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●鈴木けんいち議員(2016年3月3日)
◆鈴木けんいち 委員 共産党の鈴木です。午前中、最後の質疑になりますが、よろしくお願いいたします。
平成28年度予算案は、一般会計で2,730億円と過去最高になりました。23区では、世田谷区に次いで2番目の規模ということです。また、積立金は1,303億円と、これも過去最高となりました。23区でトップクラス。ちなみに、杉並区の基金残高は428億円ですから、自治体の規模の違いを差し引いても足立区の基金が、いかに多いかがわかります。
先ほど他党の委員から基金の多さを指摘することについて、何かおかしい、みたいな話もありましたけれども、区財政の実態の一つとして、これは当然、明らかにすべきことであると思います。
そして、この財政を生かして、区民を応援し、元気にして、足立区を元気にしていくと、これが区政のあるべき、取り組むべき姿だというふうに思います。
特別区交付金なんですが、予算編成時、何と言っていたかと言うと、法人住民税の一部国税化による影響が60億円の減収と述べて、減るだろうと見込んで、そして、年間60億円の歳出経費を削減することは並大抵のことではないと言っていました。しかし、これはどうなったでしょうか。
◎財政課長 吉岡委員並びに長井委員のご答弁のときにお話させていただいたとおり、法人住民税の国税化によって60億の減収は、事実ありましたけれども、景気の動向の好転によって減収幅が狭まった、固定資産税等も増えたということで、予算状況の数字においては21億円の増というような形で計上させていただいております。
◆鈴木けんいち 委員 そういうことで21億円の増となったわけです。この予算編成のあらましでは、今後の財政運営の見通しと課題というところで、都区財政調整の普通交付金について、平成26年度決算990億円と比べると55億円の減収となりますというふうに強調しています。
しかし、平成26年度は、当初予算ではこの普通交付金幾らと見込んでいたのでしょうか。
◎財政課長 平成26年度当初の交付金については、特別区交付金935億円、平成26年度で計上いたしております。
◆鈴木けんいち 委員 そうですね、この935億円で当初予算、見込んで、大体、追加交付がされて、確定して決算となります。平成26年度も990億円になったわけです。そういうものを当初予算と比較して減収となるというふうに言うのは非常に意図的というか、減っているということを思わせるための手法と言わざるを得ません。
また、基金は前年度比で112億円の増となっています。内訳で見ますと、何にでも使える財政調整基金は33億円増え、そして、その他の特定目的基金は95億円増えたという、こういう内訳になると思いますが、どうでしょうか。
◎財政課長 今、ちょっと数字のほうがあれですけれども、基本的には特定目的基金、財政調整基金とともに積み増しを行わせていただいておりますので、増額になっているところでございます。
◆鈴木けんいち 委員 特定目的基金、目的があるものだと言いますけれども、ただ、お金がないと積めないものであります。そういう中で、平成28年度の財源対策では、取り崩す基金は昨年の22億円から16億円へと減っております。区としては、基金は取り崩すので減少するというふうに言いますけれども、年度当初は、やはり基金を活用して、減少するのは当たり前です。基金は使うために積んでいる、というふうに思います。
こうして区財政は非常に、非常にというか豊かで余裕のある状況だと。他区では行っている、国への財源対策には取り組まなくてもやっていけることだ、と言っても過言ではないというふうに言わざるを得ません。
では、区民の生活に対してはどうか、ということであります。区長は、今回の予算編成のあらましでは、昨年まで強調してきた財政の厳しさを触れることはなく、人口構造の変化、それから、都区財政調整交付金の減少、施設更新などを挙げて、活力に満ちた自治体へ、確かな道すじをと、このように強調をしております。活力というのであれば、区民が元気で、地域経済が活性化し、そして、子どもたちが健やかに育つ、そういうことが重要だというふうに思います。
今、区民の生活、どういうふうかということで、見てみますと、最近の総務省の家計調査、2月20日の公表のものですが、家計で自由に使える可処分所得が2014年に消費税が8%に引上げられたことで急落し、2015年には実に30年前の水準にまで落ち込んでいるということがわかりました。
