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●一般質問−浅子けい子議員(平成26年9月25日)
◆浅子けい子 議員 私はまず、子ども施策について質問します。
政府は、「子供の貧困対策に関する大綱」を閣議決定しましたが、児童扶養手当の拡充や給付型奨学金の導入などは見送られ、貧困率改善の数値目標も設定されませんでした。「既存の政策を並べただけ」という批判の声が上がるのも当然です。
日本の子どもの貧困率は、OECDの加盟国の中でも高く、特にひとり親世帯の子どもの貧困率は54.6%と突出し、幾ら働いても困窮状態から抜け出せないのが実態です。子どもの権利条約を基本とした政治の力で、親から子への貧困の連鎖を断ち切ることが求められています。
足立区は、横断的な子どもの貧困対策本部を立ち上げましたが、子どもの貧困の実態を踏まえて対策をつくることが必要であり、そのためにも、足立区の子どもの貧困の実態の適切な把握が必要だと思うがどうか。
足立区では、就学援助を受けている児童が37%に達するなど、より深刻です。貧困率改善に向けた実効性のある対策を行い、貧困の連鎖を断ち切るためには、区として数値目標を持ち、取り組んでいく必要があると思うがどうか。
貧困に置かれた子どもたちは、経済的理由で給食費の滞納や、進学をあきらめたり、中途退学など深刻な実態に置かれていて、大綱でも課題になっています。
足立区では現在、フリースペースわかばで、生活保護世帯のひきこもりやニートの子どもを対象に、楽しく遊び、学ぶ居場所づくりを行っていますが、更に幅広く、生活困窮者世帯の学ぶ家庭環境にない児童・生徒を対象に、継続した支援を行う居場所をつくる必要があるのではないか。
大綱の重点施策であるスクールソーシャルワーカーは、貧困家庭の子どもたち等を早期の段階で生活支援や福祉制度につなげていくことができるよう、増員が言われています。足立区でも拡充することが重要だと思うがどうか。
更に、葛飾区では今回、就学援助の基準を引上げました。児童扶養手当の拡充や給付型奨学金制度の創設を国に求めるとともに、就学援助の基準引上げを行うなど、区として経済的支援を進めるべきと思うがどうか。以上、答弁を求めます。
次に、足立区は全国で8番目に待機児の多い自治体で、認可保育所に申込んでも入園できなかったパパ、ママが2年連続で区に不服審査請求を行いました。来年4月から保育、幼稚園、学童保育など子育て支援に関わる制度を根幹から転換する子ども・子育て支援新制度の実施が予定されています。本当に保育の質が確保できるのか、待機児解消ができるのかが問われています。
そもそも新制度は保育の市場化を目指すもので、介護保険制度をモデルにして、これまで区市町村の責任で保育を提供する現物給付の制度から、利用者と事業者の直接契約を行う現金給付の仕組みに変更してしまうものです。区市町村の責任が後退し、企業の儲けに道が開かれるとともに、保育者の資格の緩和などが国基準に盛り込まれ、国の制度として保育に格差を認めてしまうものです。
多くの保護者や保育関係者の運動で、「現行水準から後退させないで」の願いが反映され、保育の実施責任は残されました。今後も児童福祉法24条1項の保育の実施責任を踏まえ、待機児解消は認可保育所の増設を軸に進めていくべきと思うがどうか。
政府は、待機児童解消の受皿に、基準の緩い小規模保育室などを使おうとしています。国の政策の遅れから、資格者の少ない認可外施設での死亡事故は認可施設の40倍というデータもあります。
都は、独自に国基準に上乗せした基準や加算を設け、保育の質の確保に努めてきました。新制度実施に当たり、どの施設、事業所でも現行保育所基準以上の条件を保障すべきと思うがどうか。
全ての施設、事業所で保育者は有資格者に、給食は自園調理で調理員の配置をするべきと思うがどうか。
また、認可保育所について、4階に保育室を設置する場合に、屋外避難階段など必置規制がなくなったり、少人数の保育が想定される小規模保育等では、認可保育所以上にビルの一室等での保育が想定されるが、子どもの安全や災害時の避難などを考えれば認めることはできないと思うがどうか。
子どもの成長と保育の質の確保にとって、園庭は重要です。区が支援して園庭の設置を義務付けていくべきと思うがどうか。
次に、新制度において、保育料は全ての施設・事業所が応能負担になるとともに、認可保育所の保育料は住民税額から算出されることになります。こうした改定の中で足立区が示した試算では、低所得者世帯を中心にかなりの世帯が値上げになると見込まれますが、保育料は軽減こそすべきであり、少なくとも今以上の負担増にならないようにすべきだがどうか。
