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●討論−針谷みきお議員(2010年9月28日)
構造改革による公共サービスの市場化、民営化について区長の政治姿勢を問う
◆針谷みきお議員 私は、まず初めに、構造改革による公共サービスの市場化、民営化について区長の政治姿勢を伺います。
区長は、第二次構造改革戦略行動計画・集中改革プランに続いて、後継計画である経営改革プランでは、保育園、学童保育、学校などの更なる外部化を宣言し、市場化テストの検討は総合特区申請も行っています。
区は、指定管理者制度、PPP・官民パートナーシップなど、民営化の目的は、単なる官業の民間開放ではなく、協働による区民サービスの向上であると述べています。
しかし、東京芸術センターでは、綜合商事との不平等契約の締結、竹ノ塚駅東口公共駐車場も、一部事業者を利するような契約となっているなど、税の無駄遣いと区民サービス低下は、いまだに是正されていません。
結局、区民サービスの向上にならないだけでなく、無駄遣いや癒着の温床ともなってきたのではありませんか。
更に、指定管理者の花畑図書館の館長解雇事件、竹の塚地域学習センターの撤退、スイムスポーツセンターの指定管理者による違法とも思える全てを任せた再々委託事件など、新たな事態も発生しています。
結局、構造改革による市場化、民営化によってもたらされたのは、単なる官業の民間開放が圧倒的で、公務度と公共サービスの役割を弱め、コスト削減と区民サービス低下、一部民間企業を利する結果であり、その要因は、区民サービスの向上より、コスト主義など市場原理が貫かれる仕組みにあるのではないか、区長の答弁を求めます。
花畑図書館館長解雇事件は、サービスより利益を優先した結果だ
次に、花畑図書館館長解雇事件の裁判では、事件の背景に、図書館の指定管理者制度そのもの、図書館の管理運営を株式会社にゆだねたところから引き起こされた問題が浮き彫りになっています。
第1に、花畑図書館では、学校に対する出張読み聞かせサービス、地域とのつながりによる読書普及活動など、児童サービスを区への提案書どおりに推進しました。これに対して、会社側は、館長に対して、児童サービスは図書館の業務でないので、初年度からやらなくて良いとしたのであります。
元館長が、区に提案した児童サービスは図書館の業務であり、区への提案書どおりにやるべきであると主張したことに対し、それなら残業ゼロにせよと命じ、従わなければ解雇をにおわせました。やむなくサービス残業で残業ゼロにしたにもかかわらず、雇い止めにしたのであります。
会社側は、児童サービスという基本的な事項でさえ、図書館業務として理解していませんでした。なぜそうなったのでしょうか。それは、提案書を書いたのが解雇された元館長であり、提案書そのものを理解していなかったのです。
会社側は、もともと自動車修理を生業としていた業者であり、会社本体には、司書資格を持つ者は皆無だったのです。結局、指定管理者の経営者が追求したのは、委託経費でいかに利益を上げるかでありました。残業をなくせ、そのためには図書館サービスを低下させても構わないと、あからさまに利益を追求するなどは、直営であれば考えられないことであります。
結局、裁判では、こうした会社側の姿勢があらわになり、指定管理者への批判が高まる中、急転直下、原告である元館長の主張に沿った形で和解となりました。
図書館の指定管理者制度で発生したこうした問題点を、区はどのように考えるのか、答弁を求めます。
図書館の指定管理者導入を見直せ
次に、図書館の指定管理者導入の是非についても伺います。
公共図書館サービスは、図書館法に基づいて無料原則であり、収益事業を展開して利益を生み出すことは困難であります。営利を目的とする株式会社では、利益を生み出すには、人件費の削減をもって遂行せざるを得ないのであります。
実際、図書館の指定管理者への代行業務によって、受託費用は削減されてきています。図書館運営費は直営時代よりも2億円削られ、人件費も1億2,000万円も減らされています。
