■定例会一覧■
クリックすると各定例会の目次にリンクします
●2016年度
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2015年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2014年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2013年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2012年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2011年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2010年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2009年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2008年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2007年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2006年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2005年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2004年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2003年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2002年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
第2回足立区議会定例会
第1回足立区議会定例会
●2001年度
第4回足立区議会定例会
第3回足立区議会定例会
●代表質問−西の原えみ子議員(2016年6月10日)
- 憲法違反に躊躇しない安倍政権の政治姿勢について
- 防災対策について
- 基本構想について
- 公共施設等総合管理計画について
- 区役所本体業務の外部委託について
- 待機児問題について
- 子どもの貧困対策について
- 都市農業の振興について
- 高齢者雇用安定法に基づき設置されているシルバー人材センターについて
- 住生活基本計画と自治体の課題について
- 旧本木東小学校跡地
◆西の原えみ子 議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して質問します。
1.憲法違反に躊躇しない安倍政権の政治姿勢について
多数の国民の反対の声を押しのけて強行された安保法制は、憲法9条を踏みにじり、自衛隊の海外での武力行使を行う仕組みが幾重にも盛り込まれた違憲立法です。憲法のもとで、戦後日本が一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出してこなかった平和な歩みを根底から覆すものです。
「憲法のもとでは、集団的自衛権は行使できない」という50年以上にわたる政府自身が堅持していた見解を180度変え、憲法に基づく臨時国会の開催要求も握り潰し、公共の電波の停止にまで言及するなど、立憲主義を踏みにじる言動を繰り返しています。
このように憲法解釈をねじ曲げ、憲法を乱暴にじゅうりんすることは、独裁政治そのものであり、到底認められません。憲法をないがしろにする政治はあってはならないと思いますが、憲法遵守義務を負う区長は、どう考えるか。
安倍首相は、来年4月からの消費税10%増税を2年半再延期しました。これはアベノミクスと消費税増税路線の破綻を示すものです。アベノミクスで潤ったのは大企業と大株主だけ。国民のくらしは消費税8%増税と相次ぐ物価の値上がりで苦しくなるばかりで、個人消費は戦後初めて2年連続のマイナスとなりました。
今こそ区長は、区民のくらしを応援する立場から、消費税10%は先送りでなく、きっぱり中止をするよう、国に求めるべきだと思うがどうか。
2.防災対策について
次に、今年4月に、日本共産党足立区議団は、福島県飯舘村などに調査に行きました。原発事故は福島県民の日常生活を断ち切り、生きがいもつながりも奪いました。それなのに政府は、賠償金の打切りなど、原発事故を終わったことにし、原発再稼働を進めようとしています。放射能は目に見えず、においもせず、測らなければわかりません。だからこそ、足立区でも測定器の貸出しや給食食材の測定を求める声が上がっていますが、区は、「基準値を超えた食品は、出荷制限されている」と拒否し続けています。
しかし、宇都宮市で基準値を超えるタケノコが流通し、市内の小学校の給食から基準値を超える放射能が検出されました。この事例により、区の給食の食材検査拒否の理由が成り立たなくなったのですから、姿勢を改め、食材検査などに踏み切るべきではないか。以上、答弁を求めます。
次に、熊本地震で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の方々にお見舞いを申し上げます。
当時、熊本県の物資の集積所は1カ所で、そこに市の職員はいませんでした。他の応援隊が救援物資をさばきましたが、十分機能しない場面がありました。また、避難した各避難所には町の職員がいないため、災害対策本部とやりとりをすることもできず、届いた食料も計画的に配られない事態がありました。背景に公務員の削減があり、教訓とすべきです。
足立区は、職員を平成28年にはピーク時の昭和57年の56.5%にまで減らし、人口比で全国でも公務員割合が少ない自治体の一つになり、更に、際限のない外部化で職員を削ろうとしています。これで、いざという時に対応できると考えているのでしょうか。これ以上職員を減らすべきではないと思うがどうか。
区は、倒れない家、燃えない家をつくるから、避難所へ避難する人は、総人口68万人に対して最大でも26.8%と想定していますが、これでは足りなくなるのではないでしょうか。
熊本・大分の地震では、耐震基準を満たしていても、度重なる地震によって家が倒壊してしまいました。それを考えると、避難所は少な過ぎます。避難所を増設すべきと思うがどうか。
避難所運営訓練実施状況を見ると、平成24年度から平成27年度まで一度も訓練を実施していない小・中学校、大学が4カ所あります。これでは、避難者が殺到したときに運営に困難をきたしかねません。避難所運営会議任せではなくて、全ての避難所で運営訓練をできるよう、区として力を尽くすべきではないか。
区は、ボランティアを受入れる場所は区役所の1カ所としています。災害時、多くのボランティアが機能的に動くことができるためにも、受入れ場所を増やすべきではないか。
