場合、登園しないことが大前提になりますが、仕事を休めない保護者のために臨時の保育体制を整えることや、保育を継続できるための対策を講じること。感染拡大にはきちんと企業・職場で自宅待機を命じることが重要ですが、その場合の従業員の賃金を保障するため、中小企業についてアドバイスや制度の紹介、対策の相談など支援を行うことが必要だと思うがどうか。
また、急速な感染拡大を想定した医療体制に関して重症化が予想される人への早期治療、一般の患者も受け入れる医療機関で感染が広がらないようにする体制、重症者のためにベッドや人工呼吸器などの準備などが重要だと思うがどうか、答弁を求めます。
国連「障害者権利条約」を踏まえた障害者福祉法確立を国に求めよ
次に、障がい者施策について質問します。
総選挙では、我が党も要求した障害者自立支援法の「応益負担」の廃止が争点の一つとなりました。新政権は障害者自立支援法の廃止を表明し新たな制度設計に着手する考えを示しました。自立支援法がどのように廃止され、どのような新たな制度が実現するのかどうかはこれからにかかっています。世界に例のない障害者自立支援法の「応益負担」は廃止し、日本国憲法と国連「障害者権利条約」を踏まえた総合的な障害者福祉法を確立するよう国に求めるべきだがどうか。
施設・作業所への報酬等について、現在の日払い制度をやめ、月額制に戻すとともに、大幅に引き上げること。障がい者福祉で働く労働者の賃金を大幅に引き上げること。当面10月から2年半の期限で実施される「福祉・介護人材の処遇改善事業」について、期限が来たら終わりというのでは大変不具合が生じるので、2年半後も継続すること、以上、国に求めるべきだがどうか。
身体障がい者向けのグループホーム増設支援を
障がい程度区分は、知的障がい・発達障がい・精神障がいの特性に合った支援、また特性に合う障がい程度区分になるよう強く国に求めるべきだがどうか。
グループホーム増設は、障がい者が増えている中で、また保護者の高齢化が進む中で、「住まいの場」としてグループホーム・ケアホームはますます必要になっています。当面、障がい福祉計画で掲げた目標を年次ごとに達成していくことが重要だが、費用負担がネックとなって進まない側面があるので、現在の都の補助基準を引き上げるよう都に求めること。また、区も補助制度をつくって支援すること。身体障がいについても、10月からグループホームが認められるようになり、設置の要望が上がっています。身体障がいの場合は改修でも建設でも、更に費用がかかることが予想されます。必要経費に見合った補助基準となるようにすること。また、これまでの障がい福祉計画では身体障がいのグループホーム増設が含まれていなかったので、これを加えた目標にしていくこと。増設に当たっては遊休地の活用とともに都営住宅、区営住宅の活用を行うこと、以上について答弁を求めます。
区として精神障がい者の福祉手当支給を
三障がい一元化と言いながら、精神障がい者だけ福祉手当がありません。都の動向をいつまでも待つのではなく、率先して精神障がい者の福祉手当支給について、区として直ちに行うべきと思うがどうか。
「声の広報」などをつくる録音テープのダビング機器が製造中止となり録音テープも少なくなってきています。これにかわる機器の検討と購入費助成を行うべきだがどうか。
聴覚障がい者の中途障がい者は、手話ができないため、筆談が重要です。要約筆記者が必要ですが足りません。区として要約筆記者を養成するべきだがどうか、答弁を求めます。
自治体自身が生み出す「官製ワーキングプア」をなくせ
次に、地方自治体自身が年収200万円以下のワーキングプアをつくり出してきた「官製ワーキングプア」の問題について質問します。
全国で正規の地方公務員は1995年をピークに14.6%、38万人減って、2008年4月で140万人となり過去最少になりました。
一方、臨時・非常勤など非正規職員は2005年からの3年間だけでも9.5%、4万人増え、2008年4月総務省調査では、6カ月以上・週20時間以上勤務の人に限っても49万9,000人となっています。調査対象外を含めれば実態は60万人から70万人いるのではないかと言われています。
