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●保育園待機児対策と保育のあり方について−さとう委員(2011年10月4日)
待機児解消の柱に認可保育園増設に据えよ
○さとう委員 本日最後の質問になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私は、待機児解消の柱は認可保育園の増設を据えることについて質問させていただきます。
ブログにある声が載っていました。「保育園探しは本当に大変でした。まず、認可保育園は無理なので、補助の出る認可保育園をねらいに定めたのはいいものの、住んでいる足立区内で15件ぐらい全部だめ。結局、勤務地の板橋区で10件回ってとうとう見つけました」というものです。
保育園に入園できるかどうかは、子育て世代の人生がかかっているとも言えることです。今年4月に認可保育所を申し込んで入園ができなかった乳幼児は1,000人を超え、認可外保育施設に入園した乳幼児を除いても、485人も待機児となりました。現在の待機児数はいかがでしょうか。
○待機児童対策担当課長 2カ月置きのデータでございまして、8月の現在のデータでございますが、666名でございます。
○さとう委員 666名と言うと100人以上ですね。485を引いても増えたということですよね。
区民の声、平成22年度版によると、「子育て世代にある30歳代女性の要望は、3年連続で子育てがトップであり、保育園、学童保育室の入園に関する意見の他、待機児対策や子ども手当に関する意見、要望を多くいただきました」とありました。
また、区議団では、毎年区民アンケートを実施して区民要望を聞いてきたんですけれども、第11回アンケートで、子ども施策に必要なことの問いに、子育て世代などが中心に答えたその第1位が「認可保育園の増設・待機児解消」、これに857人、第2位に「子育てしにくい日本社会の改善」834人、第3位に「経済的負担の軽減」758人となっています。
待機児解消のニーズは、保育環境の良い保育料が応能負担の認可保育園だと思うが、区はどうでしょうか。
○待機児童対策担当課長 児童福祉法の中におきましても、いわゆる認可というものを基本としながらもというような形で認可外の形も認められているところでございます。
足立区におきまして、いわゆる足立区の待機児童の状況に適した形での待機児童対策を進めていきたいと考えております。
○さとう委員 それでは、次の質問に入りますけれども、9月29日の総務委員会に区民評価委員会の行政評価についての報告がありました。今後の課題と提言の区民ニーズの把握と周知徹底についてで、「対象者に徹底した情報提供している事業も散見されるが、全体としては区民の生活に密着している事業でさえ、区民ニーズが客観的に把握されていない」という指摘がありましたけれども、待機児解消について、評価委員会の言う区民ニーズの把握と行政施策に大きなずれがあると思うのですが、いかがでしょうか。
○待機児童対策担当課長 いわゆる保育園ニーズについての区民ニーズにつきましては、2年前ほどの次世代育成支援行動計画のニーズ調査等々があったかと思います。ただ、そこに出てきている数字というものが、若干本当の区民ニーズなのかどうかというちょっと疑問を持っているところもございます。
具体的な、実際的な需要というものをはかりつつ進めていくべきだと考えております。
○さとう委員 全く需要に応えていない、また区民ニーズに対しても全く応えていないで、そういう答弁を繰り返す、本当に許せないなと私はいつも思います。
私たちは、公有地の活用も含めて様々な提案をしてきました。そして、各自治体が待機児解消のために認可保育園に足を踏み出したのは、皆さんご存じのとおりです。区民が一番望む認可保育所の増設を求めて、次の質問に入ります。
二つの保育観、子ども観について
保育関係者は、様々な研究集会に参加するなどにして、子どもたちに質の良い保育をするために日々努力を重ねています。国際的な保育の質、保育の質研究の動向を素材にしながら、これからの保育の在り方をデザインするということを課題として取り組んでいる教授の著書によると、OECD先進工業国でつくる経済協力機構(27カ国加盟)から2001年に発行された保育制度に関する報告書「人生の始まりこそ力強く」で、近年の幼児教育政策がまとめられています。
