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●代表質問−さとう純子議員(2012年9月24日)
◆さとう純子議員 私は日本共産党足立区議団を代表して質問します。
消費税増税法成立後の世論調査でも過半数が増税に反対
民主、自民、公明は3党合意で消費税増税法を強行しました。消費税増税は国民の所得が減り続けている中で所得の低い人ほど負担が重くなる逆進性を一層拡大し、ますます購買力を失います。中小企業は今でさえ消費者や取り引き先企業に価格転嫁できず身銭を切って負担しているのが実態で、平成22年度の消費税及び地方消費税の未納未済額は足立・西新井税務署合わせて51億円を超えています。これが8%、10%となれば廃業に追い込まれるところが続出しかねません。
「増税収入は社会保障充実のため」と言いますが、増税で浮く財源を大型公共事業などに回す条項を法案の附則に盛り込みました。社会保障一体改革関連法の一つである社会保障制度改革推進法は、社会保障解体法とも言えるもので、社会保障の基本は、自助・自立の自己責任であるとして、国や地方自治体の公共責任と財政支出を大後退させる方向を鮮明にしており、医療崩壊、介護難民を生み出す激痛を国民にもたらしかねないものです。このような内容の消費税が実施されたら区民の暮らし、福祉の向上がするはずがないと考えますが区長の所見を伺います。
また、民主党は総選挙で「消費税は増税しない」と約束したにも関わらず野田首相は増税に政治生命をかけるとまで言い公約違反を強行しました。消費税増税法成立後も、どの世論調査を見ても過半数以上が増税に反対で日本共産党足立区議団が区内15万世帯に配布した区民アンケートでも「反対」「どちらかと言えば反対」が76%になっており、大増税への批判は高まり広がっています。
選挙で約束していない重大事項を強行するなら国政、地方政治を問わず住民の審判を仰ぐべきと考えるが、区長の考えを伺います。
平和市長会議総会に出席して核兵器廃絶の意思を強く示す考えはないか
次に、「原発なくせ」の世論は毎週金曜日の官邸前集会など、かつてなく広がり、政府のパブリックコメントでも8割の国民が即時ゼロを求めています。第2回定例議会で区長は「電力需要の高まる夏場を中心に電力不足が懸念される」「日本にある原発の早期全廃は現実的ではない」と答弁をしました。今年はいつもより暑い夏になりましたが、関西や九州などで準備した計画停電は一度もなく、全国の電力は余裕があって、大飯原発の再稼働は必要がなかったことが明らかになっています。
区長は、この現状を踏まえても「早期全廃は現実的ではない」と考えるのか伺います。
広島市及び長崎市は、原爆による悲劇が二度と繰り返されてはならないとの信念をもとに「都市での連帯を通じて、核兵器のない平和な世界を実現すること」を目的に平和市長会議を主宰し、足立区は2010年に加盟しました。
区は今年、平和と安全の都市宣言10周年を記念した区主催のパネル展や講演会を開催し、平和市長会議が呼び掛けた核兵器禁止条約の早期実現を求める署名にも取り組みましたが、これらの平和事業は周年行事にとどまらず、毎年開催してはどうか。また、来年、広島で開催される平和市長会議総会に出席して核兵器廃絶の意思を強く示す考えはどうか伺います。
TPP参加を断念するよう国に求めるべき
次に、TPPは、労働、金融など21もの分野で、関税と貿易を妨げるあらゆる規制をなくそうという拘束力の強い自由貿易協定です。推進派は盛んに「農業のために98.5%の工業が犠牲になる」「関税をなくせば輸出が伸び、アジアの成長を取り込める」などと言いますが、農業だけの問題ではなく、国の主権まで脅かされるような大きな問題をはらんだ非常に危険な協定です。
アメリカ政府は自国の保険会社や製薬企業などの要請を受け、日本政府に国民皆保険制度の縮小や混合診療解禁などを求めており、アメリカの製薬企業は、薬の特許の強化をねらい、知的財産権保護条項によって安価な医薬品、ジェネリックの供給が脅かされます。また、食料自給率は39%から13%に下がり、遺伝子組み換え食品が蔓延するなど、人の命に関わる医療も食料も崩壊するのです。低賃金労働者が外国から入ってくるため日本人の給料はますます下がり、職を奪われて失業者が増えます。外国の企業が地方自治体の公共事業に入ってくることにより、例えば学校や公共施設をつくるための地元業者の工事の落札が困難になります。経済産業省の試算で、国全体の4割の公共事業が海外に開放されるとしています。更に日本がアメリカの民間企業に訴えられるISD(投資家対国家間の紛争解決手続)条項が入っており、自国の政策やルールを国民自身が決めるという、国民主権まで脅かされかねません。交渉内容は秘密裏にされていますが、いったん締結したら後戻りできないのです。だからこそ、47都道府県議会のうち44の議会が反対を決議し、市町村議会の9割が反対をしています。
TPP参加についての質問に区長は「あらゆる産業に対して大きな影響を及ぼす」としながらも「国民的な議論を踏まえて最終的な判断がなされるべき」とし、68万区民の代表としての態度表明は何もありませんでした。
TPP参加の判断を政府に委ねるのではなく、区民の暮らしと営業に及ぼす影響からも交渉参加を断念するように国に求めるべきだがどうか伺います。
新年度予算編成は区民福祉増進を中心に
次に、新年度予算編成についてです。
区民は、年金削減や所得減であえいでいる中、介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料の値上げなどが加わり、ますます生活は厳しいものとなっています。
日本共産党の区民アンケートの結果、67%の方が昨年より更に「生活が苦しくなった」と答え、その理由を年金・給与の収入減と、税金・医療費・公共料金等の負担増としています。特に子育て世代は年少扶養控除の廃止で大打撃です。子ども2人の4人世帯の方は「給料が減ったのに住民税は2倍になり、働いても、働いても税金で持っていかれ、生活ができなくなる。ボーナスもゼロ。家賃が高いので都営住宅に入りたくても外れてばかり。もう貯金もなくなってしまった」など、アンケート用紙からあふれるほど書いています。
しかし、25年度足立区行財政運営方針は「区内経済は穏やかではあるが上向き始め、雇用情勢についても回復の兆しが見え始めている」とし、区民の生活実感からはかけ離れた認識を示しています。また基本理念で自殺防止支援と老朽危険家屋、ごみ屋敷への対策を「今後の施策展開の道標」としています。これらの対策も重要な課題ではありますが、基本理念とすべき中心課題ではないと考えます。