物価の影響を差し引いた、除いた、実質可処分所得は、2人以上の世帯のうち、勤労世帯で97年の月額47万9,302円から減少に転じて、昨年には40万6,849円にまで下がりました。この数年間、この4年間は実質賃金も下がり続けているし、ここずっと年金も下がり続けているという状況もあるわけです。
そして、この可処分所得、実際に家計で自由に使えるお金が減っている。このことを裏付けるように、総務省の調査では、消費支出は2年連続で下がっているという調査になっています。区は、このことは把握しているでしょうか。
◎政策経営課長 それに関しては理解しております。
◆鈴木けんいち 委員 このような生活の状況ですけれども、実質可処分所得が下がった要因の一つは、実収入が伸び悩んでいる、ということにあります。昨年は、実収入のピークである97年から7万円近く、6万九千何百円と下がっているわけです。
それと同時に、もう一つ、税とか社会保険料などの非消費支出の増大も可処分所得を減らしております。総務省の家計調査では、非消費支出は、昨年は9万8,508円ということで調査開始以来最高となりました。実に実収入の19.7%を占めるまでになりました。とりわけ、この公的年金保険料とか、それから、健康保険料、これが特に高額となっているというふうに分析をしています。
こういう問題では、我が党区議団が行った区民アンケートでも、国民健康保険料が高い、2人で7万円だ、というふうに大変、悲鳴のような声を寄せてくださった方がいらっしゃいます。
調べてみますと、国民健康保険料というのは15年以上、少なくとも15年以上連続して上がり続けています。この10年間、ちょっと幾ら上がったのかをずっと毎年の分、上がった分を積算してみました。そうすると、平均1人当たりで3万1,475円、これだけ引上げられたというふうに、ちょっと私の試算ではなりましたけれども、これどうでしょうか。こういうことで間違いないでしょうか。
◎国民健康保険課長 そのとおりでございます。
◆鈴木けんいち 委員 実に上がった分だけで3万円を超えるんですね、この10年間で。いかに負担が増えているかということだというふうに思います。
それから、この十数年間で見れば、15年前から介護保険が始まって、この15年間では、この介護保険料という点でも、7万4,160円の負担増になっています。この介護保険料についても、やはり介護保険料が高い、夫婦2人で1万2,000円以上だ。現役を退いた者にはきつい。これは65歳の男性ですけれども、こういう声が届いています。
こうした社会保険料などの負担増があるわけですけれども、これに加えて物価上昇が続いて、特に2014年4月の消費税率引上げで消費者物価指数は104.6まではね上がり、これ過去最高です。こういう状況になっている。
2月15日の内閣府の発表したGDP速報値では、年率換算で1.4%のマイナスになったわけですけれども、その最大の要因が個人消費の落ち込みというふうになっております。消費支出は前年同月比で3.1%の減となっているわけです。
政府は、この落ち込み、暖冬のせいだというふうに言っているようですけれども、これはもうそんなことはない、というのは経済専門家からも指摘がありますけれども、実態は安倍政権のもとで、大企業と富裕層には減税などで大盤振る舞いして莫大な利益をもたらす。その一方で、国民には社会保障は破壊、雇用も破壊、そして消費税の増税で内需を冷え込ませて、悪循環となって家計を襲っている、これが最大の原因であります。まさにアベノミクスが破綻しているということは明らかだと思います。
この消費支出という問題、そして景気回復という問題なのですけれども、読売が2月26日に発表した調査では、84%の人が「景気回復は実感してない」というふうに答えています。こういう状況がありますけれども、この辺、区はどのように見ているでしょうか。
◎政策経営課長 そのアンケートについては詳しくは存じ上げませんけれども、区内の景気というところでは、中小企業の景況感、そういったものがございます。全体としては厳しい中でも徐々に回復傾向があるということまでは見て取れますし、また、業界によっては、例えば建設業の方からお話し伺う中では、やはり人手不足ということも出てきているというところを聞いておりますので、少しずつそういった業況というのでしょうか、良くなってきている部分があるというふうに認識しております。