更に、花畑図書館の職員配置はどう変わったのかと言えば、平成17年度比、事務室従事者は15%減、カウンター従事者は30%減となっており、区直営の非常勤報酬、司書月22万円、週30時間に対して、平成21年度指定管理者の契約社員報酬、司書月18万6,000円、週40時間となっており、時間給にしても40%もダウンしています。司書資格のある専門職員の残留なしなど、レベルダウンは明らかであります。
私たちに図書館の管理運営に対する苦情が寄せられていますが、内容は単なる接遇ではなく、図書館の本来業務に対する批判であり、区の導入した指定管理者制度によって、区民サービス低下と大量の官製ワーキングプアを生み出しているのではありませんか。
次に、板橋区では、指定管理者制度で受託した事業者に「官準拠」の人件費規定を盛り込み、公務員並みの賃金と待遇を義務付けました。
文京区は、文京区立図書館業務要求水準書を制定しました。図書館業務の水準を確保するために、館長の変更は行わないことなど、指定管理者にコストカットによる図書館業務の水準を守るよう求め、モニタリングを強化することにしました。
ところが、区は、外部化の見直しを示した経営改革プランに、公共サービスの担い手の賃金や労働条件を改善させようとする方針は明記されていません。なぜ足立区はこうした見直しをしないのか。
公立図書館への指定管理者について、図書館協会は意見書を提出していますが、総務省が指定管理者の見直しで、19項目の検証、留意事項を示していますが、これらを図書館の管理運営に沿って検討すると、指定管理者制度は図書館には不向きであると指摘しています。こうした立場に立ち、地域図書館は直営に戻すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
23区で最低の比率の正規職員の比重を高めよ
平成21年4月現在、当区の正規職員は3,670名、非常勤は1,451名、臨時職員は250名、業務委託の従事者は約1,500名、指定管理者の従事者は約1,100名となっています。
当区は、正規職員3,670名と、非常勤と外部化で4,642名、合計8,312名で行政サービスを担っていることになります。非常勤・外部職員比率は55.8%と23区で一番高く、20年度に一部改善した非常勤職員の賃金を22年度引き下げている職種もあるほどです。その多くは官製ワーキングプアといっても過言ではありません。
公務労働の専門性、知識と経験は、OJT・職場内教育を通じて蓄積されていくものであります。
職場内教育は、研修などとは違い、職場の上司などが部下などに対し、具体的な仕事を通じて、仕事に必要な知識、技術、技能、態度などを意図的、計画的、継続的に指導し修得されることによって、業務の処理能力や力量を育成していくものであります。
区民サービスのレベルを引き上げるには、長期にわたってスキルアップが図られる正規職員が望ましいのであります。
しかし、当区は、コスト主義から非常勤・外部化を増やしてきました。結局、職員がかわるたびに仕事の継続性が切断され、一から積み上げなくてはならないのです。
朝日新聞編集委員の竹信三恵子氏は、職員の非常勤化によって短期で担い手が入れ替わるため、質が低下し、公務員は怠けているという公務員削減論が強まる悪循環であり、更に、日本の正規公務員数人口比は先進国で最低水準であると指摘しています。
正規職員の比重を高め、仕事に誇りが持て、安心して働き続ける環境をつくる方向で取り組むことが求められていると思うがどうか、答弁を求めます。
低賃金・サービス残業にあえぐ非常勤職員の待遇是正を
次に、学校給食栄養士職員、税務関係など、多くの職場で正規職員と非常勤職員が混在していますが、正規職員も非常勤職員もほとんど同じ仕事をしています。
区は、勤務体系、労働時間が違うのでILO条約の同一労働同一賃金に違反していないとしていますが、問題は、実態がどうなっているかであります。
現在、非常勤栄養士の状態が正規職員と明確に業務内容で違うものは、確認できません。また、区立保育園の非常勤職員についても、区の正規保育士との違いは労働時間であり、子どもに保育する内容に違いはありません。ところが、賃金は、年収で正規職員の半分以下、ボーナスも時間外手当もありません。かなりのサービス残業も放置されている実態も聞いております。
区民アンケートで寄せられた匿名の区の非常勤職員の声を紹介いたします。