これまで保育所では認められていなかった保育料の上乗せ徴収が認められるとともに、日用品や文房具、食事の提供に要する費用など実費徴収もできるとしていますが、これらは新たな負担増になるものであり、行うべきではないと思うがどうか。
また、食費については、足立区は保育料の中に既に含まれており、更に実費徴収ができると規定することは二重取りになるのではないか。
保育短時間と認定された児童は、短時間を超える保育は延長保育料を払わなければなりません。利用者の新たな負担増となるものであり、認めるべきではないと思うがどうか。以上、答弁を求めます。
新制度枠外の認証保育所は、認可保育園に移行するか、大幅な運営費の削減となる小規模保育に移行するかが5年間の経過措置の間に迫られることになります。園児の入所が少なくなってしまう可能性があり、維持、存続が難しい局面に直面しています。認証保育所については、公的保育を補完する重要な役割は変わらないと思うがどうか。
定員定額制にするなど運営費を支援し、希望する移行ができるよう対策を講じるべきと思うがどうか。
区は先駆けて保育園の民営化を進め、新設の認可保育所は株式会社を含め全て民設民営です。2000年度に株式会社の参入が解禁になりましたが、自治体の裁量で歯止めをかけることもできました。
しかし新制度では認可制度の変更で、多様な施設で基準の緩和が行われ、基準を満たしていれば過剰供給でない限り歯止めがかけにくく、企業が参入しやすくなります。既に、指定管理者による保育園で開設間際まで園長や保育士の募集が行われていたり、園長が突如退職したり、保育士の定着率が悪く、0歳児保育を実施園なのに看護師未配置のまま保育を行っていたことが発覚しました。また、民設民営では、子どもを公園に置き去りにするなどの問題も起きています。これ以上の保育所の民営化はやめるべきと思うがどうか。
保育は人であり、質の向上の鍵を握ります。民設民営や民営化された保育所に、財務諸表の公開を求めるなどして人件費比率の向上を図るべきと思うがどうか。
区として、保育士に対して人件費補助を行い、処遇の改善、人材の確保と定着を図る対策を講じるべきと思うがどうか。
また、世田谷区のように、民営化した保育園についてガイドラインを作成し、チェック機能を確立すべきと思うがどうか。以上、答弁を求めます。
都市再生機構と足立区は、UR花畑団地センター街区に、区立花畑保育園は今の場所で区立のままで存続することにしていました。それが、突然区立保育園を廃止し、今の場所より園庭が狭く、目の前をバスが通るなど保育環境の悪化が懸念される団地の外れに移転し、民設民営の私立保育園にすることが強行されようとしています。花畑保育園の民営化は、矢継ぎ早な区の民営化計画にもなかったものです。子どもにとって何も良いことはなく、子ども重視に逆行しているのではないか。また、エリアデザインによる開発の用地確保が狙いではないか。
来年4月から新制度を実施するためには、実施主体の自治体は今年秋から様々な手続を開始しなければなりません。しかし、政府自体が当初示したスケジュールどおりに進まず、保育料については12月に条例を提出する予定だったものが、国の省令が提出されず、更に遅れることになりました。これでは、入園申込みに間に合いません。こうした政府の対応の遅れは、保育制度を根底から変える戦後初めての大きな改革であるのに、当事者である保護者や保育関係者にも内容がほとんど知らされていないという問題も生じています。このような見切り発車を認めることはできません。国に対して、新制度実施の延期を強く求めるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
次に、学童保育は、足立区では現在15室が1室40人を超えるなど大規模化しています。また、直営、民営、指定管理、住区センターへの委託と多様な形式で運営されていますが、大半は住区センターで、有資格の指導員は義務付けられておらず、働く時間も細切れで、子どもたちと継続して関わることはありません。
新制度では、今までなかった最低基準がつくられ、児童福祉法の改定で入所対象は小学6年生までに拡大されました。これを機に、学童保育の位置付けを高め、区として政策的に予算配分を増やすなどして、条件整備のため抜本的な改善、拡充をしていくべきと思うがどうか。
また、指導員は児童40人に2人以上、そのうち1人は都道府県知事が行う研修を修了した資格が必要で、他は補助員でよいとされていますが、指導員は全て有資格者にすべきと思うがどうか。
新制度の附則に指導員の処遇の改善が盛り込まれましたが、区として人件費を保障して、指導員の確保と定着率の向上を図るべきと思うがどうか。
