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●代表質問−はたの昭彦議員(平成26年6月12日(水曜日))
◆はたの昭彦 議員 私は、日本共産党を代表して質問いたします。
原発・放射能対策について
まず、区長の政治姿勢についてですが、安倍自公政権が国民の強い反対を押して4月1日から消費税の8%への増税を強行しました。増収分は全て社会保障のために使われると宣伝していますが、今年度予算で社会保障の充実にあてるのは消費税増税分の1割にすぎないと政府でさえ認めており、増税の根拠は国民だましであったことは明らかです。国民には増税による負担増を押しつけながら、復興特別法人税が1年早めて廃止、投資減税、交際費減税などを合わせて1.5兆円、国土強靭化の名で三大都市圏環状道路、国際コンテナ港湾など巨大公共事業に巨額の税金の投入が行われようとしており、大企業には減税と大型公共事業の大盤振る舞いです。
来年の10月には10%への増税が予定されており、年内にも決断をするとしていますが、多くの区民は「物価や税金が上がっているのに収入は減っている」「じわじわと苦しくなっている」「数十年店を営業しているがこんなに悪いのは初めて」という実態です。区民の暮らしや経済状況を考えれば再度の増税の選択肢はありえません。自治体の長として区民の暮らしと命を守る立場から10%増税を認めない立場を明確にすべきだがどうか。
未曾有の大災害となった福島原発事故から3年が経過しましたが、事故は収束するどころか大量の放射能汚染水問題など非常事態が続いています。汚染水対策の切り札と言われた除去設備3系統全てが先日処理できない状態になり再開の目途も立っていません。ドイツではトップニュースで汚染水漏れが「世界最大のスキャンダル」と報道されています。しかし、安倍政権は原発の再稼働や輸出に突き進もうとしており暴走以外の何ものでもありません。
世界有数の地震国である我が国においてはいつ福島第一原発の二の舞になる事態が起きても不思議ではありません。だからこそ福井地裁は、福島原発事故の後においては裁判所に課された最も重要な責務として、大飯原発の再稼働について差し止めを命じる判決を出し、運転してはならないと言い渡しました。
「命より大切なものはない」との立場から、コストや貿易赤字を問題にする経済優先の関電側の主張を厳しく退けたのです。
区長は原発については、「段階的にエネルギー転換を図っていく」と述べていますが、区民の命を守る立場から、原発再稼働に反対の立場を表明すべきだがどうか。
足立区が給食の食材検査も測定器の貸出しも拒否し続ける中、日本共産党足立区議団は精度の高い測定器を購入し、繰り返し区内の空間線量再調査をおこなってきました。また、除染のための手引きを作成し、希望する区民にお渡しし、「具体的な対策がわかる」と喜ばれています。事故直後に比べ線量は下がっていますが、それでも事故前の自然界から浴びていた放射線量に比べ、はるかに高い放射線を浴び続けているのは紛れもない事実です。低線量被曝の人体影響についての統一的な知見はなく、放射線量は限りなくゼロに近い方が良いというのは誰もが認めるところです。現在も何ら対策を施していない民有地などに高線量が測定される傾向があり、だからこそ測定器を貸出し、区民とともに対策を講じるべきです。測定することで対策ができ、食材検査をすることで安心が広がります。
災害・オウム対策調査特別委員会では、測定と民地の除染の体制をとることを区が拒否する口実として貸出しの人件費をあげましたが、このような区のやる気のなさに、傍聴していた区民からは「いくらでもボランティアで協力は惜しまないのに」と強い批判の声が上がりました。これ以上拒否を続ければ、子どもたちの安全にもっとも冷たい区だと言わざるを得ません。測定器の貸出しや給食の食材検査など、対策の強化を拒否する理由はないと思うがどうか。
介護保険料について
次に、今年度は3年に1度の介護保険事業計画の見直しの年になり、保険料も改定が検討されます。
区民はアベノミクスによる物価の高騰、消費税の増税、社会保険料の負担増、年金の減額と、収入減と負担増で何重にも苦しめられています。今でさえ「介護保険料はどうしてこんなに高いのか」との悲鳴も上がっており、もうこれ以上の負担は限界です。暮らしの実態を見れば、保険料の値上げができる環境にはありません。今こそ住民の暮らしを守る自治体の役割を果たし、負担軽減の方向に進むべきだがどうか。以上、答弁を求めます。
消費増税に対する対策について
次に消費増税に対する対策についてですが、今回の消費税の5%から8%への増税で区は約18億円の増収になりますが、社会保障の拡充に活用する具体策は何ら示されていません。これは増税を強行した国と変わらない冷たい姿勢だと指摘せざるを得ません。少なくとも増収分は全て、増税によって目減りした福祉サービスを補うことや社会保障の拡充に活用すべきだがどうか。具体的には増税による値上げが行われた下で、福祉タクシー券や生きがい奨励金、就学援助などはこれまでと同じ支給額ではタクシーでは乗れる距離が、その他では買えるものが減ってしまい、サービスの後退になります。学校給食費や介護サービス料も負担増になっています。これらについて、これまでどおりのサービスが受けられるよう、増税分に見合う引上げを行うべきだがどうか。
また、消費増税と軌を一にして、「これ以上消費税分を転嫁できない」「もう身銭は切れない」と区内でも廃業する業者が目立っています。そこで区の消費税増収分を活用し、苦戦する区内産業への支援を強めることを提案します。
区内産業支援について
コア個店リニューアル事業による補助は、新年度受け付けてから実施までに、新規出店では6カ月近くかかり10月頃になってしまいます。これでは特定の時期に完成、開店する店しか制度としては使えません。制度としては大変使いにくく、実際昨年度は5件程度しか申請がありませんでした。事業者の計画に合わせて使えるような制度にすべきだがどうか。また、区内事業者を使って工事を行った場合には上乗せ補助などを行ってはどうか。
また、コア個店リニューアル事業は商店街支援であり、個店支援に使えるようにすることも必要です。
群馬県高崎市で実施しているまちなか商店リニューアル補助金は、店舗等の改装や店舗等で専ら使用する備品の購入を行う個店に対し、費用の2分の1の補助を行い、少額な工事から備品の購入と幅広く使える制度で、制度活用申請は730件を超え、金額も4億円を突破しています。また、工事や備品購入先を市内業者に限定し経済循環にも貢献しています。足立区でもこのような支援策を行い、区内商店支援と区内経済循環を図るべきだがどうか。
