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●代表質問−浅子けい子議員(2015年12月3日)
- オスプレイの横田基地配備について
- 区長の区政運営について
- 骨太方針2015の社会保障削減について
- 国保・介護・後期高齢者医療について
- 外部化について
- 待機児解消と子ども・子育て支援新制度等について
- 子どもの貧困対策について
- 生活困窮者対策について
- 杭打ちデータ偽装について
- 千住のまちづくりについて
◆浅子けい子議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して質問します。
1.オスプレイの横田基地配備について
まず、先の国会では、戦後の日本の国の在り方を根本から覆し、日本を海外で戦争する国につくり変える安全保障関連法案が、世論調査でも国民の8割が政府は説明不足と答え、今国会の成立に反対も7割に上り、国会前や全国で空前の規模での反対のデモが行われる中、安倍自公政権により強行採決されました。
日本共産党は、空前の規模で広がった国民の運動と世論とともに、憲法違反の安保法制を廃止して立憲主義、平和主義を取り戻すために全力を挙げることを申し上げて、質問に入ります。
日米両政府は、今年5月に東京横田基地にCV−22オスプレイ10機を新たに配備すると発表しました。2017年夏以降の配備に向け、既に格納庫の建設や修理点検のために工事指定などの準備も始まっています。
CV−22オスプレイは、真っ先に敵地に乗り込む特殊作戦に使用され、高度30mの超低空飛行で敵地を強襲し、暗殺や拉致、建物の破壊などに使われる戦闘機です。まさに侵略先制攻撃のためのものであり、横田基地への配備は、東京を海外侵略への出撃基地にすることを意味します。
防衛省資料でも、CV−22オスプレイは、沖縄県配備のMV−22より3倍以上の事故率である上、横田基地は、世界一危険と言われる普天間基地と同様、市街地のど真ん中にあり、30以上の小・中学校など公共施設がひしめいており、CV−22オスプレイが配備されれば、住民の安全は一層脅かされることになります。
更に、米軍専用の横田空域は1都8県にまたがり、日本の人口の3分の1を占める首都圏上空一帯で、CV−22の訓練空域として危険にさられることになり、足立区も他人事ではありません。
また、沖縄ではオスプレイ配備撤回を求める建白書がつくられ、名護市辺野古の新基地建設阻止とともに、オール沖縄の闘いが進められていますが、横田基地に配備されるCV−22が沖縄に飛来し、訓練する計画であり、沖縄の負担は軽減されるどころか、更に増大することも明らかです。こうしたオスプレイの配備は、安倍政権が強行した安保法制の具体化そのものです。
東京の自治体の長として、安保法制が成立した今、横田基地へのCV−22オスプレイの配備をどう思うか。反対の意思を示すべきと思うがどうか。
2.区長の区政運営について
第2に、足立区は、自治基本条例で、区民及び区は一人ひとりの人権が尊重され、生き生きと安心して心豊かに暮らせる活力ある足立区を協働して築くことを目指すものとしています。
しかし、実際は、区民全体に関わる重要なまちづくりや絆に関わる学校統廃合の問題では、協働して築くどころか、区民の声を聞かずに、区の考えを一方的に押しつけて、意見を二分する施策はトップダウンで強行してきました。
23区中16区で実施している不特定多数の区民を対象にした区民の声を聞く公聴会や語る会などの開催を求めても、区は、区政を語る会を開催していることを理由に拒否しましたが、この区政を語る会には特定の区民しか参加できません。
長野県飯田市では、意見が二分する課題も、各地域や関係住民が徹底して話し合い、時間がかかっても結論は住民自身が出しています。
例えば、保育園の廃園への対応も、時間をかけて話し合い、住民自らが社会福祉法人を立ち上げて存続運営をすることに決め、行政がそれを後押ししています。
地域の力を醸成し、発揮するために、トップダウン手法を改め、区民の声や力が生きる区政運営を行うべきではないか。また、不特定多数の区民の声を区長自身が聞くタウンミーティングなどを行うべきと思うがどうか。以上、答弁を求めます。
3.骨太方針2015の社会保障削減について
国の骨太の方針について、前回我が党の代表質問で、経済や財政の立て直しもできず、自治体を疲弊させるものと質問したのに対し、区は、現在のところそういった認識はございませんが、自治体を疲弊させるような具体的な状況が現出しましたら、当然のことながら、23区合わせて、また足立区の立場で、国に対してきちっと意見を申し述べていきたいと答弁しました。
2012年の社会保障制度改革推進法以来、政府は、社会保障への責任を放棄し、国民に自己責任を押しつけて、社会保障の解体を進めています。この間、年金を2.5%引き下げ、医療介護総合法で70〜74歳の患者2割負担や要支援者の介護保険外しを実施し、更に生活保護基準切り下げなど、次々と社会保障費の削減を行ってきました。
そして、これからも年金の向こう30年間の引き下げや支給開始年齢の引き上げ、年金課税の強化まで検討するなど、この3年間で9,000億円から1兆5,000億円も削減する計画であり、1億総不安と言わざるを得ない状況になろうとしています。
区民の暮らしが苦しくなるということは、まさに自治体を疲弊させるものであり、今こそ23区一丸となって声を上げるときではないか。介護について、安倍政権は、介護離職ゼロや介護サービスの12万分上乗せを打ち出していますが、現実は逆行しており、深刻です。
介護報酬の大幅引き下げで経営が悪化し、介護業界の先行き不安で人材も集まらず、全国では介護事業所の倒産が相次いでいます。サービスを受けたい人は増えているのに、倒産すれば、結局被害を受けるのは多くの利用者であり、区民であると思うがどうか。こうした介護崩壊を招く介護報酬の引き下げは中止し、引き上げこそ行うよう国に求めるべきと思うがどうか。
足立区では、総合事業が来年10月から実施されますが、要支援者の通所介護、訪問介護など予防給付については、地域支援事業に移行され、現在の報酬以下の単価を市区町村が独自に設定する仕組みにするとしています。介護報酬よりも低くなるのではと心配の声が寄せられるのも当然です。
サービスの確保と事業所の存続のためにも、足立区は、総合事業の報酬を減額する方向を打ち出すべきではないと思うがどうか。
今後、高齢者が増えるのに、介護報酬が減らされて、区内の事業所も、経営が成り立たない、介護人材も集まらない。黒字であっても統合せざるを得ない、こんな状況も生まれています。介護事業所がなくなれば、制度はあっても受けたいサービスも受けられず、介護難民もあふれ、介護崩壊を招きかねません。今こそ、待ったなしで手だてを講じることが必要なときではないか。
