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●一般質問−はたの昭彦議員(2011年6月24日)
「いのち」をキーワードに国保料と都市建設行政について質問する
◆はたの昭彦 私は、「いのち」をキーワードに、二つの分野で初質問を行います。
3月11日に発生した東日本大震災は、国難とも言える未曽有の被害をもたらしました。今回の震災は国民一人ひとりの価値観を大きく変えました。そして、自治体の在り方さえも問い直しています。震災や津波の映像を見るたびに考えさせられるのは、命の大切さです。
技術が発達し、世の中が便利になったとしても、命を失ってしまえば何もなりません。効率や利益を最優先にしてきた構造改革路線では、命を守ることはできないことが明らかになりました。壊れた家やまちは、時間がたてば直すことができます。しかし、当たり前のことですが、一度失った命は二度と取戻すことはできません。
ニュースのインタビューに答えて、「命あっての物種とはよく言ったものだ」と答えていた被災者の姿が印象的でした。だからこそ、命を守ることを何よりも最優先させる区政への転換が必要です。
区民は国民健康保険料の大幅値上げで悲鳴、いのちを守る立場で軽減策を実施せよ
その立場から、初めに、国民健康保険についてお伺いします。
厚生労働省は、国民健康保険は国民皆保険制度の最後のとりでと言っていますが、加入者の年収は減り続ける一方で、保険料は上がり続けています。国保加入者の年収は、1985年当時を下回る平均160万円台なのに、国保料の平均は9万円を超え、当時の2.3倍にもなっています。「保険料が高くて払えない」、「幾らかかるか不安で病院に行けない」など、悲痛な叫びが広がっています。
それなのに、平成23年度の国民健康保険料の改定では、更に多くの世帯が値上げになりました。原因は、医療費の増大によるものではなく、前期高齢者交付金の2009年度過払い分の精算金や高額療養費の一部について、これまでの一般会計からの投入をやめ、全額保険算入するなどで賦課総額が増えたことが一因です。
今年2月の衆議院予算委員会で、我が党議員が国保料について菅首相に質問したところ、「所得300万円に対して10%をかなり超える負担というのは、負担感としてかなり重い、そういう感じはいたします」という答弁をしました。
区の資料では、家族4人が国保加入で、世帯主の前年所得が200万円、他の家族の収入がない場合の国保料は、年額29万4,703円、軽減措置がとられても26万8,410円となり、所得に対する保険料の負担割合は13〜15%になります。この保険料負担は高過ぎると思わないか、答弁を求めます。
6月15日に今年の保険料納付書が一斉に送付され、受け取った区民から区役所に悲鳴や怒りの声が殺到し、区役所の代表電話が一時つながらなくなりました。
賦課方式の変更によって、税控除が保険料算定に反映されなくなったため、特に、障がい者や高齢者、住宅ローンを抱えている、扶養家族が多い子育て世代など、控除が多い世帯や困難を抱える家庭ほど負担が増えてしまいました。
若いお母さんからこんな手紙が届きました。
「きょう学校の集まりで、お母さんたちは急激な保険料の増額に怒っています。皆さん昨年と収入は同じなのに、保険料は年間20万円から30万円も上がっているのです。子どもがたくさんいる方は、40万円も一気に上昇しました。考えられないことです。私も年間28万円から49万円に跳ね上がりました。上げるなと言っているわけではないのです。年間2、3万円が常識ではないですか。しかも、今は軽減しているとのことで、2年後はもっと上がるそうですね。あり得ません。こんな大幅な値上げでは、払いたくても払えない方も出てしまいます。」
国保料滞納世帯への督促状の送付件数は、加入世帯の4分の1、3万5,000通以上にも上っています。今回の負担増が、更なる滞納件数の増加を生み出すと思わないか。
全日本民医連が3月2日に発表した「2010年国民健康保険など死亡事例調査」によると、経済的理由で医療を受けずに亡くなった人が、わかっただけでも71人もあり、過去最高となりました。しかも、この調査では、正規の国保証を持っているにも関わらず亡くなった方が22人もいました。
