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●代表質問−伊藤和彦議員(2013年6月11日)
◆伊藤和彦議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して質問します。
憲法96条改定問題について
はじめに、区長の政治姿勢についてです。
総選挙後の国会で安倍政権は、憲法9条を変えるために改憲のハードルを低くする憲法96条の改悪を前面に動きを強めていますが、単なる手続き論、形式論の問題ではありません。もともと憲法は国民を縛るものではなく、国家や権力が暴走しないように縛るためのもので、時の政権が都合のよいように憲法を改変することが難しくされています。これは世界の主要国で当たり前の原則となっております。
96条改定について、改憲派論者からも批判があり、自民党の元幹事長や有名な改憲派の慶応大学教授も「本末転倒、憲法の本質を無視した暴挙」などと指摘をしています。国会による憲法改定の発議要件を、現行の両院の3分の2以上から過半数にすることは、憲法が憲法でなくなるに等しいものであり、立憲主義そのものの否定につながると思うがどうか、憲法96条改定について区長の見解を伺います。
暮らしと経済をめぐる「アベノミクス」について
次に、政府はアベノミクスと称する経済政策を最大の売り物にしていますが、実態は国民の暮らしと経済を破壊するものと言わざるを得ないものです。投機とバブルをあおる異常な金融緩和、不要不急の大型開発のばらまき、成長戦略の名による雇用ルールの弱体化、そして消費税の大増税と社会保障の大改悪であります。アベノミクスで実際に恩恵を受けるのは一握りの大資産家、機関投資家であり、国民生活は甚大な打撃を受けています。急激な円安で既に小麦粉をはじめとする輸入食品、トイレットペーパーなど生活用品、電気、灯油などが高騰し、庶民の家計に負担をもたらしつつあります。
最近、我が党区議団が区内16万世帯に無差別に配布して行った区民アンケートの途中集計では、アベノミクスで生活の実感について、「変わらない」は61.6%、「悪くなっている」は30.1%で、「良くなっている」は僅か7.6%です。
「誰が良くなっているのか、私の周りにはいない」などの声が寄せられております。国民所得は増えずに物価だけが上がる。これでは景気回復とはほど遠く期待できないのは当然です。
実体経済の回復のためには、@賃上げと安定した雇用の拡大で働く人の所得を増やすこと。A消費税の増税を中止して、財源は消費税に頼らず不公平税制の是正や国民の所得を増やし税収増で確保すること。B現役世代も高齢者も安心できる社会保障制度を築くこと。C内需主導で健全な成長をもたらす産業政策への転換が必要ですが、区長はどう考えるか。
福島原発について
次に、安倍政権は「世界最高レベルの安全基準で、安全が確認された原発は再稼働します」と原発再稼働と推進政策、輸出政策を進めることを宣言しました。
しかし、福島原発事故の現状は極めて深刻な事態のままです。私は、4月、福島県被災地支援に行ってきました。放射能汚染により2年間立ち入りできなかった富岡町は、復興どころか復旧もできない、時間が止まったままの実態でした。原発事故のために避難を余儀なくされている15万6,000人は、土地を奪われ、生活手段を奪われ、人生を根本から狂わされて、いまだに家族が引き裂かれたまま住める家もありません。福島原発は収束どころか、危機的事態の真っただ中にあり、放射能汚染水も増え続けています。
政府も東京電力も場当たり的な無責任な対応に終始しています。特に大量の汚染水が外部に流出する危機的な状況の瀬戸際に陥っています。
更に、政府が再稼働のてこにしようとした新基準は、過酷事故で原子炉格納容器が壊れ、放射性物質が大量に放出される事故が起こり得ることを認めているもので、「世界最高レベルの安全基準」という首相の言明は完全に破綻しており、怒りを禁じ得ません。福島原発は収束していないと思うが、区長の見解を求めます。
こうした深刻な事態にある福島原発事故は、福島から電力の供給を受けている東京足立区にとって自分たちの問題だと思います。区長はどう思うのか。足立区から原発ゼロの声を上げるべきと思うがどうか、以上答弁を求めます。
認可保育所の増設について
次に、深刻化する保育園不足に、子どもを持つ保護者から「安心して預けられる認可保育園をもっと増やして欲しい」と切実な声が上がっています。今年も認可保育園に希望しながら入れない第一次不承認は1,500人を超え、2月には行政不服審査法に基づき、集団で異議申し立てが行われ、区役所には幼い子どもを抱いた親たちが詰めかけました。やむにやまれぬ思いからの行動でした。
