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●針谷みきお議員(2016年3月7日)
◆針谷みきお 委員 おはようございます。私、子どもの貧困対策に関連した教育問題について、まず初めに質問したいと思います。
子どもの貧困対策実施計画によると、この3年間、児童の虐待相談とともに、不登校が小学生、中学生でも増えております。また、内閣府の調査によると、10歳から14歳の自殺もかなり増えているということが示されています。
特に足立区の場合、平成16年度から平成26年度までに、不登校については2倍になっているとこの計画の中に書かれております。
実は、全都でも都教育委員会が不登校問題を取上げていて、いろいろな対策が書かれておりますけれども、都平均では、平成16年度には3.17%、平成26年度も3.17%ということでほとんど変わりがないのですが、足立区だけがこの3年間、特に中学生456人、平成25年度は573人、平成26年度は675人と、3.2%から4.8%に急増している。これは書かれてあることなので確認しませんが、足立区だけがなぜ2倍になっているのかという問題について、原因をどのように捉えているのか、見解をお伺いしたいと思います。
◎教育指導室長 問題行動調査の中を細かく見てみますと、無気力、何となく登校しない、登校しないことへの罪悪感が少ない、という生徒が増えておりますので、こういう児童・生徒が若干、増えているというのが一つの原因かと思われます。
◆針谷みきお 委員 これは都教育委員会の不登校の要因について書いてあるのですが、今、教育指導室長がおっしゃったように原因はいろいろあって、子ども自身の学校の問題では友人関係、家庭の問題もあると。本人の要因では、今、教育指導室長が言った無気力とか情緒不安定、混乱、病気ということがあるわけです。足立区でも子どもの貧困対策を教育大綱の一つの柱に据える、この認識自体は正しいし、区長と意見は一致していると私は思っています。同時に、これは日本社会の様々な矛盾を反映しているものではないかと思っています。
同時に、この間、足立区が進めてきた教育改革に要因はないのだろうか、分析をしてみる必要があると思っています。
特にこの間、教育総合会議など私も第1回から第7回まで、7回もやられているようですけれども、熟読させていただいて、立派な議論がされているなと思っているんですが、そこで一つ言える問題としては、教員の多忙化、つまり児童・生徒と接する時間がつくれない。いわゆる不登校やいじめによる共通した問題についての把握が、なかなか難しい状態になっていると私は捉え、これは全面ではないですけれども、このように無気力とか原因が非常にはっきりしないというのは、もっと向き合うことによって、解明できる部分もあるのではないかと思いますが、この辺の認識はいかがでしょうか。
◎教育指導室長 本区においては、区の学力調査をもとに、子どもたちの細かい分析、SP表等をさせていただいていますので、そういうことで子どもたちの現状を理解しているというのが1点。
また、できた喜びを味わわせるということが重要ですので、今の取り組みについては、子どもたちのための取り組みであると考えております。
◎教育長 今の足立の中で900人の不登校の児童・生徒がいるわけですけれども、1月に、どのぐらい学校が接しているのかという調査をしました。教育委員会なり、学校の言葉がどのぐらい通じているかということで言えば、最終的に届かない子が5名いた。こんなこともやって、学校と児童・生徒のつながりをもっと強化していくべきだと私自身は思っています。
◆針谷みきお 委員 私、この問題では、非常に重要な示唆が、これまでの足立区の教育行政においてやられていると実は思っています。
それは、いじめに関する調査委員会の委員長であった中央大学の横湯園子教授が、先日、教育シンポジウムのパネラーとして久しぶりに足立区に来て、このいじめ問題についての発言、教師が主体的に考察すること、資質向上のための方策を基本とするべきだという発言をされました。
そして同時に、通知文書や会議での指導よりも、指導主事が日常的に学校の実態をきめ細かく把握して、必要な指導を行うことを重視するとともに、教育委員会に事務作業の軽減と教師の増員が不可欠だという提言をしていただいているという発言がありました。
私は、今まさにこれが求められているのではないかと思っているのですが、この点についてはいかがでしょうか。
◎教育指導室長 指導主事についても、他区に比べて本区は非常に多い人数を配置いただいているというところです。指導主事も担当校、訪問等をさせていただいて、丁寧に各学校を回っているところです。先生方とも連携をさせていただいていますので、今後も丁寧に学校と連携をしながら、指導の充実を図っていく必要があると考えております。