集団規模については、おおむね40人以下とされました。現在足立区では、面積があれば50人までは認めていますが、少人数学級の実施が求められているとき、まずは40人以下規模にしつつ、全国学童連絡協議会が提言している30人を目指す考えはないか。
足立区は毎年、学童保育でも待機児童を抱え、今年度も申請しても入れなかった児童が101人も生まれました。区のニーズ調査では、対象拡大される4年生以上で、1,650人の児童が学童保育の入所を希望しています。
区は、学童保育を必要とする児童全員が入室できるよう、計画的な増設をすべきと思うがどうか。
また、単年度ごとの申請ではなくて、6年生までの継続保育を行うとともに、学校休業日などは入退所の時間を拡大する考えはないか、答弁を求めます。
今年2月に起きた北千住の踏切事故は、改めて無人踏切の問題点を認識させました。高架化など一刻も早い抜本的対策に足を踏み出すべきです。
踏切事故は昨年も全国で295件発生し、犠牲者の多くは高齢者や障がい者です。現在の遮断機は健常者が時速5qで踏切を通過することを目安に時間が設定されていて、高齢者や障がい者は、遮断機がおりるまでに渡り切ることはできません。警報が鳴ってから遮断機がおりるまでの時間設定の目安は、見直す必要があると思うがどうか。
すぐにできる対策として、人も自転車も乗れるエレベーターを設置し跨線橋をつくるなど、安全確保をするべきと思うがどうか。
踏切事故は、周囲の声掛けがあれば未然に防げた可能性があると言われています。もう二度と貴重な人命が脅かされることのないよう、東武鉄道に人的配置を強く求めるとともに、東久留米駅付近の踏切で実施しているように、当面区としてシルバー人材などの力を借りて見守り員を配置する考えはないか。
以上、答弁を求め、この場からの質問を終わります。
答弁
◎橋本弘 福祉部長 初めに、子どもの貧困の実態把握及び数値目標に関しまして、一括してお答えいたします。
「子供の貧困対策に関する大綱」に示された指標を見ると、区において既に把握している数値もありますが、区個別の数値として把握していないものもあります。子どもの貧困の実態把握として何が必要か、また、どのような数値目標を定めていくかなどにつきましては、子どもの貧困対策本部で議論してまいります。
当面、高校の進学率や学習環境などに関する指標を設定し、進行管理をしてまいりたいと考えております。
次に、学ぶ家庭環境のない児童・生徒に対する居場所づくりに関しましてお答えいたします。
当区においては、NPO法人青少年自立援助センターに委託している竹の塚のセーフティネットあだちのフリースペースわかばにおいて、家庭における居場所がない子どもたちを対象に、学習支援が行われています。しかし、子どもたちが通える地域が限定されておりますので、今後は子どもの支援を専門とするNPO法人等と連携し、区内交通網の結節点に新たな学習支援の拠点の設置を検討してまいります。学習の場にとどまらず、居場所も兼ねた場となるよう食事の提供やレクリエーションなどについても考えてまいります。
次に、経済的支援のご質問にお答えいたします。
子どもの貧困対策につきましては、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が平成26年1月17日に施行された後、国では4月から計4回にわたり「子どもの貧困対策に関する検討会」が開催され、その中で、児童扶養手当や給付型奨学金制度など、給付制度の在り方につきましても議論がされてきました。このような経過により、今回の子どもの貧困対策大綱は閣議決定されたものですが、結果として、大綱の中に児童扶養手当や給付型奨学金など給付制度の拡充については言及されませんでした。これが現時点においての国の結論と受け止めており、直ちに国へ拡充の要望をすることは考えておりません。
また、就学援助の認定基準につきましては、昨年8月の国の生活保護基準の見直しの影響がでないよう認定基準を定めており、基準の引上げについては考えておりません。
いずれにいたしましても、給付制度は区の多大なる財政負担を伴う施策であり、今後も国の動向を注視してまいります。
◎井元浩平 地域のちから推進部長 私からは、学童保育についてお答えをいたします。
初めに、新制度への条件整備のための抜本的な改善、拡充についてですが、必要な予算を確保して、有資格者の配置など条件整備に努めてまいります。
次に、指導員の資格、配置基準についてですが、まずは、各学童保育室に有資格者である放課後児童支援員を1名以上配置するという、国基準の実現を優先してまいります。合わせて、有資格者の処遇についても、国や他の自治体の動向を注視しながら検討してまいります。
次に、集団規模についてですが、定員が50人の学童保育室でも出席率は約8割であり、国の説明でも、定員については実際の出席状況を加味して設定するものとされております。30人規模を目指す考えはございません。