我が党の調査では、足立区の認可保育園整備率が周辺区より10%低いことも判明しました。東京都社会福祉協議会の調査では、8割の保護者が認可保育園を希望しています。区は「保育需要は吸収できる」と言っていたのに、なぜ入所の不承認が多いのか。認可保育園不足と認識しているのか。認可保育園の増設を求めている親の願いに応えることが行政の役割ではないか、答弁を求めます。
教育次長制度、過度な競争教育について
次に、区は今年度から教育次長組織を新設し、学力向上対策として位置付け、学力テストの平均正答率の低い学校の校長に対して、学校経営についての指導、監督を行っています。これらはまさに学習指導の重点や学校における教育課程に立ち入るものです。各学校長などへの指導を行うのは指導主事に相当する役職と考えられます。区は教育長の命を受けて指導できると言っていますが、地教行法は23条5号で、教育委員会の権限についても一定の縛りを設けています。教職でない者を充てるなら、それは地方教育行政法の規定のない職員となる。そのような場合、19条9項によって政令で定めることが必要とされています。どのような政令の定めによるものなのか、根拠政令を示していただきたい。
学校教育法37条は、教育権の独立をうたい、行政機関による教育介入の抑制の必要性を明らかにしています。区の教育次長組織は、教育権の独立を損ない、教育への介入になるものではないか。学校現場では戸惑いも起きており、法的根拠のない教育次長組織は直ちにやめるべきだがどうか。
次に、区は学力向上対策については、習熟度別授業や過去問の活用を柱に指導すると答弁していますが、このような点数だけを競うやり方は、足立区の汚点となった学力テスト不正事件で明らかなように、真の学力向上にはつながらないばかりか、学校の教師も子供たちも疲弊させています。過度な競争教育はやめるべきではないか。
真の学力向上対策について
次に、区も認めているように、足立区の子どもたちは、大方の学校では読解力、問題解決力などの応用力や学習に対する動機付けが弱いことが課題となっていますが、区教委が取り組むべきことは、第1に、全ての子どもに行き届いた教育を施すためにも、区が独自に小学校3年生から少人数学級を実施すべきではないか。
第2に、中学校で成果が上がっているように、小学校でも学校図書館に司書を配置し、読書支援を本格的に行うべきではないか。
第3に、区が言う教員の指導力を高めるためというならば、教員の多忙化解消を図ることです。教材研究の時間を保障するとともに、削減された、教員自らが研修する区小研、区中研の研修費の予算を復活、拡充すべきと思うがどうか。
学校統廃合(学校適正規模・適正配置)について
次に、区教委は、鹿浜・江北地区の8校の小・中学校を統廃合するとして、PTAや開かれた学校づくり協議会などの学校関係者や自治会の役員などには説明会を開催しましたが、地域住民を対象とした説明会を実施する予定はないとしています。
そもそも学校は、教育機関としての役割とともに、地域コミュニティの核となっています。更に、学校は第一次避難場所として極めて重要な施設であり、宝物であります。他区では地域住民の説明会は必須の課題として実施しており、住民の声を聞くのは当然です。区は地域住民を対象とした説明会を実施すべきだがどうか。
また、地域住民を対象とした説明会は、全国に先駆けて策定した自治基本条例の立場からも区政の重要な課題について、区民に情報公開、説明責任を果たす上でも必要と思うがどうか。
東京全体の幼年者人口は2万人増えており、足立区でも0歳から5歳まで幼年人口は1,400名増えています。今後、新線開発によるマンション建設が予想され、平成21年7月のガイドラインの前提が崩れています。全国的に人口減少社会は進んでも、足立区は今後20年程度、人口減少は起こらないのです。
更に、都が今年度中学1年生に35人学級を導入し、足立区では学級数が25増え、教室不足が生じました。今後、小学校3年生以降、中学校の全学年に少人数学級をした場合には、もっと教室不足が生じるのではないか。今回の江北・鹿浜エリアの学校統廃合計画は凍結すべきではないか。また、大規模校解消に踏み出すことこそ必要ではないか、以上答弁を求めます。
生活保護について
次は生活保護についてです。
生活保護制度は、憲法25条に基づき国民の生存権を保障したものです。最後のセーフティネットとされる生活保護を利用できる資格のある人のうち、実際に利用している人の割合(捕捉率)は、僅か15%前後しかありません。先進欧州諸国の9割と比べて、桁外れに低い捕捉率のもとで、餓死や孤立死が相次いでいます。