◆針谷みきお 委員 実は教育委員の小川正人さんが、「教育改革のゆくえ」という本を出されて、これ教育委員なられたときに、直接、私ももらったんです。これをもう一度、私、今回の質問の関係で読みました。小川先生はこう言っています。
今、教育指導室長が言ったのは指導主事の話ですけれども、教員の多忙化を非常に問題視しているわけです。何と言っているかと言うと、教員は授業や学習指導以外に部活、生徒指導、給食指導、学校経営、地域との連携等多様な業務を担っている。2006年の文科省が行った実態調査によると、教員は学校で11時間から12時間勤務している。授業を行っている時間は、小学校で3時間52分に過ぎず、その他の多くの時間を生徒指導、給食指導などの仕事に費やしている実態があり、他の先進国ではあり得ない超過勤務である。教員には時間外手当はないが、教職員手当は月8時間を想定して支給されており、全国調査でわかったことは、約6,000億円がタダ働きとなる。この金額は、10万人分の教員を新規採用できる。教員に、授業とともに、子どもにしっかり向き合い質の高い教育活動に取り組んでもらうためには、多様で過重な業務から開放することが必要であると述べています。
私は、教員の多忙化解消のために、幾つかこれまでも提案してまいりましたけれども、まず一つは、授業準備や子どもと向き合うことに力が注げるように、報告書類とか不要・不急の仕事など思い切って省いたり、簡略化すること、そして子どもと対応し地域行事などの超過勤務の回復措置、労働安全の法令を守らせることを徹底する、こういうことが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
◎教育長 教員の多忙化については、私どもも認識しているところですけれども、一方で、子どもたちのために、部活も授業も給食の指導も自らやりたいという気持ちもわかるんですね。なので、そこを十分、大切にしながら、教員でなくてもできる仕事については、できるだけ削減をしていきたい。
例えば、サポーターがいるのであれば、理科の実験の準備のサポーターですとか、地域のボランティアの方であるとか、いろいろな資源を導入して多忙化解消に努めてまいりたいと考えております。
◆針谷みきお 委員 そうですね。それで、教師というのは自主性、自立性が保障されてこそ教育の専門家として責任を持って仕事をすることができます。このことは、ILO、ユネスコ「教員の地位に関する勧告」というのにも明記された世界のルールになっています。教員を教育の専門家として尊重し、学校経営のみならず、教育政策の決定でも重要な役割を果たすようにすべきだろうと私、求めまして、具体的な質問に入りたいと思います。
そこで、新年度の予算についてですが、そだち指導員の問題です。これは学力向上対策として、小学校3年生の算数と国語の2教科において、学力テストで50点から70点の児童を選んで、通常授業からピックアップをして、そのつまずきに対応した1対1の指導で学習上の困難を改善する取り組み、マンツーマンの指導ということですから、それだけなら効果が出るのはいわば当然で、一番良いやり方であります。私も、それ自体を否定するつもりはありません。しかし、このそだち指導員について、足立区総合教育会議で学識者から疑問と懸念が紹介されています。
それはどういうことかと言うと、授業以外でこれだけの取り組みをしているということは、教員の本務である授業づくりという点ではどのような取り組みをしているのか。つまり授業づくりとこうした子どもの学習習熟度に合わせた様々なプログラムは、どう関係付けられて、教員はどれだけの配分で取り組まれているのかということ、いわゆる授業の取り組みがおろそかになるような状況はないのだろうかという指摘がされています。
この教育総合会議に出席していた執行機関の皆さんもいらっしゃると思いますが、この指摘についてはどのようにお考えでしょうか。
◎学力定着推進担当課長 そだち指導員でございますけれども、週に1回程度、児童を別室に取り出して指導するものでございますけれども、担任の授業は、通常どおり行われます。取り出した後については、その児童について授業の進度について打合せをするということで、特に担任の授業について影響が出るということは考えておりません。
◆針谷みきお 委員 これは専門家がそう言っているんですよ。しかも、そちらは教育の専門家ですか。教育の専門家がそういう問題があるのではないかと言うのですから、答弁いただくのは少なくとも教育次長、若しくは教育指導室長だろうと。実務の方がお答えになるのは、ちょっといかがなものかと思います。
◎教育次長 そだち指導の仕組みにつきましては、先ほど学力定着推進担当課長から答弁したとおりでございます。
授業づくりと、その計画のプログラムづくりにつきましては、担任と、配置しているそだち指導員で事前に十分に検討すること、授業の進度を遅れがないようにすること、事後のフォローアップをすることということで、連携を密にすることで解消しております。