基本理念と言うならば、区民の暮らしを支える区民福祉の増進を図ることを中心に取り組むべきだがどうか答弁を求めます。
また、区は「脱・前例踏襲とスクラップ・アンド・ビルド」を徹底するとして、事業の廃止、縮小、統合等を積極的に進め、新規事業は独自の歳入確保を図るとしています。5年に1回接種する肺炎球菌ワクチン接種を口実に生きがい奨励金を削りましたが、このようなやり方を徹底して新たな区民負担を強いる方向を目指していく考えなのか伺います。
次に、以下のことも新年度予算に盛り込むべきだがどうか伺います。
まず、保険料の大幅値上げで高齢者の生活を圧迫している介護保険料は軽減策を拡充すべきです。足立区の介護保険料の軽減制度は世帯全員が非課税の第3段階以下を対象として、預貯金額は1人世帯80万円以下から3人世帯250万円以下となっており、軽減額は基本的に1ランク下がるのみです。預貯金額も軽減額も極めて少ないと言わざるを得ません。
板橋区では「居住する土地建物以外に所有する土地建物を所有していないこと」との条件はあるものの、預貯金額は1人世帯350万円とし、1人増えるごとに100万円を加えるとしており、3人世帯では550万円までが対象です。更に保険料は全て最低の第1段階になります。足立区も板橋区と同様の軽減策を講じるべきだがどうか。
また、足立区では、世帯に区民税課税者がいる場合、本人が無収入・無年金でも特例第4段階となり年間5万8,200円もの保険料になります。本人のみの預貯金額をもとに軽減制度を適用すべきだがどうか答弁を求めます。
生きがい奨励金は高齢者を励ますのみならず、身近な商店で買物をすることにより、地域経済を循環させるものです。商業団体役員からも「誰が削ったのか」との声があるほどです。4,000円に戻すべきだがどうか。
パーキンソン病は正しく理解し対応することで介護予防やクオリティ・オブ・ライフ(生活の質・生命の質)の向上につながります。パーキンソン病友の会などの関係団体と連携をして最新の医療情報や講演会、友の会活動等を広く周知すべきだがどうか。また、患者会の活動に支援すべきだがどうか。
検診や予防接種支援を拡充することは、病気の重病化を予防し区民の命と健康を守るだけでなく、自治体の医療費支出の削減になることが明らかになっています。
骨粗しょう症は自覚症状があらわれにくく予防が大切です。既に13区で実施している予防検診を導入すべきだがどうか。
高齢者インフルエンザ予防接種を無料にすべきだがどうか。
子宮頸がん予防ワクチン接種と同様にヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンも無料にすべきだがどうか。
次に、補聴器を必要とする難聴者は全国で2,000万人近く存在すると言われていますが、約半数の人に自覚がなく補聴器を使用している人は必要な方の2割に満たない現状があります。
特定健診項目に聴力測定を入れ、聞こえについて自覚を持ち耳鼻咽喉科の受診や補聴器の相談など、適切な対応ができるようにすべきだがどうか。
磁気ループは、補聴器や受信機があれば、雑音の少ない音を聞くことができるもので、既に17区で公共施設等に設置していますが、職員が磁気ループの活用を認識していない場合があると聞きます。区も公共施設に設置するとともに、十分に活用できるよう周知徹底すべきだがどうか、以上、答弁を求めます。
要援護者の福祉避難所整備、高齢者の避難支援策の実施を
次に、前議会での要援護者の福祉避難所の質問に対し区は「障がい者施設との調整と協定締結」「各施設からの要望を聞いて年度内に整備」と答弁しました。しかし、精神障がい者の対応については福祉避難所を用意する姿勢はおろか、今年8月の時点でも、当事者の意見を聞くことすら行っていませんでした。議会質問には「医療機関との協議」との答弁を繰り返していますが、早急に当事者の意見を聞き、精神障がい者の福祉避難所を整備して周知すべきだがどうか。また、防災訓練に参加できる仕組みをつくるべきだがどうか。
第二次避難所(福祉避難所)に指定している施設の中には、江南中のように第一次避難所と兼用の学校や、備蓄品が置かれていない福祉作業所など、福祉避難所に値しない実態があります。早急に改善を図るべきだがどうか。
認可外保育施設などの避難対策を明確にし、乳幼児用の備蓄品を備えた避難所等の指定をすべきだがどうか伺います。
高齢者からの区民アンケートの声に「町会から避難訓練のお知らせが来ても1人で歩いていけません。私のような者は、じっと助けを待つだけなのでしょうか」とあるように在宅の高齢者も避難弱者です。避難訓練に歩行が困難で参加できない高齢者などの把握をして、マニュアルや避難訓練など対策を講じるべきだがどうか伺います。
木造密集市街地対策は大型道路でなく防災まちづくりの視点で
次に、木造密集市街地対策についてです。
東京都が示した木密地域不燃化10年プロジェクトは、都心部から放射線状に延びる主要な大型幹線道路を貫通させるもので、密集地域そのものの改善ではないと言えます。しかも、10年間で完成させるために「土地収用法に基づく強制収用の適用となり、事業の実効性を確保する」としており強制力を伴う事業で、他の自治体からも懸念の声が上がっています。
発表された足立区内の路線には既存の道路が全くない地域も多く、10年間で完成させるには多くの課題があります。事業の実効性を優先するのではなく、従来のように住民合意を最大限生かすべきだがどうか答弁を求めます。
大型道路をつくらなければ密集地域を解決できないわけではありません。関原一丁目のまちづくりのように、住み慣れたまちに住み続けられる密集地域の改善を行い、コミュニティを生かした災害に強いまちづくりを行うべきと考えますが、答弁を求めます。
住宅の耐震化、防火、避難所の増設を
次に、住宅の耐震化について伺います。
住宅の耐震化を進めるためには、無接道敷地等にある住宅の改善を図る必要があります。我が党が耐震改修工事助成の接道要件の緩和を繰り返し求めてきたのに対し、前議会では「建物耐震化や区独自の老朽危険家屋対策事業を合わせて実施し、木造密集地域の改善を図る」と答弁をしました。一刻も早く無接道の建物や道路要件に満たない建物の緩和策を図り、耐震や防火性能を備えたまちづくりを支援すべきだがどうか伺います。
次に、東日本大震災で無事に避難したにも関わらず、その後に亡くなった震災関連死は遺族に災害見舞金が支払われたものだけでも1,632人に及びます。避難のために移動や避難所での劣悪な生活環境のために命を失わせるような事態は絶対に防がなければならないと考えます。そのためには、避難所生活での肉体や精神の疲労を解消する施策を立てる必要があります。しかし、1カ所に1,000人以上を収容するという第一次避難所が128カ所中86カ所もあり、これでは詰め込み過ぎと考えます。ゆとりを持った第一次避難所となるように増設をすべきだがどうか伺います。