最近、大阪では「十分に食べさせられなくてごめんね」とメモを残してシングルマザーの親子が餓死した事件が報道されました。福祉事務所に相談に行っているのに申請できなかったのです。
2011年、全国では栄養失調で死亡した人が1,700人、胃にものが入っていない餓死者は45人で、福祉を受けたくとも敷居が高くて受けられない実態です。濫給だけでなく漏給を減らす、必要な人が受けられるようにする側面からの取り組みが必要と考えるがどうか
次に、生活保護受給者の食費・光熱水費などに充てられる生活扶助費の過去最大の削減が今年8月から3年かけて行われようとしております。9割以上の受給世帯が収入減に追い込まれ、月2万円以上も減らされる子育て世帯も生まれます。
区は先の定例会で、社会・経済状況を踏まえ、見直しが行われるものと言いましたが、物価が上がっているのに保護費が削減されることについてどう考えるのか。また、年金受給者や稼働所得のある生活保護世帯が、基準の見直しによって保護廃止になる可能性がありますが、実態はどうか。他の施策への影響について生活保護基準の引き下げにより、受給者のみならずあらゆる分野で影響を受けています。
以下の各分野でどのぐらいの区民が影響を受けるのか、どうなるのか明らかにされたい。
住民税均等割の非課税限度額は、生活保護基準の級地区分によって定められており、生活保護基準を下回らないとされているがどうなるのか。今まで非課税だった人が課税されるのではないか。
全国では、生活保護基準によって利用条件を設定されている介護保険料・利用料の減額、障害者自立支援利用料の減額、生活福祉資金の貸付けはどうなるのか。区として生活保護基準をもとに定めている国保料の減免基準はどうなるのか。生活保護基準の1.1倍と定められている就学援助について、国は影響が及ばないよう対応を検討と言うが、そのためには新たな区の負担が生じるのではないか。仮に負担が生じたとしても、足立区で実質的な切り下げを行わないようにすべきだがどうか。
また、ただでさえ十分とはいえない生活保護基準の切り下げによって、受給者のみならず、多くの区民に影響が出ます。基準の引き下げを中止し、逆に生活保護基準より少ない国民年金の引き上げを国に強く求めるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
次に、国会に提出された生活保護法改正案は、今まで認めていた口頭での申請を認めずに必要書類を義務化するとしています。今までも、可能な限り必要書類等は区として提出を求めていますが、この改定が強行されれば、急迫した場合でも、書類がなければ申請させないことになり、住まいのない人、配偶者のDVから逃げて着の身着のままで助けを求めてきた被害者の申請を事実上、不可能にするものではないか。餓死者を生んだ水際作戦の合法化に他ならないのではないか。
また、親戚の扶養義務を強化することにより、親族に迷惑をかけられないと申請を断念する人が続出する懸念があると思うがどうか。
区は、制度改正に向けて必要な意見を上げていくとしています。今回の改悪に反対し、真に生存権を保障する立場から意見を上げるべきと思うがどうか。
次に、貧困ビジネスについてです。
生活保護費を食い物にし、被保護世帯を劣悪な環境に追いやる貧困ビジネスの進出の動きが、かつてなく強まっております。もうこれ以上、区内に貧困ビジネスの進出を許さないため、区を挙げて取り組むべきと思うがどうか、以上、答弁を求めます。
次に、国土交通省は、公共工事の労務単価の引き上げを発表し、前年度比15%増としました。これを受けて区は18.4%増の適用とともに、4月以降の契約を行う工事のうち、旧労務単価で積算した工事について、新労務単価に契約を変更する特例措置の実施に踏み切り、今議会で補正予算を計上するとしています。この措置による契約変更した企業が末端の労務単価に確実に反映させることが必要だがどうか、答弁を求めます。
公共工事の労務単価の引き上げについて
次に、国土交通省は、公共工事の労務単価の引き上げを発表し、前年度比15%増としました。これを受けて区は18.4%増の適用とともに、4月以降の契約を行う工事のうち、旧労務単価で積算した工事について、新労務単価に契約を変更する特例措置の実施に踏み切り、今議会で補正予算を計上するとしています。この措置による契約変更した企業が末端の労務単価に確実に反映させることが必要だがどうか、答弁を求めます。
要綱専門非常勤職員について