◎教育長 そだち指導という新しい仕組みを去年、今年と入れてきたわけですけれども、そういった効果を検証しながら、いろいろな議論があることは私も承知していますので、そういった議論を踏まえて次のステップに進んでいく、私は教育というものはそういうものだろうと。教育の専門家も必要ですけれども、そうでない方の議論も含めてやっていくべきだなと、こう考えています。
◆針谷みきお 委員 これも小川先生が発言なさっているのですが、もう一つは、家庭での学習はどのように取り組まれ、家庭における学習に対する学校や教育委員会の支援施策がどう取り組まれているのか、家庭での学習と学校のプログラムは本当に連携してやられているのかという指摘でありますが、この点はどうでしょうか。
◎教育次長 秋田に学んだりする、ということが小川先生からもよく指摘されるんですけれども、本区の児童・生徒の学習実態を見たときに、なかなか家庭で学習ができないという一面も問題になっております。
そうした取り組みが解消、あるいは改善されれば、本区の子どもたちの学力改善に一定以上の効果があるものと考えて、現在、各学校で取り組んでいるところでございます。
◆針谷みきお 委員 教育次長の大変まじめな、苦労している実態がよくわかりました。
私、そだち指導員は、対象が50点から70点という中程度の子どもを対象にしていることに見られるように、導入の動機は、学力テストの平均正答率のアップになっているのではないかと言っても過言ではないと思っています。
早稲田大学の長谷部恭男教授がいろいろなところで発言していますが、中程度の子どもの学力アップするのは一番易しいんだと。例えば、90点の子どもを100点にする、0点の子どもを50点にする、こういうのは非常に難しいんだとおっしゃっています。
教育に携わっている者ならわかると思いますが、中程度の子どもの点数を引上げることが一番容易で、最も困難な厳しいところについての対応を同時に追求しなければならないと思っています。
私、先日、ある幾つかの学校の校長先生、教諭、副担任講師を務めていた人たちと直接、話をお聞きしました。ある校長先生は、そだち指導員はよくやってくれていると。しかし、学校現場から言わせてもらうならば、3年生のつまずきというのは、1、2年生のときにしっかりやっていればつまずかない面もあると。学校現場で一番困っているのは、1、2年生のときに一番力を発揮していた副担任講師がいなくなったことだと。是非、復活してもらいたい。こういう意見が複数の校長先生から出されました。
区教育委員会は、そういう意見聞いていらっしゃいますか。
◎教育長 先生方から、以前の副担任講師も非常に効果があったという話は聞いております。
◆針谷みきお 委員 聞いているんですね。区長は子どもの貧困対策に取り組むということであるならば、段階的に副担任講師の予算を削ってそだち指導員に回すというこのスクラップ・アンド・ビルドでは、一番大事な小学校の1、2年生のときのステップで大きな問題が起きている。これは共通した校長先生の現場の意見です。
このそだち指導員も、校長先生の話ですけれども、やってもいいと。しかし、同時に副担任もやっていただかないと効果はあらわれないと。マイナスのデメリットが広がらないように実は我々も苦労しているということで、復活を要望していますので、是非これは戻すように求めて、次の質問に入ります。
次に、現場の声を教育行政に生かす教育委員会の在り方についてお伺いをしたいと思います。
今回、私は教員の生の声をお聞きしました。区内の教師へアンケート、313人の声であります。幾つかご紹介します。
学力向上に向けた施策が多く実施され、家庭環境改善が図れないと負の連鎖からは抜け出せないという意見、これ女性の方です。
それから、4月の区の学力テストまでは、授業はいいから過去問を、と言われました。週案に何と書くんですかねと。指導要領から離れて年間指導計画がどんどん遅れてしまう。
次の方です。出張研修、小中連携、部活などで教材研究ができない。教材研究に集中したいという意見。
他区から異動してきて驚いたのは、足立区は何を恐れているのか。区調査、テストでGランクになると、対策案を出さない校長は帰れないなどの伝聞情報もあります。これは多分、今回ではないと思います。
人権的にアウトのことはやめたほうがいいという人。それから、学力向上のため、ある学年だけ7時間目を1週間もやっている。6時間目まで空きもなく、くたくたな上、7時間目の授業、諸会議、実習生の世話、残務整理と仕事は果てしなく続く。体も心も疲れ切っている。テストの結果もいちいちポートフォリオに入力する必要は感じない。子どもの課題はわかっている。子どもや職場の同僚と向き合う時間より、パソコンとも向き合う時間のほうがずっと長くなっているという意見。