4.国保・介護・後期高齢者医療について
国民健康保険料は、今年も低所得者に、より重い負担になる均等割が1,500円値上げされ、15年以上連続の値上げです。均等割は20年前の2.6倍にもなり、保険料の滞納は3割になっています。保険料の滞納で保険証が取り上げられる事態も生まれています。生存権に関わる問題です。
介護保険には保険料を賦課されて、生活保護基準以下になった場合は保険料を減免するという境界層措置がありますが、国民健康保険にはそういう仕組みがありません。
国会でも、我が党の質問に、検討すると答弁しています。国民健康保険にも、介護保険と同じように境界層措置が必要だと思うがどうか。
均等割は、子どもの人数が増えるほど増えていく制度で、まるで人頭税です。例えば、東京23区の国保料では、子ども1人だと均等割は4万3,200円、2人だと8万6,400円と、子どもが増えるほど保険料が高くなります。子育て支援に逆行しているとは思わないか。
国は、国保安定化のための3,400億円については、大臣も負担軽減につながっていかなければならないと認めました。京都市などでは、保険料引き下げに活用しています。3,400億円に相当する足立区への財政支援については、当然、区民の負担軽減につながるものだと思うがどうか。保険料軽減に使うべきと思うがどうか。
後期高齢者医療保険料について、東京都広域連合は2016、2017年度の保険料の値上げ案を提示しましたが、保険料負担軽減のための特別対策を継続した場合でも、均等割額は現行4万2,200円から4万5,200円に3,000円値上げし、1人当たりの平均保険料は10万円を超す負担増となります。
区も、社会保険料の負担感は大変な状況と決算特別委員会でも答弁をしています。そうであるなら、保険料は値上げをしないという立場で臨むべきと思うがどうか。
厚生労働省は、低所得者への特例軽減を2017年度から廃止する方向を示していますが、重大です。特例軽減が廃止になれば、足立区では3万2,000人以上が2倍から10倍もの負担増になります。
特例軽減の廃止を行わないよう意見を上げることを求めた昨年12月我が党の質問に区は、東京都後期高齢者医療広域連合に対し申し入れを強く行っていると答弁しましたが、高齢者の負担が一層増える中、特例軽減は存続する必要があると思うがどうか。以上、答弁を求めます。
5.外部化について
次に、足立区は、外部化ガイドラインで、情報システム事業者による業務分析を経費がかからない手法と評価し、分析自体を民間に全て任せてきました。しかし、実際に国民健康保険では業績分析だけで1億7,000万円もの税金を投入してきました。
例えば、戸籍の外部化の象徴と言われる池田市ですら、業務分析やマニュアル作成は、富士ゼロックスシステムではなく自治体の職員がやっています。役所の業務分析自体を民間に委ねることが、法令チェックの甘さや問題を招いています。区はこのことをどう認識しているのか、在り方を見直すべきと思うがどうか。
次に、戸籍の外部化については、区は、来年4月からの戸籍住民課窓口等の業務委託の事業者を決めるプロポーザルを実施し、第2回の選定委員会で7社が選定されました。
来年4月からの業務委託が富士ゼロックスから他の事業者に変更があった場合には、4月からの事業者に2,559万円の委託準備経費を支払い、2月、3月の2カ月間で引き継ぎをすると言いますが、この金額は、現在、業務委託を行っている富士ゼロックスへの業務委託金額とほぼ同額です。
引き継ぎ期間であるにもかかわらず、通常の委託と同じだけの経費を事業者に支払うというもので、人数にすると9月までは70名以上、10月からの契約でも50名以上が業務に携わった金額です。業務の引き継ぎに、現在、業務委託で働いている同じぐらいの数の人間がフロアに入り、引き継ぎ業務を行うつもりなのか。そもそも引き継ぎ業務にかける金額ではないと思うがどうか。事実上の二重払いであり、外部化による税金の無駄遣いではないのか。
今後は、民間が賦課したサービス業務を計算して、直営と民間でやる場合を比較し、長期契約を結べば、民間のほうが5年4カ月で1億1,000万円浮くと試算しています。しかし、その根拠は意図的で曖昧です。
区が示した根拠では、委託前と比べて窓口が増え、待ち時間短縮など、サービスが向上したと証明もできないことを既成事実化し、富士ゼロックスによる人員増員も、もし区の職員がやっていたらこんなにかかると試算。その内容は、現在の職員比率7対3と同じ割合で計算して、常勤が16名、非常勤8名が必要というものですが、今年10月に窓口業務等を区直営に戻したときも、8名全員非常勤職員対応であり、7対3の割合は適応していないことを見ても、根拠のある数字ではないことははっきりしています。
今後、全ての職場において踏襲し、現行の職員比率を固定化したものとして試算、採用を図るのか。そうでなければ、年間2,500万円のコストメリットを引き出すための数合わせと思われてもやむを得ないのではないか。
先進自治体では、どこの自治体でも総合窓口化が図られていて、ワンストップでサービスが行われています。この総合窓口化は、公権力行使が多数存在するため、効率のいいサービス提供は自治体職員でなければできないと断言している自治体も多くあります。区民サービス向上と言うのならば、区の職員による総合窓口化を進めるべきではないか。
国民健康保険の外部化については、大規模な法改正、国保の広域化、マイナンバー化等により契約に大幅な変更が生じる。業務移管に際し、職員数が大幅に減少する中、引き継ぎ業務に漏れが発生し、運用に支障が生じる。請負の適正化の観点で指摘され、業務に大幅な変更が生じる。従事者が定着せず、業務の効率化が図れないというリスクがあると思うがどうか。
区は、当初、国保業務の9割、納付相談や減免申請などの相談までNTTデータに委託しようとしていましたが、戸籍の外部化で法令違反を繰り返し、法務局や労働局の是正指導を受けたことで委託範囲を見直し、相談などの判断を伴う業務は区直営に戻し、本来なら委託範囲が狭くなるはずでした。
ところが、NTTデータの業務が減った分、他の仕事をしてもらうと、事もあろうに差押えなど滞納者の財産調査に関わる補助業務を新たに委託業務の範囲に加えることで、見直し前と同じ9割の委託料を確保してNTTデータのもうけを保障しました。
その結果、区民には更なる痛みを押しつけて、企業にはもうけを保障するということになるのではないか。この在り方は見直すべきではないか。以上、答弁を求めます。
6.待機児解消と子ども・子育て支援新制度等について
次に、保育所問題については、来年度の保育所申込みの時期を迎え、改めて待機児解消が大きな課題となっています。足立区は、待機児ゼロを目指すと表明し、認可保育所を中心に3カ年で1,300人分の保育施設の増設を計画しました。