◆鈴木けんいち 委員 部分的には、そういう好転している部分がありますが、やはり消費全体を見ると冷え込んでいるということがどの調査、指標を見ても明らかだというふうに言わざるを得ません。
それで、こうした中で区民生活どうなっているかということなのですけれども、足立区は、23区でも保育料は一番高い。保育料が高ければ子どもが生まれない。産まなくなる、産めなくなる。これ46歳の女性ですけれども、やはり区民アンケートに、そういう声を寄せましたし、保育料は将来を担ってくれる子どもたちのためにも下げて欲しい。これ31歳、実際、子育て中の女性から寄せられました。それから、介護保険料は、これも、これ23区、2番目に高い。そして、公共施設は有料化、駐車場も有料化。非常に区民の負担が大きくなっています。
基金が過去最高になる、23区でもトップクラス、これだけのお金がありながら区民には負担を押しつけるという、こういう区政の在り方というのは、やはり足立区の特徴というふうに言わざるを得ないわけです。
今、こうした豊かで余裕のある財源を生かして負担を軽減していく、そして、区民の生活を応援していく、こういうことこそ、この新年度予算の審議にあたって、そういう姿勢がまずもって一番大事だというふうに思うのですけれども、そういう姿勢はどうでしょうか。
◎財政課長 基金についてのご意見等頂戴いたしましたけれども、繰り返しになりますけれども、特定目的基金については建設費等、目的が決まった中で積立てをさせていただいている部分でございます。実際に財政調整基金、こちらのほうは財源調整で使える部分ですが、300億円、実際には同時補正組ませていただいておりますので、300億円を切る299億円ということですが、こちらについての金額で言えば23区中7番目ということですので、ため込み過ぎであるというようなご意見に関しては、ちょっと違うのかなというふうに思います。
◆鈴木けんいち 委員 私の聞いたことに答えてください。財源を生かして区民の暮らしを応援する、負担を軽減する、そういう姿勢はないんですか、そのことを聞きました。
◎区長 区民の皆様方に、様々なご負担をいただきまして、今こうして基金を積み上げることができる状況が一方にあるということは大変にありがたいと思っておりますし、その皆様方のご協力があるからこそ、今回、60億円の基金を積み上げて、区民の悲願である病院の誘致にも一歩踏み出しているということでございます。様々に苦しい場面ございますけれども、何とか支えながら、そして、先ほど基金は使うために積立てられているというお話がございましたが、使うのは、必ずしも今ではございません。現在もさることながら、中長期、先ほどの繰り返しになりますけれども、継続した安定的なサービスを提供していただくために、本当に申しわけないですけれども、区民の皆様方にも一定程度のご負担をいただく、これについてはいろいろご意見あるかもしれませんけれども、区として、それはこれからもなるべくご理解をいただきつつ、そうした姿勢を示していきたいと思っております。
◆鈴木けんいち 委員 私、聞いているのは、基金を積むのはだめだということではないのですよ。その財源を生かして区民の暮らしを応援する、そういう姿勢には立たないんですかということを聞いているのですよ。大学の病院の誘致については、これ区民の悲願であり、我が党も推進し、賛成して基金を積むことは、いつも賛成しています。
同時に、やはり過去最高となり、23区のトップクラスのこれだけの余裕のある財源の中で、そのほんの一部を使って、区民の暮らし、例えば23区でも一番高い保育料を下げられないのか。介護保険料だって下げられないのかという、そういう姿勢はないのかということを聞いているんですが、そこはお答えになりませんけれども、そういうことではやはりいかがなものかな、というふうに言わざるを得ません。
次に、新年度予算では、戸籍の外部委託の継続実施とともに、新たに国保の外部化の本格実施予算が計上されております。戸籍については、戸籍法違反、労働関係法令違反を重ねてきた富士ゼロックスシステムサービスが実に法令遵守の項目で高得点を上げて最高点を取り、再契約となりました。
しかし、これはこのプロポーザルのやり方自体がおかしいのではないでしょうか。どうなのでしょうか。