これ2015年8月の調査ですけれども、学力テストの点数アップにきゅうきゅうとしているように見える、改善して欲しいという訴えが続いています。
こういう現場の先生方の意見、これは聞いていらっしゃいますか。
◎教育指導室長 区調査等、様々な取り組みを進めるという中で、幾つかご意見いただいているところですけれども、それ以外にも、子どもたちの学力がこういうことで上がったというプラスの意見も聞いているところです。
◆針谷みきお 委員 教育次長は、この313人の話は聞いていますか。
◎教育次長 そうした声があるのではないかというふうに心配をして、ヒアリング等でも校長たちに問うていますが、今、教育指導室長からあったとおり、かなり効果が上がっているという部分の声のほうが私には多く聞こえております。
◆針谷みきお 委員 教育長は聞いていますか。
◎教育長 そのアンケートの中身は存じ上げませんけれども、そういう声を幾つかいただいているのは確かです。
ただ、今お話になった中で、子どもたちが学力テストでも自分の成長がわかったという声も聞いて、それを先生方も、とても子どもたちが一生懸命、勉強する姿がいいと、こういう先生もたくさんいらっしゃいます。
中身はやり方だと思っています。自分がこれを信じてやる、例えば、ポートフォリオもSP分析もそうですけれども、子どもたちがどこでつまずいたのかをしっかり先生が把握して、授業ですとか補習にそれを適用していく、こういうことができればきっと正の循環ができると。これを誰かにやらされていると思うのではなくて、自らいろいろな部分に取り組んでいただきたいなと、私はこのように思っております。
◆針谷みきお 委員 これは重箱の隅をつつくみたいな話ですけど、現場の先生方から区教育委員会に313人の約14ページにも及ぶ声を直接、届けていると言うんですよ。私は、それを見ているのかと聞いているんです。見てないとすれば、どこかで止まっている可能性があるんです。こういうのは教育長や区長にも見てもらいたい、非常にリアルな教員の現場、大変さがよくわかるものなので。
もちろん区教育委員会も頑張っていることは、私は否定しませんよ。前も努力とか熱意は買うという話はここでもしていますが、やはり実際に現場で苦労している先生方の声をよく聞く必要がある。
そうでないと、上からの目線での教育、要するに学力対策だけになってしまうという問題があるわけです、このアンケートから見ると。
私、この教育大綱と関連した総合教育会議、教育委員会制度についての提言を2月に日本共産党区議団として出しました。代表質問でも取上げた子どもの権利条約の問題についてお伺いをして思っています。
日本を含む194カ国が加盟している子どもの権利条約は、子どものために営まれる教育や教育行政でこそ重視すべきものでありますが、この子どもの権利条約で重視されていることは、意見表明権、余暇、休憩、遊び、文化の権利など、子どもの権利を学校などあらゆる教育の場に生かすこと、このことに尽きると思います。それで、代表質問で、はたの議員がこの問題をやったら、当然、批准もしているし、足立区もそれを重視しているということです。
私は、この提言で、文京区の教育委員会が子どもの権利条約についての学習会を行っているという提言を出していますが、足立区ではこの子どもの権利条約についての学習会というのはやったことありますでしょうか。
◎教育指導室長 本区においては、学習会という形では実施しておりません。
◆針谷みきお 委員 私、是非、教育委員会事務局で子どもの権利条約についての学習会をやって欲しいんですよ。これは精神の問題じゃなくて、具体的に教育行政の中で生かされるものがあると思っています。ここで時間がないのでそんな細かく展開しませんが、是非やっていただきたいと思います。
次に、第7回教育総合会議で、足立区の教育改革、二期制から3学期制に、夏季休業日と土曜授業の問題について議論がされ、見直すということが示されました。
私たちはかねてより、二期制というのは日本の気候に合わない、夏季休業は短縮すべきでないということを明らかにして訴えてまいりましたけれども、これらの教育改革は、いずれも授業時数の確保という観点から、二期制や夏休みの短縮を行ったものであります。私は、単に授業時数を増やせばいいというものではないと思っています。
この会議で教育長が、学校の教育課程のカリキュラムは学校で決めますから、その前に結論を出し、平成29年の4月から始めたいというのが議事録にも掲載されています。これらの教育施策の教訓と問題点、この二期制と夏休みの短縮については、教育委員会としてはどのような総括を行って、戻したいと考えているのか、その辺の概要についてお伺いしたい。
◎教育政策課長 今、針谷委員ご発言の総合教育会議でも、途中の経過をご報告差し上げたところですけれども、今、最終段階のまとめをしているところでございます。