2017年開設予定の認可保育所4園は、遅くとも今年の10月には都に申請しなければ間に合いません。9月1日から公募した運営事業者への応募は1件もなく、このままでは目標が絵に描いた餅になりかねません。
区は、11月中には運営事業者を決定する予定と言っていましたが、2017年度開設予定の4カ所の増設の見通しはどうなっているのか。民間任せにせず、区主導であらゆる公有地などの活用で計画に責任を持つべきだがどうか。
今年度から始まった子ども・子育て支援新制度により、保育現場では様々な矛盾が起きています。
第1に、新制度では、保育の必要性と必要量が市区町村で認定され、必要量は保護者の就労に応じて標準時間と短時間に区分され、しかも短時間区分の利用時間は8時から16時となっています。
足立区で、短時間区分の園児は全体の1割程度で、9割は標準時間に認定されました。しかし、実際は、標準時間と認定されたにもかかわらず、短時間施設にしか入れずに、必要なサービスが受けられない状況が生まれていることを区も認めていますが、これは制度の根幹に関わる問題です。
そもそも新制度では、保育の必要性と必要量を認定し、一人ひとりが必要なサービスを受け、その対価を払う仕組みのはずなのに、保障されたはずのサービスが受けられないのでは契約不履行にも等しいものです。
条件整備が整わず、やむなく短時間施設に入ったため、一時保育やファミリーサポートの利用により標準時間の保育料よりも上回ってしまう場合、標準時間以上の負担とならないよう暫定的な対処をすべきと思うがどうか。
新制度になり、今年度から保育料の算定基準が所得税額から住民税額に変更されました。2011年度の税制改定で年少扶養控除は廃止されましたが、保育料の上昇を避けるため、年少扶養控除があるものとして、みなしが適用されていました。
しかし、子ども・子育て支援新制度になって、みなし適用が廃止になってしまいました。その結果、収入が変わらなくても所得が上がった形になり、所得階層が上がった世帯が生まれ、とりわけ多子世帯で負担が重くなり、保育料が大幅値上げになりました。
豊中市の多子家庭で、保育料が6,600円から3万3,000円に4.8倍になったことがテレビ放送されていましたが、足立区でも、財源維持の経過措置の終了により、収入が変わらなくても保育料が上がった世帯があります。
国は、今年の3月には、新規の入園者も含め再算定も妨げないと通知を出していました。東京都内の3割の自治体も、新入園児を含めて再算定をしています。千代田区では、全会派一致で恒久的に再算定の実施が決まりました。
子育て支援に逆行する年少扶養控除のみなし適用の廃止は見直して、足立区でも再算定を行い、負担軽減をすべきと思うがどうか。また、国に対して、保護者負担軽減のため年少扶養控除のみなし適用を求めるべきと思うがどうか。
保育ママへの入所の一番の課題は、給食がないという問題です。新制度では自園調理が必須となり、既存の保育ママについては5年の経過措置が認められています。
一方、平成28年度からの新規保育ママは、開設時から自園調理による給食提供が必須条件となっていますが、足立区では、すぐに給食提供は困難と、1年延ばす経過措置がとられました。保護者のニーズと保育ママの不安に応え、新規、既存どちらも、安全な自園調理を一刻も早く実施できるよう区が応援すべきではないか。
3歳児になる年度に他へ移らなければならない保育ママや小規模保育室、認証保育室については、いまだ連携園は決まらず、不安な事態になっています。全国の18%を占める保育ママを擁する区として、連携園の確保は区が責任を持って行うべきと思うがどうか。
卒園以降の3歳児になるときには、指数加点がついていますが、1歳児や2歳児で認可保育園を希望しても加点はつかず、移行への不安から保育ママなどの入所をためらう原因にもなっています。保護者のニーズに応え、3歳児になるときに限定せず、1歳児でも2歳児でも移行がよりしやすくなるよう加点をつけるべきではないか。
区は、前回の我が党代表質問で、保育士確保策として、職員用の住戸借り上げ、事業者に国の制度を使って補助を行うなど具体的な対策を求めたのに対し、平成28年度からの実施を検討していくと答弁し、今回、来年1月から保育士等住居借り上げ支援補助金事業が実施されることが明らかになりました。より多くの事業者が、職員確保のためにこの制度が使えるように工夫していく必要があるのではないか。
人材不足は、保育士・保育所看護師などにとどまりません。この制度同様に、保育所の調理師や他の福祉分野にも広げるべきと思うがどうか。
7.子どもの貧困対策について
次に、子どもの貧困対策についてですが、子どもの貧困は、単にお金がないということではなくて、ネグレクト、不登校、病気や精神疾患、虐待や破産による家庭崩壊など、様々な複合的な困難が絡まっていることが多く、そのことが子どもの健やかな成長を妨げ、学校での孤立、学力不足、中退、就職ができないなど、連鎖して深刻な問題になっていきます。
10月9日には、子どもの貧困対策検討部会の学識者である阿部彩氏の講演、職員研修が行われ、今後取り組んでいく方向を示唆しました。
講演会では、「身近な問題であると改めて強く感じた。いかに効果的な居場所づくりができるか、現場でスタッフ一同考え、早急に取り組んでいきたい」、「児童館に来てくれる子は何か関わりを持ちたくて来てくれていると思う。いろいろな話を聞いてあげられる職員になりたい」など、子どもの貧困への新たな意気込みある声があったと言われています。
子どもの貧困対策は、5カ年計画で418億円の予算の中で、400億円以上が既存の事業であり、子どもの貧困に取り組む全ての職員が価値観を共有できるようにすることが必要だと思うがどうか。
また、講演会の中でも、質の高い現物給付は効果があるとして、教育、保育、医療、食料など子どもに直接届く支援を挙げています。普通に働けて、安心して子育てと生活ができる収入を得て、安定して暮らせる労働、保育環境を整えることが必要です。足立区として、決算特別委員会でも方向を示した給付制奨学金制度の創設は待ったなしだと思うがどうか。
さらに、講演会では、多彩なメニューの必要性の中で、子どもの基本的な人権として保障されるべきものとして、給食の無償化を挙げています。子どもの成長に欠かせない食事の確保は当然であり、学校給食は教育の一環です。
足立区では、この間、給食の負担軽減を求めたのに対し、給食は私費会計だから補助や負担軽減はしないと拒否をしてきました。世田谷区では、区立小・中学校の学校給食費を私費会計から公会計へ移行する方針を今回明らかにしました。足立区でも学校給食費を公会計管理として、貧困の対策としても給食費の負担軽減をすべきと思うがどうか。