物資の受入れ場所は舎人公園、保木間公園、東綾瀬公園の3カ所あり、その物資が各避難所に迅速に届くことが重要ですが、体制が不明瞭です。早急に体制を整備、確立すべきと思うがどうか。
災害時、地域住民の力は重要です。千住龍田町に住民の願いと運動で「千住龍田町防災ひろば」が完成しましたが、井戸水のポンプや備蓄倉庫などの設備は、普段は鍵がかかっています。その鍵を町会などが保管して、いざというとき、いち早く住民パワーを発揮できるようにすべきではないか。
また、防災機能のあるプチテラスや、防災協定を結んでいる井戸なども同様に対応すべきではないか、答弁を求めます。
3.基本構想について
次に、区長は基本構想を「足立区の憲法とも言うべきもの」と表現しています。しかし、新基本構想は、現基本構想の過度の財政難の強調、競争と管理の学校教育改革、PFIやPPPなどの新自由主義的手法による施設再編など、破綻した内容への反省がなく、抽象的なスローガンが目立つ構成となっています。制定以来70年を経て、ますます輝きを増す憲法と、住民福祉の増進を本旨とする地方自治法の精神を盛り込み、中心に据えるべきではないか。審議会での議論でも、多くの委員から、「協創力」に違和感を持つ発言が相次いでいます。「足立よみうり」6月3日号も、今年2月に出た基本構想の答申を取上げ、「今回の答申でわからないのは、キーワードの「協創」だ。区民の多様性や、つながりを活かし、地域の課題解決に取り組む仕組みを定義したと言うが、わからないと書いています。区民にとって理解しづらい表現は、改めるべきではないか。
メインスローガンは「協創力でつくる 活力にあふれ 進化し続ける ひと・まち 足立」ですが、それらの土台となる区民の生活向上を支える視点・文言は入っていません。区民のくらしや業者を守り発展させていくために、行政がどう役割を果たしていくかが見えません。区民の生活向上を支える視点・文言を入れるべきと思うがどうか。
交通空白地域の解消は、今も重要な課題であり、コミュニティバス路線の増設・充実が求められています。しかし、基本構想では、コミュニティバス路線について「増設」から「見直し」に変わりました。これでは交通空白地域を切捨てることになるのではないか。以上、答弁を求めます。
4.公共施設等総合管理計画について
次に、区は、足立区公共施設等総合管理計画策定の基礎資料となる、現在の施設の状況等を「施設白書」としてまとめました。施設白書は、総務省のソフトに機械的に利用状況やコスト、建築年次などを当てはめると、施設の縮小の方向で自動的に数値が導き出されるものです。しかし、足立区は川に囲まれているなどの地域性や様々な特性があります。これらの特性を考慮しないで機械的な数字を入れるというやり方ではなく、地域特性を反映すべきではないか。
他の自治体の施設管理計画では、施設の複合化をすることでコンパクト化し、経費の節減を図るとしていますが、既に足立区は学童保育室と児童館、老人館と集会所、体育館と図書館、学習施設など複合化されている施設が多く、区は、施設の複合化の効果等についてどう考えているのか。
区の施設白書では、区施設ごとの費用対効果を全て明らかにしていますが、天空劇場など区が保有せずに経費をかけている施設の費用対効果が出ていないのは不十分です。明らかにすべきではないか。
前提として、同じ敷地内に建築年次の異なる建物が複数ある場合、全て古いほうの建築年次に統一することで、実際の耐用年数とは異なり、現実とは異なる老朽化、コスト高が導き出されています。また、人口減に対応するとしていますが、減るといっても、人口は現在の施設が整備されたころとほぼ同じです。しかも、区民1人当たりの施設保有面積は23区の平均以下です。こういった前提条件や実態から見て、施設を削減する根拠にはなり得ないのではないか。施設を縮小する再配備計画にするべきではないと思うがどうか、答弁を求めます。
5.区役所本体業務の外部委託について
次に、国民健康保険業務は、新たにNTTデータを含む3社JVに委託を開始し、続いて、竹の塚保健センター・中央本町地域・保健総合支援課も来年からパソナに委託するため準備を進めています。派遣と委託の連続的な組み合わせを行い、今年は1年間派遣を先行して、派遣の中で訓練、スキルアップをさせた上で委託に切替えることで、弊害を少なくすると言ってきました。人材派遣とサービス設計とがリンクし、しかも臨時職員をわざわざ派遣に切替えて、その派遣会社を委託先と同じ企業にしています。このような労働者の身分を不安定にする委託事業の在り方は問題であり、違法ではなくても、官製ワーキングプアをなくす点から間違っているのではないか。しかも、その準備段階から労働者派遣法に違反していたことが明らかとなりました。4月よりパソナから17名の労働者が区に派遣されていましたが、そのうち5名が、昨年度、区が臨時職員として直接雇用していた人でした。これが労働者派遣法40条の9第1項違反に当たるため、パソナは直ちに派遣を中止しましたが、区は自らの責任については言及していません。
労働者派遣法の42条では、派遣先管理台帳の提出が義務付けられており、派遣される労働者が昨年まで区の臨時職員であったことは管理台帳を見ればすぐにわかるはずです。
更に、今年3月まで、同じ職場で勤めた臨時職員が、1カ月もたたないうちに派遣されて来れば、顔を見ただけですぐわかるはずです。4月から派遣され、パソナから申入れがあるまで気がつかなかったのでしょうか。同じ人が来るとわかっていたはずで、わからないことはあり得ないのではないでしょうか。今回の違法行為は、パソナの責任だけでなく、区の責任が明白だと思うがどうか。
保健センター業務は、自立支援医療、精神障害者保健福祉手帳、NHK受信料免除など、課税状況にアクセスして申請者がその制度を利用できるかどうかが、その場でわかるなど、区が直営で行うことの利点が多くあります。しかし、委託に切替えたら、エスカレーションは違法なので、できない中、すぐに答えることができずに、サービス低下につながります。保健センターの外部委託は行うべきはないと思うがどうか。
4月から始まった国保の外部委託により、今までなら区に何千という苦情が来て、それを職員が聞くという住民との接点がありましたが、これからは区民の声を聞くのは3社JV企業になり、直接区に届かなくなります。国民健康保険課は、年々国保料が上がっている中で、ただでさえ高過ぎる保険料、そして医療、命に関わる問題の分野で、苦情や問い合わせも多い部署です。苦情などの住民の声は、今までどおり区の職員に聞いてもらえる保障はあるのでしょうか。
また、地方自治の観点から見た場合、政策・立案をする区役所に住民の声が直接届かなくなるのは問題だと思わないのでしょうか。施策に反映していくための役所と住民の距離が遠くなるのではないか。以上、答弁を求めます。
6.待機児問題について
