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●一般質問−伊藤和彦議員(2009年9月30日)
雇用対策支援、地域密着の区内建築業者の経営支援を
◆伊藤和彦議員 私は、雇用と中小企業支援策などについて質問いたします。
「構造改革路線」で雇用も暮らしも破壊
「経済が成長すれば国民も豊かになる」という政策は、規制緩和と何でも「官から民へ」という構造改革路線を進め、貧困と格差が社会を覆い、安心も希望も奪われ、毎年3万人を超える自殺者など、雇用も暮らしも破壊されてきました。
その結果、自民、公明政権が国民の厳しい審判を受け、総選挙で歴史的大敗を喫し退場しました。これは、これまでの政治で派遣・パートなど不安定雇用が働く人の3人に1人、若者や女性の2人に1人にまで広がりました。懸命に働いても貧困から抜け出せない「働く貧困層」と呼ばれる人々が1,000万人を超えました。
本来なら、政府が労働者派遣法や労働基準法などの抜本改正をすれば労働者の生活と雇用を守ることができるもので、雇用の悪化は、内需の柱である個人消費、家計に大きな打撃となり、更に景気全体が悪化するという悪循環を引き起こしていることは多くの専門家も指摘しているところです。雇用を守り、人間らしく働くルールをつくる雇用政策に転換することは、経済と産業のまともな成長と区民生活の安定のためにも避けられない課題です。
そこで、(1)、区として緊急にハローワークと協力し、雇用の生の声を聞く実態調査を行うこと。
(2)、「正社員が当たり前」の働くルールをつくるため労働者派遣法や労働基準法などの法改正を国に求めるべきではないか。
必要な財源を投入し、区独自の雇用施策をすすめよ
次に、区の雇用対策の支援について伺います。
我が党が行った第9回区民アンケートでは、「幾ら面接しても見送られ、お金がないし家賃が払えない」「働こうと思っても年齢でだめになる」「失業保険を受けているが働く口がありません」「会社に入ってから景気が悪くなり基本給もボーナスも最初のころから変わらない。今年はボーナスもない」「仕事が減った、生活ができない」などなど深刻な声が寄せられております。
私たちは、ハローワーク足立に調査をしてきましたが、厳しい雇用状況の中で求職や各種助成金の申請、職業訓練の申し込みなど、窓口は大変な混雑でした。求人数は昨年後半から減少し、一方で仕事を探している人が3割も増加していました。フルタイムの事務的職業では、23区では5人に1件となっている求人割合が、足立所の場合、16人に1人しかありません。検索するパソコン66台はフル稼働し、窓口の相談は40分から1時間の順番待ちが当たり前の状況が生じ、職を求める人たちが列をつくっていました。年度途中でも職員を増やし、チームをつくって「求人促進を」と区内の企業訪問活動などを行っていると言っていました。
足立区は失業率が高く、有効求人倍率は都の0.52よりも更に低い0.42という事態で、悪化傾向に歯止めがかからない状況です。
かつて、雇用労働行政は国と都道府県の事務であり、基礎的自治体の領域以外と言われてきました。しかし、2000年から改正雇用対策法が施行され、第5条では、「地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ雇用に関する必要な施策を講じるように努めなければならない」と地方自治体にも雇用施策を実施する努力義務を定められ、更に職業安定法が改正され、無料職業紹介事業ができるようになりました。区も依命通達で「雇用対策・緊急経済対策など迅速な対応を必要とする事業については、平成22年度を待つことなく着実に推進する」と言っていますが、その実態は国や都の緊急雇用対策が中心であり、独自の施策は乏しいものです。財政状況を見ると、都区財調財源が当初算定では見込みより33億円、3.4%の増となっており、雇用対策などに財源を投入し、区民生活を向上させ、雇用の底上げを図ることが区としても必要と考えますがどうか、答弁を求めます。
トライアル雇用制度の活用と援助で雇用拡大を