「仕事のストレスがふえている」「非常勤の仕事を超える内容が多くなってきている」「職場の上司に話しても理解されにくい」「大学院まで出たが、正規職につけず区の非常勤職員になったが、月20万円では家族を養っていけない」との声が寄せられています。区はこうした実態を是正する考えはないのか、答弁を求めます。
公共調達や公契約で、ディーセント・ワークの考え方に基づく改善をすべき
ILO(国際労働機関)は、08年6月の総会で「公正なグローバル化に向けた社会正義に関する宣言」を採択しました。米国発の金融危機で景気後退から大恐慌の足音の聞こえる複合危機が世界に広がりつつある中で、ILOは、近年、貧困と格差の広がりの中で、その根底に人間らしい労働が保障されていないという認識に立ち、その現状変革のために「ディーセント・ワーク」を提起し、不安定な仕事、不十分な所得の仕事、労働者の権利が主張できない仕事から脱却し、働きがいのある人間らしい仕事を確保するため、ナショナルミニマム、全国一律最低賃金制の確立などを求めました。
また、労働市場の規制緩和・改革を融資条件としてきた世界銀行でさえ、リーマン・ショック以後方針転換をし、労働者保護に役立つ融資を目指して、ILO条約に適合した指標づくりを行うようになりました。
富士通総研も、デフレの原因に賃金の下落があり、勤労者が購買力を失っていると指摘しているほどであります。
足立区でも、公共調達や公契約で、ディーセント・ワークの考え方に基づいて改善していくべきと思うがどうか、区長の所見を伺います。
足立区でも公契約条例の制定を
次に、野田市が公契約条例を制定し、公共工事や業務委託を契約する際、市が労働者の最低賃金額などを独自に定めることができるという公契約条例を制定し、大きな話題となりました。野田市長は建通新聞で、「現在のところ、評価はあっても非難はない。時代の要請にマッチしたと考える」と発言しています。
実際、野田市の契約価格が前年度より増額しており、増額分は賃金の上昇分と見られています。市長は「賃金水準を少しでも是正できたことに意欲を感じる」とコメントしております。
その後、相次いで、国分寺市、多摩市、川崎市など連続して公契約条例を制定しようと動き、ついに千葉県で「公契約条例を全庁的に検討していきたい」と答弁するなど、県段階にまで公契約条例が広がってきています。
当区でも、公契約条例の制定に向けて動くべきと思うがどうか、答弁を求めます。
オウム真理教(アレフ)の進出阻止に、必要な行政処分を行使すべき
最後に、オウム真理教(アレフ)は、足立区入谷への全国一の拠点施設をつくろうとしております。
オウム真理教は、地下鉄サリン事件、坂本弁護士殺人事件など数々の凶悪犯罪を犯し、観察処分中の団体であり、拠点施設をつくるお金があるなら、サリン事件の後遺症で苦しむ方々や遺族に補償をすべきであります。
地域住民は、6月、7月と区民大集会を開き、進出阻止を決議しました。その後、オウム真理教(アレフ)対策住民協議会を結成、のぼり旗を立て、進出阻止の断固たる意思を示しています。
今回、耐震工事を名目に、居住としての工事に発展しかねない事態が続いております。建設現場に生コンクリート車がコンクリートを搬入しています。このままでは、なし崩し的にオウム施設がつくられてしまうという危惧を抱く区民が増えています。
そこで質問ですが、オウムの入谷への進出を阻止するため、区として必要な行政処分などを行使すべきであると思うがどうか。また、区として地元への支援に最大限予算もつけて尽力すべきと思うが、区長の決意を伺い、この席からの質問を終わります。
◎青木光夫政策経営部長 私からは、まず、構造改革についてお答えをいたします。
足立区では、これまで、およそ30年にわたり行政改革を進めてまいりました。財政基盤の弱い足立区は、最少の経費で最大の効果を上げるべく、不断の努力が不可欠であります。
この行政改革の取り組みは、コスト削減だけではなく、区民サービスの向上という視点も十分に勘案して進めてまいりました。
市場化、民営化の手法には様々あり、それぞれにメリット、デメリットがございます。
例えば、指定管理者制度につきましても、事業のリスク管理やモニタリングの強化などが必要となっており、今般、指定管理者制度に関する基本的な考え方を見直したところでございます。