目標を立てて低エネルギー社会づくりを
次に、低エネルギー社会を目指して質問します。
低エネルギー社会を実現することは原発依存からの脱却、節電・電力対策のみならず、温暖化対策を進め、低炭素社会を実現することになります。
都市部においては、太陽光など自然エネルギーの活用を高めることと省エネルギー化を相乗的に進める必要があると思うがどうか。
また、クーラーがあるのにスイッチを入れずに熱中症で亡くなる方が後を絶たないなど、節電ではなく節約をしている実態があります。区民や区内事業者に我慢を強いるのではなく、積極的なインセンティブで、生活全体の省エネ化を応援していくことが必要だと思うがどうか伺います。
環境基本計画の中間見直しに当たり、CO2削減の中長期目標を設定するべきだがどうか。また、合わせて自然エネルギーによる発電量や省エネ・省電力化など、区民の頑張りが目に見える目標数値を持って取り組むべきだがどうか答弁を求めます。
太陽光発電を家庭で導入するには100万円以上の初期投資の自己負担がかかります。自然エネルギーの普及拡充のためには、経済力に左右されず、誰もが参加できる仕組みを構築することが必要です。
先進自治体に学んで、初期投資なしで太陽光パネルを設置できる仕組みを区としての支援策を強化してつくるべきと考えるがどうか。
また、市民ファンドの設立を支援する考えはどうか。
区の太陽光パネル設置目標は、現在の戸数増だけでなく、多くの先進自治体が取り組んでいるように、住宅戸数に対する設置率を明確にして取り組むべきだがどうか伺います。
新築エコ住宅建設に助成を
次に、省エネと言えば大型家電や車ばかりに注目が集まりがちですが、人生で最も長い時間を過ごす住宅環境への影響が少ない生活やエコライフ(冬暖かく、夏涼しい)にすることの支援を拡充すべきです。
そこで、新築エコ住宅建設に助成してはどうか伺います。また、既存の住宅についても、以下、提案します。
断熱効果の高い塗装(地球温暖化防止設備)への助成は、既に23区中12区で、個人・法人の屋根、屋上に実施しており、加えて外壁にも助成しているのは5区あります。足立区でも実施すべきだがどうか。
熱伝導率が高く断熱性の低いアルミサッシを改善することは重要です。切替えを促進するために、区が助成している複層ガラス、二重窓、遮熱フィルム(助成対象経費の2分の1、上限2万5,000円)に木製枠やトリプルガラス樹脂の活用を加え、助成額も増額すべきだがどうか。
屋上緑化・壁面緑化助成を更に区民に周知し強化すべきだがどうか。
これらエコ住宅化への改修事業助成は、地域経済循環と活性化のために区内事業者の場合に助成額を上乗せすべきだがどうか答弁を求めます。
低エネルギー化製品の多くが大企業の独占となっており、意識的に取り組まなければ地域経済活性化につながりません。区内産業でつくれば雇用を生み出すこともできます。循環型地域経済の構築で低エネルギー化を進めるべきだがどうか伺います。
パッシブ木造住宅の建設は、木工業の再生、伝統産業の再生となるもので、足立区版エコ住宅の研究、研修を区民のたくみの力を集めて行い、モデルハウスを建設してはどうか。また、LED街路灯など、低エネルギー製品開発を異業種交流等で実現できるように支援すべきではないか。更に、小水力発電、バイオエネルギーなど、自然エネルギーへの開発に支援すべきと考えるがどうか。以上、答弁を求めます。
子どもが生き生き学べる教育環境を、いじめ件数を学校評価につかうな
次に、教育について質問します。
大津市立中学校の男子生徒の自殺事件を契機に、今、いじめ問題が改めて国民的問題となっています。足立区もひとごとではありません。
教育長は足立よみうりのインタビューに答えて、いじめ件数は全都との比較で、中学校は平均より高い、小学校は平均より低いと評価しています。しかし、大津市の事件では、被害生徒が「いじめではない」と主張し、学校側は「けんか」と判断していました。いじめ被害者が、いじめを否定することはめずらしくありません。思春期の、しかも暴力にさらされた子どもへの理解がどうだったのかが問われます。
いじめ問題の解決には、子どもたちの内面の切なさや苦しさを受け止め、寄り添って生活丸ごとつかんだ深い子どもへの理解が重要だと思うがどうか。
いじめによる自殺が後を絶たず、いじめが表面化せずに深刻化している原因の一つとして、学校と教員をいじめ件数で評価する方法に問題があると言われています。足立区教育委員会も、いじめ件数を学校評価としているのか。
文部科学省が行った不登校児童・生徒の調査で、学校からの報告でいじめが原因としたのは僅か2.3%ですが、内閣府が不登校の中高生本人のアンケート調査では複数回答で、友人からのいじめが45.9%、部活などでのいじめが17.4%となっています。このことからも明らかになったのは、児童・生徒本人の声をどのように把握するのかにあると考えるがどうか。また、安心して相談できる人や場所などの環境づくりも必要だと思うがどうか。
教師の多忙化が、子どもがいじめを受ける心の傷の深さの情報を共有する機会すら奪われているとの指摘があります。教師たちが毎日、子どもと生き生きと関わる時間を豊かに保障することが大切だと思うがどうか。以上、答弁を求めます。
次に、区は「経済的に困難な子どもの都立難関校突破支援」としてはばたき塾を始めました。塾には126人の申込みがありましたが、学力診断テストの結果40人は「合格のレベルがない」として受講させませんでした。「経済的困難な子どもを塾に」というのなら、東京都の学習塾や受験費用を貸付ける受験生チャレンジ支援貸付事業があり、返済も免除できる制度です。経済的に困難な子どもの支援というより超難関校合格が主な目的であることは明らかです。このような、公教育が行うべきではない内容のはばたき塾は今年度のみで終了すべきだがどうか答弁を求めます。
30人学級前提に、千五小の統廃合は撤回を
千寿第五小学校の統廃合計画の撤回を求めて質問します。
千寿第五小統廃合計画は、その一環であるプールの解体工事に対し、地域住民から差止めを求める仮処分の申立てが裁判所に起こされるという前代未聞の事態となりました。解体工事は、議会での学校設置条例の改正の議決もない中で、保護者や子どもたちが「せめて夏休みに入ってからにして欲しい」「僅か4日間だけ待って欲しい」というささやかな願いも全く聞き入れられずに強行しました。暑いさなかにプールは壊され、プール授業は五反野小で期間も短縮されて行われましたが、急な環境の変化に子どもたちはどんなに困惑したでしょうか。プールの解体を急いだのは、五反野小との統合で児童数が750人となり、来年4月までにプレハブ校舎を完成しなければおさまらないからであり、このこと自体が、小規模の統廃合ではないことを示しています。プレハブ校舎の建設に伴う教育環境の悪化はすさまじいもので、校庭はほぼ半分に狭められ、遊具も全て撤去され、屋上に移動した鉄棒も子どもたちは自由に使えません。これからの2年半をこの状態で子どもたちは過ごさなければなりません。