次に、「保育園落ちたの私だ」とプラカードを掲げて国会にたくさんの親たちが押し寄せたように、待機児問題が国民の怒りとともに、社会問題となっています。その中で、緊急に「量」の確保とともに「質」の確保も求められています。今年も、第一次不承諾は1,752人、待機児童は306人となりました。区は、平成30年4月までに待機児をゼロにするとして、認可保育園、認証、小規模保育所などを3年で1,463人、区が責任を持って増やす計画ですが、実現への決意を伺います。
千住地域などでは、指数が48でも入れない状況があります。区が掲げる目標を達成しても、待機児はなくなりません。更なる増設を図るべきと思うがどうか。
ある方は、共働きで指数48、内定最低指数など前年度の例を見て希望する園を替えたり、勤務地の周りなど区外の保育園も30カ所も探しても入れなかった。保活のストレスでメンタルがやられ、夫婦ともども疲れ切っているという状況です。
このように1年以上も保活をして、第5希望まで書いて、それでも入れないということをなくすためにも、更に第一次不承諾を減らす立場で取り組むべきと思うがどうか。
待機児問題で安倍政権が打ち出した緊急対策は、緊急の名のもとに保育施設の受入れ基準を緩め、乳幼児を詰め込むことで解決しようとするものです。
子どもの健やかな成長・発達を保障するために設けられている保育施設の様々な基準を緩和することは、子どもの安全・安心の大もとを揺るがす重大な逆行です。
国は、企業主導型保育事業で5万人の受皿として、基準の甘い認可外保育所に補助金を出して推進するとしています。この保育施設は保育士比率僅か50%で、市区町村は立ち入れません。
今年、東京都中央区と大阪の認可外施設で、昼寝中の乳児が亡くなるという痛ましい保育事故が相次ぎました。中央区での事故は、事業所内保育所で起き、保育士の資格のない非常勤職員が異変に気付かなかったとされています。
企業主導型保育は、営利事業である性質上、利益を出してこそ成り立つのであり、利益を出すために必要となる効率性は、保育の質の担保と正反対です。幾ら規制や指針をつくり安全を掲げても、現場の保育士たちが余裕を持って保育に当たらなければ実効性に乏しく、それを保育士に課すのは酷です。そして、犠牲になるのは自らの意思を表現できない子どもたちです。子どもたちの命と発達を保障するため、企業主導型保育事業は取り入れるべきではないと思うがどうか。
政府の待機児解消施策の柱は、規制の弾力化です。国が率先して保育士1人当たりの受持ち人数を増やし、子ども1人当たりの面積を引下げて押し込みます。最低基準の緩和による詰め込みをする規制緩和は行うべきではありません。
少なくない自治体で、「1歳児5人に保育士1人」などと国基準に上乗せを行い、保育の質を担保しています。足立区でも、規制の弾力化で詰め込むのではなく、独自の基準を保つべきと思うがどうか。
保育士の確保・育成は待ったなしです。区も、家賃補助、奨学金の補助、潜在保育士のセミナーなど行っていますが、一層の拡充が必要と思うがどうか。
政府は、保育士の給与について、公定価格における処遇改善等加算、人事院勧告に伴う公定価格の改定などで、月1万円強、増やすと言っていますが、保育士の給料は全職種平均より月11万円安く、これでは不十分です。
私立の新しい保育園に通う親は、「親としてはベテランの保育士さんにいろいろ教えてもらいたいと思うのだけれど、人件費を抑えるためにか、若い人しかいない。ベテランの保育士さんをちゃんと雇えるように手当を充実して欲しい」と言っています。
保育士が安心して働くことができ、また保育士確保につながるような実効性のある処遇改善を国に対して求めていくべきだがどうか、答弁を求めます。
7.子どもの貧困対策について
次に、区は、子どもの貧困対策について、教育・学びを二つの柱の一つに重点化し、貧困の連鎖を断ち切るとしています。区が子どもの貧困対策実施計画策定に当たり招へいした志水宏吉教授の著書「学力を育てる」の中で、「学力はその人物の経験の総体から導き出され、点数で測られる学力の背景には、必ず目に見えない経験の総体が潜んでいる。見える学力を伸ばすには、それを支えている、見えない学力をうんと豊かに太らせなければならない」とあります。学力低下とは、「つなぐ力」、いわゆる考える力の衰えとされ、社会性の低下と称される事態と実は表裏一体であること。子どもたちの学力をどのように育てていくかを構想するためには、知的なトレーニングに偏った対処法を編み出すだけでなく、子どもたちが育つ場の在り方、家族やクラスメートとの人間関係の質を総合的に問い直していくことが必要だとしていますが、区はどう考えるのでしょうか。
区が行っていることは、学力テストの過去問ドリル学習の繰り返しによる正答率、通過率の向上対策など、知的なトレーニングに偏った対処法を編み出すことに重点が置かれています。これでは志水教授の言う、人間関係の質を総合的に問い直していく「学力を育てる」ことに逆行しているのではないか。その姿勢を改めるべきだがどうか。
区は、昨年からSSWを3人配置し、今年度から6人増やし、9人で小・中52校を対象に6グループに分け支援体制を始めました。区内全校にいるスクールカウンセラーは、子ども自身の悩みや心に寄り添う役割ですが、その背景の家庭の問題まで対応することには限界があります。SSWが入ることで、家庭と直接関わり、各機関につなぐことができます。
六月中学校は、昨年からSSWを配置し、拠点校となっています。ここでは、以前から修学支援委員会があり、週1回、学校長、スクールカウンセラー、修学支援のスタッフが会議を開き、情報を共有し、対策を立てています。そこにSSWが配置され、会議に参加することで、今まで立ち入れなかった貧困が原因のネグレクトや親の心疾患などの問題に関われるようになりました。その結果、590人の在校生中、51人の不登校児が23人に減った」、「小4から不登校の児童が来るようになった」など、学校と一体となっての取り組みの成果が出ています。
このように、SSWの配置を生かすためには、受入れ側の十分な体制づくりが重要だと思うがどうか。また、全小・中学校を対象とする人員の拡大が求められると思うがどうか。
平成27年度の足立区の就学援助認定者数は1万5,618人になっていますが、就学援助の決定が7月なので、制服代など、きちんと子どものために使える制度となっていません。
我が党が、予算特別委員会で前倒しなどの改善策を求めたのに対し、区は、改善した応急小口資金があり、その活用も周知していると言っていました。しかし、平成27年度の貸付け件数は僅か14件です。これでは実態に、かみ合っていません。就学援助の制度を実態に合ったものに、使いやすいよう改善していくべきだと思うがどうか。
制服代が高過ぎる、教材費が重くのしかかるなどの問題に対して、学校に教材を備蓄する、高いものを学校は指定しない、制服や柔道着などのリサイクルなど対策を進めるべきとの我が党の質問に、区は前向きな答弁をしてきましたが、まだまだ改善されていません。
区が責任を持ち、一層の負担軽減、学校とPTAが協力して仕組みづくりなど、改善を図るべきと思うがどうか。以上、答弁を求めます。