次に、区の要綱専門非常勤職員は、現在105種類の職種があり、総計で1,416人が区のあらゆる職場で区の仕事に携わり、大きな役割を担っています。児童指導員、学校・保育園の栄養士、副担任講師や図書館専門員、区民の声相談員、交通事故相談員など、どの職務も職種も経験を積み重ねることでサービスを提供できるようになっています。経験を積めば積むほどより良いサービスが提供できるようになるということも聞いています。
しかし、区は保育士や消費生活相談員などの職種を除いて5年の雇い止めを機械的に適用しております。実際の報酬額の平均月収は17万7,000円ほどで、固定給で報酬は上がらないが、それでもいいから継続して仕事をしたいと言っても、継続雇用を認めていません。そのために、どんなに優秀であっても雇い止めされるため、貴重な人材が他区に流出しています。更新限度がない区が9区あり、区がその気になれば継続できます。5年の雇い止めをするべきでないと思うがどうか、答弁を求めます。
本庁舎窓口業務の外部委託について
次に、戸籍等本庁舎窓口業務の外部委託についてです。
区は1年9カ月で3億8,500万円余(1カ月1,837万円)で大手OA機器メーカーと契約しました。区も、割高感はある、経費節減だけが目的ではないと言ってきたとおり、外部化で新たにかかる委託費(人件費)は1年で2億2,000万円余で、削減されるとしている人件費30人分の1億9,300万円余を上回っています。外部化経費の総額4億円余りのうち、窓口業務の改善となるサービス設計やファシリティ設計は必要ですが、業務の外部化は必要とは思えないものです。最も守らなければならないプライバシーに関わる個人情報を扱う戸籍業務の外部化は見直し、中止すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
突然、難聴を発症について
次に、突然、難聴を発症する人、高齢により難聴になる人が多いと聞いています。ヒアリングループ(磁気ループ)が難聴者に期待されて、音楽や演劇鑑賞、会議などの会場にループ線を引いておくことにより、難聴者からは「はっきり人間の声として聞こえてうれしい」との声が寄せられております。
海外では、地下鉄切符売り場、スーパーのレジ、空港の待合室など、生活に密着した場所に設置されています。区民に普及するとともに、西新井文化ホールなど区の施設に設置をすべきだがどうか。
また、区が現在所有しております磁気ループに対応する受信機をそろえ、貸し出しできるようにすべきだがどうか答弁を求めます。
UR都市再生機構について
最後に、UR都市再生機構は、賃貸住宅ストック再生・再編方針を出してから、それまでのような建て替えもせず公的責任を投げ捨て民間事業者支援にかじを切りました。URの分割、株式会社化案は当面凍結されていますが、民営化、削減の方針は継続し、独立行政法人の見直しについては引き続き検討し改革に取り組むとしています。
貧困に加え、東日本大震災などで住宅に困窮する世帯が増えている中、公的立場を一層強化することや居住者や住宅に困っている人たちのために、その任務を果たすことが求められています。URは公的住宅の役割を果たすべきと思うが、区の認識はどうか。
また、UR花畑団地の団地再生事業については公的住宅として、住み続けられることで団地や地域でのコミュニティ形成や住み良いまちづくりにつながるように、区が役割を果たすべきと思うがどうか。
URはエレベーター設置について現在6基設置したが追加はないとしています。高齢者や障がい者が希望する住棟にはエレベーターを設置し、団地のバリアフリー化を進めるよう働き掛けるべきと思うがどうか。
居住者からは団地西側に集会所設置を求めているが、区としてURに設置できるように働き掛けるべきだがどうか。
団地再生事業センター街区(E街区)の子育て支援施設について、花畑団地周辺地区まちづくり協議会では、若い世代を誘致するため、「大きな保育園をつくって欲しい」「学童保育も」の声があります。区として、認可保育園誘致、学童保育整備をURと協議し働き掛けるべきと思うがどうか。以上、答弁を求めまして、この場での質問を終わります。
答弁
◎近藤やよい区長 伊藤和彦議員の代表質問のうち、まず憲法第96条の改定問題についてお答えをいたします。
私は、私たち日本国民がどのような憲法を持つべきか、議論することは大変重要なことだと考えております。
仮に現行憲法のどこをどのように変えていくのかという議論が熟さないまま改正要件だけを緩和するというのであれば、違和感を感じざるを得ません。
憲法改正は、憲法議論が国民の中で高まり、その結果として、国民の総意として行われるべきものと考えております。