旧文部省は「学校統廃合を計画する場合には、十分に地域住民の理解と協力を得て行うように努めること」等の通告をしています。
開かれた学校づくり協議会は、まさに地域住民で組織されており、設置の目的は「学校、家庭、地域が一体となって、学校を支え、支援すること」としています。千寿第五小の協議会が「支え、支援すべき学校をなくすことに賛成はできない」というのは当然です。しかし、教育委員会は、統廃合計画に反対する千五小の今年度の開かれた学校づくり協議会委員の推薦及び委嘱を拒否したのみならず、子どもたちや保護者、地域住民のために使う目的の開かれた学校づくり協議会補助金(運営費、家庭教育部会、土曜事業、情報交換会活動補助金、合計30万5,000円)を一切支給せず、講演会の講師謝礼を要求しても認めないという差別と排除までしています。これが教育委員会の言う「子どものより良い教育環境」のためのやり方です。プールが壊された今でも地域住民への説明はなされず、保護者や住民の不安と怒りの中「子どもを守ろう」と立ち上がるのも当然のことではないでしょうか。
千五小の統廃合について住民から本訴訟が起こされることは必至であり、このような場合の前例によれば議会は判決を待って対応してきました。また、文部省の通達に照らしても拙速な強行は避けるべきであると考えます。今からでも遅くはありません。今議会に提出を予定している、千寿第五小を統廃合する「足立区立学校設置条例の一部を改正する条例」の提案を撤回すべきだがどうか。区長の決断を伺います。
また、「これからの25年間を考える適正規模・適正配置のガイドライン」は撤回して学校を廃校にしない30人以下学級を前提にした真に子どもたちの教育環境を良くするためのガイドラインに改めるべきだがどうか答弁を求めます。
子ども・子育て新システムは実態に応じて運用を
次に、子ども・子育て新システム関連法は一定の修正はなされたものの、本質的な問題点は変わっていません。
区は子ども・子育て新システムについての質問に待機児童については「計画の中で取上げ区として責任を果たしていくことに変わりはない」と答弁してきましたが、以下の6点について、それぞれどのように対応し、保育への責任をどのように果たす考えか伺います。
復活した保育実施義務は認可保育園での保育と、これ以外の家庭的保育事業などによる保育確保措置と並列に置くものですが、区の考えはどうか。
現在は、認可保育所に入れない場合、認可外保育施設からの再度認可保育所を希望すれば入所の優先順位が高くなりますが、新システムでは「選考で優先させることにはならない」と認可保育園に移ることは困難になることが懸念されますが、区は現行どおり優先すべきだがどうか。
児童福祉法による施設補助規定(4分の3補助)がなくなり、私立認可保育園の施設整備補助は施設型給付費に包括されますが、増設や改修、建て替えに支障を来たすことがないようにすべきだがどうか。
3歳未満児の受皿の中心を認可外の保育施設に移すことにより、足立区で示されたように3歳児問題が生じてくるがどうか。
地域型保育給付を企業の配当や、その他の事業に流用できるようになり、税が保育以外に使われることもあり得るが、このような税の使い方を認めるのかどうか。
「保育は自己責任」を原則とし、利用者と施設の直接契約、利用者補助方式、支給認定制度も原案どおりであるが、区の考えはどうか。以上、答弁を求めます。
次に、待機児童解消アクション・プラン改訂版についてです。
区は、認可保育園に内定が得られなかった保護者の実態調査を実施し、分析しました。判明したのは、認可保育園に入れなかったために「就労形態を変更」「仕事を辞めた」等であり、認可保育園を希望した第1の理由で最も重視したのは保育料であり保育内容となっています。
制定された待機児童解消アクション・プランは認可外保育所や小規模保育室・保育ママなどでの対応であり、実態調査の分析結果と乖離があると考えますが、答弁を求めます。 待機児解消は、認可保育園の増設と認可外保育施設の保育料負担の軽減を図るべきだがどうか。また、待機児解消につながらないアクション・プランは、このまま実施すべきではないと思うがどうか伺います。
放射能汚染箇所の除染実施、内部被ばくから子どもを守るために給食検査を全施設で
次に、放射能汚染、内部被ばくについて伺います。
原発事故から1年半たった今、事故直後には汚染が見られなかった場所で次々に新たな汚染スポットが見つかり、区民の放射能汚染の不安は解消されていません。区民との協働で放射能対策を進めるために放射能測定器の貸出しをすべきだがどうか。また、測定結果に基づく除染、低減対策をすべきだがどうか伺います。
学校給食の放射能測定全校検査は、既に23区中18区で実施しています。区も危険な内部被ばくから子どもを守る立場に立って、早急に全校実施をすべきだがどうか。また、給食を提供している保育施設、認可外を含め実施すべきだがどうか答弁を求めます。
区民が持ち込んだ食品を測定できるよう文部科学省が定めた放射能線基準値まで測定できるゲルマニウム半導体測定器を区内各保健総合センター・衛生試験所に設置すべきだがどうか伺いまして、この場からの質問を終わります。
●答弁
◎近藤やよい区長 さとう純子議員の代表質問のうち、消費税増税についてのご質問にお答えをいたします。
まず初めに、このような内容の消費税増税が実施されたら区民の暮らし、福祉が向上するはずがないと考えるが、区長の所見はいかがかという質問でございますけれども、諸給付をはじめとした社会保障制度改革の詳細に関しましては、今後の国会での議論により制度の深化が図られるものと考えており、その動向を注視してまいります。
当然のことながら増税というのは、どなたにとっても痛みを伴うものでございます。けれど、この今回の消費税の増税につきましては、このままでは様々な負担を孫子の世代に預けざるを得ないという判断のもとからされたものだと考えておりますので、こうした当初の増税に関する目的が達せられるような改革であってもらわなければ困るということで、当然のことながら、ただ単に向上するはずがないというふうに決め付けるのではなくて、向上すべく、向上されるように、今後の議論が深まるよう、必要とあれば声も上げていく必要があるというふうに考えております。