次に、トライアル雇用制度について伺います。
トライアル雇用制度は、ハローワークが求職者を企業に紹介し、企業が3カ月間試行採用する期間に研修を受けながら働く制度で、試行採用した企業は国から月4万円の補助金を受け取ることができるものです。世田谷区では、これに上乗せし、「長続きする雇用創出に力を入れたい」と求職者向けの相談、区内介護サービス事務所の人材確保など各分野が連携し、総合的プロジェクトを実施し、試行採用を経て正規雇用する企業に対して最大36万円独自に補助し、雇用創出に力を入れております。
区としても、この制度を活用し援助も行い、雇用の拡大を計画的に進めるべきだがどうか、答弁を求めます。
地域・生活密着型の公共事業で雇用と仕事確保を
次に、地域に密着した生活福祉型の雇用と仕事確保についてです。
区内の建設業は、「仕事がない」と深刻な事態が広がっています。政府の公共事業は、高速道路建設や空港などの大型開発中心ですが、大型公共事業に偏重した現状を見直しして、生活密着型、福祉型の公共事業への本格的な転換が求められています。地域に密着した住宅や認可保育所、特養ホーム、高齢者施設など生活密着型公共事業が雇用を創出するとともに、地域産業の活性化にもつながることは、酒田市、茅野市、御調町などの自治体で検証されています。国土交通省の公共工事着工統計調査年報などをもとに作成した日本共産党の試算では、年間都営住宅1,000戸や認可保育所50カ所、特別養護老人ホーム33カ所、歩道整備、公園整備などで合計775億円の公共事業を行えば、東京で延べ82万人を雇用創出することができます。雇用をつくり、特養ホームの待機者や保育園の待機児童を解消し、区民生活を改善させる上でも大きな役割を持ちます。地域に密着した地域福祉型の公共事業を重点にし、拡充することが必要だと考えるがどうか。
ダンピング競争をやめさせ、適正価格での入札と契約を
次に、無制限なダンピング競争が広がり、受注しても赤字となり、建設企業の経営悪化、建設労働者の賃金が抑えられ、労働条件の悪化を招いていると聞いています。入札・契約改革が叫ばれていますが、入札の不調・不落が発生している現状です。
足立区でも不調・不落となる事例が2007年は18件、2008年は22件発生しています。適正価格による発注をするため、入札最低制限価格の引き上げを行うべきと思うがどうか。
今年4月に総務省から「公共工事の入札及び契約手続きのさらなる改善策について」の通達が示され、「建設業が地域の雇用を確保し、地域産業の中核として持続的に発展することができるよう、適正価格での契約の推進のための公共工事の入札及び契約手続きの更なる改善を緊急かつ着実に行う必要」があると、8項目が示されています。これらについて、区はどのように評価し進めようとしているのか。
公共事業は区内業者優先で
産業振興を進めるためにも、区の契約は区内に本店機能がある業者と位置付け、発注する公共事業は地域業者育成とともに区内業者優先を貫くべきだと思うがどうか。
また、新田ゴルフ場跡利用では、プロポーザル方式による契約で、宮城の知人の駐車場に所在地を設けるペーパーカンパニーが選択されたことがありました。全く事業実績も区内での活動実態もない会社が区内業者だと加点され、書類審査で高得点を得て選択されるなど、地域産業支援とはかけ離れた悪用です。指定管理者、プロポーザルなど、あらゆる公の契約についても実態を調査し本店機能を持つ区内業者を重視すべきと思うがどうか。
住宅用火災警報器給付事業は、東京都火災予防条例の改正により平成22年4月から現在の住宅の居室、階段、台所などに義務付けられますが、区民を火災の被害や命を守る立場から、火災警報器設置支援の対象を広げ、自己負担をなくし無料にする考えはないか。また、この給付事業を12月で終了すると聞いていますが、期間を延長して拡充し、地域活性化につながる仕事起こしにするべきではないか、以上、答弁を求めます。
UR花畑団地のライフライン整備と新規募集実施を
最後に、花畑団地再生計画について伺います。