次に、政府の経済政策についてのご質問にお答えをいたします。
4点、具体的にご指摘をいただきました。まず、「賃上げと安定した雇用の拡大で働く人の所得を増やすこと」につきましては、実体経済の回復のためにはごくごく当然のことであると考えております。
次に、「消費税を中止し、財源は消費税に頼らない「別の道」で確保すること」につきましては、社会保障制度を安定した持続可能な制度とするため、逆進性には配慮しつつも消費税は必要な財源であると認識しております。
次に、「現役世代も高齢者も安心できる社会保障制度を築くこと」につきましては、国民が安心して経済活動をしていく上で重要でありますけれども、当然のことながら、少子高齢化の進展等の社会構造の変化や税制を踏まえた現実的な議論が必要であると考えております。
最後に、「内需主導で健全な成長をもたらす産業政策」につきましては、厳しい国際社会を生き抜いていくため、国内だけでなく、グローバルな視点での政策展開も当然必要であると考えております。
他のご質問につきましては、参与から答弁させていただきます。
◎長谷川勝美政策経営部長 私からは、福島原発に関するご質問についてお答えいたします。
まず、福島における原発事故につきましては、大変憂慮しており、一日も早い解決を願っております。
また、現状では収束に至っていないと認識しており、今後は専門家の見解や知識を最大限に活用した更なる速やかな、かつ慎重な対応が望まれると考えております。
また、足立区にとって原発事故は当然のことながら他人事とは考えておりません。
原発ゼロにつきましては、原発に頼らないエネルギー供給体制を一日も早く構築すべきと考えますが、電力不足が生じれば、社会全体に大きな混乱を招くことが予想され、更に電気料金の値上げ、温室効果ガスの増加など、解決すべき問題も山積しております。
したがいまして、繰り返し申し上げているとおり、安定的な電力供給を行いつつ、段階的にエネルギー転換を図っていくべきと考えております。
◎西野知之福祉部長 私からは、生活保護についてお答えいたします。
生活保護は、原則、本人の申請に基づき、訪問調査などを行い、保護の決定をしております。
しかし、生活困窮の状態にありながら、様々な理由で福祉事務所に相談に来られない方につきましては、民生委員や地域の方からの情報に基づき実態調査を行い、必要に応じて生活保護の申請につなげております。
更に、本年4月、電気、ガス事業者との「生活困窮者などの把握・支援に関する協定」を結び、実態把握の強化を図ったところです。
次に、生活保護基準の見直しについてお答えします。
今回の生活扶助基準の改正は、本年1月に取りまとめられた社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果や、物価の動向に基づき、国が必要な適正化を図ったものです。
総務省が発表する消費者物価指数は平成22年を100とすると、平成25年4月は99.7となっております。今後の動向を注視してまいります。
また、基準改定の影響についてですが、現在、明確になっている本年8月改定についてお答えいたします。
8月実施予定の基準改定の検証を行ったところ、要否判定に影響があるケースはほとんどありませんでした。そのため保護廃止となるのは極めて稀であると思われます。
次に、生活保護基準見直しの影響ですが、生活保護基準の見直しによって、介護保険や障害者自立支援の利用条件などに直接変更はございません。
しかし、生活福祉資金のうち、いわゆるリバースモーゲージについては、貸付け月額が生活保護基準の1.5倍以内と定められているため、上限が減額となります。他の生活福祉資金については影響はありません。
次に、国に生活保護基準引き下げの中止などを求めるべきではないかというご質問でございますが、今回の生活保護基準の改正は、物価の動向などを踏まえたものであり、国へ基準の引き下げの中止を求める考えはありません。
また、国民年金の引き上げについては、社会保障と税の一体改革により国で検討を進めておりますので、その動向に注視してまいります。
次に、口頭での申請及び必要書類の義務化についてお答えいたします。
現在、審議中の法案では、特別な事情がある場合は口頭での申請を認めております。また、必要書類の提出については、国で議論をされておりますので、それを注視してまいります。
扶養義務の照会につきましては、扶養義務者に対して報告をするよう求めることができるなど、権限が強化されます。しかし、今後も親族との関係を考慮し、柔軟に扶養義務照会を行うものとされており、親族に迷惑をかけられないと申請を断念する方が続出することはないものと考えております。