足立区でも「フルタイムで働いてもワーキングプアなんです」「同じ仕事をしていてもこんなに違うんです」という実態があり広がっています。こうした非正規職員急増の原因に、正規職員の採用を抑制して、臨時・非常勤に置き替えていることがあり、そのため勤務時間は臨時職員はフルタイム、非常勤職員は平均で週30時間を超え、更新を繰り返して正規と変わらない恒常的な業務を担っている場合が多いと思うがどうか。
公的サービスの指定管理者への置き換えも要因
これとは別に、実質的に公的サービスを代行する指定管理者への置き替えも「官製ワーキングプア」を生み出す重大な仕組みとして機能していると思うがどうか。
新自由主義改革のもとで行政の市場化・民間化が進められ、その中で最も「成功」したのが労働市場の改革(規制緩和=非正規化)だと言われています。これが行政の民間委託、指定管理者制度、市場化テスト、独立行政法人、PFI方式、官民協働(PPP)などの手法とリンクしてワーキングプアを、公的サービスを担う労働者の間に増やしたと思うが、区はどう考えるか。
区の非正規職員を減らし、正規職員増やせ
区は「行政改革」「構造改革」を旗印に職員削減を続け、「23区一少ない職員」を誇る陰で、様々な手法で非正規の低賃金労働者をつくり「官製ワーキングプア」を率先して増やしてきました。しかも、これだけワーキングプアが社会問題になっている今、この瞬間も、来年度更に正規職員を減らし低賃金の非正規を増やす方針を議会に示しました。栄養士、図書館司書、学童保育職員など、若者が必要な資格を取っても、足立区では非正規の職員募集しかありません。
例えば、学校栄養士の半数は非正規職員です。仕事は激務で正規職員と同じでも収入は月19万円程度です。「せめて数万円でもボーナスが欲しい」というのは当然です。教育相談センターの臨床心理士も非正規で、何種類もの職場をかけ持ちしてやっと月収20万円になるという不安定さです。人材育成に背を向け、若者の未来を閉ざしてきたこれまでの行財政運営に区は責任を感じないか。働いても十分な収入が得られず負担ばかり増える政治の在り方に審判が下された中、これまでの姿勢を改める考えはないか、答弁を求めます。
委託事業先の労働者を人間らしく扱う公契約条例制定せよ
公的機関が受託事業者との間で結ぶ契約に、生活できる賃金など、人間らしく働くことのできる労働条件を確保するという条項を定める公契約制度、これはILO条約を原点とし、欧米で普及し、国内でも広がっています。千葉県野田市では、全国初の公契約条例を今開かれている議会に市長が提案し、議決を経て成立する見込みです。公共サービスの民営化が進む中、公契約の考え方を採用することや公契約条例を制定することは、指定管理者制度をはじめ低入札価格によって労働者の賃金が買いたたかれ、「官製ワーキングプア」を増やしている現状に歯止めをかけ、自治体の良質な公共サービスの提供とそこで働く労働者の良質な労働条件確保のきっかけとなり得ると思うが、区はどう考えるか。
質の低下招く公立図書館の指定管理者制度導入をやめよ
公立図書館は2007年度までに指定管理者制度が導入されたのは全国では自治体数で2%、図書館数で3%に過ぎず、指定管理になじまないことが明らかになっているとともに、ワーキングプア発生の温床となっています。日本図書館協会が指定管理者制度を導入した図書館に行ったアンケート調査でも、当初目的の「経費節減」や「サービス向上」を達成できたのは少数で、「本当に図書館に指定管理者が合っているのか疑問」「この制度は図書館になじまない」との回答もありました。「図書館には無料の原則があり、利用者が増えれば増えるほど負担が増える」との発言も寄せられているとのことです。
こういう中で足立区では、指定管理の地域図書館で、区との契約内容を誠実に実行し実績を上げた館長が、残業が多いことを理由に解雇されるという事件が起きました。残業代を出したら収益がなくなってしまうことや、サービス向上の努力は評価に値しない実態とともに、低賃金で働く指定管理労働者の姿が浮き彫りになりました。図書館への指定管理者制度の導入を即時中止するべきだがどうか、答弁を求めます。
区は後期高齢者制度廃止、介護労働の待遇改善に方向転換を
次に、高齢者施策・介護保険について質問します。