民医連の調査だけでもこの数字ですから、実態は更に深刻と言えます。命の危険があっても、お金がなくて病院に行けない。国民のくらしの実態はこれほど深刻です。命と健康を守るはずの健康保険が、命を脅かしているのです。
これほどくらしが大変なときに強行された国保料値上げは、医療を更に遠ざけ、命の取上げにつながりかねません。
区長は、本会議初日に、自治体に課された最大の任務は命を守ることだと答弁しましたが、だからこそ、国保料の値上げ分は、区が負担をして区民負担を軽減し、命を守る区政への転換を図るべきと思うがどうか。
また、窓口で医療費の10割の負担をしなければならない資格証は、実質的な医療の取上げです。4月末時点で、足立区では657世帯に資格証が交付されています。国でさえ、資格証の発行は、払えるのに払わないことが証明された以外は慎重に対処すると言っています。
区も、資格証の交付理由は、滞納者との接触機会を確保し、納付相談を行うためだとしていますが、資格証の発行によって収納率の向上は見られません。接触機会や納付相談を行うためであるならば、資格証の発行以外で対策をとるべきです。命を守る立場から、資格証の発行はやめるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
大震災を受けて、耐震改修促進計画の早期達成、耐震建て替えにも助成を
次に、都市建設行政について質問します。
今回の震災を受けて、震災に強いまちづくりは急務です。地球的規模で大地震が頻発し、地震の活動期に入ったと言われています。首都直下型の大地震がいつ起こったとしても不思議ではありません。
阪神・淡路大震災では、犠牲になった6,000人余りの死者のうち92%は、地震発生後14分以内に圧死、窒息死していた事実から、地震による直接の犠牲者を少なくする最も有効な対策は、自衛隊の出動の有無ではなく、家の耐震化であることが明らかになりました。
また、建物を耐震化することによって、火災発生の軽減や避難道路の確保が担保され、まち全体の減災にもつながります。家屋の倒壊を防ぐことが、命を守ることになるのです。
足立区耐震改修促進計画では、区内の建物を2015年度までに耐震化率90%以上とすることを目標にしています。この目標を達成するために必要な耐震改修は年間1,646戸、総数では1万4,809戸になりますが、平成19年から22年までに区の助成を受けて耐震診断を実施した件数は651件、耐震改修まで進んだのは342件しかありません。年間1,000戸が、新築建て替えで自然更新して耐震化が進んだとしても、今の施工進度では、目標年度の達成率は66%の耐震化率で、区が設定した目標にさえ届きません。
更に、区が目標を達成したとしても、なお3万1,921戸もの耐震性のない住宅が残されます。住宅の耐震化は特に急がれる課題だと思うがどうか、答弁を求めます。
現在、区では、耐震診断や耐震改修計画、耐震改修工事に対する助成制度がありますが、耐震診断を行い、耐震改修が必要と判断されても、改修にまで至らないケースが約半数にもなります。
木造住宅では、耐震改修に必要な費用は平均で150万円程度かかります。長引く不況の中で収入が激減している、年金生活で収入自体が少ないなど、多額の費用負担が賄えないというのが、耐震化が進まない大きな理由です。耐震改修助成額を倍加させるなど思い切った拡充を行い、耐震改修促進計画の早めの達成と100%耐震化を目指すべきと思うがどうか。
耐震診断の結果、改修よりも建て替えが必要と判断されても、足立区には建て替えのための助成制度はありません。荒川区では、木造・非木造建物耐震化推進事業として、耐震診断、耐震補強設計、耐震補強工事の他、耐震建て替えについても助成を行っています。足立区でも、耐震建て替えについて助成を行うべきと思うがどうか、答弁を求めます。
旧耐震基準マンションの耐震化促進、負担の軽減措置を
次に、老朽化したマンション対策についてです。
足立区には旧耐震基準のマンションが約160棟存在しますが、この4年間で区の耐震助成を利用して改修したのは、わずか4件にすぎません。原因は、多額の費用負担や共同住宅ゆえの合意形成の難しさにあります。これらの耐震化の促進については、行政の特別な努力が必要と思うがどうか。