UR(都市再生機構)花畑団地の再生計画は将来像が居住者にはっきり示されていないまま1年が経過し不安が広がっています。9月末にURは、事業ブロックだけを対象にした地域説明会を行い、新たな計画変更は、当初の事業地区を縮小するもので、区立花畑保育園の存続や住戸は210戸が増えました。これは居住者、住民の強い願いが一歩前進したものです。
更に、居住者からは団地のガス、水道、配水管などのインフラ修繕などを求める声が出されており、継続して住むことになる住戸については、事業ブロックから移転する人と同じように、床、たたみ、壁など内部修繕を行うことや、安心して住めるようにライフラインの総点検をするべきではないか。また、高齢者が多くなりエレベーター設置を求める住民要望もあります。URはエレベーター設置には費用がかかると言って拒否しておりますが、専門家はエレベーター設置は費用をかけなくても可能との見解を示しています。URの大規模開発には旧公団法の精神に基づき、足立区と協議することになっており、区の責任で住み続けたいという居住者の願いにこたえ、URにインフラ修繕とともにエレベーター設置を要望すべきではないか、答弁を求めます。
花畑団地は新規募集を10年以上行っていないため、現在も1,000戸以上が空き家のままであり、居住人口が減少し、地域商業活動が衰退し、居住者の日常生活が損なわれている現状です。区は住宅に困窮している学生や多くの区民の住宅確保策として、住まいは人権の立場で講じる必要があります。URに対して、直ちに空き家の新規募集の実施を求め、人口増を図るべきではないか。また、居住者の高齢化が進んでおり、高齢者が外出し、住民同士で会食や交流ができるミニ集会所をきめ細やかに整えるべきであると考えます。単身高齢者などが安心して住めるような対策を講じるべきと思うがどうか。
以上、答弁を求めまして、この場からの質問を終わります。
●答弁
◎橋本弘産業経済部長 私からは、雇用についてのご質問にお答えします。
まず、雇用の実態調査を行うべきとのご質問でございますが、毎年2回、足立・荒川雇用問題連絡会にて、荒川区、ハローワーク足立、東京商工会議所等との間で雇用状況についての情報共有に努めております。また、雇用主への調査については、東京都レベルのものではありますが、本年6月に中小企業の雇用についての調査が行われており、この調査報告を参考にしているところでございます。現在のところ、区独自の調査を行う考えはございません。
次に、労働者派遣法や労働基準法などの法改正を国に要望すべきとのご質問でございますが、今後明らかになると思われる政府の方針や国会での審議を注視してまいります。
次に、区の雇用対策についてでございますが、雇用の悪化に対しては、国を挙げての取り組みであり、区としても、補助金をはじめとして活用できるものは積極的に活用して取り組んでいるところです。国及び都の補助金を活用した雇用創出の取り組みにかかる事業は、平成21年度だけでも約3.8億円となっており、この規模は都内で一番多いものとなっております。
また、ハローワークと連携し「雇用拡大リレー」と銘打ち、9月に福祉施設関連との企業説明会・就職面接会を行い、今後、11月には在宅福祉関連、2月には一般企業との企業説明会・就職面接会を計画しております。
次に、トライアル雇用制度への区の補助金の上乗せのご提案でございますが、世田谷区の実施状況や中小企業のニーズ等を把握し、中小企業支援メニュー全体の中で慎重に検討してまいります。
◎青木光夫政策経営部長 私からは、地域に密着した生活福祉型の雇用と仕事の確保についてのご質問にお答えをいたします。
区では、公共事業につきましては、中期財政計画や各分野別計画に基づき、計画的に取り組んでいるところでありますが、特に待機児解消のための認可保育所の整備など緊急性のある事業につきましては、重点的に既に取り組んでいるところでございます。
◎丸山亮総務部長 私からは、まず最低制限価格についてお答えいたします。
従事者の労働環境に悪影響が及ばぬよう、また、工事の品質を確保するため、最低制限価格を予定価格の3分の2から10分の8の範囲内で設定しております。工事等の内容によりまして、柔軟に対応し、適切な設定に努めております。