総選挙では、社会保障切り捨ての「構造改革」に国民の怒りが爆発するもとで、民主党は2,200億円の社会保障費削減方針の撤廃や療養病床削減計画の凍結を公約しました。社民党や国民新党との政策協議でも、後期高齢者医療制度は廃止し医療に対する国民の信頼を高め国民皆保険を守ることや、介護労働者の待遇改善で人材不足を確保し安心できる介護制度を確立するということが検討されました。その党が政権をとって、これまでの在り方が大きく変わろうとしています。
これは、国民・区民の願いが反映したものであると考えるが、区はどう思っているか。また、国が方向転換を図る中、区も転換を図る考えはないか、まずお伺いいたします。
安心できる介護制度への改革を
介護保険はスタートして10年目を迎えましたが、実態は当初のうたい文句であった「介護の社会化」と「安心」が奪われ続け、家族の介護疲れなどで起きる介護殺人・無理心中が、介護保険が始まる前と比べて1.5倍に増える状況となっています。入りたくても入れない特養ホームへの入居を待つ人は全国で38万人を超え、家族介護に頼る結果、介護のために仕事を辞める介護離職が1.5倍に増える事態です。
こうした深刻な事態を改善し安心できる介護を支えるために、国が介護保険に対する財政負担を大幅に増やすべきだと考えますが、区はどう思っているか。
そもそも介護保険は、高齢者が増えたり、介護施設をつくったり、利用するサービス量が増えれば保険料に跳ね返ります。また、介護報酬をアップして介護労働者の賃金・待遇改善を図ろうとすれば利用料に跳ね返る仕組みとなっています。これは、安心できる介護の願いとも、負担できる能力とも関係なく「ますます高くなる保険料」「払いきれない利用料」「受けられない介護」という「魔の連鎖」とも言うべき根本的欠陥であります。今こそこれを断ち切る抜本的な制度改革に乗り出すべきだと思うがどうか、答弁を求めます。
介護型療養型病床廃止を見直せ
次に、特養ホームの増設、療養病床廃止計画の見直しについて質問します。
足立区は特養ホーム待機者が全都の1割近い3,500人もいます。区として、待機者解消にふさわしい特養ホーム増設計画を持つべきだがどうか。増設に当たっては入所費用負担の軽い「従来型」を増やすこと。足立区は23区でもただ一つ、介護型療養型病床をゼロにする方針を介護保険事業計画に盛り込んでいますが、こんなひどい方針は直ちに見直し、医療を必要とする要介護者の行き場を確保すること、以上答弁を求めます。
胃ろうや吸引などがあると、特養ホームは対応できないところが多く入れません。老人保健施設や療養病床はこのような医療行為に対応できるが、入所は期限つきです。入所した途端に次の行き先を探さなければならない上、多額のお金を払わなければならない現状に苦悩する人は少なくありません。石原知事もケアつき住宅について言及しています。収入が少なくてとも利用可能な医療対応永住型施設(仮称メディケアホーム)の整備を検討すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
処遇改善で介護労働者の確保と介護の質の改善を
次に、介護労働者の処遇改善について質問します。
我が党がハローワークで行った聞き取り調査でも、介護職は就職率が他の産業と比べて低く、この就職難の時代でも敬遠されるほどの劣悪な待遇であり、介護報酬3%程度の引き上げでは介護労働者の必要な賃金引き上げにはならないことが明らかになっています。このことを国も認める形で「介護職員・介護人材の処遇改善事業」が10月から実施されます。常勤換算で平均月額約1万5,000円と言われますが、2年半の期限つきです。改善した賃金を2年半後また引き下げるわけにはいきません。この事業の期限を延長することや、第5期での介護報酬の大幅引き上げを国に求めるとともに、区内介護労働者の処遇改善事業について常に把握し前進させるべきと思うがどうか。
虐待対策は、指針を設けている自治体が多い中で、足立区にはありません。虐待対策を地域包括支援センター任せにしないで、一緒に悩んで解決に当たるためにも、指針を持つことをはじめ、改善・強化を図るべきだがどうか。また、新宿区などで行われている緊急避難を目的としたショートステイのベッドを足立区も確保すべきと思うがどうか。
今年4月実施予定だった要介護認定の新方式は、介護費削減が目的だったことも明らかになり、一度は凍結されました。これを10月から実施されようとしていますが、中止・撤回するよう求めるべきだがどうか。要支援のサービスは、回数制限をやめ限度額の範囲なら自由に使えるようにすべきだがどうか。予防プラン作成について、地域包括支援センターが本来の機能を発揮できるようにするため、予防プラン作成を地域包括支援センターから居宅介護支援センターに戻すなど、制度の改善を求めるべきだがどうか、以上答弁を求めます。