足立区の四半期ごとの景況調査によると、製造業で来期の収益は減益幅が大きく拡大すると見込まれ支援が重要です。ものづくり応援助成金は足立区の製造業と農業を対象に機械更新などの費用全体の2分の1、区内企業を活用した場合には3分の2、上限60万円までの助成が受けられる制度です。平成25年度は54件、2,630万円の申請があり、厳しい経営状況の中に置かれている区内業者から喜ばれています。区内業者支援を更に応援する立場から制度の改善と拡充をし、支援策を強めるべきだがどうか。
更に区内産業支援のために、給食における食材調達なども有効な策になります。学校給食は地元食材調達を原則としていますが、食材の購入について改めて地元調達を徹底するとともに、教育現場に限らず福祉現場も含めて、啓発を全庁的に行い地域経済活性化につなげるべきと思うがどうか答弁を求めます。
外部委託について
次に、区が進める区役所本体業務の大幅な民間委託(外部委託)は、1月から実施された戸籍事務の外部委託を見ても様々な法令違反の疑義に加え、縮減するはずであったコストは減らず、待ち時間も減らず、明らかなサービス低下となりました。新聞でも報道され、区長も記者会見で「委託になれば全てうまくいくイメージを与えたこと」と「区民を混乱させたこと」を謝罪しました。
区長は、戸籍・国保・会計・介護の4業務に加えて、税務、児童福祉分野の外部化も表明していますが、ここで一度立ち止まり、根本から外部化そのものを見直し、本来の自治体のあるべき姿に戻るよう求めて以下質問します。
戸籍事務は第一号法定受託事務であり、国が統一的に行う重要事務であるとともに、国家の統治の基本に密接な関係を有する事務と位置付けられています。また、日本国籍を公証する唯一の制度で、これがおろそかにされることは単なるプライバシーだけでなく人権問題になります。この事務がいい加減になれば、国の根幹が崩れてしまうため、国は外部委託できる分野を限定してきました。
区は、裁量の余地がない事実行為・補助行為も外部委託が認められるとした法務省民事第一課長通知を拡大解釈し、「マニュアル化すれば判断業務も外部企業に行わせることができる」として外部委託を行ってきましたが、この当初の認識が不十分かつ間違いであったことが東京法務局の改善指導で明らかになりました。委託に当たって、戸籍事務の固有性や重大性に対する認識が十分だったと言えるのか改めて伺います。
数々の法令違反について
次に区は、戸籍法に反して区職員の審査前に委託業者が処分決定の入力行為を行っていた業務を、法務局から改善指導を受け仮決定に変更し、もう一度最初にさかのぼって区職員が確認をするという手順の見直しで解決するとしました。この問題は参議院の法務委員会で我が党の仁比参議院議員が取上げ、法務省民事法制局長も入力・判断について、「業者がオーケーボタンを押していき、職員が1件1件さかのぼって判断すればいい」と答えました。これは法令を守ろうとすれば必然的に二度手間にならざるを得ないということだと思うがどうか。
区長は記者会見で「問題は解消した」と言いました。これは「窓口で民間職員が書類の不備等を理由として不受理をすれば委託範囲を超える」との東京法務局の指摘に対して「その都度区職員の判断を仰ぐ、より頻繁にエスカレーションを行うことで改善した」ということで良いか。
区は、あだち広報の1面全部を使い「民間活用で更なるおもてなし」とPRしましたが、区民事務所では5分程度でできる手続に3時間待ちの事態が生じました。区は引継ぎ期で慣れていない、3月から4月の繁忙期だったからと言いわけをしていますが、5月になっても事態は変わりません。住民票の異動と新住所の住民票の交付の手続をしたら2時間半もかかったという練馬区から越してきたこの若い女性は、「引っ越してきた途端に足立が嫌いになった」と言っています。このような例は枚挙に暇がありません。これでもサービスが向上したと言えるのかどうか答弁を求めます。
虚偽の報告を国に上げた問題について
次に、区は東京法務局から委託業者が本来行ってはならない受理・不受理の決定等を委託業者に行わせていたと指摘され、改善指示を受けました。これは本質的な法令違反であり、これを回避しようとすれば偽装請負となるか、二重行政を強めてサービスの低下とコスト増に突き進むしかないと思うがどうか。
戸籍法の平成19年の改正は、本人確認を法で定め厳格化しましたが、この法の趣旨にのっとれば、本人確認は「事実上の行為とは限らない」と大臣も認めていることを承知しているのか。事実上の行為でないならば、窓口での本人確認を民間業者が行うことは公権力の行使に踏み込み、法令違反になると思うがどうか。
法定受託事務は区市町村長の責任において行われるわけですが、実際は自治体職員が区市町村長の補助者として選任され行われます。選任された補助者に変更があった場合、区市町村長は補助者の氏名や生年月日、経歴などを法務局に報告する義務が生じますが、請負契約では発注側は請負側の労働者の把握をすれば偽装請負になるため、そもそも報告自体ができず、委託業者社員は受託事務の補助者になりえないと思うがどうか。
次に偽装請負についてです。
厚生労働省は「そもそも業務請負は成果物を作る過程で内容について発注者側に確認や指示を仰ぐことは偽装請負に当たる」としているが、区の認識も同じか。戸籍事務において請負業者側が成果物である書類を作成する過程において、都度の判断を区の職員に確認する行為、すなわち区側が言うエスカレーションは偽装請負になるのではないか。
東京労働局によると、細かすぎるマニュアルも偽装請負となる場合があると指摘しています。戸籍事務を請け負う業者には数百ページにも及ぶ細かなマニュアルがあるが、これは明らかな偽装請負なのではないか。
区は委託業者のサブリーダーは管理者だから、区の職員が指揮命令をしても偽装請負に当たらないとしていますが、労働関係法令上管理職とは労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にあるものを言うとされており、名称にとらわれず実態に即して判断すべきであるとされています。そして具体的な判断要素は、「1 職務の内容、権限、責任」「2 出退社等についての自由度」「3 その地位にふさわしい処遇」などとされています。裁判例も一般従業員と同じ賃金体系時間管理下に置かれている場合、勤務時間の裁量権のない者等について管理監督者ではないと判断しています。