8.都市農業の振興について
次に、今まで都市における農業政策は、宅地への転換が基本でした。それが、昨年4月に全会一致で都市農業振興基本法が成立し、初めて都市農業を維持し守るという立場が書き込まれ、都市住民にとって、新鮮な農産物の提供、環境の保全など、都市農業が都市の重要な一部であることが明らかにされました。区は、「日本で一番地球にやさしいひとのまち」を目指すと言っています。まさに緑地保全の観点からも、都市計画法による農地保存、生産緑地指定拡大、農地への課税問題など都市農業の安定的な継続、多様な機能の適切かつ十分な発揮など、都市農業の振興発展を図ることを基本姿勢に据えていくべき思うがどうか。
足立の都市農業の振興に当たっては、農家と消費者を結びつけるファームマイレージの導入、野菜のつくり方を教えてもらえる体験農園の拡充、規格外農産物は市場では売れないが、規格外でも売れる直売所の支援・拡充などの施策が重要だと思うがどうか。
足立区の特産品「千住ネギ」は、今年、ジーンバンクから種を取り寄せて、千寿双葉小学校、栗原北小学校、平野小学校で栽培されました。種まきから収穫まで農家の方が教え、自分たちがつくった千住ネギを収穫し、おいしく食べたということで、子どもたちにとっても何よりの体験となりました。
江戸東京野菜の存続・普及のため、江戸東京野菜である千住ネギや葛西菜などを復活させ、ブランド化を区が支援すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
9.高齢者雇用安定法に基づき設置されているシルバー人材センターについて
次に、高齢者雇用安定法に基づき設置されているシルバー人材センターは、公共団体などからの請負又は受託契約により仕事を受注し、会員として登録した高齢者が遂行します。区は、平成26年度の事業報告の中で、年間通せば78%の就業率となるとしていますが、平成27年度3月の1カ月を見てみると、シルバーの会員は3,682人に対して、就業者は2,299人で、62.4%の就業率です。4割近くが、1カ月間仕事がない状況です。
働きたいという高齢者も増え、全体的なニーズも増えているにもかかわらず、会費を払っても仕事がないために、会員も事業費も減っており、高齢者の仕事確保に見合う実態となっていません。
センターは、理事会が中心となって、就業開拓専門委員会、会員増強専門委員会を新設し、就業の場を確保し、会員増強に取り組む努力をしていますが、じゃぶじゃぶ池の管理や学校管理など、以前はシルバーが請け負ってきた区役所関係の仕事が、今は指定管理者に代わり、仕事は減るばかりです。
区は、法の精神からも、基本姿勢としてシルバー人材センターの仕事を増やす立場で施策を展開していくべきと思うがどうか。
また、仕事を増やして欲しいという要望に対して、プロポーザルで指定管理者を決めるときに、シルバー人材センターの会員を使うことを努力目標とする場合は加点するなど、シルバーに仕事が行くようにしてはどうか、答弁を求めます。
10.住生活基本計画と自治体の課題について
次に、2006年施行の住生活基本法に基づく新たな住生活基本計画が3月、閣議決定されました。前計画では、住宅困窮者が多様化する中で、住生活の分野において憲法25条の趣旨が具体化されるよう、公平かつ的確な住宅セーフティネットの確保を図っていくことが書き込まれ、国土交通省は、今計画でも、この立場は変わらないと答えています。足立区は、住生活施策の展開に当たり、この精神を基本に生かして取り組むべきと思うがどうか。
若い世代対象の家賃補助についてですが、住生活基本計画では、住宅宅地分科会で新たな仕組みの構築が検討されています。その中では、約820万戸ある民間住宅の空き家のストックを適正に改修し、自立高齢者、子育て世帯、若夫婦等への家賃補助による準公営住宅構想の実現化がうたわれ、全国的な家賃補助実現の新たな局面を迎えています。
区は、若い世代対象の民間賃貸住宅の家賃補助制度をつくり、定住化の促進と子どもの貧困対策を強めてはどうでしょうか。
若い世代対象の家賃補助は、23区内で少なくとも新宿、千代田、目黒、豊島、北、板橋の6区で実施されています。新宿区は、区内外のファミリー世帯の引っ越し費用と賃貸住宅家賃に補助を行い、住環境の改善と定住の促進を図っており、とても好評です。新宿区並みの補助なら年1,080万円の予算で可能です。是非、実施すべきだがどうか。
公営住宅は、全国で2006年度から2013年度の8年間で2万8,000戸減らされています。足立区でも、昭和30年代に建てた住宅の建て替えの際、1割削減を行ってきました。
住生活基本計画は、「住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保」の基本的な施策として、公営住宅、UR、賃貸住宅等の公的賃貸住宅を適切に供給することを掲げています。住宅確保、要配慮者が安心して暮らせる住宅を確保できる環境を実現するためにも、都営住宅の増設を都に求めるとともに、区営住宅の増設を図るべきと思うがどうか、答弁を求めます。
最後に、まちづくりについてです。
4月13日、東京都が千住一丁目地区市街地再開発組合の設立を認可し、30階建て高層マンションの建設が動き出します。この再開発事業は、都市再開発法により公共の福祉に寄与することが目的にもかかわらず、区民のための公益施設は僅か0.7%にしか過ぎません。
総事業費143億円のうち約40億円は税金で、全体の28%を賄うことになっているというマンション建設は、民間企業のもうけのための事業と言わざるを得ません。地方自治の効率性の原則や税を投入するだけの価値原則からも、逸脱しているのではないでしょうか。税の投入の仕方がおかしいと思うがどうか。
住民の間では、「住民が使える保育所と集会所をつくって」の署名が取り組まれ、1,000名を超えました。少なくともこの開発を決めたのは区であり、狭過ぎる保育所や多目的室の計画を改善し、住民の切実な願いを生かした事業にすべきだと思うがどうか。
11.旧本木東小学校跡地について
次に、旧本木東小学校跡地については、2013年12月、防災拠点にして欲しいという要望書が区民から提出されています。更に、関原小学校完成後の本木東小学校跡地は、民間に売買することなく防災施設などをつくって欲しいという区民の要望に対して、区は、土地を手放すことはしないし、防災設備を備えたものにと考え、燃えない建物と空間のある場所となることを考えていくとの立場を示しています。この立場を生かし、住民が望む跡地活用を図るべきだがどうか。以上、答弁を求めまして、この場からの質問を終わります。ありがとうございました。
答弁
◎近藤やよい 区長 西の原えみ子議員の代表質問のうち、まず、私の政治姿勢についてのご質問にお答えをいたします。憲法遵守義務につきましては、行政の責務であることは当然でございます。私も、その思いで足立区政運営にあたっております。