後期高齢者医療制度廃止を国に求めよ
後期高齢者医療制度は、早く廃止しないと来年4月が保険料改定になります。区は高齢者を差別する後期高齢者医療制度を廃止するよう国に求めるべきだがどうか。
区役所前の国道を歩道橋を使わずに渡れるように改善せよ
最後に、区役所前の国道を渡る歩道橋は上り下りが大変です。
歩道橋を上らなくても国道を渡れるようにする対策を早急に講ずるべきだがどうか、答弁を求めて、この場からの質問を終わります。
●答弁
◎近藤やよい区長 鈴木けんいち議員の代表質問のうち、まず総選挙の結果についてのご質問にお答えをいたします。
先の総選挙の政権交代による国政の変化は、今後区政にも大きな影響をもたらすものと受け止めております。
しかし、区政を担う私どもにとって大切なことは、現在ばかりでなく、将来にわたり区民が安心して生き生きと暮らせる地域づくりを行うことと考えており、国の動向に注意しつつも、重点プロジェクトを基本とした区政運営を図るため全力で取り組んでまいります。
次に、核兵器廃絶についてのご質問にお答えいたします。
国際社会の平和と安全は、国民共通の願いでございます。
区では、平成14年10月区制70周年記念にあたり、「平和と安全の都市宣言」を議会の決議を受けて行いました。この宣言は、区民挙げて国際社会の平和と安全の維持のために貢献することを誓ったもので、世界の平和を願う広範な考え方に立っております。
したがいまして、現時点で核兵器廃絶を特に明確にした意思表示をしていく考えはございません。
ほかのご質問につきましては、参与から答弁をいたさせます。
◎青木光夫政策経営部長 私からは、行財政運営方針についてのご質問にお答えをいたします。
重点プロジェクトは、厳しい財政の制約を踏まえ、施策の選択と集中により、区政の最優先課題を明示したものであり、来年度の行財政運営においても重要な柱と位置付けたものであります。
介護や医療は、プロジェクト2の「くらし」において、「健やかな安心のくらしを支える」という視点から区民生活を支える重要な施策として位置付けております。現在、福祉部を中心として関係部により、介護、医療、住居といった高齢者の生活を支え、安心して地域生活を送るための施策の充実と連携を総合的に推進するための検討に着手しているところであります。
また、次年度の予算につきましても、引き続き雇用対策や緊急経済対策を実施し、区民の生活を支える視点から編成を進めているところでございます。
今後とも国及び都の動向を注視しつつ、万全な対応を行ってまいりたいと考えているところであります。
次に、子どもの貧困の解消・教育の負担軽減のうち、教育費の負担軽減の実現、都立高校の入学枠の拡大及び経済的に困難な家庭の子どもの私立学校への進学支援について一括してお答えをいたします。
子ども施策を重点プロジェクトの柱に位置付けている足立区としましても、これら教育費の負担軽減策については注視をしておりますが、国の新たな検討も始まる情勢にありますので、今しばらくは国や都の動向を見守ってまいります。
次に、官製ワーキングプアについてお答えをいたします。
区では、臨時職員については、臨時緊急的な業務や病気職員の代替として雇用し、非常勤職員については、退職職員の活用や専門能力が必要な職場において雇用するなど、いずれも勤務時間は正規職員と異なり、適切な労働条件のもとで運用されているところであります。
また、指定管理者でございますけれども、これにつきましても民間事業者の創意工夫を活用した魅力的な事業の展開や区民サービスの向上を図り、法令遵守のもとで適切に運用されており、官製ワーキングプアを生み出す仕組みとのご指摘は一面的であると考えております。
次に、民営化と正規職員の削減について一括してお答えをいたします。
区では行政改革の一環として、民間でできるサービスは民間の力を活用するという観点から、昭和50年代後半以来一貫して業務の外部化により、サービスの質を落とさずに同時にコスト削減を行いつつ、より多くの区民サービスを提供できるように努めてまいりました。