今後とも、国の定める基準に基づき、生活保護申請の妨げにならないように対応してまいります。
次に、国への意見表明に関するご質問についてお答えいたします。
今回の制度改正は、就労による自立の促進、不正受給対策の強化などを目標とするものであり、反対の意見を上げる考えはございません。
次に、貧困ビジネスに関するご質問にお答えいたします。
区内におきましても、貧困ビジネスが疑われる事業や施設の進出・計画の事例があり、地域住民の方々からも、地域の安全・環境確保の視点から、強い反対の意思が示されております。
今後とも地域住民の方々の意向を踏まえながら、関係所管と緊密に連携し、対策を実施してまいります。なお、貧困ビジネス進出の阻止については、法的な課題もあり、制度の整備など国等へ要望を上げてまいりたいと考えております。
次に、磁気ループについてお答えいたします。
磁気ループは、現在、障がい福祉センターと竹の塚障がい福祉館に常備しております。
西新井文化ホールなど、区の他の施設を利用する場合には、障がい福祉課で磁気ループを貸し出しております。
施設への常備の拡大については、今後の利用実績を見て検討してまいります。
また、磁気ループに対応していない補聴器をお持ちの方もいらっしゃいますので、受信機を3台用意し、貸し出しております。今後、ホームページ等で聴覚障がい者団体へ周知してまいります。
◎鈴木伝一区民部長 私からは、まず、生活保護基準の見直しに伴う住民税に対する影響についてお答えいたします。
住民税均等割非課税限度額について、国では平成26年度以降の税制改正において検討していく予定であります。区としては、その動向を注視しているところです。
今まで非課税だった人が課税されるかどうかについても、税制改正内容が未定のため判断が困難であります。
続きまして、生活保護基準の見直しに伴う国民健康保険料に対する影響についてお答えいたします。
国民健康保険料の減免基準については、23区合意による統一基準となっております。今後とも国の動向を注視し、適正に対処してまいります。
続きまして、窓口業務の外部委託についてお答えいたします。
このたびの外部化は、待ち時間の短縮や手続に係る区民の皆様の負担軽減等、更なるサービスアップを第1の目的としたものです。
経費について、委託当初は、区民サービスの充実と安定稼働を最優先しており、コストの引き下げは困難な状況です。しかしながら、委託事業が定着する中で、中長期的にコストメリットを実現してまいります。
また、個人情報保護については、プライバシーマーク取得などの制度面、事業者や従事者との契約面、更には情報セキュリティ面での対策といった多角的な対策を講じてまいります。
戸籍業務の外部化は先行自治体の例もあり、それらの実績も考慮し平成26年1月の委託開始に向けて、万全を期すように準備を進めてまいります。このため見直しや中止の考えはございません。
◎定野司総務部長 私からは、まず公共工事の労務単価引き上げに伴う特例措置についてのご質問にお答えいたします。
契約変更した企業が確実に賃金の引き上げを行うよう契約変更の際、協議書と一緒に誓約書の提出を求め、特例措置の実効性を確保してまいります。
次に、非常勤職員の任用についてのお尋ねにお答えします。
区の要綱専門非常勤職員につきましては、地方公務員法第3条第3項第3号に規定する特別職の地方公務員として特定の学識や経験を要する職務に任期を限って任用しております。
非常勤職員の任期は1年以内であり、任命権者が特に必要と認める場合は、勤務実績等を考慮の上、更新することができます。
しかし、更新を繰り返すことによって、事実上の任用期間の延長に結び付いてしまうことから、臨時的、補助的職務という特別職の位置付けを踏まえまして、更新は原則として4回を限度としてございます。
◎岡野賢二都市建設部長 私からは、UR都市機構及びUR花畑団地に関するご質問にお答えいたします。
まず、UR都市機構についてですが、区内には1万2,000戸余のUR賃貸住宅があり、多様な住宅需要に応える上で、その果たす役割は大きいと考えております。
次に、UR花畑団地における区の役割についてですが、花畑団地周辺地区で団地自治会をはじめ、周辺町会・自治会やUR都市機構とともに「まちづくり協議会」を構成しており、その中で住み良いまちづくりに向けた協議を今後とも行ってまいります。
次に、エレベーター未設置の住棟へのエレベーター設置につきましては、UR都市機構へ要望を伝えてまいります。