次に、消費税増税についてのご質問にお答えをいたします。
安倍首相は、消費税10%の増税を再延期するという意向を表明いたしました。これは国内の経済状況を勘案し、増税のタイミングを遅らせるという判断によるものであり、消費税増税そのものを否定したものではございません。
急激に進行する高齢社会や子育て支援などの社会保障を安定的に持続するための財源を確保するためには、消費税の増税はやむを得ないものと考えておりますので、中止を国に求める考えはございません。
他のご質問につきましては、参与より答弁させていただきます。
◎長谷川勝美 政策経営部長 私からは、初めに、防災の基本姿勢についてお答えします。
災害時や緊急事態の際に、職員が参集し、その責務を果たすことは、公務員の当然の役割であると考えております。しかし、どのような自治体であっても、被害の大小にかかわらず、災害時のあらゆる対応を職員だけで行うことは困難であることから、区民の皆様や地域による自助や共助とともに、他自治体も含めた関係機関との連携が必要不可欠と考えております。
今回の熊本地震において、熊本市の発災期における避難場所の開設は、基本的に職員が行うこととなっていたと伺っております。
しかし、当区の避難所については、住民による避難所運営本部が、行政の支援を待たずに、自立して開設運営する、まさに共助の仕組みとしており、災害対策本部との無線訓練も繰り返し実施しております。また、時間の経過とともに避難所運営を支援する職員を派遣することとしています。
更に、157の自治体及び関係機関と相互応援、応急対策などの協定を締結することで、対策強化に努めております。
今後も、各種訓練の実施や更なる関係機関との協定締結を図るなど、官民一体となって災害対策に万全を期してまいります。
なお、複雑多様化する行政需要に対応していくため、今後も引き続き、職員定数の適正化に取り組んでいく考えに変わりはございません。
次に、基本構想についての一連のご質問にお答えいたします。
まず、基本構想に憲法と地方自治法の精神を盛り込み、中心に据えるべきではないかとのご質問につきましては、基本構想は、当然のことながら、憲法や地方自治法を踏まえた上で区の目指すべき将来像を示すものであります。
なお、具体的な内容等につきまして、基本計画や各分野別計画において盛り込んでまいります。
次に、「協創力」についてお答えいたします。
基本構想審議会の中でも、「協創」や「協創力」の言葉につきましては、賛否様々なご意見がございました。ご質問のとおり、「区民にとって理解しづらい」とのご意見もありましたが、一方で、「新しく区の将来を考えるときに、新しいキーワードもあって良い」、「協力し合って何か新しいものをつくっていくイメージがする」、「現在の基本構想の中で初めて使われた「協働」も当初はわかりにくいと言われたが定着してきた」という肯定的な意見もあり、最終的に基本構想審議会の答申に盛り込まれたものと認識しております。
しかしながら、比較的、新しい言葉でありますので、取り組み内容なども交えながら、区民の皆様にわかりやすくお伝えしていく考えでございます。
続きまして、基本構想の将来像についてお答えいたします。
区民の生活向上を支える視点・文言が入っていないとのご指摘ですが、基本構想の将来像は、足立区の30年後を見据えた姿をあらわしており、その将来像を実現する四つの視点と八つの方向性の中で、区民の生活向上を支えていく具体的な視点・文言を示しております。
例えば「いくつになっても住み続けられる地域をつくる」や、「地域の個性を活かし、誰にとってもくらしやすい都市基盤を整備する」などの区民生活向上を支えていく視点・文言を示しております。
続きまして、コミュニティバス路線についてお答えいたします。
基本構想審議会での議論として、委員より、単に増設し続けるのは難しい状況である、とのご指摘があり、既存路線も含め、新たな道路整備等の改善により利便性向上を図っていくことを視野に入れ、バス路線網の「増設」から「見直し」に記載を変えた経緯がございました。
地下鉄8号線延伸等の「交通網の充実」や「交通利便性の向上」の記載もしており、交通空白地域を切捨てる考えはございません。
続きまして、シルバー人材センターに関するご質問についてお答えいたします。
まず、シルバー人材センターの仕事を増やす施策展開についてですが、これまでも全庁的にシルバー人材センターの活用を要請し、平成27年度には区の広報紙の配布を受注するなどして、公共事業費の実績は前年度から約4,300万円増加となりました。
また、シルバー人材センターの就業率につきましては、ご質問にある62%というのは、平成27年3月の月間実績で、平成26年度の年間実績では78%となっており、平成22年度実績の75%から、少しずつではありますが、増加しております。
なお、就業できない理由に、「病気・体力」等もあり、100%就業は難しいと思われますが、民業の圧迫に留意しつつ、今後とも会員の就業に最大限配慮してまいります。
最後に、プロポーザルで指定管理者を決める際の加点についてですが、指定管理者の選定に当たっては、既に区内事業者や地域人材を活用した際の加点を行っており、今後も引き続き、シルバー人材センターの会員も含めた、地域人材の活用促進という点に十分配慮しながら、選定を行ってまいります。
◎川口弘 危機管理室長 私からは、まず、震災時の避難所増設についてお答えします。
避難所の受入れ可能人数については、冬の夕方6時、風速8mの最悪の被害想定では、一時的に約2万人の不足が想定されますので、その際には各避難所に1割程度多く、受入れをお願いせざるを得ません。
不足の解消に向けては、これまでも民間施設等の指定に努めており、先月には東京電機大学と避難所施設利用に関する協定を締結し、約600人分の増となりました。
また、住区センターを避難所及び一時滞在場所として指定すべく、各センターの管理運営委員会との協議を進めてまいります。
次に、避難所運営訓練の実施についてお答えします。
ご質問の避難所につきましては、日程調整の困難等の事情により、過去4年以上、訓練が実施されませんでしたが、うち1カ所は本年7月に実施する予定であり、もう1カ所は本年中の実施に向けて避難所運営会議等と協議を進めています。残り2カ所についても、個別に働き掛けを行っており、年内の役員会の開催に向けて調整をしてまいります。
今後とも、全ての避難所で定期的に訓練が実施できるよう、区として力を尽くしてまいります。
次に、災害ボランティアの受入れ場所については、足立区社会福祉協議会及び関係団体等の、区災害ボランティアセンターの運営に関する検討会において、区役所1階アトリウムの他に設置できるか検討・協議を進めております。
次に、物資の受援体制についてお答えします。
物資を舎人公園などの3カ所の集積所から各避難所へ届ける体制については、地域防災計画において、区民部が災害時における緊急輸送業務に関する協定に基づいて、東京都トラック協会等と連携して輸送するものと定めておりますが、物流事業者及び倉庫事業者等との連携等、更なる体制の強化を検討し、地域防災計画に反映させてまいります。