ここに、二つの子ども観がありますが、保育観、子ども観があるんですけれども、一つの考え方は、未来の労働者としての子ども観、第二の考えは今ここに生きる市民としての子ども観とあります。
第一の考え方は、子どもたちがグローバル経済の激しい競争の中で労働力としてやっていくためには、学習のための準備、就学のための準備を幼児期にしておかなければならないという考え方で、保育は学校への準備としてこそ重要であり、その成果は学校での成功に役立つかどうかで決まるとしています。
そこで質問いたしますけれども、報告書によると、「このような傾向が強まるときに、読み書きや算数など幼児期に特定の技能や知識を教えなければならないという学校的な課題へのプレッシャーが大きくなり、ひいては幼児期に身に付けるべき他の課題が軽視されることにつながる危険がある」としていますが、この考えについて区はどのようにお考えでしょうか。
○子ども家庭課長 先ほどご紹介いただきました二つの保育観ともに、私としては理解をできるところでございます。
ただ、択一的にどちらの保育観をとるかということではなくて、双方を含めながら、今目の前にいる子どもたちに最善を尽くしていくというのが私たちの保育観でございます。
したがいまして、今5歳プログラム等保育園でも取り組んでいただいておりますが、これはお子さんが小学校に入学した後、学校生活並びに学習にスムーズに入っていけるようという配慮を持って進めているところでございます。
○さとう委員 私はどちらをとるのかという比較の意味で聞いているのではないんですけれども、第二の考え方はどうかと言いますと、それ自体が重要な意味を持つ人生の最初の段階とするもので、ノルウェー政府の文章に、「人生の一つの段階として、子ども時代はそれ自体が極めて高い評価を持つ時代であり、子どもにとっての自由な時間、独自の文化としての遊びは決定的に重要なものである。自分なりの考えや関心に従って生活できる、安心してありのままの子どもでいられる生活」というふうにありますが、今の答弁ですと、どちらにシフトするわけでもなく、両面を見ているということで確認してよろしいのでしょうか。
○子ども家庭課長 両面ということも当然でございますし、やはり私たちは、目の前にいるお子さん、このお子さんたちに何ができるかということを常に意識をしながら取り組んでいるということでございます。
○さとう委員 では、なぜOECDが保育の質についての研究が始まったのかということですけれども、1984年アメリカで「保育が人生を変えた」と題する研究報告書が発表されました。レーガン政権下のもとで、生活関連の予算をばっさりと切捨て、教育福祉の民営化を強引に推し進める行政改革のあらしが吹いていました。保育に巨額の税金をつぎ込むのはむだ遣いとうそぶいていた行革論者が、顔色を失った研究結果だったということです。
それは、この経済効果、子どもたちが大人になって一人ひとりがどういう暮らしをしていくのかということを長期的にお金を換算すると、何と保育に要した費用の6倍から7倍の利益を社会にもたらすという結果が出たからです。これは世界一学力の高いフィンランドでも、また、サッチャー政権のもとで様々な取り組みをした競争教育をやった結果、大人になった子どもたちが、学校にも行かない、仕事にも行かないというニートがたくさん出た関係で、それを見直すことも今始まっています。これらの研究結果について、区はどのようにお考えでしょうか。
○子ども家庭課長 同様の調査は、以前アメリカのペリー調査ということでも、幼児期に投資をした金額の何倍も効果が出ているということは既にわかってございますので、今さとう委員のお話しされた結果も、そのような流れの中では十分理解できるというふうに捉えます。
区の5歳児プログラムは、子どもの自主的、自立的に生きる力を削ぐ危険性は無いか
○さとう委員 私、なぜきょうここで保育の質について質問したかと申しますと、23年3月に足立区が出した「たくましく生き抜く礎を築くあだち5歳児プログラム、小学校で学ぶ喜びを味わうための意欲や態度を育むために」と、これを見て質問をすることにいたしました。