今後は、経営改革プランに基づき、引き続き行財政の改革に取り組み、区民サービスの向上とコスト削減に努めてまいります。
次に、非常勤職員、外部化の公務従事者に関するご質問にお答えをさせていただきます。
業務委託、指定管理については、公共サービスの供給主体を、行政だけではなく、広く民間にも開放し多様化させることによって、その総量の拡大、質の高度化、供給の効率化を図ってまいりました。
非常勤職員につきましては、退職職員の活用や専門能力が必要な職場において雇用するなど、適切な労働条件のもとで運用されてきたところであります。「非常勤はそのほとんどが官製ワーキングプア」との見方は正確なものではありません。
様々な雇用形態がある中で、労働環境への配慮を行いつつも、引き続き、平成21年3月に定めた第二次定員適正化指針に基づき、非常勤職員を含めた職員総体の人的資源を適正かつ効果的に活用すべく、定員の適正管理を進めてまいります。
次に、専門非常勤職員の勤務状況に関するご質問についてお答えをいたします。
専門非常勤職員につきましては、専門能力が必要な職場において雇用し、勤務時間などは正規職員とは異なり、適切な労働条件のもとで運用されているところであります。
また、専門非常勤職員の報酬につきましては、それぞれの職責に合わせた設定をし、勤務に対する対価として支給しております。常勤職員とは任用根拠が異なるため、同様の給与体系とすることは考えておりません。
時間外勤務につきましては、原則認めておらず、業務内容によりやむを得ず超過勤務が発生してしまう場合に限り、事前に人事課に協議があった業務のみ認めております。
また、時間外労働が生じた場合は、労働基準法に定められたとおりの賃金を支給しております。
◎定野司総務部長 私からは、まず、「ディーセント・ワーク」に関するご質問にお答えします。
働きがいのある人間らしい仕事を確保することは、大変重要なことと考えております。
現在、このディーセント・ワークの実現について、厚生労働省は、国内事情等に応じてそれぞれに達成可能な目標を立てることが重要であると整理した段階でございます。足立区でも、こうした国の状況を注視していきたいと思います。
また、区の契約における労働者の賃金水準の確保等については、今年度から労働基準法の遵守を仕様書に盛り込むなど対応をとっており、公契約条例の制定につきましては、現在のところ考えておりません。
次に、オウム真理教対策につきましては、区が有している調査権や許認可権を最大限活用し、法的措置も視野に入れた対策を講じてまいります。
また、地元協議会への支援につきましては、これまでに実施したのぼり旗の現物支給等に加え、法的、財政的支援も含め、全面的にバックアップしてまいります。
◎紙谷衛生涯学習部長 私からは、花畑図書館館長解雇に関するご質問にお答えします。
本件解雇に関しましては、指定管理者である企業に所属する社員の労務管理上の問題であり、直接的に区が関与する問題ではないと考えております。
しかしながら、指定管理者に対して、区は、特に労働関係法令等の法令遵守、並びに区民サービスの向上となる運営を求めているところであり、今後も同様の姿勢で指導してまいります。
更に、現場への訪問調査、提案事業の達成度などを業務評価する中で、適正な運営がなされるようチェック体制の充実に努めているところでございます。
次に、指定管理者制度導入によって図書館のサービスが低下しているというご指摘でございますが、おはなし会や講演会などの開催回数や参加者数は着実に増えておりますし、時宜にかなった様々な特集コーナーの設置などにも積極的に取り組み、来館された区民の皆様にも喜んでいただいております。
また、大量の官製ワーキングプアを生み出しているとのご指摘でございますが、指定管理者に対しては、従来より労働基準法等の関係法令の遵守を指導し、その防止に努めているところでございます。
また、民間事業者に移行することにより、新たな雇用も生まれております。
次に、モニタリングについては、指定管理者の業務評価制度に今年度より学識経験者を加え、より充実した内容となるよう取り組んでおります。
また、図書館独自の活動として、中央図書館の司書資格を有する専門職員を定期的に現場訪問させることによる指導や、館長会、事務スタッフ連絡会の定期的な開催、研修の実施などにより、業務水準の向上に努めております。