婚姻歴のない母子は、母子世帯の中でも特に所得水準が低い傾向にあることがわかっています。足立区ではみなし寡婦控除が適用されず、所得税、住民税、保育料、幼稚園就園補助、区営住宅など10事業も、母子世帯の中でも婚姻歴のない世帯は更に大きな不利益を受けています。
足立区議会では、2015年10月に保育料算定についてのみなし寡婦控除の適用が採択されているにも関わらず、実際、具体化されずに現在に至っていますが、一刻も早く実施すべきではないか。
今回の講演会で示されたように、児童館学童保育は、単に子どもの遊ぶ場所ではなくて、名前と顔が結び付き、声をかけてくれる場所であり、時には家からの逃げ場所であるとしています。まさしく生活の場所として重要な位置を占めていると思うがどうか。
子どもの居場所づくりについて、今回の講演会で示されたように、困難を擁する家庭の子どもは、放課後一人で過ごす子どもが多いという結果も出ています。
今回、足立区でも、中学生を対象に大学生ボランティアがマンツーマンで勉強を教えたり、ゲームでコミュニケーションを図り、給食やおやつも提供する家庭的な雰囲気の子どもの居場所を8月に1カ所つくりましたが、僅かな期間の中でも効果があらわれていると聞いています。
今後、5年間で子どもの居場所の拠点を3カ所つくる計画とされていますが、小学生も視野に入れ、全小・中学校地域を対象に実施すべきと思うがどうか。
スクールソーシャルワーカーは、子どもの貧困対策の推進に欠かせない存在です。今、スクールソーシャルワーカーの人材が不足している実態があり、区として、思い切った増員のため直ちに人材育成に取りかかるべきと思うがどうか。以上、求めます。
8.生活困窮者対策について
安倍政権のもと、医療、介護の負担は重くなり、年金は引き下げられ、低賃金、不安定雇用を深刻化させ、消費税増税が追い打ちをかけ、格差が広がり、暮らしは更に苦境に立たされています。第2のセーフティネットとしての生活困窮者対策の充実は喫緊の課題です。
足立区で本格的に今年度から始まった生活困窮者対策は、生活保護に陥ることがないようワンストップで支援し、自立につなげる事業です。
大阪府では、社会福祉協議会の職員と老人福祉施設のソーシャルワーカーが2人一組で、アウトリーチで課題解決に取り組み、必要に応じて10万円までの経済的援助を、現金ではなくて生活必需品や食料品など現物給付で実施し、生きる意欲を取り戻す生活困窮者レスキュー事業を行っています。
例えば、50歳代の兄弟と母親の3人暮らしで、兄は母の世話で無職、弟も失業して米も底をつき、家賃も4カ月滞り、ガスも止められ、せっぱ詰まった状況で、やっと制度につながった家族がいます。制度が使えるまでの間は、社会福祉協議会が先に言った必要に応じて10万円までの経済的支援として、生活必需品や食料品を支援員が一緒に買物まで付き添って行っています。
足立区では、生活困窮者対策で、貸付制度はありますが、社会福祉協議会の生活福祉資金などで時間がかかるなど借りにくく、緊急に借りられる現物給付の仕組みはありません。大阪府の生活困窮者レスキュー事業のように、足立区でも緊急に必要なときに現物給付を行う仕組みをつくり、経済的支援を行うべきと思うがどうか。
今年度から、社会福祉士やキャリアカウンセラーなどの資格を持つ生活サポート相談員が生活支援課に配置され、相談者に寄り添い伴走型で働いています。相談者には、自分のことを上手に話せない方が多い中、相談者の話を時間をかけて聞き、必要な部署につなげる大事な役割を果たしています。
現在、5人の相談員に対して、相談件数は月平均で190件、1人当たりにして38件で、相談から解決につなげる同行支援も行っています。生活困窮者の話を繰り返し聞きながら解決に道を開く生活サポート相談員の増員を図ることが必要だと思うがどうか。以上、答弁を求めます。
9.杭打ちデータ偽装について
次に、横浜市の大型マンションの傾きに端を発して明らかになった旭化成建材の杭打ち工事のデータ偽造は、大きな社会問題になっています。
旭化成建材以外の他の工事でも偽装があったことが判明するなど、建設業界の構造的問題に広がりを見せています。
今回のデータ偽装は、1998年の建築基準法改定で、それまで地方自治体の建築主事が行っていた建築確認検査を民間の指定検査機関でも可能にするなどした建築行政の規制緩和と、新建材や新技術が開発されることにより、国土交通省が認定することで検査不要とする安全軽視の規制緩和の流れの中で起こった問題です。
さらに、建設業界の重層下請構造も偽装発見を困難にし、責任所在を不明確にしています。国と自治体の責任において徹底解明を行うとともに、再発防止に向けて、安全性確保のための建築確認検査についての体制整備、中立・公正な第三者による検査体制の確立など、抜本的改善を図るべきと思うがどうか。
足立区でも、公共施設8カ所で旭化成建材により杭打ち工事が行われ、その中の西新井小学校の建設工事でデータの偽装が行われていたことがわかりました。総数77本の杭のうち14本のデータが偽装されていましたが、杭自体は支持層に到達しており、コンクリートの量も適正に注入されていて問題ないと思われると報告がされました。
しかし、必ずしもその確証は得られていません。区は、発注者責任を果たし、西新井小学校の安全性を直ちに検証し、一刻も早く保護者や全ての関係者に示すべきだがとうか。以上、答弁を求めます。
10.千住のまちづくりについて
最後に、強引な学校統廃合により子どもたちの大切な学校がなくなり、地域のコミュニティの核も、地域の避難所もなくなってしまっています。
足立区は、統廃合には力を注ぐけれど、統廃合後の地域の絆については意に介さない態度です。学校統廃合跡地については、避難所の確保など地域住民の要望を生かした活用を考えることが必要だと思うがどうか。
千寿第五小学校の跡地については、地元町会長からも要望が提出されている防災公園の検討をすべきと思うがどうか。
また、トポスや都税事務所跡地を一体にした千住一丁目再開発は、民間主導のマンション建設に国と区から29億円もの税金が使われる事業で、無駄遣いだと住民から見直しを求める声が上がっています。足立区は、いまだ住民には十分な説明もせず、住民の声を真摯に受け止める姿勢も示していません。公共の福祉の寄与にも当たらないことも指摘される中、12月には組合設立認可申請を提出するとしていますが、性急過ぎます。
住民の合意がいまだ得られていない都市計画は見直しを行い、時間をかけて住民の合意を得るべきと思うがどうか答弁を求めまして、この場からの質問を終わらせていただきます。
答弁
◎近藤やよい区長 浅子けい子議員の代表質問のうち、オスプレイの横田基地配備についてのご質問にお答えをいたします。