裁判例や通達に照らしても、サブリーダーが、区の職員が指揮命令できる管理者と言えるのか答弁を求めます。
区は、法律を上回る条例をつくってはならないという憲法上の規定まで破って個人情報保護条例を改定しようとしていますが、憲法違反ではないのか。また、改定を行えば個人情報は守れるのかどうか。個人情報保護の誓約書は連名で区長宛となっています。これは法が禁止する二重雇用ではないのか。
次に区は、第1回定例会で東京法務局の立入り調査を見学と偽り、閉会中の委員会で訂正・謝罪しました。同時に、改善指導に対し「区が回答を行い、改善・対処し解決済み」と報告しました。しかし委員会当時、法務局は解決済みと認定していなかったではありませんか。ましてや労働法令の指摘事項を解決済みとしたことについて、東京労働局に確認をしたところ「現場を見ずに電話やファクスのやりとりのみ。相談を受けたという段階で一般論を言ったに過ぎない」ことが明らかになりました。議会へ解決済みとした報告と矛盾しているのではないか。
最初に手をつけた戸籍の事務だけでも前例のないほど問題が噴出し、新聞に度々掲載され、区長も謝罪するなどまさに足立区の信頼が失墜していると言えます。足立で体裁を繕い、全国に波及する懸念も広がっています。このまま外部委託の拡大が進めば区役所が区役所でなくなり、区民の権利も暮らしも守れなくなります。区役所を解体することは許されません。
そこでお聞きしますが、外部化ガイドラインは部分的な外部化を実施してもコストの大幅な削減は期待しがたいと述べ、広範囲に外部化するために大幅に改編しましたが、戸籍事務の失敗を踏まえて再度見直すべきではないか。
また、区が外部委託の前提としてきた効率化とサービス向上が完全に覆った今、戸籍事務は1年9カ月の契約で今年度中には次の契約をどのようにするかの判断が迫られます。待ち時間の増大でサービスの向上にもならず、二重行政で経費の削減にもならず、法令違反のクリアできない戸籍事務の民間委託は撤回の決断をすべきだがどうか、明確な答弁を求めます。
保育環境について
次に、保育行政についてですが、政府が2015年4月から実施するとしている子ども・子育て支援新制度では、市町村の責任で行う保育所保育とその他の施設と保護者との直接契約制度が併存し、施設によって基準も別々に作られるため、保育環境や保育条件に格差が生じます。また、保育の運営費に使途制限がかからなくなるので、本来子どもたちに使わなければならない税金が企業のもうけのために活用されるようになってしまう危険があります。保育を受けるためには自治体の認定が必要で、その認定によって受けられる保育の時間に制限がされるようになります。更に、制度が変わるため、今保育所に行っている子どもも認定を受け直す必要があり、これまでの保育を継続して受けられる保証はないなど様々な問題点を含んでいますが、必要な財源の確保もなく、制度の中身もまだ詳細が決まっておらず、保護者からは不安の声が多数寄せられています。
区は、第1回定例会で、我が党議員の保育の公的責任についての一般質問に「新制度においても保育所における保育は区市町村が実施することとされているため、区が保育の実施主体として責任を果たしてまいります」と答弁しています。東京には低すぎる国の保育基準を補うための費用を支給する様々な制度がありますが、廃止になれば保育環境は大きく後退します。新制度になっても当然その水準を維持していくものと思うがどうか。
保育所保育指針解説書には「子どもは水の冷たさや砂のざらざら感、泥のぬめりなど、土や水の素材に触れ、全身でその感触を楽しみます。乳児の頃からこうした感触を十分に味わい、諸感覚を働かせていくことが子どもの感性を育んでいく」と書いてありますが、最近は規制緩和が進み、園庭のない保育所や高架下の保育所が増えていますが、本来保育所はこういった経験が十分できる環境が求められていると思うがどうか。
子どもの豊かな成長発達の基本は、子どもと保育士の安定した信頼関係があってこそです。しかし、4月に開設する保育所の園長や保育士の募集が直前まで新聞の折り込みチラシで行われ、待遇や人手不足で保育士の入替わりも激しく、園長まで突如退職する事態が起きるなど、とても安定した信頼関係が築け、子どもと向き合った良い保育ができる環境にはありません。更に、保育所の規制緩和や公立保育園の民営化の中で、保育士の多忙化や質の低下が起きていると言わざるを得ません。
保育所の民営化を全国に先駆け行った横浜市では、営利を追求する民間法人は人件費を抑える傾向がありますが、保育の質を保つ要は保育士です。
そこで、民間保育事業者の人件費比率や離職率はどのようになっているのか明らかにされたい。また、問題がある場合は事業者に改善するよう求めるとともに、区として保育士を十分確保できるよう改善を図る対策が必要だと思うがどうか。
昨年、区では認可園で60名、認可外で約230人の定員を増やし、数字の上では今年度待機児は大幅に減少する見込みでありましたが、実際には第一次不承認が1,483人にも上り、待機児数も330人と昨年に比べ36人増えました。多くの親はより良い保育環境を求め認可園を希望していますが、これが保護者の願いに応えていない結果です。待機児解消は、保育料は応能負担、就学前まで保育が約束され、全員保育資格を持つ職員が責任を持って保育に当たる認可保育園の増設こそ実現できるとは思わないか。
区は、子ども・子育て支援新制度への移行に向けて、認証保育所を除く全ての保育施設の利用料金体系の見直しを行おうとしています。子育ての負担が増大し、少子化に歯どめがかからない下で、女性の社会進出を応援し、子育て支援の立場に立つなら、料金体系の見直しは負担軽減の方向で行うべきだがどうか。
次に、区長は鹿浜・江北地区の小・中学校8校を4校に半減させる統廃合計画を進め、今議会に4校を廃止する条例案を提案しています。鹿浜中と八中の統廃合に向けた条例案の提出は、区が示してきた行政計画では話合う時間が必要であり、2年間かけて皆さんと話合うため平成27年となっていました。ところが何の説明もなく、突如今回提出してきました。どうして自ら決めた行政計画を区議会に説明せずに変更したのか、その理由は何か。
