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●開会あいさつ−近藤やよい区長(2010年2月23日)
○近藤やよい区長 初めに、先日ハイチで起きました大地震で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。今回の災害は、阪神・淡路大震災から15年の節目に起きた震災でもあり、改めて危機管理体制の重要性を痛感したところでございます。区といたしましても、日本赤十字社を通じて支援を行ってまいります。
それでは、所信の一端を申し上げます。
日本の経済は、一昨年のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機以降、政府の数次にわたる景気対策にもかかわらず、不況を脱するところまで至っておりません。雇用情勢の悪化、デフレの影響、為替変動など、下振れリスクも大きく、二番底の懸念を払拭できない状況にあります。
区財政も、税収や財政調整交付金などの減少見込みと、歳入不足分に充当可能な基金残高を考えますと、極めて厳しい状況にあり、そうしたもとで区民生活を支えつつ、区内経済の活性化を図り、更には将来を見据えた財政規律の確保を図らなければならない、極めて難しい局面を迎えております。そのため、事業の存続の有無を根底から一つ一つ見直す必要があると認識しており、包括予算制度の良さを生かしつつも、一定程度踏み込んだ事業見直しの手順を早急に整えるよう指示しております。
しかしながら、首や手足を縮めて、嵐の過ぎるのをじっと待つという消極的な姿勢では、区を取り巻く発展の好機を逃がすことになりかねません。ぜい肉をそぎ落としつつも、重点プロジェクトを中心に必要不可欠なところには積極的に手を打っていくとの基本的方針で臨んでまいります。
区を取り巻く財政環境は極めて厳しいものがありますが、一方、若年者人口の増加、民間資本の流入、大学を中心とする知的資源の集積など、区のステップアップに大いに貢献し得る明るい希望の光も差し込んできております。そこで22年度は、どんなに厳しい状況であろうとも、それでも要所要所キラリと輝きを放つ足立を目指して、前向きに取り組んでいく決意でございます。
それでは、平成22年度の当初予算の概要をご説明申し上げます。
一般会計総額は2,411億円、対前年度比78億円、3.3%の増額。国民健康保険特別会計は約863億円で、対前年度比25億円、2.9%の減額。介護保険特別会計は約376億円、対前年度比22億円、6.1%の増額。後期高齢者医療特別会計は約106億円、対前年度比12億円、13.1%の増額などとなっております。
一般会計は、投資的経費や公債費が減少したものの、子ども手当の新設と生活保護費や障がい者自立支援給付費などの扶助費が150億円増加するなどの要因により、総額として増加となったものでございます。
22年度予算の中で最優先課題は緊急経済対策であり、とりわけ力点を置いておりますのは、新規雇用の創出でございます。生活保護世帯が過去最高となっている状況でございますが、新規受給世帯の約4割は、リストラや派遣切りなどによる失職が原因でやむなく生活保護を受給しており、区といたしましては、まずこのような方々に一日も早く職場復帰いただけるよう、最大限の努力を払ってまいります。そのため、国の緊急経済対策のスキームに合わせて積極的に申請を行い、21年度同様、都内最大規模の雇用を生み出してまいります。
次に、待機児対策について申し上げます。
昨年4月の418人という待機児の発生を受け、21年度中に306人分の保育定員枠を拡大いたしました。しかしながら、新年度における認可保育園の入園申し込み者は、昨年を338人上回り、最悪の場合、昨年以上の待機児が発生することが予想されます。このため、新年度は更に405人の保育定員拡大に向けた予算を計上いたしました。
もちろん昨今の厳しい経済状況に加え、新田、千住、綾瀬地域などの開発が進み、若い世代の人口流入が保育需要の増大に拍車をかけていることは事実でございますが、それとともに、子どもを育てながら働き続けることがごく当たり前のことになりつつある、日本人のライフスタイルの根本的な変化も見逃すことはできません。
今後、待機児童の増加分だけ毎年保育定員を拡大していけば、ごく近い将来、必ず財政的な限界が生じるのは必然であり、そうした中で区民の保育ニーズに的確におこたえしていくためには、保育施策の抜本的な改革に踏み込んでいく必要があると考えております。その第一歩としてモデル的に実施するのが、幼稚園教育奨励助成事業でございます。働きながら子どもを預ける場所として、保育園のほかに幼稚園も選択肢に加えることで、子育てに関する資源の有効活用を図っていく考えでございます。今後は区の保育事業に対する基本的な整備方針を取りまとめ、夏ごろを目途にお示ししてまいります。