正規職員にかわる非常勤職員の雇用や業務委託・指定管理についても、適切な賃金・報酬を定め、法令を遵守し運用されてきたものであり、今後も行政改革の柱として適切に運用していく必要があると考えております。
また、若者につきましては、毎年23区で最大規模の新規採用を行っており、若者の未来を閉ざしてきたとの指摘は誤ったものと考えます。
次に、政権交代による国の方向転換に伴う、高齢者施策・介護保険についての区の対応についてでございますが、社会保障制度は国の仕組みの柱であり、その大枠を変えるという方向性を国民が選択したということだと理解をしております。
今後どの程度の時間をかけて、どのような手続でどこまで変えるのかを注視してまいります。
◎日比谷松夫子ども家庭部長 私からは、まず子育て支援の総合的な取り組みについてお答えします。
「第2期あだち次世代育成支援行動計画」の策定作業は、生活保護世帯、母子家庭が多いという大変厳しい現状を踏まえ、ひとり親世帯支援、仕事と子育て両立支援、青年期の自立支援など15の視点を持つ、子ども及び子育て支援の総合的な計画として進めております。
次に、認可保育園の増設についてお答えします。
認可保育園の増設は、大規模再開発に合わせた民設民営による誘致等で進めてまいりたいと考えております。ただし、国の動向等を注視してまいります。
次に、区有地の貸与に伴う保証金・権利金についてお答えします。
保証金は貸付料や建物取り壊し等への充当費用という性格上、免除・軽減することはできません。
また、認証保育所は民間事業者による経営が多いことから権利金の軽減等は考えておりません。
次に、新型インフルエンザ対策の集団感染防止についてお答えします。
現在の新型インフルエンザ対策については、季節性のインフルエンザと同様に基本的に休園しないことと考えております。しかし、園児、職員の欠席者が多くなり休園せざるを得ない場合には、医療関係者等の園児について臨時の保育体制により保育することを検討しております。
◎中田善樹衛生部長 私からは、衛生部所管のご質問についてお答えいたします。
ヒブワクチンの公費一部助成につきましては、昨日の答弁のとおり、国や都及び他の自治体の動向に注目しつつ、来年4月の実施に向け具体的に検討していきたいと考えております。
次に、新型インフルエンザワクチンの接種についてお答えいたします。
接種費用の助成につきましては、国では低所得者の負担軽減等を実施予定としております。現段階では、足立区としての独自の軽減策は考えておりません。
次に、優先接種についてお答えいたします。
平成21年9月4日厚生労働省の「新型インフルエンザワクチンの接種について」の素案によれば、優先接種の対象となる基礎疾患の一つに、ぜんそくを含む呼吸器疾患が上げられております。したがいまして、国・都における認定の区別なく、ぜんそく患者は優先接種の対象となると考えております。
次に、新型インフルエンザの感染拡大についてですが、ご指摘の点については重要だと思っております。今後は、本格的流行に備えた医療体制の確保が円滑に進むよう、国及び都と連携してまいります。
次に、精神障がい者の福祉手当につきましては、都に対する要望事項として上げているところであります。今後とも機会を捉えて都に働きかけていきますが、区独自の福祉手当につきましては考えておりません。
◎石川純二区民部長 短期被保険者証の交付についてお答えいたします。
新型インフルエンザの感染拡大は、足立区においても危惧されているところでございます。そのため、9月末に資格証明書交付世帯に短期被保険者証を送付し、罹患者の早期受診を促進してまいります。短期証の有効期限を6カ月とし、平成22年4月以降については、新型インフルエンザの流行状況により改めて判断いたします。
次に、後期高齢者医療制度の廃止要望についてお答えいたします。
後期高齢者医療制度につきましては、国政において与党となりました民主党のマニフェストに、廃止する旨が記載されております。
今後どのような制度へ移行するのか、国の動向を注視してまいります。したがいまして、廃止を求める考えはございません。
◎橋本弘産業経済部長 私からは、新型インフルエンザ対策についてのご質問のうち、産業経済部所管のお尋ねにお答えします。