次に、集会所の設置についてですが、UR都市機構は当該団地中央部のE街区に、団地居住者が利用できる施設を計画していると聞いておりますが、団地西側への集会所の設置につきましては、UR都市機構へ要望を伝えてまいります。
次に、E街区への保育園や学童保育室等の整備につきましては、まちづくり協議会のご意見やご要望を踏まえつつ、今後の施設需要等を考慮しながらUR都市機構と協議してまいります。
◎三橋雄彦子ども家庭部長 私からは、保育に関するご質問について一括してお答えいたします。
足立区では、多様化する保育ニーズに対応するためには、認可保育園だけではなく認証保育所などの多様な施設が必要であるとの考え方に基づき、待機児童解消アクション・プランの施設整備方針にのっとり施設を整備してまいりました。
入所不承諾については、単願や指数が低いなど様々な理由がありますが、認可保育園の整備率は23区のほぼ平均水準であり、特に低いとは考えておりません。フルタイム就労世帯の待機児童がいることから、この解消を最優先に今後も保育需要等を分析し、認可保育園に限定することなく、必要な地域に保育施設を整備してまいります。
◎鈴木一夫教育次長 私からは、教育次長制度について一括してお答えいたします。
教育次長は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律施行令第6条を根拠に教育委員会規則で定めており問題ございません。引き続き、しっかりと職務を遂行してまいります。
◎石居聡学校教育部長 私からは、まず学力向上対策についてのご質問にお答えいたします。
学力向上は教育委員会の重点施策であり、そのために基礎的・基本的な学力の定着を確実なものにしていくことが重要であると捉えております。
習熟度別授業につきましては、児童生徒の学力の定着状況を把握した上で、個に応じた指導を行うことができる効果的な取り組みであると考えており、引き続き学力向上に向けて推進してまいります。
また、区の学力調査は、授業で学んだ内容がどの程度身についたかを確認するために行うものであり、児童生徒一人ひとりの定着状況を確認する上で大変有効であると捉えております。更に、1年後の成果の確認に活用することも十分効果があると考えております。
したがいまして、教育委員会といたしましては、学力を向上させるために学力調査を行っているものであり、過度な競争教育を行っているとは考えておりません。
次に、真の学力向上対策について一括してお答えいたします。
現在は基礎的・基本的な学力の定着を図る施策を進めておりますが、読解力や問題解決能力などの応用力を身に付けることも重要であると考えております。
教育委員会といたしましては、習熟度別指導や土曜授業を活用した個別指導の充実、学校図書館ボランティアを活用した読書支援の充実に取り組んでおり、区独自の少人数学級の拡大や小学校における司書の配置等は考えておりません。
また、教員の研究活動に対する補助において、区小研、区中研への研修費は削減しておりません。
次に、学校適正規模・適正配置についてお答えいたします。
本年1月に策定した「足立区立小・中学校の施設更新計画」では、江北・鹿浜エリアを次に取り組むエリアとして示し、計画公表後、2月から3月にかけて町会・自治会長、開かれた学校づくり協議会、保護者の方々に対して、計18回の説明会を実施してまいりました。今まで取り組んできた適正規模・適正配置に関する資料については、区のホームページに公開して広く周知を図っており、区民への情報公開、説明責任に努めております。
今後公表していく統合計画についても、町会・自治会及び学校関係者の方々への丁寧な説明を行い、適正規模・適正配置について理解を求めてまいります。
また、平成21年のガイドラインでは、平成44年の児童数は2万5,000人、生徒数は1万3,000人となることを予測しております。区内では大規模集合住宅の開発により、一時的な人口増加が起こっておりますが、合計特殊出生率等を鑑みますと、今後20年程度におきましてもガイドラインのとおり人口減少の傾向に変わりはないと認識しております。
ガイドラインでは、35人学級を想定した学級数で算定して、平成44年時点で最大で小学校60校、中学校29校にすることが適正であるとしております。こういった状況から、ガイドラインの考えに基づいた江北・鹿浜エリアの学校統合計画を凍結する考えはございません。
なお、大規模校解消につきましては、教育活動と生活指導上の両面において困難さが増す可能性が高いため、今後も学区域外からの入学を抑制するなど、学校規模の適正化に努めてまいります。
次に、生活保護基準の見直しに伴う就学援助への影響についてお答えいたします。