区といたしましては、二度と悲惨な戦争を繰り返すことのないよう、国民の安全を守り、国際社会の平和と安定に貢献していくことは、今を生きる私たちの重要な役割であると認識しております。
このような認識のもと、国政の動向に注視していく必要があると認識しておりますが、国防に関しましては国の専管事項であり、区としてオスプレイ配備についての意見を述べる立場ではないと考えております。
他のご質問につきましては、参与より答弁をさせていただきます。
◎長谷川勝美政策経営部長 私からは、まず区民の声や力が生きる区政運営を行うべきとのご質問についてお答えいたします。
区民の声や力を区政に生かしていく必要性につきましては、区は十分に認識しており、これまでも協働により区政運営を進めてまいりました。
不特定多数の区民からご意見をいただく区民の声では、年間2,000件を超える全てのご意見に区長自身が目を通し、内容を真摯に受け止め、迅速な対応を行うことで成果を上げてきております。
また、まちづくりを進める際には、各地区のまちづくり協議会を設置し、様々な区民の皆様の生の声を直接伺い、きめ細やかな区政運営を進めております。
さらに、行政評価においては、公募による区民委員の活動が11年目を迎える他、現在進めている新たな基本構想の策定では、審議会への区民委員の参加に加え、無作為抽出による各世代の区民の皆様や中高生によるワークショップを実施しており、区民目線で幅広い層からの皆様のご意見をいただいております。引き続き、こうした機会を通じて区民の皆様の貴重なご意見を区政に反映させてまいります。
次に、不特定多数の区民の声を聞くタウンミーティングなどを行うべきとのご質問にお答えいたします。
足立区の区政を語り合う会は、不特定多数の区民対象では、意見が様々な分野にわたり議論が深まらないことなどの理由から、昭和62年に団体のみを対象とする見直しを行い、その後現在までこの形で実施してまいりました。
現在は、年間5回程度、生涯学習団体や子育て団体など様々な分野の方々と区政を語り合う会を実施し、それぞれの分野での意見交換により地域の力が醸成されていると実感しております。
このようなことから、現時点で、以前廃止した不特定多数の区民を対象とした区政を語り合う会を行う考えはございませんが、今後も多くの区民の皆様のご意見を聞く方法に改良、改善を加えながら、更に区民の声や力が反映される区政運営を行ってまいります。
次に、国の骨太の方針についてお答えします。
この方針により区が疲弊をしている具体的な状況は、現在も認識しておりません。社会保障制度改革推進法につきましても、持続可能な社会保障制度の確立のために、必要と考えております。したがいまして、国に対して声を上げるという考えはございません。
最後に、婚姻歴のない母子世帯への寡婦控除のみなし適用についてお答えいたします。
平成25年度の子ども施策調査特別委員会で、婚姻歴のない母子世帯に対し、寡婦控除のみなし適用を求める陳情が全会派一致で採択されたことは重く受け止めております。
引き続き、他自治体の取り組みを注視しながら検討を進めてまいります。
私からは以上です。
◎橋本弘福祉部長 私からは、介護保険についてのご質問にお答えいたします。
介護サービス事業者などからは、経営状況が厳しいとは聞いておりますが、足立区内において介護事業所の倒産は確認しておらず、区民が被害を受けたとの情報はございません。
仮に、今後倒産した場合は、速やかに他の事業所への引き継ぎ等を行い、区民に被害がないように対処してまいります。
また、介護報酬の引き下げについてですが、平成27年度介護報酬改定は、全体としてマイナス2.27%となっている一方、処遇改善加算について拡充され、地域区分についても18%から20%の引き上げとなり、一定の改善が図られております。
このため、介護報酬の引き下げの中止や引き上げについて国に要望することは、現在のところ考えておりません。
次に、介護予防日常生活支援総合事業についてお答えいたします。
サービス単価は、国が示す基準以下とすることが示され、かつ75歳以上の高齢者の伸び率による総額に対する制限もかけられているため、当区においては、減額は避けられないものと受け止めております。
現在、サービス利用料の単価設定について精査しているところでありますが、介護事業所の経営助成金、介護人材の確保、サービスの担い手の在り方等を考慮し、検討してまいります。
次に、介護人材確保への手だてについてですが、現在、第7期東京都高齢者保健福祉計画において、都内で必要とされる介護人材の安定した確保や育成に向けて、介護キャリア段位制度を活用した人材定着の取り組み、介護業務の職場体験などの取り組みを行うこととなっています。
また、平成27年度から創設された地域医療介護総合確保基金では、介護従事者の確保に関する事業について助成を行うこととなっており、区としましては、東京都の支援が活用できるよう介護事業所に周知を図ってまいります。
介護保険制度の根幹を支える介護職員の待遇改善については、特別区長会からも、処遇改善や教育訓練体系の一元化等により、介護従事者として働き続けられる専門性の確立を推進することなどを国に要望しているところです。今後とも、引き続き国や都に要望するなど手だてを講じてまいります。
次に、子どもの居場所づくりについてお答えいたします。
中学生の居場所については、今年8月に居場所を兼ねた学習支援事業を区内1カ所で開始しており、拠点となる施設を今後2年間で3カ所に増やしていく予定です。
また、拠点施設から社会福祉施設の地域連携室等にスタッフを派遣して学習指導を行うブランチ事業を12カ所行うことで、今後5年間で区内全域において学習支援事業を実施するよう検討しております。
なお、小学生の居場所については、既に放課後子ども教室や学童保育室があることに加えて、居場所までの行き帰りの事故や事件などのリスクがあるため、今後の検討課題としております。
次に、現物給付等による支援についてお答えいたします。
生活困窮者自立支援法においては、現物給付・現金給付による支援は設定されておりませんが、経済的に苦しい状況から脱する努力をする相談者に対して、何らかの現物給付・現金給付支援は必要と考えています。
現在、緊急的な現物給付支援として、フードバンク事業を実施しているNPO法人と連携した食料支援を既に行っております。また、就職支援の際のスーツ購入代や足立区版中間的就労参加者へのインセンティブなど、必要最小限の給付について区の単独事業として検討してまいります。
次に、生活サポート相談員の増員についてお答えします。
相談者の多くが複数の複雑な問題を抱えており、一人の相談者にかかる相談時間は長くなる傾向にあります。また、一度で解決せず、何回かの相談を必要とすることもあり、生活サポート相談員の負担は軽くはありません。