また、選挙公約は区民との約束である以上、長としてその実現に最大限努力をすることは当然の責務であると考えております。しかしながら、国や地方を取り巻く社会情勢や経済情勢をはじめとする様々な要因が刻々と変化する中にあって、当初の公約にとらわれ過ぎる余り、大局を見誤ることがあってはならないことも常に肝に銘じております。状況の変化を丁寧に住民に発信し、理解を得ることに最大限努めることが重要であり、審判を仰ぐべきかどうか、つまり住民の審判を仰ぐべきかどうかにつきましては、地方行政においてはその状況の変化がどの程度のものであるかというものを十分に勘案した上で諮るべきときは諮っていくという考え方で立っております。
他のご質問につきましては、参与より答弁をさせていただきます。
◎長谷川勝美政策経営部長 私からは、初めに、原発に関するご質問にお答えいたします。
9月7日で関西電力など西日本の電力6社の目標値を定めた節電期間が終了し、危惧されていた計画停電は回避されましたが、これは、国民の節電努力に加えて、大飯原発の再稼働や火力発電所の故障が少なかったことが要因との報道があります。一方「大飯原発の再稼働なしでも電力不足にはならなかった」という報道もあり、極端に異なった情報が錯綜する中、区民生活に責任を有する区といたしましては、慎重に対応すべきと考えております。
原発に頼らないエネルギー供給体制は一日も早く構築すべきと考えますが、電力不足が生じれば、社会全体に大きな混乱を招くことが予想され、更に、電気料金の値上げ、温室効果ガスの増加など、解決すべき問題も山積しております。
したがいまして、安定的な電力供給を行いつつ、段階的にエネルギーの転換を図っていくべきとの考え方に変わりはございません。
次に、TPPに関するご質問についてお答えいたします。
TPPの参加につきましては、平成23年第4回定例議会において答弁をいたしましたが、その後の状況に大きな変化は見られません。
あらゆる産業に対して大きな影響を及ぼすという認識に変わりはないことから、政府において諸課題について慎重に検討し、国民的な議論を踏まえて最終的な判断がなされるべきという見解に変化はございません。
最後に、新年度予算編成方針についてお答えいたします。
これまで行政が立ち入らなかった領域にも踏み込まざるを得ない新たな区民ニーズが生じております。自殺防止支援や老朽家屋への対策は、まさに新たな課題であり、区民の暮らしを支え、福祉の増進を図る先駆的な取り組みとして、今後の施策展開の道標になると考えております。
厳しい財政状況の中で、今後、新たな区民負担をお願いする場合も想定されますが、国や都の補助金の確保や広告収入の拡大など、独自の歳入確保にも最大限努めてまいります。
◎定野司総務部長 私からは、平和事業についてお答えいたします。
平和事業につきましては、平和市長会議への加盟を契機に、周年事業とは別に、平和関連パネル展示の充実を図りました。来年も、8月に原爆被爆者団体が開催する平和関連の展示会と時期を合わせ、区主催のパネル展示を継続して開催する予定です。
また、加盟後、初めて参加する来年の平和市長会議総会では、核兵器廃絶を目指す他の自治体と連携し、活動していく所存です。
◎西野知之福祉部長 私からは、まず、介護保険料の軽減策についてお答えします。
足立区の軽減制度では、第1段階から第3段階の方を対象とし、それぞれ1段階下の保険料を適用していますが、更に、収入や資産が一定基準額を下回る場合には、第1段階の保険料を下回る額を適用することとしております。
こうした本人の収入や資産の状況をきめ細かく勘案した制度であり、第1段階以下の保険料を適用する場合もあること、更に軽減制度の財源が第1号被保険者の介護保険料のみであり、介護保険財政への影響があることから、現時点では制度を変更することは考えておりません。
次に、特例第4段階の軽減制度の適用についてですが、普通徴収における世帯主などの連帯納付義務が介護保険法で定められている趣旨から、課税者のいる世帯に、ご質問のような軽減制度を適用する考えはございません。
次に、磁気ループについてお答えします。
磁気ループは、補聴器や専門の受信機を利用し、聞こえを支援する設備で、耳が不自由な方の社会参加に大変有効な機器です。
現在、区内公共施設では、竹の塚障がい福祉館と障がい福祉センターに常設しており、更に今年度、様々な場所に設置可能な携帯型磁気ループを購入する予定です。
今後、区内の公共施設で利用していただくよう、ホームページでPRするとともに、障がい者団体へも周知を図ってまいります。
◎丸山亮地域のちから推進部長 私からは、生きがい奨励金についてお答えいたします。
生きがい奨励金については、平成24年第1回足立区議会定例会において改正した「足立区生きがい奨励金支給に関する条例の一部を改正する条例」により実施しており、もとに戻す考えはありません。
◎三橋雄彦 衛生部長 私からは、まず初めに、パーキンソン病患者支援につきましてお答えいたします。
広く一般区民を対象として、パーキンソン病について講演会を開催し、正しい医学的知識を啓発普及することで、早期発見につなげております。この際にも、保健師による療養相談、家庭訪問等を周知しています。
患者会の支援につきましては、会の意向を踏まえ必要な支援等について検討してまいります。
次に、健診と予防接種についてお答えします。
初めに、骨粗しょう症検診につきましては、検査方法が様々であり、どの検査方法及び対象年齢が効果的であるかなどが検証されておらず、区で検診を実施することは考えておりません。
次に、高齢者インフルエンザ予防接種については、23区相互乗り入れのため、東京都、都医師会及び特別区の3者で自己負担額について決めております。区としては無料化することは考えてございません。
子宮頸がん等3ワクチンにつきましては、足立区では平成23年度4月接種分から接種費用助成事業を開始いたしました。ワクチン接種費用の半額相当の自己負担をお願いしているヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンについては、国の予防接種部会において、定期接種とするよう提言がされていますので、国の動向を注視してまいります。
次に、ゲルマニウム半導体測定器の設置についてお答えいたします。
市場に流通している食品は国や産地の自治体が検査し、放射性物質の基準を超過した食品は販売されないように措置されております。このため、区民が持ち込んだ食品を検査するための測定器を設置する考えはありません。
◎日比谷松夫区民部長 私からは、難聴福祉に関するご質問のうち、特定健診に聴力測定を入れることについてお答えします。