「住んでよかった街ランキング」に北千住が登場するなど、交通利便性の向上により、機能性の面から区の評価は確実に上昇していると認識しております。現在はこれに加えて、大学を中心とした知的資源の集積をてこに、足立のイメージを刷新する絶好のチャンスが到来しております。1日に約150万人の乗客が利用すると言われている北千住駅は、都内有数のターミナル駅でございますが、大半の乗客が単に列車を乗り換えるだけの乗換駅となっているのが現状です。このことは、駅の外に魅力や関心を引くだけのまちができ上がっていない一つの証左でもあります。今後、通学してくる学生も、駅と校舎の往復だけで終わってしまっては、大学進出の意味も半減してしまいます。そこで今後、大学、商店街、路地、公園、市場など地域に点在するハード面の資源と、歴史や文化などのソフト面の資源を有機的に結び付け、点から線へ、更には面へと広げ、人をまち中に呼び込むことのできる、魅力ある空間を戦略的に創出していく必要があると考えております。そのため、外部人材を登用して行うシティプロモーション課は、単に広報宣伝組織に終わることなく、足立の核、顔をつくっていく企画立案をも視野に入れて設置いたします。ここを一つの拠点として、区制80周年、東京電機大学開学という重要な節目の年である平成24年度を一つの目標に、区民を巻き込みながら、誇りの持てるまちへと進化する施策を進めてまいります。
次に、治安再生ですが、残念ながら当区は、平成18年以来4年連続で、都内刑法犯認知件数ワーストワンという不名誉な記録を更新中です。「足立区のイメージは」というと、「治安が悪い」という回答が上位を占める現状は、区発展の最大のボトルネックと考えております。そこで、基礎的自治体としては初めて、昨年12月に警視庁と、「足立区治安再生事業の推進に関する覚書」を締結いたしました。今後は、仮称でございますが、治安再生戦略会議を設置し、3月にはアクションプログラムの原案を策定してまいります。また、庁内横断的な動きをよりスムーズにする目的で、ビューティフル・ウィンドウズ運動推進本部を立ち上げました。平成22年度は、北千住、綾瀬に引き続き、竹ノ塚、西新井駅周辺を禁煙特定地域に指定いたしますので、放置自転車対策とも合わせて、治安再生に向けて、区、地域、警視庁、並びに区内4警察署と連携した事業展開を図り、ワーストワン卒業実現に向けて全力を尽くしてまいります。
次に、健康長寿社会の実現について申し上げます。
昨年実施した35歳の若年者健康診査の速報値によると、男性の19.2%の方が血圧の、同じく男性の47.7%の方が肝機能の基準を超えており、若いころから継続して健康づくりに取り組んでいただけるよう、強力な働き掛けが必要なことが明らかになりました。区でも、過去10年で高齢化率が約7ポイント上昇するなど、そのスピードは、より加速してきております。そこで、健康を害して寝たきりになる前の対策を強化し、高齢社会であっても健康で生き生きとした地域づくりを進める必要がございます。
このため、各保健総合センターなどで開催しております健康関連事業を対象とした、健康づくりスタンプラリーを実施し、合わせて、パークで筋トレ事業や元気応援ポイント事業の拡充も図ってまいります。
更に、高齢者が安心して地域生活を送れるために必要な「見守り」や「権利擁護」などの施策を、総合的に利用できる仕組みづくりと、高齢期に備えた準備の必要性についての意識啓発のための施策を、老い支度支援事業として、国のモデル事業の活用も視野に入れ、取り組んでまいります。
次に、竹ノ塚駅付近連続立体交差事業についてでございますが、昨日、都市計画の案の縦覧などについて発表されたところであり、平成22年度には本格的に都市計画手続が開始されます。平成23年度、確実に事業認可を取得するため、今後とも全力を尽くしてまいりますので、区議会の皆様方のご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
最後に、平成21年度の最終補正予算案について申し上げます。
今回ご審議いただきます補正予算は、一般会計が70億4,000万円余の減額補正でございます。なお、今後の厳しい経済・財政状況を考慮し、育英資金の充実を図るため、育英資金積立基金への新規積み立てを行うとともに、耐震補強助成事業の財源確保を図るため、住宅対策資金積立基金の目的を明確化し、新規積み立てを行っております。
国民健康保険特別会計は44億5,000万円余の減額補正、介護保険特別会計は6,000万円余の減額補正、後期高齢者医療特別会計は1億3,000万円余の増額補正、老人保健医療特別会計は1億6,000万円余の増額補正でございます。
以上、平成22年度当初予算案及び平成21年度最終補正予算案につきまして、ご説明をさせていただきました。
今回ご提案申し上げます議案は45件、報告3件、諮問1件でございます。各議案の提案趣旨につきましては、参与より説明をいたさせますので、慎重にご審議の上、ご決定くださいますようお願いを申し上げます。
●閉会あいさつ−近藤やよい区長(2010年3月24日)
○近藤やよい区長 平成22年第1回足立区議会定例会の閉会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
議員の皆様方には、30日間にわたり、新年度予算をはじめとする多数の重要案件につきまして、慎重にご審議の上ご決定をいただきまして、まことにありがとうございます。
とりわけ平成22年度予算は、厳しい区民生活を支える身近な自治体といたしまして、初日のあいさつでも申し上げましたように、雇用の創出を中心とする緊急経済対策を進める一方で、区民から要望の高い多様にわたる区民サービスを安定、継続的に提供できるように、22年度の新年度の予算の円滑な執行に努めますと同時に、新たな年に向かっての不断の事業の見直し等にも着手をいたしまして、無駄を省き、健全な行政運営に向けて私ども職員一同、危機感を持って対応してまいりたいと考えておりますので、是非とも議員の皆様におかれましても、今後ともご指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
ありがとうございました。