次に、千住龍田町防災ひろばの利用・活用については、備蓄倉庫、ポンプ、ポンプ式井戸及びかまどベンチ等の設備が、災害時に迅速に利用されるよう、鍵の保管を町会・自治会にお願いする方向で調整を進めるとともに、機器操作等の訓練を計画してまいります。
また、プチテラスの防災設備の鍵は、既に地元町会・自治会に、公園に整備した防災井戸等の鍵は小・中学校に保管しており、地元住民の方々への説明と機器操作訓練は27カ所終了し、今年度25カ所実施し、52カ所全てで終了する予定であります。
◎勝田実 資産管理部長 私からは、まず、公共施設等総合管理計画についてお答えいたします。
総務省提供ソフトによる試算につきましては、長期的視点から施設更新費用を把握するための分析結果であり、この結果から施設の在り方を機械的に判断することは考えておりません。
また、地域特性の反映につきましては、総合管理計画を策定する上で非常に重要な視点と捉えており、地理的特性をはじめ、人口構成の変化や交通利便性などに十分留意しながら検討を進めてまいります。
次に、施設の複合化による床面積や施設数の削減効果につきましては、既に複合化が進んでいる足立区においては、他の自治体のように大きな効果を発揮するものとは考えておりません。
次に、天空劇場など民間施設の活用につきましては、総合管理計画の後に策定する個別計画の中で、費用対効果について十分検証してまいります。
次に、総合管理計画の策定に当たりましては、施設の建築年次や維持管理状況を個別に整理した上で、より具体的なコスト試算を行い、実現性の高い更新計画を策定してまいります。
また、人口総数に関しましては、ここ数十年で大きな人口減少は見込めませんが、高齢者比率では、平成52年以降3人に1人が高齢者になるなど、人口構成は大きく変化することが想定されます。
更に、23区では各区の地域特性や財政状況が大きく異なることから、一概に平均的な数値で判断はできないと考えております。
このような状況から、総合管理計画につきましては、施設の削減ありきではなく、効率的な施設の維持管理を推進するとともに、人口構成の変化や地域特性、区民サービスの在り方を十分留意しながら適正な計画を策定してまいります。
次に、本木東小学校の跡地活用についてお答えいたします。
旧本木東小学校は、現在、関原小学校として使用しており、関原小学校の新校舎完成移転後、平成28年度中は引き続き亀田小学校増築工事に伴う給食調理場として使用いたします。
跡地活用につきましては、教育財産としての使用が終了した後、地元要望を踏まえ、早期に活用を図ってまいります。
◎大高秀明 衛生部長 私からは、保健センターの外部委託についてのお尋ねに、お答えをいたします。
疑義のない適正な委託を行うためには、区でもしっかりとサービス設計内容を検証しながら、誰でも一定水準を確保できる業務手順を構築する必要がございます。
また、豊富な経験やノウハウを身に付けている区職員の目線に加えて、業務経験の浅い派遣社員の目線によるチェックにより、効果的な検証も期待をしております。
更に、派遣社員の役割は、単なる事務補助にとどまらず、質の高いサービス設計を構築するためでもあり、そのためには、派遣と委託を競合他社よりも、同一業者とすることで効率的かつ効果的な業務実施が可能だと考えております。
なお、一般的には、アルバイトが派遣社員になることで社会保険制度等の充実などのメリットがあることから、ご質問にあるような労働者の身分を不安定化するものではないと考えております。
次に、区の責任についてのお尋ねです。派遣元から派遣先に通知される労働者派遣法第35条に定める通知は、氏名、性別、社会保険の加入状況等となっており、職歴が通知されることはございません。
しかしながら、同法第40条の9第2項の規定がありながら派遣元への通知を行わなかった点につきましては、区にも遺漏があったと認識をしております。今後は、このようなことがないよう十分なチェックを行ってまいります。
最後に、サービス低下につながる外部委託は行うべきではないとのお尋ねにお答えをいたします。
サービス設計において、経験の別なく一定水準の対応が図れるよう、業務のマニュアル化と標準化を進めてまいります。
また、窓口対応の人員増が図られることから、申請等の集中が発生した際にも迅速に対応することが可能となるものと考えておりますので、外部委託を取り止める考えはございません。
◎鈴木伝一 区民部長 私から、国保の外部委託についてお答えいたします。
まず初めに、区民の意見を今までどおり、区職員に聞いてもらえる保障はあるのか、というご質問にお答えいたします。
国保業務委託では、制度や事務処理に関する一般的な案内は、事業者が担うよう設計されており、事業者が窓口で伺った苦情やご意見については、週次や月次で定期的に報告を受け、区として把握しております。
また、相談業務や国保制度の苦情など、事業者では対応できない部分については、これまで同様、区職員が直接しっかり対応する仕組みになっております。
次に、政策立案する区役所に住民の声が直接届かなくなるのでは、とのご心配についてお答えいたします。
ただいま、ご答弁いたしましたように、事業者からの定期的な報告と合わせて、区民の皆様に区職員が窓口で直接対応することで、今までどおりその声を受け止めてまいります。
加えて、今後も区民や保険医などに参加いただいている足立区国民健康保険運営協議会において多方面からの意見を聞いてまいります。
したがいまして、委託によって住民の声が届かなくなったり、施策に反映していくための区役所と住民との距離が遠くなったりすることはないと考えております。
◎石居聡 産業経済部長 私からは、足立区の都市農業の振興についてお答えいたします。
都市部の農地は、多様な機能を持っており、重要な資源であると認識しております。
本年5月、都市農業振興基本法において、国に作成が義務付けられております「都市農業振興基本計画」が閣議決定されました。また、東京都においても、現在、「東京都農業振興プラン」策定に向けて作業を進めていることを確認しております。
区といたしましても、国、都の施策と整合性を図りながら、貴重な農地を後世に引き継いでいくことができることを基本に、計画の策定に向けて取り組んでまいります。
次に、直売所及びファームマイレージについてお答えいたします。
区でも、直売所の支援を図るため、区民の皆様に向けた直売所マップを作成しております。しかし、マップの掲載にご同意いただいています農家の方は、12カ所のみとなっております。実際に開設している農家の方々のご意見も、安定的な開設は困難である旨のご意見が多く、直売所の新設は難しい状況であると考えております。
ファームマイレージにつきましては、東大阪市など一部自治体が導入しており、直売所等で地場農産物を購入した方に記念品などを差し上げることで地産地消の促進に取り組んでおりますが、当区においては直売所の設置数、開設日も少なく、ファームマイレージの導入は困難なものと考えております。