特定健診は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の要因としての内臓脂肪型肥満、いわゆるメタボリックシンドロームに着目した健診として実施しております。このため、特定健診においては、目的の異なる聴力測定を健診項目に入れる考えはありません。
◎川口弘危機管理室長 私からは、震災対策のうち、まず、精神障がい者の福祉避難所の整備についてお答えします。
地域防災計画の改訂に際して精神障がい者団体のご意見を伺ってまいります。精神障がい者本人の状態が安定しない場合には、医療機関での対応が必要との認識は変わりはなく、引き続き専門医との協議を進めてまいります。また、防災訓練への参加については、本年の総合防災訓練に参加いただけるよう関係機関に協力を依頼してまいります。
次に、第二次避難所(福祉避難所)の改善についてですが、地域によっては適当な施設がなく、第一次避難所と兼用している場合もあります。こうした避難所では、援護を必要とする方々に配慮した場所の割り振りを行うよう、避難所運営本部にお願いをしております。また、備蓄物資については、スペースの問題もあり、難しい施設もありますが、引き続き調整を図るとともに、新たな避難所施設の確保についても、更に努力してまいります。
次に、認可外保育施設の避難場所についてですが、認証保育所、小規模保育室については、公立保育園へ配布している「災害発生時対応マニュアル」を各施設に配布するなど、災害対応の情報提供をしておりますが、今後、災害時の避難場所等の周知についても行ってまいります。
次に、高齢者等の避難所運営訓練への参加につきましては、歩行困難な方もこれまで以上に参加しやすくなるよう、補助者の設定や実施チラシの工夫を避難所運営本部に働き掛けてまいります。
次に、避難所の増設についてお答えします。
避難所の生活環境が劣悪なことによって命が失われることがあってはなりません。発災直後の数日間は、相当数の避難者が想定され、ある程度厳しい生活環境になることもあり得ますが、その後には、プライバシーの問題や精神的なケアなど、避難生活を続けるために必要な施設・機能を確保し、第一次避難所での生活が困難な方々は、速やかに第二次避難所(福祉避難所)に移動していただく計画です。
避難所の充足に向けては、指定を増やしていくと同時に、建物倒壊防止や延焼防止等により、避難者そのものを減少させる対策が必要であり、今後も急ぎ取り組んでまいります。
◎岡野賢二都市建設部長 木密市街地対策に関するご質問にお答えいたします。
今回、公表された特定整備路線候補区間について、事業を実施する際には、対象地域の住民に対し十分な情報提供と説明を行い理解を得るよう、東京都に対し要請してまいります。
次に、都市計画道路は、延焼遮断帯の形成や避難路の確保など重要な施設であり、早期に整備する必要があると考えております。合わせて、不燃化や耐震化を促進させることで、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
◎服部仁建築室長 私からは、無接道敷地に建つ住宅の改善についてお答えいたします。
区は、独自の老朽家屋対策事業や建物の耐震化を積極的に推進しており、木造密集地域の改善に努めております。
しかし、区内には無接道であることにより建て替えのできない家屋が多く存在します。建築確認と異なる建物や無確認で建築された建物は、耐震改修工事助成の対象外であり、老朽化の進行により地域の防災上の問題につながっています。
このため、来年1月から復興税を活用し、無接道敷地に建つ木造住宅に対し、時限的に解体除却の助成限度額を上乗せするための予算を今回の補正予算案に計上させていただきました。
また、既に無接道敷地の状況把握に着手しており、今後は実態把握に基づき、建て替えの実現に向けた課題を明らかにして、対応策を検討してまいります。
◎工藤信環境部長 私からは、まず初めに、低エネルギー社会の実現についてお答えいたします。
再生可能エネルギーの活用と省エネルギーの推進により、化石燃料由来のエネルギー使用量を減らしていくことは、低炭素社会の実現と地球温暖化対策につながるものと考えます。
低エネルギー社会を生き抜くためには、我慢をするという考え方ではなく、これまでのライフスタイルを見直すなど、環境に対する高い意識を持ち続けていただくことが大切です。そのきっかけづくりとなる取り組みを更に進めてまいります。
次に、環境基本計画の中間見直しについてお答えいたします。
二酸化炭素排出量削減の中長期目標につきましては、国の中長期的なエネルギー政策が不透明な状況の中で、今回の中間見直しで設定すべきかを環境審議会で検討していただくことにしております。
また、今回の見直しにおいて、区民の皆様の努力がより実感できる電気・ガスなどのエネルギー使用量及び太陽光パネルによる発電量の目標数値を設定していきたいと考えております。
次に、太陽光発電などの支援策について一括してお答えします。
本年7月から再生可能エネルギーにより発電された電気の固定価格買い取り制度がスタートし、太陽光パネルの価格が下がるなど、太陽光発電設置に係る環境が整備されてまいりました。今後は、初期設置負担額を軽減する新たなモデルの検討など、より効果的な支援に取り組んでまいります。
なお、区が市民ファンド設立の支援をすることは考えておりません。
次に、太陽光パネルの設置目標についてですが、環境基本計画の中間見直しでは、区内の太陽光発電による電力を推計し、区内の電気使用量に占める太陽光発電の割合を目標とする予定でございます。このため、設置率を目標にすることは考えておりませんが、参考指標として把握に努めてまいります。
エコ住宅に対する支援について一括してお答えいたします。
まず、新築エコ住宅及びエコ住宅改修における助成についてですが、東日本大震災以降、様々な省エネ建材や機器の開発及び導入の動きがございます。また「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の改正の動きもあり、建築建材等に係るトップランナー制度や義務化も検討されております。
これらの状況を注視するとともに、今年度の助成制度を検証し、幅広い視点から、より効果の高い助成制度の在り方を、来年度に向けて検討してまいります。
区内事業者に対する上乗せ助成につきましては、既に太陽光発電などで実施しておりますので、引き続き行ってまいります。
次に、屋上緑化・壁面緑化助成についてお答えいたします。