また、小規模校の良さを無視し、計画に対する保護者、地域住民への説明責任も果たさず、避難所がなくなることに区民から不安が出ています。更に、区は子どもが減るとしていますが、日暮里・舎人ライナー沿線は開発が進み、沿線人口は確実に増えています。また、建設資材の高騰や人手不足で建設コストは区が予定している価格の1.5倍にもなることも明らかになりました。人口は減らない、経費は増大、地域からも理解されていない統廃合計画は撤回すべきだがどうか。
学力テストの結果公表について
次に、学力テストの結果公表についてです。
文部科学省はこれまでの実施要項で、序列化や過度な競争が生じる恐れなどがあるとして、自治体による学校別の結果公表を禁じていましたが、この方針を転換し、今回の学力テストから学校別の公表を認めました。
足立区が専門家の意見を教育行政に反映させるために設けた有識者会議委員の意見書には、学力テストの公表はすべきでない旨の意見も出ましたが、それにも関わらず4月18日の文教委員会で学力テストの学校別の正答率の結果を公表する意思を表明しました。
足立区では2004年度から学力テストの学校別順位の公表を行い、学校を序列化しました。その結果、各学校は点数を上げることに傾注する余り、過去問の反復やテストの集計から障がい児を除外するだけでなく、指さしの不正事件が発覚し、全国に衝撃を与えたことは記憶に新しいところです。真にこれらの出来事を反省しているのであれば、その足立区が学力テストの正答率など点数を学校ごとに公表する選択肢はあり得ません。学力テストの結果は公表すべきではないと思うがどうか。
特別支援教育について
2013年度の文部科学省の調査では、通級指導を受けている公立小・中学生は5年前の1.6倍に増えたことが明らかになりました。区も情緒障がい児出現率を6%との認識を示しており、一クラス2人程度の発達障がい児が在籍していることになります。各学校は教員が特別支援コーディネーターを兼務し、こども支援センターげんきからは学習支援員を派遣し対応していますが、実態に見合った体制をとることで成長・発達を保障する必要があります。
知的障がいのない発達障がい児を持つ親御さんから「長男が通級学級に週2日通っています。学校の対応は新年度になり、今までの個別支援はできないと言われ、子どもも学校に行きたくないと言っている」とのメールをいただきました。詳しくお聞きしたところ、小学2年生までは教員と学習支援ボランティアが個別的な対応で支えてくれていましたが、より支援が必要な子どもが入学し、学習支援ボランティアをそちらに回したとのことでした。教師の多忙化や学習支援員の不足もあり、本来主に授業のサポートや放課後補習の支援のための学習支援ボランティアが発達障がい児の支援をせざるを得ない現状があります。
こども支援センターげんきの学習支援員は足立区全体で学習支援講師1名、学習支援員9名、合わせて10名しかいません。各学校への派遣も週1回4時間程度で期間も最長6カ月の制限があります。教師も多忙化している中で十分に支える体制にはなく、インクルーシブ教育という考えの下で区が責任を果たしているとは言えません。早急に学習支援員を増員し、知的障がいのない発達障がい児への支援体制を充実させるべきだがどうか。
現在、区内には通級学級は小学校で3校しかありません。小学校の通級学級は送迎が基本であり、共働きなどで送迎ができない家庭では諦めざるを得ません。希望者全てが同じ教育が受けられるよう通級学級の増設をすべきだがどうか、答弁を求めます。
旧こども家庭支援センター用地の活用について
最後に施設更新と再編についてです。
総務省は、平成25年11月に国において作成されたインフラ長寿命化基本計画に基づいて、平成26年4月22日に各自治体に向けて公共施設等総合管理計画の策定に取り組むよう求める通知を出しました。国はインフラの老朽化が急速に進展する中、新しく造ることから賢く使うことへの重点化が課題であると言いながらも、総合管理計画に基づく公共施設等の除却に地方債の充当を認める特例措置を講じるなど、中身は公共施設の統廃合や廃止を促進し、公共施設を減らすことに重点を置いているものです。
区でもこうした総合管理計画の策定を行い、施設の更新を検討していくことになりますが、統廃合や廃止ありきとするのではなく、地方自治法にある住民福祉を増進する立場で施設更新に臨むべきと思うがどうか。
原油や原材料価格、建設資材の高騰や建設産業の人手不足の影響による建設費の高騰は当面続くことが予想されます。足立区中期財政計画では平成32年までの施設の更新計画を定めてありますが、予定どおり進めようとしたら当初予算に比べ必要額は大幅に膨らみ、それでも人手不足や価格の高騰で入札不調など施工業者が決まらないことも予想されます。また、民間の仕事に忙しい区内業者から無理に進めることを歓迎されるとも思えません。不急の事業の繰延べも含め、中期財政計画については見直しを行うべきだがどうか、答弁を求めます。
旧こども家庭支援センター用地の活用については、民間に全てを任せた開発優先、当初区民の声を一切聞かない区の姿勢に批判が集まりました。区はこれらの批判を受け、団体説明会やパブリックコメントの実施など、区民の声に耳を傾ける方向を一定示しました。
区の財産である区有地の活用は区民要望第一の観点で進めるのが当然です。当用地は綾瀬駅からも近く7,400uの広さがあり区民の期待も大きいものがあります。今回区が実施した説明会やパブリックコメントではどのような要望が寄せられたのか、また活用計画には今回出された意見・要望は可能な限り取り入れるべきと思うがどうか。
区は、土地を一括して民間事業者に貸出さないと必要な床面積を確保できないとしています。そのため、このままの計画を進めるならば民間事業者が建てた公共施設の建物を区が買取り、その上、もともとは区の土地なのに公共施設の土地については地代を民間事業者に支払うという不正常な形になります。これでは北千住の東京芸術センターの二の舞になりかねず、到底区民の納得が得られるものではありません。このような活用の手法については見直すべきだがどうか。
現在、区内には都営住宅の建て替えやUR住宅の集約化によって大規模な事業用地の創出が予定されています。
区民からは常に大学病院の誘致への根強い要望があります。区としてこの機会を捉え、積極的に大学病院誘致を図るべきだがどうか答弁を求め、この場からの質問を終わります。
答弁
○せぬま剛 議長 近藤やよい区長。
[近藤やよい区長登壇]