これを要約すると、小1プロブレムの解消をしなければならない、学校で基礎学力の確実な定着を図るためには就学前の教育、学びの目が必要だ、様々書いてありますけれども、結局は、私は、こういう問題に対立させなくても、幼児期に身に付けるべきことが第一の考え、このような考え方に偏重することによって他の課題が軽視されることにつながる危険がある、今区はそういう方向にシフトしているのではないかと危惧して質問いたしましたが、いかがでしょうか。
○子ども家庭課長 私どもは、幼児期に身に付けていただきたい能力、あるいは力、意欲等は当然のこととして考えてございます。そうした中で、5歳児プログラム、特に具体的な例を示させいただきましたのは、現場の保育士さんにも十分理解をしていただいた上で、更にお子さんの特色、あるいは特徴に応じて工夫を凝らした保育を実施してもらいたいという願いからでございます。
ちなみに、今年度より5歳児の担任の先生方毎月1回お集まりいただきまして、保育園、あるいは自分の取り組みも情報交換、意見交換しながら、より子どもために尽くしていくということで進めているところでございます。
○さとう委員 私、この中であれをやったか、これをやったか、朝の集まりをやったのかとか、いろいろ書いてありますけれども、中身を見ますと、このほとんどは今まで保育士さんや幼稚園の教諭の皆さんが、本当に保護者や地域の人たちとも連携しながら取り組んできたことだと思うんですね。これをわざわざ目的を小学校での生活が充実した楽しいものにするためではなくて、子どもたちの本当の人生の大切さの成長過程として一体になって取り組んできた課題であるというふうに考えるのですが、いかがなんでしょうか。
○子ども家庭課長 当然、5歳児プログラムに記載してございます内容は、プロジェクトチームで園長先生と現場の先生方の意見を聞いたときも、8割、あるいは8割5分ぐらいは既に実証しているというものを改めて記載をさせていただいたものでございます。
ただ、一方で、現場の保育士さんのお話を聞きますと、これによって改めて認識を深めた、あるいは気づかなかった点も当然中にはあったとということで、保育に十分に生かしていけるという感想もいただいているところでございます。
○さとう委員 5歳児プログラムで、私、こんなことまで指示する必要あるのかなと疑問に思ったことがあるんです。ちょっと抜粋しましたけれども、掲示物は読書週間、オリンピック、宇宙飛行などに関連したものにしなさい。それから、小学校で靴を床に座り込んで靴の脱ぎはきをしないように、できるだけ立ったままで脱ぎはきをできるように。小学校との交流事業や外部の施設に行くときには、和式トイレを使用する機会を意図的につくり指導すること。給食は20分から25分で食べ終わるように。椅子に座って一つの活動を45分間続けることに挑戦すること、などなどです。
保育園の子どもにこういうことをやるということですね。このような細かな、さっき8割とおっしゃいましたけど、残りの2割をこんな指導内容を上から押し付けるということは私はやめるべきだと思うんですけれども、いかがなんでしょうか。
○子ども家庭課長 よく読んでいただきますと、やりなさいという指示調では書いてございません。こういうことが必要ですと。というのは、小学校の先生方からも、小学校に行くと特にお子さんたちが困っているもの、あるいは悩ましいことを挙げていただいた上で、この幼児期の段階から準備を追いながら小学校の生活にスムーズに入っていただくということをねらいにしたものでございまして、これを必ずやりなさいというようなトーンで書いたものではございません。
○さとう委員 それでは、この最後に、プログラム、これを実践するためにところに、活用についてのところで、各園での実践をもとに平成23年度中にプログラムの効果について検証を行い、更なる内容の充実を図るとあるが、今度は、これまでやってきたことを何回やったのか、何人靴の脱ぎはきができたのか、成果として数字であらわす報告書を求めているのではありませんか。
○子ども家庭課長 数字とおっしゃいますが、ある程度の成果指標を見ないと、やはり見える化というところが困難でございます。ただ、漠然と多くできるようになったのでは、何割の子ができるようになったのかというところが明確になりませんし、その原因を分析をしてどう対応していくかというのが我々の役目でございますので、ある程度の成果指標という形での園からの報告は求めてまいる所存でございます。
