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地元の人の力に依拠した安心・安全なまちづくりを
−浅子けい子議員(2010年10月5日)
○浅子委員 区民の安心・安全のまちづくりを実現することはとても重要なことです。日本共産党区議団が実施した区民アンケートでも、防犯は、区政に力を入れてもらいたいものの第4位になっています。
区は、刑法犯認知件数ワーストワンの脱却を目指すとして、ビューティフル・ウィンドウズを取り組み、今年度治安再生アクションプログラムを作成しました。
これは、アメリカのニューヨーク市で軽微な犯罪を取り締まることで凶悪犯罪を防止し、治安を回復させたという割れ窓理論を参考にしたもの、しかし、これに異議を唱え、ニューヨーク市の犯罪発生率の低下は、景気の好転、少子化の進展により若年人口が減ったことが治安回復につながったのだと主張している経済評論家もいます。
この論に全面的に私は賛成ではありませんが、足立区に限らず、日本社会全体が、この間の景気悪化に円高も影響し閉塞感の中、自殺者が増え、高齢者所在不明問題が起こり、親の年金を頼りに暮らしている親子の実態がクローズアップされ、高校や大学を卒業してもまともに仕事につけないなど、大きな社会問題になっています。
犯罪発生原因を分析し根源を解消すべき
足立区は、刑法犯認知件数ワーストワン脱却を目指すと取り組んでいますが、犯罪を減らすためには、なぜ犯罪が起きたのかを分析し、根源を解消する方向が必要と考えますが、どうでしょうか。
○危機管理課長 犯罪の発生でございますが、当然、どのような場所でどういった理由によって犯罪が起きているか、こういった原因をきちんと分析して効果的な対策をどのように打っていくか、これは非常に重要なことだと思っておりますので、ただ、犯罪を起こした人そのものから我々は聴取することはできませんが、様々な学識経験者ですとか、警察の方からそういった情報を得ながら、我々ができる対策を効果的に打っていくというところでございます。
刑法犯認知件数ワーストワンのイメージなのは何故か
○浅子委員 昨年12月に区が実施した若年層区民意識調査によると、区のイメージについては、「治安が悪い」が31.7%、区政調査でも多かったということです。本当に治安は悪くなっているのか。
現在、刑法犯の認知件数は以前と比べて減っていると思いますが、どうでしょうか。
○危機管理課長 刑法犯認知件数でございますが、8月末の数字で申しますと、昨年比494件の減少という傾向でございます。
○浅子委員 減少しているということですよね。区のイメージで「治安が悪い」の回答が一番多いのですが、その理由としては、「何となくそういうイメージがある」、「マスコミの報道が多い」としている回答が多かったと。
その一方、「足立区は暮らしやすいですか」の問いに対して、「暮らしやすい」、「どちらかといえば暮らしやすい」が85%という高い数字になっているのです。矛盾するようですけれども、このことから考えると、現実の区の実態というよりも、体感治安が区民にそういうイメージを抱かせているのだと考えるのですが、どうでしょうか。
○区長 私、様々な場所で、全く今と同じことを、浅子委員がおっしゃったことと同じことを話しております。
というのは、足立区ばかりでなく、実際に日本全体の刑法犯認知件数自体下がってきている。ところが、日本国民の体感治安というのは、それに一緒になって下がってきていない。これは私どもでなく、警察庁もそのことは日本の大きな課題だと言っているわけですね。そして、その体感治安が下がらない大きな理由として、外国人犯罪が増えているということ、地域の連帯意識が希薄になっているということ、そしてまた青少年の教育が徹底されていないのじゃないかということを理由として挙げられる方が割合として多いということでございます。
ですから、犯罪を取り締まるだけでは決して体感治安は上がっていかない。だからこそ、私たち行政がかかわれる様々なところを使って、区民の体感治安を上げていくために、まちをきれいにしたり、マナーを守る人を増やしたりというような総合的な施策として立ち上げているのが、ビューティフル・ウィンドウズ運動だということでご理解をいただきたいと思います。
○浅子委員 足立区の刑法犯認知件数のピークは、平成13年の1万6,843件、それから現在までどれぐらい減少しているのでしょうか。