インフルエンザの感染拡大防止に当たり、自宅待機をした際の賃金保障をするための中小企業に対する支援につきましては、現在のところ予定はしておりません。インフルエンザに関連する中小企業対策につきましては、今後も国や都の動向を注視してまいります。
◎有賀純三福祉部長 私からは、まず、障がい者施策に関するご質問のうち、障害者自立支援法、施設・作業所への報酬、従事者の賃金及び障がい程度区分について一括してお答えいたします。
障がい者の負担につきましては、制度改正により、現在、所得等を考慮した制度となっておりますが、障がい者施策の抜本的な見直しが行われる見込みですので、国の動きを引き続き注視してまいります。
また、施設等の報酬の日払い・月額制、従事者の賃金及び福祉・介護人材の処遇改善事業に関しましても、今後の国の動きを見た上で対応を検討してまいります。
なお、障がい程度区分の見直しにつきましては、障がい特性を十分反映させたものとするよう、全国市長会を通じて要望しております。
次に、グループホームについてお答えいたします。
開設が進まない大きな原因は、適切な不動産物件が見つからないことです。
そこで、今年度、足立区グループホーム・ケアホームネットワーク会議を立ち上げました。各ホーム間の連絡や不動産の情報共有を図り、今後とも新規開設に向けて社会福祉法人を支援してまいります。
なお、都の補助上限額については、課題がありますので、要望も検討してまいりますが、区の補助制度は考えておりません。
身体障がい者グループホームにつきましては、10月から開始される予定の制度であり、補助基準につきましては、今後の都の動向を見てまいります。
なお、身体障がい者のグループホーム等の目標値については、今後別途設定いたします。
区の低未利用地の利用につきましては、引き続き検討してまいります。また、現在のところ区営住宅については需要が多く、空き室が出る見込みはありませんが、都営住宅については既にグループホームとして活用しており、都への要望を今後も継続してまいります。
次に、「声の広報」のテープダビング機器にかわる機器の検討と購入費助成についてお答えいたします。
音声による情報提供について、カセットテープからデジタル機器への変更は、機器の現状からも早急な検討が必要です。現在「声の広報」作成事業を委託している視力障害者福祉協会に対する機器購入費の助成についても検討いたします。
次に、聴覚障がい者の要約筆記者養成についてお答えいたします。
要約筆記者の養成は、専門性が高く、都が実施する役割分担になっておりますので、区で実施することは考えておりません。
次に、介護保険の制度改革についてお答えいたします。
介護保険は、介護給付費の半分を税金で、残りの半分を保険料で賄い運営する制度となっております。今後、国において負担の在り方が検討されると考えておりますが、保険者としては、法令に従って適切な保険運営に努める必要があると考えております。
次に、特養ホームの増設等についてお答えいたします。
特養ホーム等の施設につきましても、介護保険事業計画の第5期以降のニーズを踏まえ、前倒しで整備するよう国から指導がなされており、整備に向けて取り組んでおります。
従来型につきましても、補助金の対象となるよう、国や都に要望しております。介護型医療施設につきましては、厚生労働省の方針に従い対応してまいります。
次に、医療対応型永住施設についてお答えいたします。
特養ホームに入所している方で胃ろうを必要とする方などが増加しておりますので、新規の方については対応できない現実があり、厚生労働省も対応を検討中と聞いております。民間版特養ホームと言われるメディケアホームについては研究してまいります。
次に、介護職員処遇改善交付金の延長及び介護報酬の引き上げにつきましては、交付金事業の検証、事業者の経営状況及び今後の社会経済情勢等様々な視点から判断し、必要に応じて国に要望してまいります。また、区内の処遇改善状況については、本年8月に調査を行いましたが、引き続き折々に調査を実施し把握してまいります。
次に、高齢者虐待対策についてお答えいたします。
区では、平成19年6月に医師会や弁護士会及び警察等の参加を得て、足立区高齢者虐待防止ネットワーク運営委員会を設置し、高齢者虐待に関する情報共有や対応策の検討などを行い、組織的な虐待防止体制を構築しております。