◎近藤やよい 区長 はたの昭彦議員の代表質問のうち、消費増税についてのご質問にお答えをいたします。
消費税の8%から10%への引上げにつきましては、国が様々な指標を精査し、より慎重に判断すると報道されております。高齢化が急速に進む我が国におきまして、社会保障制度を安定的に持続させるために消費税は必要な財源であると考えております。
一方、区民の暮らしや区内経済にも注視をしていくことは必要であり、経済動向によっては必要な措置を講じてまいります。
他のご質問につきましては、参与から答弁させていただきます。
◎長谷川勝美 政策経営部長 私からは初めに、原発の再稼働についてお答えいたします。
東日本大震災における福島第一原発事故は、安全・安心なエネルギーの供給体制という課題を我が国に改めて投げかけました。しかし一方で、現在の国民生活と産業活動におきまして、エネルギーの安定的な確保が必要不可欠であるということも認識しなければならないと考えております。したがいまして、原発再稼働につきましては、十分な検討の上に慎重に判断されるべきであり、原発に頼らないエネルギー供給体制を一日も早く構築すべきと考えますが、電力不足による社会全体の混乱、電気料金の値上げ、温室効果ガスの増加など、解決すべき課題が山積しているため、安定的な電力供給を行いつつ、現実的に可能な範囲でエネルギー転換を図っていくべきとの考えに変わりはありません。
次に、消費税増税による増収分の活用について一括してお答えいたします。
今回の消費税増税による増収分については、社会保障施策に要する経費に充てるものとするとされており、当区におきましても増収分の全額を高齢者福祉、障がい者福祉、児童福祉、保健衛生、国民健康保険の各施策に充てております。
幾つか例示しますと、高齢化により対象が拡大する介護保険事業や後期高齢者医療事業制度の安定化のために係る経費などに充当いたしました。特に、障がい者自立支援給付事業では支給対象者の拡大、国民健康保険による保険料負担軽減の対象者の拡大に対応する基盤安定等の拡充部分にも充当しております。
消費税増税による負担増につきましては、福祉タクシー券や生きがい奨励金の受給者等に関わらず、国民全体が広く負担するものであり、サービスの引上げまでは考えておりません。
次に、足立区個人情報保護条例における罰則規定の改正についてお答えいたします。
今回の条例改正は一般に横出し条例と言われているものであり、国の法令と同一目的で規制を行う場合に法令で規制していない事項を規制するものでございます。地域の実情に合わせて規律して良いと認められる場合には横出し条例が許容されており、これを認めた最高裁判例もございます。実際、品川区等の条例に個人情報の漏えいに関する同様の罰則規定がございます。
当然のことながら今回の改正につきましては、東京地方検察庁と事前に協議し、罰則の対象になるものや行為、刑罰の程度に関する基本的な考え方について了解を得ております。
今回の改正により、全ての個人情報を正当な理由なく他人に知られる行為自体を罰則の対象にすることで、情報漏えいの抑止力を更に強化し、区民が安心して行政サービスを受けられる環境を整備してまいります。
次に、外部化ガイドラインについてお答えいたします。
専門定型業務の外部委託につきましては、業務委託を通じ、公共サービスを提供する人員と財源を生み出し、喫緊の課題にそれらを振り分けられる効果の高い経営改革手法の一つと考えております。
外部化ガイドラインは、専門定型業務の外部化を推進していくに当たり、足立区の職員が共通認識として持つべき指針として位置付けるとともに、サービス提供のパートナーである事業者が留意すべき事項を取りまとめ、本年4月に改定したものでございます。
この外部化ガイドラインにつきましては、外部化の推進に当たって新たに生じた課題等を的確に捉えつつ、今後も引き続き内容の充実に努めてまいります。
次に、中期財政計画の見直しについてお答えいたします。
これまで区は建設費の高騰に対し、新労務単価に基づく契約変更協議の請求を可能とする特例措置の導入や、既に契約した工事へのインフレスライド条項の適用などの対策も進めてまいりました。
また、労務単価の上昇に対応するため、設計委託や工事請負費を増額する補正予算も本議会に提出させていただきました。
中期財政計画自体の本格的な見直しは平成28年度に予定しておりますが、それ以前であっても防災・減災対策のための改修工事の優先実施、不要不急な工事着工等の先送りなど、今後とも必要な措置を講じてまいります。
最後に、大規模住宅建て替えに伴う大規模用地を活用しての大学病院誘致に関するご質問についてお答えいたします。
これまでも議会へご説明してきたとおり、医療圏の問題や適切な用地など不明確な部分が多く、エリアデザイン推進本部にて現状の把握を行い、実現の可能性を探っておりますが、現時点での進展はございません。
◎川口弘 危機管理室長 私からは、放射能対策についてお答えします。
足立区は、発災当初から区内の放射線量を把握し、区有施設の測定結果、国の測定結果等を総合的に判断し、区内では妊婦や乳幼児を含む全ての皆様が通常の生活を続けても健康に問題ないとした上で、区民の不安に応えて対策を行ってまいりました。
ご質問のとおり、区内の放射線量は徐々に低減しておりますが、今後も国が示す放射線対策の指針などの動向を注視しながら、指標値以上の値が測定されれば速やかに対処していく方針を当面維持してまいります。
以上のように必要な対策は実施してまいりましたので、新たに測定器の貸出しを行う考えはありません。
また、食材検査についても、現在各都道府県における農産物や水産物の検査体制が確立し、放射性物質の基準値を超えた食品は出荷制限されているため、状況に変化がない限り食材検査は必要ないものと考えております。
◎橋本弘 福祉部長 私からは、介護保険料についてお答えいたします。
医療・介護総合推進法案においては、低所得者の保険料の軽減について触れられております。しかしながら、高齢化の進展により当区における高齢化率は24%に達しようとし、介護保険における給付費も年々増加しております。
第6期の介護保険料については、実施中の高齢者実態調査や第5期における給付の状況、また介護施設の整備計画などの様々な状況を踏まえ、安定した介護保険の制度運営に必要な介護保険料を設定してまいります。
◎鯨井利昭 産業経済部長 私からは、区内産業支援についてお答えをいたします。