最後に、学童保育の増設等についてお答えをいたします。
高学年になりますと、学習塾や習い事などに通う児童が多くなると想定しております。そのため、定数の見直しや弾力化、あるいは児童館特例利用などを活用しながら、実際の申請状況を見て増設を検討してまいります。
また、継続保育については、必要度の高い児童を優先することから、今後も1年ごとの審査を行ってまいります。
入退所の時間の拡大については、現在25室で特別延長保育を実施しておりますが、必要に応じて実施保育室の拡大を検討してまいります。
◎鈴木邦夫 鉄道立体推進室長 私からは、東武スカイツリーライン、北千住駅・牛田駅間踏切改善に関するご質問にお答えいたします。
警報が鳴ってから遮断機がおりるまでの時間設定につきましては、これまでの事故原因を十分に把握するとともに、様々な安全対策を講じる中で、鉄道事業者と協力して研究していく必要があると考えております。
人も自転車も乗れるエレベーター付きの歩道橋の設置につきましては、用地や事業費の確保など時間を要する課題も多くあり、引き続き鉄道事業者との勉強会で検討してまいります。
見守り員の配置につきましては、北千住駅の大踏切では、踏切内にある倉庫への資機材搬入のために東武鉄道が保安要員を配置しています。東武鉄道に対し他の踏切にも保安要員の配置を要請したところ、このような特殊な事情のある踏切以外では配置する考えはないとのことです。
区独自のシルバー人材を活用した見守り員の配置につきましては、現在のところ考えておりません。
◎三橋雄彦 子ども家庭部長 私からは、まず初めにスクールソーシャルワーカーについてお答えします。
学校を拠点として子どもの貧困対策を展開することは極めて重要と考えております。そのため、学校を拠点に、貧困など様々な課題を抱えた子どもの状況を把握し、福祉施策につなげていくスクールソーシャルワーカーの導入について検討しております。
次に、認可保育所の増設についてお答えします。
児童福祉法第24条第1項では認可保育所による保育の実施を掲げていますが、保育需要の増大等やむを得ない事由がある場合は、他の保育施設も含めて保育を実施しなければならないと規定しています。そのため、待機児童解消アクションプランでは、新たに施設等を整備する必要があるときは、各地域における保育需要の状況に応じて、認可保育所、東京都認証保育所、小規模保育室、家庭福祉員を整備することとしています。今後もこの方針に基づき施設整備を行ってまいります。
次に、新制度における地域型保育の質について一括してお答えします。
新制度の小規模保育B型における保育士割合の国基準は5割となっていますが、現行の足立区小規模保育室が保育士割合を6割としていることから、引き続き保育士6割を最低基準とする予定です。それ以外について、国基準を上回る基準を設定することは考えておりません。
新制度移行後の小規模保育事業につきましては、認可保育所に準じた設備基準が設けられております。新規開設に当たっては、災害時の避難経路等の基準に照らして確認し、子どもの安全を確保してまいります。したがいまして、避難階段などの必置規制がなくなった場合におきましても、保育の安全性は確保できるものと考えております。
次に、園庭の設置についてお答えします。
外遊びは子どもの成長にとって重要であり、園庭を確保できない場合は近隣の公園を代替地として指定し、外遊びの機会をつくっております。したがって、区が支援して園庭の設置を義務付けることは考えていません。
新制度の保育料についてお答えします。
認可保育所の保育料については、所得税方式から住民税方式に変わることにより、所得階層が上下することがあるため、保育料の設定において変動が過大とならないよう調整いたします。
また、地域型保育給付の保育料は、定額から住民税方式による応能負担に変わることにより、所得に応じて保育料が変わることになります。
在園児がいる世帯の保育料については、現行の保育料より増額となる場合は、一定期間経過措置を実施することを検討してまいります。
次に、保育料の上乗せ徴収と実費徴収についてお答えします。
現在、英会話教室等の実施や日用品や文房具等の実費については保育所の運営費の中で賄われており、現状のサービス水準の範囲内では、上乗せ徴収や実費徴収は認めないよう検討しております。
また、食費については、保育料の中に含まれているため実費徴収は考えておりません。
実費徴収及び上乗せ徴収の可否につきましては、教育的効果等を勘案し、個別に判断してまいります。
次に、保育短時間認定の延長保育料についてお答えします。