今後、電気、ガス、水道、住宅事業者との連携を強化することから、相談員が要支援者宅へ訪問するケースや関係機関へ同行するケースも増えてくる見込みであり、相談員を増員し、対応してまいります。
◎鈴木伝一区民部長 私からは、まず国民健康保険のうち、国民健康保険料の境界層措置が必要であるとのご質問にお答えいたします。
国民健康保険において、保険料の均等割額の7割軽減、5割軽減、2割軽減や特別の理由があるものに対する減免制度がございます。
これらの制度は、介護保険の境界層措置とは異なる内容ではありますが、区民の保険料負担を軽減するものとなっております。国の検討状況は注視してまいりますが、現段階では境界措置が必要であるとは考えておりません。
次に、保険料の均等割については、応益負担の考えにより制度を維持するためのものであり、子育て支援とは異なる考え方に立っております。
保険料はその前年の所得に基づき計算しておりますが、所得が基準以下の場合、均等割額が軽減されます。この軽減制度は人数に応じたものであり、子どもの人数が増えるほど軽減額も大きくなります。したがいまして、子育て支援に逆行しているとは思いません。
次に、国の財政支援3,400億円について、平成29年度からの保険者支援として検討されているものであり、法定繰入金に充てることになります。このため、区の一般会計からの法定外繰入金を減らす効果があり、ひいては区民全体の負担軽減につながると考えております。
一方、23区では、厳しい財政状況のもと、法定外繰入金を減少させる努力をしており、足立区だけがこの財源を直接保険料軽減に用いることは、23区統一保険料方式からの離脱とみなされますので、保険料軽減に使うべきとは考えておりません。
続きまして、後期高齢者医療保険料を値上げしない立場で臨むべきとのお尋ねにお答えいたします。
被保険者数の増加に伴って保険給付費も増大している中で、国民皆保険制度を安定的に維持していくためには、国などから今以上の財政支援策がない限り、保険料の引き上げは避けられないと考えております。
しかしながら、極力、被保険者である区民の皆様の負担が大きくならないよう、保険者である広域連合へ保険料軽減策の継続等を要望してまいります。
次に、保険料特例軽減の存続についてのお尋ねにお答えいたします。
特例軽減継続については、区から都の広域連合へ意見具申しており、広域連合も国に対し現行制度維持を要望しております。平成28、29年度の保険料率については、現在、広域連合が特例軽減を継続する形での改定案を検討しているところです。
被保険者の皆さんの負担をできる限り抑えるよう、引き続き特別区の担当部長会や課長会を通じて特例軽減継続を要望してまいります。
次に、外部化の業務分析についてお答えします。
業務分析は2種類ございます。一つ目は、区が外部化を判断する際に用いる現状分析であり、二つ目は、委託契約を事業者が実際の業務運営を行うに当たり、業務量や処理手順等を独自に整備するための分析です。
ご質問の業務分析は後者に当たりますが、この分析に関わる経費は、外部化という新規事業の初期投資と考えており、国保業務委託の5年間のスキームにおいて回収した上で、更なるコスト削減効果を生み出すものです。
国保業務全体を見直す観点から、民間の視点を取り入れ、より効率的な業務運営を構築する目的で、サービス設計業務の一部として業務分析を実施しました。
先例の戸籍の外部化においては、結果として、法令チェックの甘さや税制指導を受けたことを真摯に受け止め、反省しております。
しかしながら、その反省を踏まえ、国保の業務分析結果やサービス設計内容の確認については、区職員が責任を持って実施し、合わせて東京労働局への相談や弁護士へのリーガルチェックも行っております。したがって、在り方を見直す考えはございません。
次に、戸籍の外部化についてのご質問にお答えします。
業者が変更になった場合には、引き継ぎが必要になります。その際、引き継ぎに必要な人数については、事業者の判断により決めることになります。
また、引き継ぎ業務に関わる金額については、従事職員の研修経費や従事者が独立して業務を行うためのマニュアル作成などに用いるもので、円滑な事業運営には必要不可欠な経費であります。
この経費を含めてもトータルではコストメリットが出る計画となっており、二重払いではなく、税金の無駄遣いでもありません。
続きまして、コストの試算についてのご質問にお答えします。
ご質問のコスト計算の対象とした業務範囲は、証明書発行やフロアマネジャー業務などの管理運営全てであり、非常勤職員のみで行うことはできません。
また、本年10月に直営に戻しました窓口業務についても、常勤職員との組み合わせで行っております。こうした委託前の常勤職員、非常勤職員の定数や事務分掌等を分析し、現在のサービスを維持するための必要最小限の常勤職員、非常勤職員それぞれの定数を算出したところです。これまでの実績や実態に基づいた根拠のある推計であり、コストメリットを出すための数合わせではありません。
また、常勤職員と非常勤職員との最適な組み合わせは、業務内容や進め方によって異なってまいりますので、今後、全ての職場での現行比率を踏襲していくという考えはありません。
続きまして、区職員による総合窓口化のご質問についてお答えします。
総合窓口化につきましては、戸籍住民課と中央本町区民事務所の統合時に検討いたしました。当時の議論では、大規模な自治体では、かえって来庁者が総合窓口に集中し混雑してしまうこと、他の窓口に来庁者を案内したほうが短時間で処理できることなどの理由から、あえて現在の体制を選択いたしました。
つきましては、外部化の結果などを検証しつつ、窓口における区民サービスについて今後とも研究してまいります。
次に、国保業務の外部化についてお答えいたします。
まず、国保の広域化、マイナンバー化については、現在、国から示されている内容では、窓口受付業務に当たる部分の改正は少なく、大幅な契約変更は見込んでおりません。
次に、業務移管に関しましては、移管業務一覧の作成を行い、事業者と区で相互に確認を行うことで漏れのない引き継ぎを予定しており、これにより運用に支障が生じることがないよう努めてまいります。
次に、請負の適正化に関しては、労働法制上、疑義のない適切な委託となるよう、事業者と協議をしているところでございます。
次に、従事者の定着に関しましては、離職率は9月末現在で約4%であり、定着率は非常に高い数値となっております。
更に、離職の際には確実な引き継ぎを徹底し、業務の継続性を担保しており、効率化が図れないわけではありません。ご質問のリスクに対しましても、今年度のサービス設計の中で万全な対策を講じることで、適切に対処してまいります。
次に、9割外部化することについてのご質問にお答えいたします。