初めに、当区のコア個店リニューアル事業と高崎市のまちなか商店リニューアル補助金について一括してお答えいたします。
当区のコア個店リニューアル事業は、個店の新規開店や改装経費を支援することを通じて、商店街全体のにぎわいや集客増、地域の活性化等につなげることを目的とした制度です。そのため、高崎市のように、商店街に加入していない店舗にまで拡大することは考えておりません。
次に、本事業のスケジュールでございますが、3月から相談を受け付け、4月から申請、審査会を経て6月に交付決定を行っております。今後、事前相談期間を長目に設定したり、予算の範囲内で年度内に再度募集を行うなど工夫を加え、より多くの事業者にご利用いただけるよう努めてまいります。
また、区内事業者の活用に伴う上乗せ補助につきましては、今後研究してまいります。
次に、ものづくり応援助成金についてお答えいたします。
この制度につきましては、申請様式の簡略化や認定農業者を対象として追加するなど毎年改善を図ってきており、今後も利用者の意見などを参考に更なる改善に努めてまいります。
また、助成した企業からも経営改善や生産力の向上につながったと大変好評をいただいております。制度の拡充は難しい状況ですが、引き続き必要な企業にこの制度を活用していただけるよう、中小企業相談員やマッチングクリエイターを積極的に活用し、更なる周知に努めてまいります。
次に、食材調達についてお答えいたします。
現在でも区立の小・中学校や保育園では多くの食材を地元の商店等から購入しておりますが、今後も地元調達について全庁的に働き掛けてまいります。
◎鈴木伝一 区民部長 私からは、外部委託についてのご質問のうち、区民部の所管のものについてお答えいたします。
戸籍業務そのものについては、国民の身分関係を公証する唯一の法制度であり、大変重要なものと認識しております。
外部委託に際しては、約5カ月間従事者研修を行い、窓口ピークの3月、4月に対応するため、1月から委託を実施しました。しかしながら、当初想定していたレベルのサービスが提供できずにご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。
今後は、戸籍法はじめ関係法令の遵守はもちろん、平成25年3月28日付、法務省民事局民事第一課長通知に基づき、適切に実施してまいります。
次に、戸籍法に基づく受理決定についてお答えします。
東京法務局の指導により、受理行為の処分決定の方法を変更しました。事業者が入力した内容を職員が確認、判断するもので、新たな入力作業を行うわけではありませんが、作業工程が一つ増えたのは事実であります。
次に、窓口対応についてお答えします。
東京法務局から指摘を受けた3点については、改善を行い、解消されたとの通知をいただいております。窓口において書類の不備等を理由とした不受理については、区の職員が対応することを明確にいたしました。エスカレーションはそれを行うための意思伝達行為と考えております。
次に、サービス低下との質問にお答えいたします。
これまで窓口で時間がかかったことをおわび申し上げます。
現在、お待たせした案件については、処理時間を把握し、原因を究明し、分析改善を行い、お待ちいただく時間は徐々にではありますが短縮してきております。今後も処理時間の短縮対策を進め、サービス向上を実感できるよう努めてまいります。
次に、東京法務局の改善指摘についてお答えします。
指摘のあった4点のうち、労働関係法令上の確認以外の3点につきましては改善を完了しております。今後とも受理・不受理の決定など、公権力の行使につきましては区職員が責任を持って行い、法務省通知で認められている事実上の行為又は補助的行為の外部委託との最適バランスを図りながら、区民サービスの向上につなげてまいります。合わせて、更なる事務改善にも努めてまいりますので、二重行政を強め、サービス低下とコスト増に突き進むものとは考えておりません。
次に、法務大臣の認識と窓口での本人確認が法令違反とのご質問にお答えします。
まず初めに法務大臣の認識についてですが、5月22日の参議院法務委員会で大臣は、戸籍事務の一部を民間委託する場合であっても、平成19年の法改正の本人確認の厳格化の趣旨に基づき、厳正かつ適切に処理されることが必要と発言しているのであって、ご質問にあったように、本人確認が事実上の行為とは限らないと認める発言はなかったことを議事録で確認しております。
次に、窓口での本人確認についてですが、これまで民事第一課長通知により、本人確認は全て事実上の行為とされてきました。先の参議院法務委員会の席上、民事局長から本人確認の際公的身分証明書がなく、戸籍データを見ながら質問をし、その答えぶりによって本人であることを確認する場合など、事実上の行為とは言いにくい面があるとの答弁がなされました。しかし、ご質問のように、本人確認は全て事実上の行為ではないと全否定するものではありません。このことは法務省に確認いたしました。
次に、補助者の選任についてお答えいたします。
東京法務局の戸籍法事務準則第5条第1項では、戸籍事務を取扱う補助者の選任又は異動があったときは、その旨を報告するとされています。法務省に確認したところ、同条で報告が求められている補助者は市区町村の職員であるとされているため、受託事業者の従事者が戸籍事務の補助的業務を行っても報告する必要はないものと考えております。
次に、偽装請負について一括してお答えいたします。
現在、4月30日の現地調査の結果を待っております。結果を頂戴次第、必要がある場合には対応してまいります。
次に、個人情報と二重雇用の問題についてお答えいたします。
足立区個人情報保護条例第17条第2項では、受託者の責務として、受託業務に従事している者又は従事していた者は、業務に関して知り得た個人情報を他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならないと定め、守秘義務を課しております。誓約書はこれを担保するための手段の一つとして提出を求めているもので、区が直接従業員を雇用するものではなく、二重雇用には当たりません。
次に、虚偽の報告を国に上げたとのご質問についてお答えします。