次に、今年4月の総務省要請について、区の考えについてお答えいたします。
毎年、総務省、国土交通省などから様々な通知があります。一つ一つを真摯に受け止め、足立区の実情に合わせながら可能な限り対応してまいりたいと思います。
次に、区内業者育成についてお答えいたします。
区が発注する公共事業につきましては、区内に本店や支店があり、区内で営業活動を行っている事業者を優先して指名しており、今後もこの方針を堅持して、区内業者の育成に努めていきたいと考えております。
また、指定管理者やプロポーザル方式などの契約につきましては、必要に応じて更に実態調査を徹底してまいります。
◎有賀純三福祉部長 住宅用火災警報器についてお答えいたします。
まず、支援世帯の対象拡大でございますが、特に支援が必要な高齢者世帯や障がい者の方を対象に給付事業を行っており、拡大を行う考えはございません。
次に、非課税世帯につきましては、無料としておりますが、すべての世帯を無料とする考えはございません。更に、期間延長でございますが、今年度規模での給付延長は考えておりません。
◎石川義夫都市整備部長 花畑団地再生計画についてお答えいたします。
まず、継続管理区域に引き続き居住する住戸の修繕についてでございますが、都市機構は、ガス、水道、給排水管の不具合が生じた場合は、都市機構の負担で修繕を行うこととしております。
しかし、住戸内の床、たたみ、壁などの修繕については、契約上居住者負担が明記されているので、修繕を行う場合には自己負担となると聞いております。
また、エレベーター設置については、高齢者を中心とした居住者の要望を踏まえて都市機構が設置する方針であると聞いておりますが、区としても早急に整備を進めるよう都市機構に働きかけてまいります。
次に、空き家募集についてのご質問にお答えいたします。
今後、団地再生事業の進捗状況により、事業区域の居住者が継続管理区域に移転した後に、順次空き家募集を行う予定と聞いております。
また、ミニ集会所の整備や単身高齢者の安心居住の点につきましては、居住者の意見を十分に聞いて丁寧に対応するよう、URに強く要望してまいります。
●再質問
◆伊藤和彦議員 幾つか、私の質問とちゃんとかみあって答弁をいただいておりませんので、二、三。
一つは、雇用の問題ですけれども、雇用対策で私はハローワークといろいろ協議されていることは知っているのですけれども、この雇用の生の声を聞く実態調査を行って欲しいということを申し上げたので、これの答弁がありません。
それから、もう一つは、財政問題でも、やはり区民生活を向上させて雇用の底上げを図ることが必要だと、私が聞いているのは、雇用の底上げを図る必要があると、それについてお答えがありませんのでお願いいたします。
それから、契約の問題で、区内業者優先を貫くということですが、それでもやはり支店でなく本店機能がある業者、このことを位置付けるべきだということですが、その点でもお答えがありませんのでお願いいたします。
●再答弁
◎橋本弘産業経済部長 まず、雇用の実態調査についての再質問でございますが、生の声についても、マッチングクリエーターさん等からも把握しております。あえて区独自の調査をすれば、費用もかかるわけでありまして、また人的な職員の労働時間も含めてかかるわけでありまして、そういうものとの効果を考えますと、現在のところ考えていないとご答弁したところでございます。
二つ目に、底上げを図るべきだというようなお話でございますが、私申し上げましたように、国や都の制度を最大限活用してやりながら、また、ハローワークと連携してやれることについても、最大限やりながら底上げを図っていると認識してご答弁をいたしたということでございます。
◎丸山亮総務部長 先ほど私は、本店や支店があり、区内で営業活動を行っている事業者を優先して指名しておりますと、こう申し上げ、それを堅持するということでございますので、もとより本店を優先することは当然でございます。