学力の効果がどうか、又はデメリット、メリットも勘案して、最終的には4月頃にまとめた後に議会のほうに丁寧に報告させていただきたいと存じます。
◎教育長 今、針谷委員ご指摘のように2学期制、3学期制、あるいは夏季休業の件ですけれども、確かに授業時数の確保についてやってきたと。
その授業時数の確保もそうですけれども、教育全体の学力というのは、狭い意味の学力じゃなくて大きな学力とすれば、例えば、部活であるとか、補習授業であるとか、あるいは先生が自分たちで勉強する時間がとれるとか、そういった部分を含めて考えていきたいと考えておりまして、4月には答えを出していきたい。変えるか変えないかについても含めて考えたいと思っております。
◆針谷みきお 委員 時間がないので、もう一度ここは突っ込みたいところではあるんですが、やめておきましょう。
次の質問に入ります。第1回総合教育会議で、21世紀型の学力というものが議論されました。PISA型学力とか、アクティブラーニングという新しい考え方であります。
これは、肝を言えばということで小川先生が発言していますが、学校を卒業した以降に職業とか社会に移行することを見通した上で、学力の中身を身に付けるということだったと思うのですと。ただ単に知識をいっぱい持っているということではなくて、基本は自尊心とか自分自身に対する自信というもの、教育の基本というのは最終的にはそこにあると思っていますという考え方を示されています。
そこで、この21世紀型の学校というのはどういうものなのかということでありますが、私は、質と平等の同時追求だと考えています。この原理は、OECDがやっているPISA調査と言われているもので示されておりまして、世界トップレベルと評価されているフィンランドやカナダ諸国などの教育の成功は、いずれもこの質と平等の同時追求によるものであると考えられるわけです。
そこで、今、文科省も含めて、この21世紀型の学力、つまり教育の様式に見られる変化は、カリキュラムがプログラム型からプロジェクト型へ移行するとともに、一斉授業から協同的学びへの転換であると言われていますけれども、そういう方向にかじを切る時に来ているのかなと思いますが、この辺は教育の専門家である教育次長にお伺いします。
◎教育次長 これから求められる学力については、針谷委員ご指摘のとおりでございます。単なる知識だけではなくて、考える力こそが大事であると各界で指摘されているようでございます。
◆針谷みきお 委員 まさにそのとおりだと思います。
それで、私はそのことに関連して、区長が当選をし、第一に掲げた公約の一つとして少人数学級がありました。先ほど私も指摘しましたが、平成23年には足立区内にいじめによる中学生の自殺があって、第三者機関による調査報告書が出され、区独自の教員の採用が提案された。
ところが、自らの公約であった35人学級については、教員の独自採用については行わなかった。区として独自の教員採用を行わない理由、このときの議論、いなかった人は答えられないかもしれませんが、どうしてこの第三者意見を採用できなかったのか、しなかったのか、お伺いしたい。
◎教育長 いじめの事件の際の提言と区の施策とどうなのかということについては、当時の教育委員会がそういう判断をしたということだと思います。
それから、少人数学級については、国の方針で少人数学級を小学校1年生に順番に入れていくということから、区として独自採用はしないと。独自採用すれば、いろいろな弊害があるということも十分、考えながらやらなくちゃいけない。私はそういうことだと思っております。
◆針谷みきお 委員 やはり教育は人です。ですから、本当に貧困の連鎖の解消を目指すのであるならば、教員の多忙化とか学力向上、そしてそういう点では人をちゃんと配するということで、足立区独自の教員採用に私は踏み出されるように戻るし、品川区の例があるように、例えば、校長になれないとか副校長になれないということについてもクリアしているんですね、品川区では。ですから、私は公約どおり、是非これはやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎教育長 教員の多忙化というのは、私、何とかしなきゃいけない問題だと同じ意見です。
ただ、教員を増やす云々ということについては、学校全体の経営をどうするのか財政的な問題もあります。そういったことを総合的に考えるべきだと思っていて、足立区としてできることは精一杯やりたいと、このように考えております。
◆針谷みきお 委員 最後になりますが、先ほど小川先生の発言、端的ですよ。6,000億円も国はタダ働きさせていると、全国的に。足立区に換算すると、どのぐらいかわかりませんけれども、それだけのお金を費やして正規の先生が11時間も12時間も働いて、教材研究もできないような状況を是非、改善してもらいたい。指摘をして質問を終わります。