◎戸籍住民課長 プロポーザルの評定項目につきましては、選定員の皆様から、これまでの経過の内容を踏まえまして、セキュリティや労働関係法令等、それぞれ各委員様方のご意見の反映した形で、厳正に行っております。
◎経営戦略推進担当課長 補足説明させていただきます。
労働関係法令が遵守されているという評価項目につきましては、ゼロックスが1,205点、第2位が760点と、その差は445点ということでございました。仮にこの445点をゼロックスから削っても、第1位と2位の順位は変わりません。したがいまして、ゼロックスは総合評価によって適正に選定されたものと認識しております。
◆鈴木けんいち 委員 これまで労働関係法令違反だということで、何度も東京労働局から指摘をされて、ずっと改善報告書を出してきたのが足立区であり、この富士ゼロックスシステムサービスなわけですよ。そこはどうして、この労働関係法令遵守で最高点を上げるんですか。おかしいじゃないですか。そのことを言っているんですよ。
プライバシーの侵害として、この問題では1,300人もの区民から裁判も起こされております。この戸籍の外部委託については、これを中止して、仮に非常勤で担えば、こうした公権力行使違反、あるいは労働関係法令違反、こうした問題は回避できるし、プライバシー侵害の可能性も避けることができます。そして、コスト的にも2,000万円以上の節約となります。いかに企業優先の区民サービス売渡しか、ということも指摘せざるを得ません。
そして、こうした区民の批判に懲りもせず、今度の予算案では、国保の外部委託の本格実施のための予算を盛り込んであります。この国保の外部委託については、今度は社会的信用失墜行為で競争入札の指名停止となった事業者が委託を受けるという異例の事態となりました。これ、お聞きしたいんですけれども、指名停止となった業者を採用するというようなことは、これは前代未聞だと思うのですけれども、どうですか。
◎契約課長 指名停止の要綱でございますけれども、これは新たに入札を行う場合、その入札参加資格について定めたものでございます。これまで締結した契約については適用ございません。
◆鈴木けんいち 委員 その入札の要綱を見ますと、様々なことがあって、それで、今回の指名停止については、まさに該当する事業者が、これから4月から委託を受けようとしているわけですよ。そのことをわかっていながら、採用するというのは、これは、もうどうしても区民としては納得できないですよ。
今回の国保の外部委託を中止し、当面、非常勤職員で補えば、これについては1,700億円規模のコスト削減となります。外部委託は中止をし、1,700億です、あ、1億7,000万円です、失礼しました。区役所の本体業務は区が行い、サービスの向上と自治体の本来の役割を取り戻すべきだということを指摘します。
次に、区は昨年、精神障がい者の通所訓練事業に係る交通費と利用者負担軽減のための助成を廃止をいたしました。
その理由の一つに、精神障がい者福祉手当が創設されたということが挙げられましたけれども、通所訓練事業に通う方は何級の方が多いでしょうか。
◎中央本町地域・保健総合支援課長 2級、3級の方がほとんどでございます。
◆鈴木けんいち 委員 まさに2級、3級の方なんですよね。1級の方が通うというのは非常に、なかなかまれなんですよね。したがって、そこを何か1級の方に精神障がい者福祉手当が支給されるから、じゃ、2級、3級の方の補助、打切ります。こんな話はありませんよ。
そして、精神障がい者の1級の福祉手当も、せめて1級の方にせめて5,000円だけでも、という、他の知的や身体の方に福祉手当が支給されているように、3障がい一元化のもとでということで本当に願いが、たくさんの願いが寄せられて、そして実施されたものであります。そうした願いを逆手に取って、こっちを削る、廃止するなんていうのは、これとんでもないことだと思うんですよ。
そういうことで、これは僅かな福祉手当の支給を理由に打切るのはどうしても納得いきませんし、この負担軽減助成を復活して、通所訓練者を励ますべきだというふうに思うのですが、この点、区としてはどうでしょうか。
◎中央本町地域・保健総合支援課長 まず、先ほど来、福祉手当創設に伴って廃止というご発言ございますけれども、たまたまタイミングが合ったということで、理由といたしましては他の身体、知的、これらの方との負担の均衡を図る、これが最大の理由でございます。