東京都は、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例を制定しましたが、この条例は、震災時に沿道建築物の倒壊によって緊急輸送道路が閉鎖され、使えないことがないように、沿道建築物の耐震化を推進することを目的につくられました。老朽化したマンションやビル所有者に、耐震診断等実施状況の報告義務などが生じ、罰則規定もあります。
足立区では、国道4号、環状7号、尾久橋通りが指定されました。補強工事だけでなく、耐震診断さえも実質全額補助と言いながら、補助金の算出に当たり、床面積当たりの単価の限度額を設定していて、全額にはなりません。
緊急輸送道路沿線のマンションについて、区としてもマンション住民の負担を極力減らす施策が必要と思うがどうか。
今回の震災では、区内でも多くの被害が発生しました。6月8日現在で、全壊4件、半壊17件、一部損壊526件にも上っています。しかし、足立区には、このような区民に対して、修繕のための貸付制度はあっても、給付して支援する制度は何もありません。
北区では、6月から実施予定だった住宅リフォーム助成制度を今回の震災の被害にも利用できるようにさかのぼって適用し、被災した住民からも喜ばれています。足立区でも、住宅改良助成制度を震災被害などに対応できるように拡充すべきではないか、答弁を求めます。
以上の施策の比重を抜本的に高めることで、大震災以降ぱったり仕事がなくなったと悲鳴を上げている区内業者の仕事起こしと地域循環型の経済をつくりながら、震災に強いまちづくりを進めることになると思うがどうか、答弁を求めます。
一刻も早く交通不便地域解消を
交通マスタープラン策定の実態調査でも、大谷田一、二丁目、中川五丁目は交通空白地域に位置付けられています。日暮里・舎人ライナーやTXが開通し、区内の交通利便性が向上したと言われても、この地域だけが取り残されていると、住民からは不満が寄せられています。
私も、4年前から、地域にお住まいの皆さんと一緒に、はるかぜを通して欲しいという運動に取り組み、これまで1,364筆の署名を区に届け、二度の要請も行いながら早期実現を求めてきました。
地域では高齢化が進み、買物に行くにも病院に行くのも困難な方が増えています。この声に応えて、一刻も早い交通不便地域解消をすべきと思うがどうか。
また、中川地域の道路が狭くバスの通行が困難な地域については、乗合タクシーなども視野に、公共交通の検討をすべきと思うがどうか。
利用者が増えている綾瀬−北綾瀬間の列車増発、北綾瀬駅の環七外側に改札を
最後に、東京メトロ千代田線の綾瀬−北綾瀬間は、朝の一時を除き、1時間に4本以下の運行しかありません。近年、北綾瀬駅周辺は宅地開発やマンション建設が進み、人口が増えており、列車増発や環七外側の改札設置を関係機関に強く働き掛けることを求めまして、この場からの質問を終わりにします。
◎日比谷松夫区民部長 私からは、国民健康保険料に関するご質問に一括してお答えいたします。
医療費の伸びなどによって、国民健康保険料の総額は上昇傾向にあり、そのご負担を被保険者の方々にもお願いせざるを得ないのが実情です。
こうした中、納付が困難な方につきましては、納付相談による分割納付や減免も行っております。保険料の算定方式の変更に伴って保険料が上昇する階層の方につきましては、経過措置によって保険料の上昇を抑制するなど、負担の軽減に努めているところでございます。
区独自の負担軽減につきましては、統一保険料方式のもとで行う考えはございません。
また、資格証は保険料滞納者に一律に交付するわけではなく、滞納額など一定の条件に該当した方について、自宅を訪問し、生活実態を確認した上で交付しております。滞納者との納付交渉の機会を増やすには有効と考えておりますので、資格証明書の交付を継続してまいります。
◎倉持政宣建築室長 私からは、災害に強いまちづくりについてお答えいたします。
まず、耐震改修につきまして、一括してお答えいたします。
耐震性がない建物は、震災時に区民の生命を脅かすことから、建物の耐震化は喫緊の課題であると認識しております。
これまでも重点課題として取り組み、住宅・土地統計調査をもとにした平成22年度末の推計耐震化率は76%となっております。更に、耐震化事業を迅速に推進していく必要があると考えております。
このため、現在の耐震改修工事助成制度に、新たに解体や建て替えを対象に加え、また共同住宅の助成限度額の拡充などを含め、区民にとって利用しやすく効果の高い制度となるよう、早急に制度設計をしてまいります。