平成25年度については、現行の生活保護基準に基づいて認定を行いますので、今回の引き下げに伴う影響はありません。平成26年度以降の区民の方への影響や、生活保護基準の引き下げの影響が及ばないような対応をした場合の区の負担については、現在試算中です。また、区の負担が生じる場合の対応については、他区の動向等を勘案しながら検討してまいります。
再質問
伊藤和彦議員 幾つか、私の質問にちゃんと答えていないところもありますのでお伺いいたします。
私は区長の政治責任で、憲法96条の問題、立憲主義そのものの否定につながると思うがどうかと、この点の答弁がなかったのでお願いいたします。
それから、保育の件ですけれども、私の質問には一括で答弁されましたけれども、区は保育需要は吸収できると言っていたのに、なぜ入所の不承認が多いのか、それから、認可保育園不足と認識しているか、それから、増設を求めている親の願いに応えることが行政の役割ではないか、この三つを聞いているのですが、これに答えておりませんのでお願いいたします。
それから、教育の問題では、私が聞いたのは地教行法で政令で定めることになっているのですが、この根拠政令を示してくれという質問です。
それから、もう一つは学校統廃合で足立区は自治基本条例を持っているわけですが、この説明責任を果たす上でも必要だと、必要かどうかを聞いているのです。これに答弁がありません。
それから、もう一つは、国保料の減免基準はどうなるのか、これには答えておりませんので、お願いします。
それから、もう一つ、その下の国民年金の引き上げを国に強く求めるべきと思うがと私は質問しているのです。注視していくでなくて、求めて欲しいと言っているのですが、この点で答弁がありませんので、お願いいたします。
それから、雇い止め、非常勤職員の件ですが、質問でしたとおり、区がその気になれば継続できるので、この5年の雇い止めをするべきではないと、この質問には答えておりませんので、お願いします。
再答弁
◎近藤やよい区長 先ほどの憲法96条の改定につきましての、私の考え方の中で総合的にきちっとお答えしているものと私は認識しております。
◎三橋雄彦子ども家庭部長 吸収できなかった後、なぜ入所の不承認が多いかということでございますけれども、基本的には認可保育園のみでの保育重要を吸収する方針ではございません。待機児童が発生した理由については、現在、待機児童アクション・プランの改定作業において詳細に検討中でございますので、発生原因を踏まえて次期プランを見直していくところでございます。
認可保育園不足等の認識につきましては、お答えしましたように、民間保育園だけで保育園を吸収するということでございますので、認可保育園の認識といったところの考え方ではございません。
最後に、行政責任といったことでございますが、繰り返しになりますが、多様な施設、保育施設で対応すべきということが、行政の責任を果たすといった内容だと考えてございます。
◎鈴木一夫教育次長 先ほども明確に根拠政令をお示ししましたが、改めて繰り返して申し上げます。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律施行令第6条を根拠にということでございます。
◎石居聡学校教育部長 私から、自治基本条例の立場からもということでございますけれども、ご答弁も申し上げましたけれども、区民への情報公開、説明責任については、地域の自治会、町会及び学校関係者の方々への丁寧な説明をするとともに、計画のホームページへの公表等で十分行われていると認識しております。
◎鈴木伝一区民部長 私からは、国民健康保険料の減免基準についてご説明申し上げます。
国民健康保険の減免につきましては、基本的に23区合意事項となってございますので、今後について、また合意ができるかどうか、現段階ではまだわからないというものもございますので、今後とも国の動向を注視しながら適正に対応していきたいと、そういう意味でございます。
◎西野知之福祉部長 先ほどの国民年金の引き上げについての要望等でございますが、先ほどご答弁したとおりでございます。
現在はその動向に注視してまいりますので、現時点で求める考えはございません。
◎定野司総務部長 非常勤職員の任用についての再質問でございますけれども、区といたしましては、先ほど申し上げましたように、臨時的、補助的職務を担うという位置付けから、もう一つ申し上げれば、現在の処遇、待遇の面からも、この非常勤職員を、幾つかの例外ございますけれども、長期に任用することを是としていないという考え方でございます。