◆鈴木けんいち 委員 たまたまと言いますけれども、実際にはそういう説明がありました。そういうことで、是非これは、復活をしていただきたいというふうに思います。
今年度の、新年度予算については史上最高の規模となり、基金残高は空前の1,303億円となるほどであります。しかし、区民には目を向けず、区はその一部を使えば実行できる、区民の暮らしを応援する姿勢、そして負担を軽減する、そして僅かな補助を復活して障がい者の通所訓練を励ます、そういう姿勢にも立とうとしない。
また、戸籍や外部委託強行でプライバシーと人権侵害、自治体の役割を投げ捨てる姿勢は問題だと思います。地方自治体の本旨に基づき、住民福祉の増進と自治体のあるべき姿に戻るよう、予算を組みかえるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◎政策経営部長 予算を組みかえる考えはございません。
◆鈴木けんいち 委員 予算を組みかえる姿勢を変える考えはないということですので、我が党は予算修正案を提出していきたいというふうに思います。
次に、今、効率化とコスト削減の名のもとに、公共工事や公共サービスを担う現場で働く人たちの労働条件がどんどん削られ、低賃金で過酷な労働に苦しむ労働者が増えております。
2月22日のNHK「クローズアップ現代」で、京都市の公立病院に併設された保育園が、病院が独立行政法人化されたことに伴って保育所を民間委託された、ということが取上げられました。それまで正規職員として働いていた保育士が1年契約の非正規雇用となり、賃金も2割から3割カット。これでは生活できないということで、経験豊かな保育士が次々と職場を離れていった。
そして、更に今度は、この委託の契約満了に伴って、競争入札で更に3割安い企業が落札して、そのもとで保育士たちの給料は実に13万円まで下がりました。そして、全員雇い止め。保育士が変わって、子どもが円形脱毛症になった。原因を調べて見ると、ストレスが原因だということで、本当に質の低下も生まれているような状況。
これは足立区では、こういう典型的な例はないとは思うのですが、今やはり保育の現場では人材不足が激しいわけですけれども、劣悪な労働条件が要因の一つになっているというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◎子ども家庭課長 保育の現場におきましては、今、大変、待機児の対策も含めまして、国を挙げて対策のほう取り組んでいるところでございます。保育士の給与等についての待遇についても国を挙げて、こちらについても改善を含めてということで、公定価格の上昇等についても行っているところでございます。
◆鈴木けんいち 委員 そういうことで、劣悪な状況を改善するために非常に、非常にというか努力をしているということだと思いますけれども、建設の現場でも、4年前に起きた笹子トンネル崩落事件、これをきっかけにインフラの安全対策が重視をされたと。その中で予算の削減や熟練した人材の不足が、改めて浮き彫りになったというふうに、このNHKの放送では指摘をしておりました。
この中では、地方公共団体の直接雇っている公務員の3分の1が既に非正規化していると。そして、そのまた過半数が年収200万円未満の、いわゆるワーキングプア状態だというふうに言っている。このことを言っているんですね、つまり地方自治体自身が効率化ということでワーキングプアをつくり出しているというふうに、このように指摘しています。
まさにこうした労働条件の悪化は公共サービスの質の低下、ひいては人材不足を招いていると言わざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。
◎契約課長 ご案内のように、昨年度から足立区は公契約条例を適用しております。まだまだ適用案件、少ないわけでございますけれども、その中で労働条件の確保、労働環境の整備に努めております。こうした精神というのは、適応案件以外の事業所にも、ご協力いただいていますので、そういったことはないと考えております。
◆鈴木けんいち 委員 非常に人材不足がある中で、区長も「未来へ。確かな道すじを」というふうに今年度予算、新年度予算で言っておりますけれども、それを担う人の確保と育成はどうしても必要で、それなしには確かな未来は切り開かれないと思います。区政運営が自治体の在り方の原点に立ち、公共サービスをしっかり担える人材確保とサービスの提供ができる方向に力強く進むことを求めて、質問を終わります。