こうした取り組みにより、目標である平成27年度耐震化率90%以上の達成を目指してまいります。
続いて、老朽化したマンション対策についてお答えいたします。
マンションの耐震化に向けて、居住者の合意形成が大変難しい状況ですので、行政、あるいは第三者からの働き掛けが必要であると考えています。
昨年度から、マンションの維持管理、大規模修繕、耐震化に向けての相談業務につきまして、マンション管理士の派遣制度を開始し、より合意形成をしやすいように環境づくりを進めております。
また、東京都緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の詳細が確定しておりませんので、今後、都との連携を密にし、対策を検討してまいります。
次に、住宅改良助成制度につきましては、バリアフリー、間取り変更を目的に行っております。被災住宅に対しての支援制度は、ご質問にもありましたとおり貸付制度などがありますので、住宅修繕の費用助成につきましては、現時点において検討しておりません。
次に、地域経済を循環させるまちづくり及び震災に強いまちづくりの推進に当たっては、区と区民、そして地域に密着した区内事業者との協働が不可欠です。このため、区内事業者との連携を深め、協働して実施することが経済活性化につながると考えております。
このような取り組みを強化し、震災に強いまちづくりを進めてまいります。
◎岡野賢二都市建設部長 私からは、まず、交通空白地域の解消についてお答えいたします。
現在、区では、足立区都市交通マスタープラン策定の中で、大谷田一丁目付近を含む交通空白地域の解消につきまして、バス路線網の導入をはじめ、様々な方策について、バス事業者や関係機関と検討をしております。
次に、東京メトロ千代田線についてお答えいたします。
綾瀬−北綾瀬間の増便につきましては、一昨年、東京地下鉄株式会社に要望したところですが、その際、本線運行に支障が生じることから、現在の利用者数では困難であるとのことでした。
また、環七外側へ改札を設置するには、車両基地の機能を損なわないようにするため、用地買収や高架橋の整備等莫大な投資が必要なことから、この件につきましても、現在の利用者数では困難であるとのことでした。
区といたしましては、区民、利用者の安全な輸送及び利便性の向上に向け、東京地下鉄株式会社に対し引き続き要望してまいります。
◆はたの昭彦議員 私、今回、議員になって初めての質問を行わせていただいたわけですけれども、もう少し質問に対してはっきりと答えていただきたかったなと思います。
保険料については、私は制度の在り方というのを聞いたのではなくて、今回の保険料値上げで区民が負担を大きく感じているわけですけれども、この保険料について、高いと思うか、思わないかということを聞いたのであって、客観的に見てどう思うのかを答えていただきたいと思います。
それと、資格証についてですが、これも資格証を一律に発行しているとかいないとかという問題じゃなくて、今回の大幅な値上げが更に資格証の発行を増やすことにつながるのではないかということを聞いているのであって、その点についてもはっきりと答弁をお願いします。
それと、住宅改修助成制度について、拡充をしていただけるということでは大変ありがたいのですが、震災を受けて、耐震化を進めるに当たっては、改修助成制度の助成額を拡充して、一刻も早く耐震化の強いまちづくり、100%を目指すべきではないかという質問をしているので、その点についてもはっきりお答えいただきたいと思います。
◎日比谷松夫区民部長 国民健康保険料に関する再質問についてお答えいたします。
国民健康保険料につきましては、命を守る国民皆保険制度の継続のためにも、納付困難な方につきましては分割納付や減免を行っており、統一保険料方式のもと、保険料の上昇する階層の方につきましては、経過措置によって負担軽減に努めております。
また、資格証につきましても、継続してまいります。
◎倉持政宣建築室長 耐震助成の助成額についてお答えしますが、現在、耐震助成につきましては、先ほど答弁でも申し上げましたように、耐震助成制度のメニューを増やす、それと共同住宅における助成額の拡充を行っていくという形の中で、今回、大幅に制度改正を踏み込んだ形でおります。ただ単純に住宅につける助成額を上げるだけが、拡充につながるということではないと考えております。