○危機管理課長 平成21年末で1万1,086件でございますので、5,800件ほど減少しているという状況でございます。
区の「ワーストワン脱却」は、実態以上に治安が悪い印象を与えないか
○浅子委員 これを見てください。これは行政の方からいただいたのですけれども、これを見るとよくわかるように、平成13年ピークからずっと毎年毎年減っていると。ですから、今区長がビューティフル・ウィンドウズもそのためにやっているとおっしゃいましたけれども、これを見ると、ビューティフル・ウィンドウズをやる前からこうやって減っているのだということがわかるかと思います。
ワーストファイブに入っている世田谷区のホームページには、犯罪発生状況をこう書いています。
犯罪発生状況、平成21年中の世田谷区内刑法犯認知総数は1万174件でした。この数値は、皆さんの防犯活動のおかげもあって、平成14年から7年連続で減少したことになります。これからも、地域ぐるみで防犯に対する見守りの目を広げていきましょう。
区民に安心を与え、防犯で頑張っている区民をねぎらい、これからも頑張ろうとエールを送っているように思います。
足立区も、平成13年度から8年間連続で減少しています。ワーストワンを争っている新宿は、刑法犯認知件数をグラフであらわし、年々減少していることを目で見てわかるようにしています。
区は、ワーストワン脱却を掲げることによって、区民に必要以上に治安が悪い印象を与え、不安という体感治安を区民に与えているのではないか。刑法犯認知件数ではワーストワンですけれども、人口比ではワースト9番、だからファイブにも入っていないという、他の区にも倣い、区民に着実に減少しているということを伝えることが今重要だと思いますが、どうでしょうか。
○区長 おっしゃる点もよくわかりますので、これから減少の傾向についてもきちっとお伝えするようにいたしたいと思います。
ただ、後半の1万にしてみれば8番、9番目、23区で。そういうことは私どもよくわかっておりますが、1年間終わってみれば、必ずマスコミ等は1万人では足立区8番目という形では書いてもらえません。必ず一番危険なまちワーストワンということで足立区が言われるわけですので、私ども絶対数として減らしていかない限り、この足立区のマスコミを通じて流される状況については、傾向として良くならないと思っています。ですから、1万人にしたら8番目というような逃れではなくて、堂々とワーストワンの看板をおろすべく、区民の皆様方にもご協力いただきまして全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○浅子委員 それはそうだと思います。ただ、区の方がワーストワン、ワーストワンと強調することが、治安が悪いのだという印象を逆に与えているのじゃないかなと私は思っているのです。だから、一緒になって治安を良くしましょうという、そういう協働の気持ちが大事なのではないかと。
先日、狛江に行ってきましたけれども、ここはピーク時に比べて半分に認知件数を減らしているのですね。警察は調布にあるので頼れない。地域の人たちの力に依拠して取り組んでいるのが特徴で、年6回ほど生活安全対策協議会を民間の方と一緒に開いて話し合い、そこで具体化して取り組んでいます。
例えば町会や防犯協会などで組織する安心・安全パトロール団体は、一人ひとりがいざというときのためにきちっと区が保険に入ってもらって、現在23団体631人が組織されて、毎月、市の広報に団体の活動を団体自らの文章へ写真入りで順次掲載して紹介しているのですね。
どんなふうに地域で活動しているのかが手に取るようにわかって、顔の見えるものになっています。それから、PTA学校安全ボランティアによる校内巡回は、PTAを中心に各学校ごと登録するようになっていて、現在717人、人口比で1%が組織されています。狛江のキーワードは、強制しない、できる範囲で活動してもらうことだということです。
足立区も、地元の人の力に依拠した安心・安全なまちづくりに力を入れていくべきだと考えます。
私は、2008年の予算委員会で、足立と未来を開く三つのかぎの一つに、区が治安を挙げていることに対して、治安とは社会統制上の概念であって、国家による統治、秩序の状態というものだということを言って批判しました。本当に区民と一緒に安心なまちづくりをするためには、しっかりと事実を伝えて、住民とともに協働で安心・安全のまちづくりをつくっていくことだと思います。
是非施策の転換をするよう求めて、質問を終わります。