4月15日の区民委員会では、中間報告として法務局からのご指摘のあった3点についての改善内容について実施済みとしてご報告申し上げました。ご質問にあったように、解決済みというのは報告しておりません。しかしながら、法務局から指摘を受けた4点目の事項である労働関係法令上の確認については、添付資料には記載のある東京労働局指導官の一般論としてのご意見である旨の部分を報告書には省いて、単に問題がないことを確認したと正確性を欠く記載を行いました。深く反省をしております。
次に、外部委託の撤回を決断すべきとの質問についてお答えします。
1月からこれまでの委託期間の実情調査で処理時間の改善状況やサービス品質など、委託後の課題を入念に分析しています。この分析は更なるサービス向上を目指すものであり、撤回は考えておりません。
◎大山日出夫 資産管理部長 私からは、まず施設再編計画についてお答えいたします。
今回の総務省からの通知の趣旨は、公共施設の老朽化が進行している中、将来的な人口減少社会の到来を踏まえ、公共施設の更新、統廃合、長寿命化等を計画的に行うことで財政負担の軽減、平準化を目指すものでございます。
このようなことから、公共施設の総数や延べ床面積の縮減は避けて通れないものと考えております。
なお、計画の策定に当たりましては、今後の区民サービスの在り方も十分に考慮した上で検討してまいります。
次に、旧こども家庭支援センター用地の活用について一括してお答えいたします。
本年3月に実施した説明会やパブリックコメントにおいては、ホールや図書館の設置についてのご要望をいただいております。現在、公共施設の検討に当たり、子どもが本と触れ合える図書コーナーや多目的室について、設置に向けた検討を行っております。また、今回の事業手法に関しましては過去の民間活用事例の反省を踏まえつつ、公共施設更新に係る区の費用負担を最大限軽減することを目的として、敷地一体での貸付けや公共施設の買取り等を実施することとしており、民間事業者からの収入が区の支出を大幅に上回ることを想定しております。
今後、事業者選定に当たりましては、事業者からの収入と区の支出をわかりやすく数字でお示しし、ご理解をいただきたいと考えております。
◎青木光夫 教育長 私からは、鹿浜・江北地区の小・中学校の統合計画についてお答えをいたします。
今回ご提案している足立区立学校設置条例の一部を改正する条例は、学校の設置位置と学校名を定める条例であり、設置位置については実施計画を決定した昨年12月に、また校名については統合地域協議会の意見を最大限尊重した上、本年3月に区として決定をいたしました。
このように、条例改正する条件が整備されましたので、提案に至ったものでございます。
また、これまでにおける学校適正配置事業の取り組みにつきましては、随時文教委員会に報告及び説明をしており、適正規模・適正配置実施計画を変更したことはございません。
鹿浜・江北地区の人口動向につきましては、住民基本台帳に基づき、常に状況の把握に努めているところですが、現状において就学前人口については逓減傾向であることに変わりはございません。また、昨年度に実施した人口推計に基づく算定においても同様となっており、日暮里・舎人ライナー沿線の人口の急増は見込めない状況でございます。こういったことから、鹿浜・江北地区の学校統合計画を撤回する考えはございません。
◎三橋雄彦 子ども家庭部長 私からは、認可保育所運営費の水準についてお答えします。
現在、国や都の補助金と区の負担を財源とする国基準の運営費に、保育扶助要綱などに基づき区が負担する運営費を合わせて支給しております。新制度においてはこれまでの国基準の運営費から保育の質の改善を盛り込んだ公定価格に移行することになりますが、区としてはこれまで支給してきた運営費総額の水準を基本に運営費の在り方を検討してまいります。
次に、保育環境についてお答えします。
子どもの様々な感性を育んでいくことは重要なことであり、自然環境の少ない都市にあっても、近隣の公園や広場など自然環境の残された場所に出かけ、土や水に触れるなど、自然と触れ合う機会を積極的につくっていくことが大切であります。園庭のない保育所においてもそのような工夫により子どもたちの感性を育む環境を確保していくことが必要であると考えております。
次に、保育の人的環境についてお答えします。
区としても、保育の質を保つ要の一つは保育士であると考えております。民間事業者の人件費比率や離職率は把握しておりませんが、人件費の削減が保育の質に影響することのないよう、今年度から区の保育指導担当者が各私立保育所を巡回し、保育内容や人的環境などを確認しております。
また、実際に保育の質に影響が出ていることが確認された場合には、運営事業者に改善を指示する他、保育士の処遇改善に資する国の補助事業などの活用を検討してまいります。
次に、認可保育所の増設についてお答えいたします。
区では、平成25年度に改定した足立区待機児童解消アクションプランに基づき施設整備を行ってまいりましたが、残念ながら昨年に比較し36名の待機児童の増となってしまいました。地域ごとのニーズが変化し、施設整備を行った地域と保育需要が高い地域との間にずれが生じることもありますので、現在その要因の分析を進めております。
全ての待機児童を認可保育所で対応することは、ニーズの実態からも経費の面からも適切ではないと考えております。
次に、保育料の見直しについてお答えいたします。
子ども・子育て支援新制度の導入は、消費税率引上げによる財源の一部を活用し、幼児教育・保育・子育て支援の質と量の拡充を図るものでございます。認証保育所を除く認可外保育施設などについては、応益負担から応能負担に移行するため、所得階層によっては負担軽減が生じるものの、全ての利用者の負担軽減を目的とする利用者負担の見直しは考えておりません。
次に、発達障がい児への支援体制についてお答えします。
現在、知的障がいを伴わない発達障がいに関する相談が多いため、今後、学習支援講師などの増員の必要性も含め、児童・生徒及び学校への支援の充実について検討してまいります。
次に、情緒障がいなどの通級学級についてお答えします。
東京都は、平成28年度以降、全小学校に情緒障がいなどの特別支援教室を設置し、特別支援担当の教員が各校を巡回して、児童がその在籍校で通級指導を受けられる体制を構築するとしています。これにより、保護者の送迎の負担は大幅に軽減されると考えられます。
今後、都の体制整備状況を見ながら適切に対応してまいります。
◎浮津健史 教育指導室長 私からは、学力テストの公表についてお答えします。