高齢者虐待の第一次対応は地域包括支援センターが担っておりますが、その状況により基幹包括支援センターや権利擁護センターあだち、また、中部福祉事務所高齢援護係などが連携して対応しております。
今後更に高齢者虐待防止を推進するため、指針または対応マニュアル等の整備を進めてまいります。
また、緊急避難につきましては、区内特別養護老人ホームや医療機関と連携して、緊急ショートステイの体制を整えております。
次に、要介護認定等についてお答えいたします。
要介護認定は、介護保険サービスを利用するための基本であり、膨大な数の認定審査を全国一律の基準に基づき各保険者において、公正かつ的確に行われる必要があるものと考えております。
10月から実施される要介護認定の再度の見直しは、厚生労働省が4月以降の認定状況について検証を行った結果を踏まえ、自治体間のばらつきや質問・要望が多く寄せられた項目を中心に修正を行ったものです。現段階では中止や撤回を求める考えはございませんが、今後の認定の状況を見ながら対応してまいります。
要支援の方へのサービスの回数制限をやめることは、現行制度では事業者だけが負担増になりますので、困難と考えております。
介護予防は介護保険制度における重要な業務であり、区が委託する地域包括支援センターにおいて介護予防プランを作成することは、介護予防事業を一体的に推進する視点からも、必要かつ適切と考えております。
◎丸山亮総務部長 私からは、公契約制度についてお答えいたします。
賃金の買いたたき等の悪条件が従事者に及ばないよう、また、工事等の品質を確保するため、区では最低制限価格を設定しております。
また、労働条件等の確保のため、各種法令等の遵守を契約約款に明記し、契約しております。更に、毎年実施しております技術指導連絡会において、各事業所の経営陣等の方に、元請・下請の関係や各種法令等の遵守についてお話をしております。したがいまして、公契約条例の制定は考えておりません。
◎清水忠資産管理部長 私からは、バリアフリーのまちづくりについての質問にお答えいたします。
本庁舎へのバリアフリー対策については、これまでも多くの要望をいただいており、横断歩道やエレベーターの設置等を複数検討してまいりました。現状を把握するため、庁舎及び庁舎周辺の交通量調査を実施し、結果を分析した結果、国道4号線を渡る横断歩道の設置が望ましいと判断したところでございます。
現在、横断歩道設置に向け、関係機関と協議を進めているところでございます。
◎齋藤幸枝教育長 学校統廃合についてお答えします。
ガイドラインの作成以降、本木東小学校の開かれた学校づくり協議会に4回、保護者会等に7回出席し、地域や保護者の皆様への説明を行ってまいりました。今後も丁寧でわかりやすい説明を心掛けながら、地域や保護者の皆様との協議を進めてまいります。
一方、平成21年5月1日現在の本木東小学校の学区域内に居住する児童数は187名、在籍児童数は81名という状況にあることに加えて、学区域内に居住する学齢前人口が各年代ともに40人に満たないことからも、日々の学校運営や教育環境の観点から、依然課題があると認識しております。なお、本木東小学校の適正規模化の方法や時期につきましては、10月の文教委員会に「実施計画(案)」をご報告してまいります。
本木東小学校としての50年以上の歴史は、非常に大切なものと認識しております。特に長年にわたり人権尊重教育推進校として取り組んでまいりました教育内容につきましては、今後も引き継いでいくべきと考えており、引き続き地域や保護者の皆様との協議を続けてまいります。
また、足立区の総人口は、ここ数年増加し続けておりますが、一方で児童・生徒の総数はほぼ横ばいとなっております。今後も児童・生徒数の変動や、学区域内の居住人口を詳細に分析しながら、適正規模・適正配置のガイドラインをもとに、区立小・中学校の適正規模化を推進してまいります。
◎鈴木一夫学校教育部長 私からは、まず、就学援助の逓減率についてお答えいたします。
「逓減率」につきましては、第2回定例会でお答えしたとおり、生活保護の問題と受け止めております。したがいまして、区の就学援助の認定基準を生活保護基準の1.1倍としていることについて、変更する考えはありません。
次に、奨学金についてお答えします。