厳しい財政運営にある国民健康保険制度にとって、滞納対策は最重要課題です。滞納整理の強化により収納率向上を図ることで、国保財政の健全化が進み、その利益は区民に還元されるものであります。単に区民に痛みを押しつけるものではございません。また、契約に応じた業務に対し、必要な費用は当然負担するべきもので、企業の利益を保障するものでもございません。
したがいまして、滞納対策は国保制度の維持、負担の公平性の観点からも重要であり、そのための方策を見直すことは考えておりません。
◎秋生修一郎子どもの貧困対策担当部長 私からは、子どもの貧困対策の全庁的な取り組みについてお答えします。
子どもの貧困の要因と、そこから生じる課題は多岐にわたり、かつ、それらが複雑に絡み合っていることから、その解決や予防についても、全庁を挙げて横断的、総合的に施策を推進していくことが必要です。
このためには、職員一人ひとりが子どもの貧困対策は重要な課題であるという認識のもと、担当業務を行う中で、常に意識していく姿勢を持つことが重要です。
そこで、子どもの貧困対策の普及啓発及び職員の意識喚起を目的として、職員等を対象とした講演会を平成26年度より開始し、平成27年度では4回の開催を予定しております。
今後も、職員だけではなく、関係機関、一般区民も含め、子どもの貧困対策に対する普及啓発活動に努めてまいります。
◎井元浩平地域のちから推進部長 私からは、児童館、学童保育の位置付けについてお答えをいたします。
子どもの居場所づくりとしての児童館、学童保育は、遊ぶ場所だけではなく、生活の場として重要な位置を占めていると認識しております。
◎服部仁建築室長 私から、杭打ちデータ流用に関する検査体制のご質問にお答えします。
現在、国は、学識経験者からなる基礎杭工事問題に関する対策委員会を立ち上げ、実態を踏まえた必要な対策について幅広い検討に着手したところです。
今後、本対策委員会において、データ流用の本質を見極め、その要因に応じた再発防止対策を打ち出すと聞いております。
区といたしましても、国等の動向を注視して適切に対応してまいります。
◎儘田政弘資産管理部長 私からは、学校の統合に伴う避難所と旧千寿第五小学校の跡地についてお答えいたします。
避難所につきましては、学校の跡地利用が決まるまでの間は、地域の意見を踏まえながら災害対策課とも協議を進めております。
なお、旧千寿第五小学校の跡地は、密集市街地整備事業の区域内であるため、今後、土地の有効活用を検討する中で、可能な限り防災機能の確保に努めていきたいと考えております。
◎工藤信都市建設部長 私からは、千住一丁目地区市街地再開発事業に関するご質問にお答えいたします。
当地区の再開発は、都市再開発法に基づく市街地再開発事業として進められており、現在の事業計画案では、地域要望を取り入れて、子育て支援施設や多目的室を整備する内容となっております。また、地域の声を組み入れ、高さも32階から30階へ、約3m低い約112mに変更されております。このような状況を踏まえて、準備組合は12月に本組合の設立認可申請を行うものです。
区では、地域要望等が確実に実行されますよう、引き続き組合を指導していく所存です。
◎伊藤良久子ども家庭部長 私からは、まず待機児解消についてお答えいたします。
平成29年度開設予定の認可保育所の見通しについてですが、本年9月に募集を行った認可保育所4所の公募につきましては、いずれも応募がありませんでした。現在、募集期間を延長して事業者からの相談を受け付けております。
千住地域、六町地域につきましては、複数の具体的な事前相談を受けているところであり、平成29年度の開設に向けて調整を進めてまいります。
青井地域、小台地域につきましては、これまで情報収集や適地かどうかの現地調査を行ってまいりましたが、諸条件が整わず具体化いたしませんでした。現在、公有地の活用や募集エリアの拡大などについて、関係各課と検討を行っております。
今後も、計画に人口や需要の伸び等を加味した上で、真に必要施設を整備してまいります。
次に、子ども・子育て支援新制度などについてお答えいたします。
まず、保育の短時間区分と標準時間区分についてですが、保育標準時間に該当する方が希望する保育施設に入所できないため、保育短時間の施設を利用せざるを得ない状況があることは認識しています。これらの課題への対応を図るためには、現状の利用実態や対象者数について、より詳細に実情を把握していく必要があります。今後、実態調査を行い、その結果に基づいて必要なる場合は対応を図ってまいります。
次に、年少扶養控除のみなし適用につきましてお答えいたします。
区は、新制度への移行に当たり、みなし控除が適用されていた旧制度と新制度の保育料の差が過大にならないような新たな保育料設定や経過措置などの配慮をいたしました。
したがいまして、年少扶養控除の見直し適用の廃止の見直しにつきましては、現在のところ考えておりません。
なお、国への要望につきましては、内閣府による情報交換会が4月以降二度実施されましたが、今後も、このような機会を捉え、国に伝えてまいります。
次に、保育ママについてお答えいたします。
まず、給食提供ですが、給食は子どもの健康と生命に関わる重要な事業であると認識しております。そのため、実施には慎重かつ丁寧な準備が必要であると考え、給食提供の開始時期を1年延期することといたしました。現在、自園調理のための衛生管理やあるべき対応等のマニュアルを整備しています。
今後、現在、開設中の保育ママによるモデル事業や研修、実習を実施するとともに、給食提供開始に向けた情報提供を新規・既存の保育ママに逐次行い、平成29年4月から安心・安全な給食の提供を確実に開始できるよう、保育ママを応援してまいります。
次に、保育ママ等の連携園の確保についてお答えいたします。
子ども・子育て支援新制度においては、保育ママ及び小規模保育施設の3歳以降の保育について、5年以内に連携施設で受け入れできるように規定されています。現在、2歳児クラスの卒園後の利用施設について、希望調査を実施しているところです。
今後、その結果を踏まえ、連携施設の確保について、できるだけ早く実現するよう具体的な計画を作成してまいります。認証保育所につきましても、同様に検討してまいります。
保育ママや小規模保育室の在園児が年齢条件により卒園を迎えるときの指数加点については、在園している保育施設から卒園後の保育施設にスムーズに移行できるようにするために設けていることから、年齢上限を迎える前での加点は考えておりません。
次に、福祉人材確保に関する質問にお答えいたします。
保育士等住居借り上げ支援事業の工夫につきましては、12月補正予算に計上し、1月から実施することにより、採用活動に効果的に活用できるとともに、事業者が利用しやすいよう運用面の工夫を行ってまいります。