屋上緑化・壁面緑化助成の周知につきましては、あだち広報、区のホームページの他、緑化計画の提出時及び土地区画整理事業の説明会で行っております。今後、様々なイベントにおいてチラシを配布するなど、更なる周知に努めてまいります。
なお、今後は省エネ住宅に係る支援などとの整合を図りつつ、効率的な助成方法を検討してまいります。
次に、区内中小企業との協働について一括してお答えします。
環境基金助成制度では、区民や区内事業者が行う高環境を実現するための先導的な取り組みについて、環境基金審査会の審査を経て経費の2分の1を助成しております。この補助制度を広くPRし、区内の事業者の育成の一助となるように努めてまいります。
パッシブ住宅のモデルハウスの建設につきましては、関係団体に提案してまいります。
また、低エネルギー製品の開発支援につきましては、環境基金補助や中小企業支援事業を広くPRしてまいります。
小水力やバイオエネルギーなどへの開発支援につきましては、今後の研究課題とさせていただきます。
次に、放射線測定器の貸出しについてお答えします。
当区では、いわゆるミニホットスポットなどを他区に先駆けて今までに9,000カ所以上に及ぶ測定を行い、公表しているところです。
また、本日9月24日からは、車に搭載して測定する機器(走行サーベイ)を国から借受け、測定をしております。
万が一、数値が高い場合は速やかに除染などの対策を講じ、区民の皆様が安心して生活できる環境づくりに努めております。
したがいまして、今のところ貸出しは考えておりません。
◎青木光夫教育長 私からは、まず、いじめ問題への対応についてお答えをさせていただきます。
学校におけるいじめ問題の解決には、子どもたちの抱える問題に寄り添い、より良い解決の方策を見つけることが重要だと思っており、いじめの早期発見・早期解決のために、引き続きアンケートや個人面談を定期的に行うとともに、子どもたちの思いや苦しみをいち早くつかめるよう相談体制の充実を図ってまいります。
次に、学校統廃合のご質問にお答えをいたします。
本統合計画は、千寿第五小学校が平成14年度以降11学級以下の小規模状態が続いていることや、周辺小学校の学区域の子どもの数等を踏まえた計画でございます。また、今後多くの小・中学校が施設更新時期を迎えることから、築50年を超えた校舎を有する千寿第五小学校の課題解決も踏まえた統合計画として策定したものであります。
千寿第五小学校のプール解体工事等の禁止に関する仮処分命令申立てにつきましては、去る8月13日付で東京地方裁判所から却下の決定が出されました。本統合計画の推進における足立区の考え方が適正に判断されたものと認識をしております。
したがいまして、足立区立学校設置条例の一部を改正する条例案を撤回する考えはございません。また、適正規模・適正配置のガイドラインの撤回及び30人以下学級を前提とした統合計画に見直す考えもございません。
今後、法令等を遵守しながら、適切に千寿第五小学校と五反野小学校の統合を進めてまいります。
◎鈴木一夫学校教育部長 私からは、初めに、いじめ件数を学校評価としているのかとのご質問にお答えをいたします。
足立区教育委員会といたしましては、いじめの件数で学校の評価をすることはしておりません。
現在、学校での「いじめアンケート調査」を6月、11月、2月の年3回を定期的に行っておりますが、ご質問のとおり、子どもの声を十分把握するには、聞き方や設問の仕方などに工夫が必要だと考えております。子どものサインを見逃さず、声を的確に把握するため、アンケート内容について、一層の改善に努めてまいります。
次に、環境づくりにつきましては、子どもがいつでも相談できるよう、いじめ相談連絡先一覧表を子どもたちへ配布するとともに、人権教育プログラムにあるいじめ発見のポイントを、校長会を通して学校に示しております。
また、学校内に「相談室」を設置し、担任以外にもスクールカウンセラーや養護教諭等に話せる環境づくりなど、教育委員会といたしましては、引き続き安心して相談できる環境整備に努めてまいります。
次に、教員が子どもと関わる時間についてですが、ご質問のとおり、教員が子どもたちと関わる時間を保証することは大変重要であると考えております。現在、学校では、会議や行事の精選、事務処理の効率化を図るなどして、教師が子どもたちと向き合う時間の確保に努めております。
また、教育委員会といたしましては、現在、校務支援システムの導入を進めているところでございます。
次に、足立はばたき塾についてですが、足立はばたき塾の参加に当たりましては、生活保護や就学援助の受給家庭に限定したり、所得制限等で一線を引いたりすることは、子どもたちの生活実態と異なる場合もあるため、学校との連携によって、広く生徒の生活環境等を把握して進めております。
また、超難関校合格が目的ではなく、実力はあるものの、その生徒を取り巻く環境により、都立高校進学指導重点校などへの挑戦を諦めている生徒たちに対しての支援が目的であります。
学力の下支え施策を十分に進めた上で、家庭の経済条件による学習環境の格差などの解消に努めることは、公教育の重要な責務と考えており、来年度も実施してまいります。
また、やる気がありながらも、残念ながら入塾できなかった生徒たちのために「日曜補習塾」を5月から開始いたしました。毎週日曜日の午前中に、千寿本町小学校の教室を借りて、数学と英語の授業をそれぞれ60分実施しており、引き続き支援してまいります。
次に、学校給食の放射能測定につきましては、これまでもご答弁していますように、本年1月に実施し、安全性は確認しております。
また、全校を調査している区におきましても、毎日検査しているわけではなく、1学期に1回程度が大半を占めているところでございます。
既に、各都道府県における農産物や水産物の検査体制が確立し、放射性物質の基準値を超えた食品は出荷制限されているため、状況に変化がない限り、保育施設も含め、給食の放射能測定を行う考えはありません。
◎村岡徳司子ども家庭部長 私からは子ども・子育て新システムに関するご質問について一括してお答えいたします。
ご質問の趣旨は、教育・保育給付に関するものと理解しております。教育・保育給付は、保護者が教育・保育サービスの利用を自治体に申請し、自治体から保育必要量の認定を受け、その認定に基づき施設を利用した場合、公的な給付を受けられる仕組みとなっています。その認定の方法については国から示されておりませんが、何らかの判断が求められると考えております。また、教育・保育給付には、幼稚園、保育所、認定こども園への給付である施設型給付と保育ママや小規模保育など地域型給付があり並列されておりますが、認可外保育施設が制度として位置付けられることとなり、保育サービス全体が充実されたものと認識しております。企業の配当の取扱いについては、現時点では国から情報を得ておりません。