今年度、通常募集に加え10月から貸し付けのできる緊急募集も実施いたしました。今後は、進学希望先が具体化してくる11月ごろに、新たに第二次募集を行うなど、足立区育英資金制度の充実を図ってまいります。
なお、貸付金額につきましては、現在のところ増額の予定はございません。
次に、少人数学級についてお答えいたします。
これまで再三にわたり、東京都教育委員会に対して少人数学級の実現を要請してまいりましたが、了解が得られません。今後も実現に向け、引き続き要請してまいります。
また、今年度より小学校1年生の学級で35人を超える場合には、区の負担による副担任を配置して、実質的には35人学級と同等な効果が得られるような少人数指導を展開しております。したがいまして、足立区独自に教員を採用して少人数学級を実施する考えはありません。
◎岡野進生涯学習部長 図書館への指定管理者制度の導入についてお答えします。
地域学習センターと併設の地域図書館12館につきましては、施設全体の効率的管理運営と相互連携によるサービス向上を目指して、指定管理者制度を計画的に導入しており、中止する考えはありません。
なお、中央図書館については、図書館の運営方針の決定やシステムの維持管理など中央館独自の役割がありますので、現段階では指定管理者制度の導入には十分な検討が必要と考えております。
●再質問
◆鈴木けんいち議員 質問にお答えをいただいていない部分がありますので、再質問をさせていただきます。
初めに、区長の方で総選挙の結果について、私は、新自由主義的構造改革路線に対して審判が下ったと思うのですが区長はどのように受け止めているかと、その部分についてのお答えがありませんでしたので、是非お答えください。
それから、順番でいくと統廃合の問題。このような子どもたちを散り散りにすることが最善の解決策ということについては、学齢児が40人に満たないというのが根拠になっておりますけれども、これから少人数学級をやっていこうというときに、40人いるかいないかというのは全く基準にならないわけで、そんな基準で見ているのかというのは全く答弁にならないと思いますので、ご答弁ください。
それから、官製ワーキングプアのところで、適切かどうかをこの1問目、2問目で聞いているのではないのですね。こういう非正規雇用を、正規職員の採用を抑制し臨時や非常勤に置き替えているという実態、こういうことが実態だと思うが、それはそのとおりかどうかと聞いているのであって、そのことについてのお答えがありませんでした。
それから、公契約制度についても公契約条例をつくるべきだという質問ではないのですね。こういう考え方があって、これはワーキングプアをなくしていくきっかけとなり得ると思うけれども、その考え方としてはどうかということを聞いておりまして、そのことについての答弁がありませんでした。
以上について答弁をお願いします。
●再答弁
◎近藤やよい区長 鈴木けんいち議員が図らずもおっしゃいましたように、自分はこのように受け止めたというお考えはお聞きいたしました。ですから私も、今回の政権交代が区政に今後大きな影響を与えると受け止めていますというふうに、私の考えは先ほど答弁させていただいたと、そのとおりでございます。
◎齋藤幸枝教育長 議員のご質問は、子どもたちを散り散りにしてしまう、そういうことだと私は伺いましたので、散り散りになることは当該校ではあり得ませんので、そういう趣旨からということと、それから、少人数指導は私ども認めておりますし、それに沿って行っているつもりですが、今回は少人数学級とか少人数指導ではなく、少人数の規模の学校ということで、当該校の方をさせていただいているということですので、趣旨に沿った形のご質問に、私は答弁したつもりでございます。
◎青木光夫政策経営部長 ワーキングプアのお尋ねでございますけれども、常勤、非常勤の話であるとか、あと指定管理者等の外部化の話、二つあると思いますが、いずれも区としましては、これまでも適切な運用を、必要性があって取り組んできたという趣旨のご答弁をさせていただいております。
今後も行革の柱の一つとして適切に運用していく必要があると、このように考えております。
◎丸山亮総務部長 公契約についてのご質問でございますが、最低制限価格の設定でございますとか、契約約款への法令遵守の明記、そのようなことによりまして、従事者の方々への悪条件にならないような手立てはできているとご答弁申し上げたところでございます。