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●自衛隊への若者の個人情報提供の中止を求める陳情に対する委員会の不採択に反対する−ぬかが和子議員(2015年10月23日)
◆ぬかが和子 議員 ただいま議題となりました受理番号40 自衛隊への若者の個人情報提供の中止を求める陳情、受理番号41 足立区が自衛隊員の募集活動に協力しないことを求める請願について、日本共産党足立区議団を代表し、委員会においての不採択に反対し、採択を求める立場から討論を行います。
受理番号40は、足立区が自衛隊に対して18歳から26歳の若者の個人情報抽出閲覧させていることの中止を求めるものです。受理番号41は、足立区が自衛隊勧誘に対し、住民記録の提供や他の協力を行わないことを求めるものですが、紹介議員に確認したところ、自衛隊への協力が法定受託事務である中で、その根拠となる自衛隊法施行令の改正を求める趣旨であるということでした。
委員会質疑の中で、自衛隊の抽出閲覧の実情が明らかになりました。通常の閲覧であれば膨大な住民基本台帳の紙ベースの冊子を閲覧し、その中から必要な情報を探し出して写すものです。しかし抽出閲覧では、危機管理室から戸籍住民課が協力要請を受け、実際の実務としては、情報システム課が抽出名簿を作成してあげて、危機管理室所管の防災センターの一角を提供し、自衛隊員が写していました。
今年は、区内の高校3年生7,000人弱について名簿を抽出して作成、1枚がA3用紙30人分、230枚の名簿をつくってあげており、通常ではあり得ないような便宜の図り方です。自衛隊員が3日間で写し、これに基いて自衛隊の募集のダイレクトメールが高校3年生の家庭に届いていました。
募集事務は、法定受託事務であっても抽出閲覧は義務ではありません。だから、このような便宜を図っていない区が10区もあります。
「平和を仕事にする」、自衛隊員募集ポスターのキャッチフレーズです。しかし、こうした理想とは裏腹に、自衛隊の現場では人権を無視した残酷ないじめや暴力事件が蔓延し、暴力の闇の中にあるとジャーナリストの三宅克幸さんは指摘しています。男性の自衛隊員から殴打も含む虐待を受け、声も出すこともできなくなり、自殺に追い込まれた女性自衛隊員、異動のはなむけとして、15人を相手に格闘訓練と称したリンチを受け、亡くなった自衛隊員、先輩の暴行を受け、左目を失明した自衛隊員、自衛隊員の自殺の原因に、日常的な上官らのいじめがあったとして遺族が提訴しているケース、自衛隊員へのアンケート結果によると、女性隊員のうち18.7%が性的関係の強要を受け、強姦、暴行及び未遂は7.4%に上り、自衛隊全体で700人以上が強姦、暴行及び未遂の被害を受けていると示しています。
10万人当たりの自殺率は38.6人で、一般国家公務員の自殺率の2倍以上になり、2007年度の数字では、暴力事件での懲戒処分80人、わいせつ事件での懲戒処分60人、脱走による免職が326人、病気で休職している自衛隊員は500人に上っています。
また、昨年放送されたNHKクローズアップ現代「イラク派遣 10年目の真実」では、イラクへ派遣された陸海空の自衛隊員は、5年間で延べ1万人に上り、このうち帰国後28人が自殺していたことと睡眠障害や不安などの心の不調を訴えた自衛隊員がどの部隊も1割以上に上り、3割を超える部隊もあったことを指摘しています。
イラク派遣から帰還して1カ月後に自殺した20代の自衛隊員の母親が取材に応じ、「派遣中の任務は宿営地の警備だった息子がジープの上で銃を構えて、どこから何が飛んでくるか怖かった。神経を使った。夜は交代で警備をしていたようで、交代しても寝れない状態だと言っていた」と語っていました。
このように、今までも命を脅かすリスクが高いのに、いわゆる戦争法、安保法制の強行によって自衛隊員のリスクや危険性は飛躍的に高まります。安保法制によって具体化された集団的自衛権の行使は、個別的自衛権とは異なり、日本と国民を守るものではなく、アメリカが起こす戦争に兵站活動などで参加することにつながるものです。
今の戦争は、敵と一般の住民の区別が曖昧であり、何の罪もない現地の住民が多数殺害され、アメリカ兵の多くがその罪の意識にさいなまれて自ら命を絶っています。国民の多数が反対している安保法制を強行することは、日本国憲法の平和主義や民主主義を踏みにじるだけでなく、立憲主義そのものを否定するものです。だから、空前の怒りの声が高まり、強行採決後もその声はとどまるところを知りません。
こういった状況の変化を重視し、数年前から行っていた名簿の抽出閲覧をやめていくのは、住民の命と安全を守る自治体として当然のことであり、直ちに、この請願・陳情は採択すべきものです。足立区内の子どもたちの命を危険にさらすリスクを増やすわけにはまいりません。
2012年、仙台高裁は、自衛隊の情報収集活動についての裁判において、自己の個人情報をコントロールするという法的保護に値する利益は人格権だとし、この人格権は侵害してはならないと断じています。法定受託事務として応じなければいけない協力の範囲を超えて名簿を抽出閲覧提供する行為は、この人格権を侵すことにもつながり、直ちにやめるべきです。
なお、委員会質疑において、総務委員会所属の無会派議員が陳情者の「経済的徴兵制」という記述に異議を唱えておりました。貧困から抜け出し、人間らしい生活をするために、やむなく軍に入隊する、そんな実態をアメリカでは、経済的徴兵制、あるいは経済的な徴兵と呼んでいます。志願兵の範囲内でありながら、経済的格差を利用して、徴兵制のように安定的に軍に兵を補充するためのシステムを指すとインターネット辞書で記載され、一般新聞でも繰り返し活用されている言葉です。この表現や、表現を活用した陳情代表者が問題だという指摘は全く当たりません。
受理番号40の陳情は、若いママを中心に1,038名の署名が寄せられ、委員会での不採択後も100名を超える署名が代表者のもとに寄せられたと言います。この願いをくみ取っていただき、議会としての意思を表明していただきますよう強く求めまして討論といたします。