他の福祉分野の人材への適用の拡大については、国等の補助制度がないため、対象を広げる考えはありませんが、利用可能な制度がないか、今後、動向を注視してまいります。
次に、スクールソーシャルワーカーの人材育成についてお答えいたします。
スクールソーシャルワーカーについては、計画的な採用を検討しておりますが、区で採用後、ベテランのスクールソーシャルワーカーによる指導やOJT研修等により人材育成に努めてまいります。
◎宮本博之学校教育部長 私からは、教育に係る経済的負担の軽減についてお答えいたします。
まず、給付型奨学金制度の創設について、教育委員会では、区独自の給付型や一部返還免除の新たな奨学金制度の創設に向け、検討に着手いたしました。
経済的に就学困難な生徒が多数いる中、奨学金の対象者や選考方法、返還免除や給付する金額などの条件の設定、財源確保策などが課題となっております。今後、平成28年度の実施に向け、新たな奨学金制度について早急に制度設計を行ってまいります。
次に、給食費の負担軽減についてお答えいたします。
給食の食材費の負担は、学校給食法第11条に基づき、保護者負担が原則とされており、無償化を実施する考えはございません。
なお、現在、小中学生の約34%に就学援助制度の中で給食費の援助をしており、今後も引き続き経済的に厳しいご家庭に対しては給食費の援助を実施してまいります。
ご質問にありました世田谷区は、今まで各学校長が給食費を保護者から徴収し管理をする私会計から、区が学校給食費を保護者から徴収し自治体の歳入として取り扱う公会計に移行するもので、給食費の負担軽減策ではないと伺っております。
学校給食の公会計管理については課題も多いことから、引き続き研究を続けてまいります。
最後に、西新井小学校の杭工事データ流用についてお答えいたします。
西新井小学校につきましては、建築時に元請業者が撮影した工事記録写真、セメントの納品書などから工事が適正に行われていたことを確認しております。また、現場において校舎に不同沈下等の不具合がなく、現段階において施設の安全性に問題がないことを学校施設課職員が確認しております。
このことは、11月7日土曜日に緊急保護者説明会を開催し、学校関係者に説明を行うとともに、区ホームページ等により周知を図っております。
また、来年度に入学を予定している新1年生の保護者に対しましても、新入生入学説明会において安全性の説明を行ってまいります。
再質問
◆浅子けい子議員 幾つか再質問をさせていただきます。
まず初めに、区長の政治姿勢、とりわけオスプレイの横田基地配備についてですが、これは区長の方が、この横田基地の配備については国の専管事項だから見守っていきたいというような答弁をなさいましたが、これは先ほど私が発言いたしましたように、米軍の横田空域が1都8県にまたがって、この足立区にも強く関係する、影響するものなんですね。そういう点では、人ごとではなくて、自ら自治体の長として区民の安全をどう守るのか、そういう立場からの答弁をしていただきたいと思っていました。
そういうことなので、客観的なご意見ではなくて、自分が長として、そういう状態に置かれる自治体としてどう思うのかということを改めて答弁していただきたいと思います。
それから、介護保険制度ですけれども、介護保険の報酬が引き下げられて、今、大変な事態になっているというのは、足立区は倒産にはなっていないと、そういう事実はないというお話がありましたけれども、これが続けば倒産の方向になるだろうということは明らかだと思うんですね。人材も減らされています。
それから、ちょっと私、聞きそびれたかと思いますけれども、総合事業の報酬の減額、これは打ち出すべきではないという質問をしたんですけれども、どういう姿勢だったのか、もう一度お聞きしたいというのと、あと3番で、今こそ介護崩壊が起こり、高齢者が介護を受けたくても受けられない、介護制度があっても受けられない制度ということで、地域崩壊にもつながるのではないか、地域の社会の問題でもあるということで3番はお聞きしたんですね。介護人材が、主な答弁になっていましたけれども、全体として今回の介護保険制度自体のことで答弁をお願いできればと考えています。
さらに、外部化の問題です。戸籍の外部化については、今回、直営と民営で富士ゼロックスの人員を7対3という職員比率で、その割合でやって常勤が16名と非常勤が8名としたと。こういう比率でいくのかということに対して、その部署部署のところによって適正な配置をしていくというようなご答弁でしたが、これは数合わせになるんじゃないかと私質問しているんですね。そこら辺で、数合わせではないのかどうか、はっきりとご答弁をいただきたいと思います。
さらに、国保の外部化のリスクについては、1点から4点まで挙げましたが、これは受諾事業者が業務実施運営計画書というところでこういうリスクがありますということをはっきりと言っているんですね。私は、以上のようなリスクがあると思いますよねと聞いているので、それに対してご答弁をお願いしたいと思います。
再答弁
◎近藤やよい区長 再質問にお答えいたします。
浅子議員のほうから、国政の動向を見守ると答弁があったというお話がございましたけれども、区長という責任ある立場の私としては、見守るということではなく、きちんと注視をしていく、必要があるときには必要な対応をとっていくという意味で、国政の動向を注視するとご答弁を差し上げました。
◎橋本弘福祉部長 再質問にお答えします。
一応、全て私は答えたと思っておりますが、最初の倒産に関してのことなんですけれども、倒産した後、何も対応しなければ区民に被害が及びますので、速やかにそういう場合は事業所への引き継ぎ等を対応するようにするということをお答え申し上げました。
次に、総合事業における介護報酬についてでございますが、減額は避けられないものと受け止めており、現在、その単価等について精査しているところだとご答弁申し上げました。
最後に、介護難民があふれ、介護崩壊を招きかねない、手だてをどうするのかということでございますが、こういうことについてかなり先進的な東京都の制度について活用を推進することと、必要なことについては国や都にきちんと要望して出していく、そういうふうに答弁申し上げました。
◎鈴木伝一区民部長 先ほど浅子議員のほうから、数合わせでないかということについてはっきり言っていないということですが、私は、コストメリットを出すための数合わせではありませんと述べさせていただいたところでございます。
次に、4点のリスクについてあるのかないのかということでございますが、私どもはそういった対応することによって、そのリスクについても、今年度サービス移行になるので万全の対策を講じることで適切に対処していくということで、我々としては対応をとっていくということで、そういったものを対応していきたいと考えております。