○さとう委員 私は本当に思い出すんですけれども、学校で競争の教育で様々な問題が起きました。そのときに何があったのかということを私は反省していただきたいと思うんですね。
能力というのは、さっき見えることをちゃんと評価しないといけない、それをきちんと数字としてあらわさなければならないとおっしゃいましたけれども、子どもたち、大人もそうですけれども、能力には見える力と見えない力がある。ご存じでしょうか。何ができるかとなるようになると、見える力はもう一つの見えない力が栄養になって、そして実らせていくものなんです。
それで、子どもの中では、見えない力を育てるために大人とは全く違う時間が流れています。子どもたちの頭の中にはいろいろなことが詰まっているんですね。その見えない力こそが、自主的に自立的に生きていく上で不可欠な力なんですね。しかし、大人は見える力が全てであるように考えがちで、何ができるかということで子どもの発達を推しはかろうとする。少しでも早くその力をつくことが、子どもにとっても良いことだと信じ込んでしまうと言われています。
見えない力をしっかりと見ていく保育をしていただきたいことを申し上げて、次の質問に移ります。
一律的な押し付けでなく、子どもの状況に合わせた保育を
財務報告書、家庭教育推進、37ページですが、「早寝早起き朝ごはん」、これ大変話題になっていますけれども、この報告書によると、区の成果報告書では、基本的な生活リズムの普及啓発により、アンケート調査対象の50%の保育園で、子どもの就寝又は起床の平均時刻が改善されましたとあります。これは昼寝をさせないという取り組みの前の結果ですが、昼寝をしても、保育士と保護者の連携でこのように改善できたということではないでしょうか。
○子ども家庭課長 確かにこの数値は午睡の廃止をやめる前のことでございますけれども、午睡をやめた後の数字はまだ出てございません。そういった形では、この結果をもって午睡とは無関係ということは言い切れないというふうに理解をしてございます。
○さとう委員 せっかく保育士さんたちや保護者さんたちが努力して50%の成果が上がったということを、ちゃんと区は、こういうふうにして報告書に出しているんだから、もっと保母さんたちや保育士さんたち、保護者の人たちを励ましてあげてくださいよ。皆さん頑張ったねって。もっともっと頑張りましょうねということをしてあげていただきたいと私は思うんですね。
それで、昼寝の是非については、一人の教授の考えを保育園の子どもたちに今は一律に押し付けるというような形に私はなっていると思うんですね。
これについても、効果だとか成果の報告を求めれば、絵本の読み聞かせは眠くなるからだめだとか、うつ伏せになったら眠くなるからだめだとか、子どもも保育士も更に保護者もどんどんと追い詰められてしまうのではないでしょうか。
それぞれの子どもの状況に合わせた保育をするためには、ちゃんと廃止したかどうかを厳しく点検することより、園の生き生きとした自主性を発揮することが必要だと思いますが、このちゃんと廃止したかどうか、厳しく点検することをやめる考えはありませんか。
○保育課長 幾つかさとう委員のご指摘についてお答えをさせていただきます。
特定の一人の教授の話ということでございましたが、今手元に資料ございませんが、私どもの取り組みにつきましては、幾つかの大学等の先生方のご意見を聞いたところ、足立区の取り組み自体はいいことだということで評価をいただいている部分もございますので、特定の一教授の話だけで進めているということではございません。
それから、午睡をやめているかどうかを厳しくチェックしているということでございますが、そのようなことは私どもの方ではしておりません。あくまでも午睡のしていない時間をどのように活用していますかというような話はしておりますが、それ以外のことについては私どもでは対応していないところでございます。
○委員長 時間です。
○さとう委員 10秒、今してないとおっしゃったなら、必ずしないでいただきたいということを私は確認したいと思います。本当に今やられていて困っている人たちがいっぱいいますので、よろしくお願いいたします。