保育短時間認定の場合、保護者の就労時間に合わせて1日8時間以内での保育となるため、8時間を超える保育が必要なときは延長保育料が発生し、当然のことながら保護者に負担していただくことになります。
次に、認証保育所についてお答えします。
認証保育所は、今年4月に認可保育所の入所不承諾となった児童の約2割の保育を担っています。このため、認証保育所が新制度に移行しないとしても、待機児童解消の重要な役割を担うことに変わりはないと考えております。
認証保育所に対しては、施設ごとに状況が異なるため、施設ごとのヒアリングを実施し、事業者の意向と実態の把握、また、新制度移行に向けた課題等を具体的に確認した上で、今後の対策を検討してまいります。
次に保育所の民営化について、一括してお答えします。
区立保育所の民営化については、今後も保育の質の維持、向上に配慮しつつ継続してまいります。
民設民営、公設民営の保育所の運営経費は、保育料と公費を財源としているため、適正な人件費が確保できるよう、財務諸表も含めた情報公開の在り方等について検討してまいります。
新制度の公定価格においては、特に人件費などの改善が図られていますが、現行の扶助要綱や法外援護実施要綱と同様に、研修の充実や保育環境の整備等を図り、区の負担により、人材の育成、定着を図ってまいりたいと考えております。
民営化した保育園につきましては、ガイドラインの策定も含め、更なるチェック体制の強化を図ってまいります。
次に、区立花畑保育園についてお答えいたします。
花畑団地再生事業に伴い、花畑団地のセンター街区にある区立花畑保育園は、隣接地に6階建て、7階建て2棟が建築されることとなり、日当たりなど保育環境の低下が懸念されます。また、園舎の老朽化及び花畑団地周辺地区の保育需要の増加に伴い、保育園定員を増やす必要があります。
現在の保育園敷地で改築するには、他の場所に仮設園舎を建設する必要があるため、UR花畑団地内に用地を確保し、私立保育園を民設民営で建設することにより、区立花畑保育園の運営を引継ぐ方向で進めております。
新保育所用地は公園に面し、区立小・中学校の近隣であるなど、子どもにとって良好な保育環境を確保するものであり、子ども重視に逆行しているとは考えておりません。
また、エリアデザインによる開発の用地確保を目的としたものではありません。
最後に、子ども・子育て支援新制度の在り方についてお答えします。
区では、保護者、保育事業者への新制度に関する情報提供などを行うとともに、新制度に向けた保育料の設定や電算システムの改修などの準備作業を進めているところであり、国に対して新制度実施の延期を求める考えはありません。
○せぬま剛 議長 浅子けい子議員。
再質問
◆浅子けい子 議員 幾つか再質問をいたします。
まず初めに、子どもの貧困の問題ですけれども、福祉部長がまとめて子どもの貧困の実態把握と貧困率改善の数値目標について答弁されましたが、具体的には、私の質問いたしました実効性のある対策を行い、貧困の連鎖を断ち切るための数値目標を持って進めていく必要があるという点には、数値目標については答弁がなかったように思いますので、もう一度答弁をお願いいたします。
更に、保育についてですが、児童福祉法24条1項の区市町村における保育の実施責任について、改めてもう一度端的に、私が聞きました実施責任を踏まえた待機児解消は、認可保育所の増設を軸に進めていくのかどうか、それを端的にお答えいただきたいと思います。
更に、区立花畑保育園の問題ですけれども、私は、子どもにとって何も良いことはないと言ったんですね。それは、園庭が狭くなる、そして子どもが増加する。ですから、狭いところに子どもが押し込められるということと、非常に交通が危険な場所になるということで、6階、7階建てが建って日当たりが悪くなるとおっしゃいましたが、地域の方のお話では、日当たりは関係ないというお話もあるんです。そういう点で、子どもにとって何も良いことはない。その他に、そちらは、どういう点が良いことがあるのか、改めて答弁をお願いしたいと思います。
◎橋本弘 福祉部長 どのような数値目標を定めていくか、などについては、子どもの貧困対策本部で議論してまいりますというふうにお答えいたしました。そして、例示ですが、当面、高校の進学率や学習環境などについては、進行管理をしていくというふうにお答えいたしたと思います。
◎三橋雄彦 子ども家庭部長 児童福祉法第24条第1項に基づきまして、地域の実情によって認可保育所も含めまして他の保育所を含めて整備していくといった方針でございます。
花畑保育園につきましては、新たな用地が公園に面し、また小・中学校に近い、環境が良いといったことでございまして、何も良いことはないということではなくて、新保育園用地も子どもにとって環境が良いという認識でございます。