施設整備補助に関する児童福祉法の規定については、現行どおり4分の3以内の補助に変更はないと認識しております。また、ご指摘の3歳児問題につきましては、子ども・子育て支援法等関連法律整備法案修正案では、自治体が必要な措置を講じなければならないなど、自治体の責任について規定されており、引き続き区が責任を持って対応してまいります。
なお、認可保育園につきましては、保育は自己責任となるのではなく、現行どおり自治体が保育の実施義務を担うことに変更はないと認識しております。
次に、待機児童解消アクション・プランに関するご質問に一括してお答えいたします。
改定したアクション・プランにおいても、認可保育園の具体的な数を記載しており、アクション・プランと待機児童実態調査の分析結果とに乖離があるとは考えておりません。また、認可保育園を整備する場合の考え方や、認可外保育施設の保育料負担の軽減の検討についても示しており、今後もアクション・プランに基づいて取り組んでまいります。
●再質問
◆さとう純子議員 再質問させていただきますが、まず初めに、消費税増税について、区長は、国の成り行きを注視するというふうにおっしゃっていましたけれども、私も質問で言いましたとおり、社会保障制度を充実するのではなくて、解体法とも言えるものだと、それから、消費税として集めたにも関わらず大型公共事業などに注ぎ込む、そういう内容も入っていますよと。ですから、区民の暮らしは本当に守れるんですかというふうに質問しましたので、国の社会保障がどうなるか注視するということで、それが区長の判断なのか、もう一度、答弁をお願いしたいと思います。
それから、核兵器もない原発もない社会を目指してということで、私は、区長が前議会でこのように答弁しているので、今の時点で早期全廃は現実的ではないという答弁をしましたので、区長の言葉で、本当に、今そんなふうに考えているのか。大飯原発の再稼働も必要がなかったということは明らかですし、節電というか、そういう停電の企画したことも全部やらなくても済んだという、この実態を踏まえて、区長の考えを伺いたいと思います。
同じように、TPPについても、前回と変化はないというふうにおっしゃいましたけれども、前回答弁をいただいたのは、2011年の第4回の定例議会です。その後、内容が非常に明らかになってきた。その中で各都道府県など、また、各自治体で、このように長としての意見を上げているんですが、ですから、区長は、区民の暮らしを守る意味でも、どんなふうに態度を表明するんですかというふうに伺っておりますので、今の現象を伺ったわけではありませんので、是非お答えください。
それから、平和市長会議に参加するのかどうか、ちょっとはっきり聞き取れなかったんですが、総会に参加する、区長に私は参加していただきたいということで質問をさせていただいたんですが、そのことについて、もう一度、ご答弁をお願いいたします。
それから……ごめんなさい。あと、千寿第五小学校の統廃合についてなんですが、これ条例を提案するのは区長です。ですから、私は、区長の答弁をお願いしたいと言いましたし、それから、児童数が少ない、11クラスしかないとおっしゃいますけれども、区自らつくったガイドラインでも、この地域は児童数が増えるというふうになっています。そのことを踏まえてこの条例は撤回すべき、区長の決断をということで私は質問をしておりますので、区長の判断をきちんと報告していただきたいと、答弁していただきたいというふうに思います。
それから、はばたき塾ですけれども、合格するのが目的であって、本当に、その学校に進学させるとか、経済的な問題がある子に、塾に行きたくても行けない、やる気があるにも関わらず、塾に行きたい子が行けないことは困るというのであれば、申込んだ126名全員受講させればいいことです。ところが、やる気がある子に、受講できなかった子どもの対策も立てましたよという答弁ですが、そのこと自体、選んで100人といいながら、学力テストをした結果、その学力、入学する力がないというふうに判断した子は落としてしまった。これが公教育でやるべき仕事ではないというふうに私は質問しておりますので、そのことについても答弁をお願いいたします。
●再答弁
◎近藤やよい区長 再質問にお答えをいたします。
消費税の答弁についてでございますけれども、ご質問が、このような内容の消費増税が実施されたら、区民の暮らし、福祉が向上するはずがないと私は考えますが、区長はどう思いますかというご質問でしたので、私は、社会保障制度改革の詳細に関しては今後の国会の議論により深化が図られるものと考えております。私なりに、注視していかなければならないポイントは幾つかあるかと考えておりますが、先ほども答弁させていただいたとおり、そうしたところに不安があるような状況でしたら、必要があれば、そのときに声を上げていくことは必要なことかなというふうには考えておりますと、私の考えは先ほどもご答弁させていただきました。さとう純子議員のご意見については、承っておくというところでございます。
◎長谷川勝美政策経営部長 先ほども、区としての答弁をさせていただきましたけれども、原発に関しては、様々な報道がある中で、原発に頼らないエネルギー供給体制、一日も早く構築すべきとは考えますが、やはり安定的な電力供給を行いつつ、段階的にエネルギー転換を図っていくべきというふうに考えております。
続きまして、TPPに関して、こちらに関しては、他の自治体の動きがどうこうあろうとも、現時点でも、私どもは国民的な議論を踏まえて最終的な判断がなされるべきという見解に変わりはございません。
◎定野司総務部長 平和市長会議についてお答えします。
来年8月の3日から5日というふうに総会の日時伺っておりますけれども、会員となって初めての総会でありますし、首長会議ですから、区長が出るのが一番良いというふうに思っておりますけれども、それが日程上調整できなければ、区長を代理する者が出席するべきものと、このように考えております。
◎青木光夫教育長 先ほどもお答えしました千寿第五小学校でございますけれども、周辺小学校の学区域の子どもの数等を踏まえた計画ということでございます。その上での撤回の考えはないと、先ほどの答弁のとおりでございます。
◎鈴木一夫学校教育部長 はばたき塾についてでございますが、当然、塾生に対する一定の指導効果を上げるためには、それなりの力のそろった子どもたちであることが必要でありますし、当然やる気がある子どもたちですので、日曜補習塾をしっかりとやって、その子どもたちも着実に力をつけてきているというところでございます。引き続き来年度に向けても頑張って取り組んでまいります。