学力テストで出題された問題は授業で学んだ内容であり、それがどの程度身に付いたかを確認するために行っており、児童・生徒一人ひとりやクラス、学年の定着状況を確認する上で大変有効であると考えております。また、結果から導き出せる傾向や課題を分析し、それを踏まえた改善方策も含め公表することは、各校の現状や基礎学力定着に向けた具体的な取り組みを広く保護者や地域に伝えることになり、学校への更なる協力や理解を得られるものと考えます。
なお、文部科学省から出された平成26年度全国学力学習状況調査に関する実施要領に、調査結果の取扱いに関する配慮事項が定められておりますので、その点に注意し、より適正な公表となるよう行ってまいります。
再質問
○せぬま剛 議長 はたの昭彦議員。
◆はたの昭彦 議員 何点か再質問させていただきたいと思いますが、まず区長の政治姿勢について、消費税の部分なのですが、私は今回の消費税増税、社会保障充実のためと言いながら、実際には大企業減税に多くを使われて、区民の暮らしを応援する立場のところに使われていない、このことを踏まえれば消費税10%の増税は認められないのではないかということで質問いたしましたので、その辺もう一度答弁お願いします。
それと原発の再稼働については、司法が経済性よりも国民の命を最優先させるべきだと、そういう判断を下し、更には電力不足も起きていないという状況の中で、再稼働について再稼働反対の立場に立つべきではないかということで質問いたしましたので、その点についてももう一度ご答弁をお願いしたいと思います。
それと外部委託についてですが、まず公権力の行使についてなのですが、スキルアップを図ってサービス向上に努めていくというような答弁だったのですが、今回の法務省の通達からすると、改善をより厳密に判断業務を行えば行うほど区の職員の関与が必要になり、それをサービスの向上のために少なくしようとすれば偽装請負の可能性が大きくなるということを言って、偽装請負となるか二重行政を強めサービスの低下とコスト増に突き進むしかないという、二つの法律の間で相反することをすることができないからということで質問しましたので、その点についてはもう1回ご答弁をいただきたいと思います。
それと、法務大臣の事実上の行為というのについては、全てを事実上の行為と言っているわけではないのですね。それで窓口業務については、事実上の行為であるかそうでないかの判断も含めると、判断を常にしなければいけないわけですよ、窓口においては。そういったことで、そのときに既に判断業務が入るからそれは公権力の行使ではないかということを指摘して質問していますので、ご答弁をお願いしたいと思います。
それと、偽装請負についての細かすぎるマニュアルですとか、あとサブリーダーの件についてはご答弁いただいておりませんので、明確にご答弁をお願いしたいと思います。
それと、虚偽の報告を国に上げた問題について、区民部長は中間報告でということでお答えいただきましたが、区民委員会では文書を出して紹介し、問題ないというふうにいただいていると明確に答弁いたしておりますので、その点についてもう1回、再答弁お願いしたいと思います。
それと保育環境の問題で、民間事業者の人件費比率と離職率にはどのようになっているのかということで、質問通告でお出ししているにも関わらずご答弁がありませんでした。この点については調査もしていただけなかったのかということを確認させていただきたいと思います。
それと教育行政の学校統廃合については、準備が整ったので今回条例案を提出したということですが、これまで2年間かけて地域の皆さんと話合うために期間が必要だから平成27年度とするということで議会に報告されていました。今のご答弁ですと、区側の論点ばかりが主張されて、学校統廃合、実際に受入れなければならない区民の皆さんの立場に立っていないようなことでの提案だと思うのですが、その辺について明確にご答弁いただきたいと思います。
再答弁
◎近藤やよい 区長 私から、消費増税についての考え方について再度ご答弁させていただきます。
消費税は先ほど申し上げましたとおり、社会保障制度安定維持させるために必要な財源だと考えておりますので、10%の増税についてもいたし方ない部分もあるかというふうに考えておりますが、区の、これもご答弁申し上げましたけれども、この状況によって区民生活がどのような影響を受けるのかということ、それは常に区として注視しておりますので、必要と思われる際には経済動向などを鑑み、必要な措置を講じていくというふうに考えております。
◎長谷川勝美 政策経営部長 原発再稼働につきましては、現状を総合的に考慮して、十分な検討の上に慎重に判断されるべきと先ほど答弁させていただきました。
◎鈴木伝一 区民部長 先ほどの答弁の中で、私ども申し上げましたけれども、法務省の通知で認められた事実上の行為また判断行為、外部委託等、そういったバランスを図りながら、そういった問題を解決しながら、なおかつ区民サービスの向上につなげるように努力もすることによって、サービスの低下とかコスト増に進むしかないということではないということを申し上げたわけでございます。
それから局長の答弁の中で、全てが確かにだめではないということを言っていると思っております。私もこういった踏み込んだ答弁につきましては、今後何らかの行動が起きればそれに従っていきたいと、そのように考えております。
それから偽装請負の関係でございますけれども、これは先ほど答弁にも申し上げましたように、今調査が入っております。いずれにしましても、その調査結果を踏まえて、私はしっかりと対応していきたい、そのように思っております。
それから国の文書については、当時の報告資料の中に書かせていただきました。ただ、その書かせていただいた内容を区民委員会の中で、確かさとう議員がご質問になったと思います。内容と表題が違うのではないかというようなご指摘をいただき、その点については先ほど反省をしていると、こういう状況でございます。
◎三橋雄彦 子ども家庭部長 民間保育所の人件費比率や離職率については、現在、私立保育園から報告してある資料だけでは人件費比率や離職率は出ないといった意味で把握しておりませんと答弁させていただいたところでございます。
◎青木光夫 教育長 2年間かけてというところのくだりは、計画上、基本計画や設計、つまり学校の施設に関しての記述の部分を引用されていると思います。
計画自体については、先ほど答弁させていただいたとおり、全く変更したことはございません。