次に、体験農園についてお答えいたします。
区では、体験農園として農すくーる事業を実施しておりますが、参加者にはリピーターが多くいらっしゃるなど、人気の高い事業でございます。
農すくーるの運営に当たっては、通常の農業を行うとともに、農すくーるの指導もいただくなど、農地を提供していただいている農家の方に多大なご協力をいただいております。農すくーる事業の拡充に向けては、農家の皆様との協力体制をいかに拡大していくかにかかっており、今後、在り方について更に研究してまいります。
次に、江戸東京野菜のブランド化についてお答えいたします。
千寿ねぎブランドは、埼玉近郊でとれた良質なねぎを、千住市場のねぎ商が取り扱うねぎの総称として、既に確立されております。
小学校3校における「千住ネギ」の栽培は、区の伝統野菜について子どもたちに知ってもらうことを目的に、農業委員会が教育委員会の協力のもと教育の一環として取り組んだものであり、千寿ねぎブランドとして流通させるには、収穫量や価格、生産者の有無など多くの課題がございます。
今後も、学校などの場を活用しながら種の存続を行ってまいります。
次に、「葛西菜」ですが、葛西が発祥と言われる小松菜の原種を足立区の独自ブランドとして命名することは、地理的な側面からも難しいものと考えております。
◎服部仁 建築室長 私から、まず、住生活基本計画と自治体の課題に関するご質問にお答えします。
閣議決定された住生活基本計画で示された公平かつ的確な住宅セーフティネットの確保につきましては、区の住生活施策を展開する上でも、基本的な精神になるものと認識しております。
今後も、住生活基本計画の趣旨を踏まえ、区の現状に即した(仮称)足立区住生活マスタープランの策定に取り組んでまいります。
次に、若い世代対象の家賃補助についてお答えします。
当区より家賃より水準が高い新宿区などと同様の家賃補助は考えておりませんが、若い世帯の定住化促進につきましては、住宅や住宅地としての魅力づくりの視点を(仮称)足立区住生活マスタープラン策定の中で位置付けてまいります。
また、住宅に関する子どもの貧困対策の強化につきましては、子どもの貧困対策実施計画に基づき、関係部署と連携を図りながら、その在り方を議論してまいります。
最後に、公営住宅の増設についてお答えします。
現在、区内の都営住宅及び区営住宅の総数は23区で最も多く、全体の約2割が当区に集中しています。
区としましては、都内全域均等に公営住宅が配置されることが望ましいと考えており、都に対しても偏在解消を要望しております。今後も区内における都営住宅の増設を都に求める考えはなく、また、区営住宅の増設も考えておりません。
◎工藤信 都市建設部長 私からは、千住一丁目地区市街地再開発事業のご質問について、お答えいたします。
当該地区は、3棟の建物が近接し、かつ道路幅員が狭いため、消火活動に支障のある区域でしたが、道路拡幅、壁面後退による空間確保、商店街に面する部分には、賑わいの創出のための400uの広場の整備が予定されております。
このように、一般の建て替えでは実現できない地域貢献により、国の採択基準に適合していると国、都及び区が判断いたしました。
都市基盤整備の充実や地域の活性化、防災力の向上などを図る計画となっているため、税から支出する補助金ではありますが、上限である国約21億円、区約19億円は適切であると考えております。
次に、保育所と集会室のご要望についてお答えいたします。
区は、地元の課題としての子育て支援施設と地元要望の多目的室を建物内に設置するよう、事業者に指導及び要望してまいりました。
多目的室については、地元町会・商店街の要望に沿って計画されております。また、子育て支援施設については、市街地再開発組合が最大限努力した広さであるとの回答をいただいているところですが、引き続き要望してまいります。
区といたしましては、地元説明会開催やニュースの発行など、地域の不安解消に向けて情報提供に努めてまいります。
◎定野司 教育長 私からは、区が子どもの貧困対策実施計画策定に当たり招へいした、志水宏吉教授の著書「学力を育てる」の中で、人間関係の質を総合的に問い直していくことが必要だとしていることへの区の考えと、区が重点を置いている学力向上対策が「学力を育てる」ことに逆行しているのではないか、その姿勢を改めるべきだがどうかとのご質問に一括してお答えいたします。
貧困の連鎖を絶ち、子どもたちが夢や希望に向かって羽ばたくには、基礎的な学力の定着が不可欠であり、区を挙げて取り組んでいるところです。
その結果、過去6年間で就学援助率と学力テストにおける正答率との相関関係を示す相関係数が、小学校で0.7(強い相関がある)から、0.3(弱い相関がある)に変化するなど、確実にその成果があらわれております。
これは、西の原議員ご指摘のような、知的トレーニングに偏った対処法ではなく、学校長の強いリーダーシップのもと、少人数学習やそだち指導など、個に応じたきめ細やかな指導、教員の指導力向上による、わかる指導の賜物でございます。
中でも、授業における言語活動の充実、学び合いを重視した授業づくりは、クラスメートとの人間関係の中で「考える力」、「つなげる力」を醸成し、確かな学力の定着につながっております。これは、まさに見えない学力の支えが、見える学力を伸ばしたものであり、志水教授の「学力を育てる」ことに逆行しているとは考えておりません。
区では、既に小学校5校を活用力推進校に指定し、学習した内容を活用して考え、課題を解決する力を育てる授業の推進に取り組むという、次の段階に入っております。今年度は、新たに中学校1校を活用力推進校に指定いたしました。
区としては、これまでの成果を小学校から中学校へ展開していくことで、教育大綱でお示しした青少年期の目標である「ともに歩み、磨きあいながら、自身の道を切り拓く力」を培っていく所存です。
◎宮本博之 学校教育部長 私からは、まず、給食の食材検査についてお答えいたします。
現在、食材につきましては、各都道府県における農産物や水産物の検査体制が確立し、放射性物質の基準値を超えた食品は出荷制限されております。
先日、宇都宮市において基準値を超えたタケノコが流通したケースは、出荷してはいけない制限区域から採ったタケノコを誤ってまぜて出荷したためであり、本来は流通されないものです。県では、このようなことが二度とないよう、出荷前の確認など再発防止に取り組んでおります。
また、農産物や水産物自体、検査で基準値を超えるものは非常に減少しており、食の安全性は年々高まっていることから、給食の食材検査をすることは考えておりません。
次に、就学援助制度についてお答えいたします。
就学援助は、学校教育法第19条において、「就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対して」と対象が定まっていることから、学齢児童又は学齢生徒とならない就学前の子どもについては、就学援助で対応することは困難な状況です。