最後に、図書館の指定管理者制度の見直しについてお答えします。
足立区の図書館で導入した指定管理者制度は、地域学習センターと一体で効率的な管理運営とサービス向上を目指したところに特徴があります。
指定管理者制度導入以降、長いところは4年目を迎え、受託業者の創意工夫により事業も充実してまいりました。また、地域学習センターと共同事業を行うなど、相乗効果も出てきております。したがいまして、地域図書館を直営に戻す考えはございません。
◆針谷みきお議員 3点ほど、答弁漏れもしくは質問の趣旨に反するようなものがございまして、再質問させていただきます。
一つは、構造改革による公共サービスの市場化、民営化について、私が聞いているのは、この要因については、区民サービス向上より、コスト主義など市場原理が貫かれている仕組みにあるのではないかということについて、その要因についてはお答えいただいておりません。ですから、これについての答弁をお願いいたします。
それから、指定管理者の代行業務と条件設定とモニタリングの項目ですが、私が聞いたのは、板橋区や文京区の要求水準書であるとかその中身というのは労働者の賃金を確保すると。そして、労働条件をきちんと向上させるというようなことをなぜ足立区はやらないのかと。どんなことをやっているかというそちらの答弁は、法令を遵守しているとか、若干、モニタリングの中身についてお答えしているのですけれども、私が聞いているのは、ここで働く人の労働者の規定、板橋区のように官準拠とか、館長の変更を行わないとか、いわゆる働く人の雇用の問題、特に賃金水準の問題、この辺についてのお答えがなかったので、これは明確に、そういう見直しがなぜ足立区のこの指定管理者制度をはじめとする公共サービスの民営化でやらないのか。こういう問題が、やはり足立区の最大の弱点になっていると私は思うのですね。ですから、そこに踏み込まなければ、幾ら小手先の幾つかの問題点を改善するようなことを言っても変わらないということなので、ここに触れた答弁がないということは、足立区の近藤区政はその点が弱いと、肝心かなめのところが弱いということになってしまいますので、これは明確にお答えを願いたい。
それから、最後のディーセント・ワークの問題ですが、厚生労働省はそういうことをやろうとしているが、それを注目していくという非常に消極的な答弁ですね。私が聞いているのは、このILOのパンフレット、非常に格調高くて私もびっくりしましたけれども、このディーセント・ワークの考え方に基づいて足立区は改善していくべきなのかどうか。国の動向を見守るというのは、私は聞いていないのだ。改善していく意思があるのかないのか聞いているのですよ。その再答弁をお願いして、終わります。
◎青木光夫政策経営部長 まず、初めの市場主義原理が貫かれているという、その部分についての再質問でございますが、前提となる足立区の構造改革が単なる官業の民間開放に終わっているという、そこの認識がまず違うのではないかと思います。したがって、その要因についてお尋ねになられても、なかなかすれ違いになってしまうのではないかと思いますが、足立区の構造改革戦略は、例えば外部化に際しては必ずモニタリングを入れる、そういった形でコストと同時に区民サービスの向上も目指してきたということは、先ほどご答弁させていただいたとおりでございまして、今後ともそうした方向で取り組んでいきたいと考えております。
それから、賃金水準の問題、全体の指定管理者制度の問題でございますので、私の方からお答えをさせていただきますが、これにつきましては、指定管理者が民間の持っているノウハウも十分に活用するということでございますので、その点についてはやはりこれを尊重すべきだろうと。
ただ、労働法制などの法令違反があった場合には、これに対して対応していくということについては、今回、指定管理者の指針の中で見直しをしておりますので、そういった点を踏まえてご理解をいただきたいと思います。
◎定野司総務部長 ディーセント・ワークに関する再質問にお答えします。
私も、思想としては大変重要な意味を持つものと考えております。しかし、具体的に自治体として何をすべきなのか、国の動向を注視しながら深く研究したいと、こういう趣旨で答弁させていただきました。