しかしながら、中学入学時の新入学児童生徒学用品費等については、援助を行う時期等の改善が必要と考えており、現在、見直しに向けて検討しております。
区といたしましては、当面は、入学説明会に合わせて応急小口貸付制度をPRし、利用を促すことで、保護者の負担の軽減につながるよう努めてまいります。
最後に、制服及び教材費等の負担軽減についてお答えします。
制服については、各学校の開校当時に学校と地域が協議してきた経緯があると伺っております。そのため、各校の制服は形状やデザインが異なるため価格差が生じており、副教材費も含めた保護者負担軽減策が必要であると認識しております。
現在、制服については、入学準備時に必要な用品と指定店を調査し、保護者負担軽減策の検討を進めております。また、制服等のリサイクル可能な用品については、各学校で取り組んでいるリサイクル活動の実態を把握し、仕組みづくりの検討を進めております。
今後、各学校の協力を得ながら、できるところから保護者負担軽減を図ってまいります。
◎鳥山高章 子ども家庭部長 私からは、まず、待機児童対策についてのご質問にお答えをいたします。
区では、最も待機児童の多い千住地区で、平成29年4月に認可保育所2カ所を開設する予定でございます。また、今後、需要の増大が見込まれます北綾瀬駅周辺などで、小規模保育室から認可保育所に整備計画を見直し、公募を実施しております。
現在、改定を進めております、待機児童解消アクション・プランにより、最新の保育需要の状況及び動向を踏まえた施設整備計画を策定し、これを確実に実施することで、平成30年4月の待機児ゼロを目指します。
更に、第一次不承諾を減らすため、施設整備とともに、保護者や児童に適した保育施設を選択していただけるよう、保育施設のPRや保育コンシェルジュの活用を積極的に進めてまいります。
次に、企業主導型保育事業については、区が定めている保育士配置基準より緩やかになっているという課題を認識しております。
事業を実施するに当たっては、都や区へ届出ることになっておりますので、その内容を確認するとともに、区の水準と同等の、子どもの安心・安全が確保できるよう、企業に対して要望してまいります。また、国に対しては、区の基準を適用できるよう申入れてまいります。
次に、規制の弾力化については、児童の安全確保、保育の質の確保及び保育士の過重労働の予防のため、今後も行う考えはございません。
次に、保育士の確保についてお答えいたします。
まず、潜在保育士を再就職につなげるセミナーにつきましては、今年度より新たに実習のあっせんや再就職に向けた自己啓発費用の補助などを実施し、一層の充実を図ってまいります。
また、保育士等住宅借り上げ支援事業においては、より多くの対象者に情報が届くよう積極的にPRし、更に、今年度から全国でも初めての保育士奨学金返済支援補助を実施し、保育士の確実な確保に努めてまいります。
保育士等の処遇改善につきましては、公定価格に加えて、東京都では、キャリアアップ補助として、保育士等の給与改善やスキルアップの仕組みづくりを設けており、区も、給与改善費を上乗せして支出しているところでございます。このような処遇改善の仕組みが保育士等の給与に確実に反映され、保育士の確保・定着につながるよう保育事業者に働き掛けてまいります。
また、これら処遇改善の仕組みが、より実効性のあるものとなるよう、国や都に制度の改善・充実を図るよう求めてまいります。
最後に、スクールソーシャルワーカーについてお答えいたします。
スクールソーシャルワーカーの導入に当たっては、学校側の体制づくりが重要であり、昨年度は教職員対象の事業報告会など、活動の在り方について学校への周知を図ってまいりました。
今年度、52校で事業を展開するにあたり、まず、教育相談委員会や修学委員会などの校内の会議への参加や担当教員の指定など、各学校とスクールソーシャルワーカーが連携のための打ち合わせを始めたところでございます。引き続き校長・副校長などと協議を重ね、各学校の状況に応じた効果的な受入れ体制を構築してまいります。
スクールソーシャルワーカーの人員の拡充につきましては、今年度の事業の状況を見ながら、必要な人員・体制について検討し、全校展開を目指してまいります。
再質問
◆西の原えみ子 議員 再質問させていただきます。放射能対策の問題ですが、誤って出荷されたというふうに、認められているんですけれど、そういう危険性があるということは確実ですよね。結局、安全なものしか入ってこない、流通は安全なものしか入ってこないから、検査をやらないと言ってきた。その検査拒否の理由が成り立たなくなったのではないか、ということを私はお聞きしていて、本当にこのままでは、子どもたちを育てる親にとっては納得できないと思うんです。これは、是非、区長が再度答えていただきたいと思います。
そして、シルバー人材センターの問題なんですが、年間の就業率が78%になっているというお答えだったんですけれど、私は1カ月単位のことを聞いていて、1カ月、要するに会員が62%、4割も仕事がないと。2割仕事がない人がいることと4割というのは、全然違うというか、本当に仕事がない実態を認識して、仕事を増やして欲しいという、その実態に即したことに対して答えていただきたい、仕事を増やしてもらいたいという質問です。
そして、三つ目なんですが、保健所の外部委託の違反をパソナがやっていたということで、区は先ほどチェックが甘かったというふうにおっしゃっていたんですが、1カ月前に来た同じ人が働いていて、その人がまた来るというのが、顔を見ればすぐわかるんじゃないですかね。同じ人が来た、いる、わかっていたということに対しては、区が責任があるのではないか、その区の責任を私は聞いているので是非、お答えしてください。
再答弁
◎宮本博之 学校教育部長 給食の食材検査についての再質問にお答えいたします。原因が特定され、その対策が施されており、また食の安全性も年々高まっておりますので、給食の食材検査を実施することは考えておりません。
◎長谷川勝美 政策経営部長 シルバー人材センターの就業率につきましては、3月、月間で62%ということは認識しております。区といたしましても、事業の拡大、更に会員の就業について最大限配慮してまいります。
なお、江東ブロックで調べましたところ、足立区は平成26年度、年間78%ということで、最低の61%の江戸川区に比べて、就業率が高いという状況がありますけれども、更に高めるように努力をしてまいります。
◎大高秀明 衛生部長 衛生部の本部窓や竹の塚保健センターなどの口で雇用していた臨時職員が、就業条件がいいということで派遣社員に応募をされ、その派遣社員となられた5名のうち1名が同一の保健センター窓口の職員として、派遣をされておりました。そのため、同一人物が当該窓口に派遣された事実はございました。いずれにいたしましても、労働者派遣法の手続きに遺漏があったとういう趣旨で答弁申し上げた次第であります。