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●代表質問−山中ちえ子議員(2016年12月2日)
- 区長の政治姿勢について
- 原発再稼働と核兵器廃絶について
- 基本計画・人口ビジョン・総合戦略について
- 外部委託の本質について
- 保育について
- 子どもの貧困の連鎖を断ち切るための豊かな体験の保障について
- 高齢者の権利擁護について
- みどりとまちづくりについて
- LGBTについて
- 学校統廃合について
◆山中ちえ子 議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して質問します。
1.区長の政治姿勢について
はじめに、区長の政治姿勢について伺います。
21世紀に入り、大国に主権を奪われていた圧倒的多数の発展途上国が中心となって、国連総会に、核兵器禁止条約を求める決議が提出され、毎年、圧倒的多数の賛成で採択されてきました。
また、反核運動と被爆者たちが戦後、これから生きていく人たちに、もう二度と、被爆者になって欲しくないと、その強い思いで一貫し、核兵器の非人道性、残虐性を告発し、核兵器廃絶への流れをつくり上げてきました。
今年、国連総会で、核兵器禁止条約の交渉を来年開始する決議が、123カ国の賛同で採択されました。条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」されます。被爆者団体は、「目の黒いうちに核をなくしたい、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名を世界で数億を目標に」と話しています。平和首長会議は、11月に行われた第6回国内加盟都市会議総会で、この署名に賛同・協力する総括文書を採択しました。
区長も、平和首長会議参加自治体として、この被爆者が提唱した署名に取り組むべきと思うが、どうか。
一方で、核兵器廃絶が現実の日程にのぼったことに危機感を深め、追い詰められた核保有大国は、段階的アプローチ論を繰り返していますが、これは核兵器を永久に先送りする最悪の核兵器固執論に他なりません。
これまで、核兵器禁止条約の交渉開始を求める国連総会の決議に、棄権を続けてきた日本政府は、今回の歴史的決議には、更に後退し、反対の態度をとりました。唯一の戦争被爆国にあるまじき対応です。
平和首長会議は、「核兵器禁止条約の早期実現に向けた取組の推進について」と題する安倍首相宛の要請文書を、全会一致で確認し、先に述べた国連決議について、「核兵器のない世界の実現への第一歩」、「心から歓迎」と表明し、一方で、日本政府が決議に反対したことは、「被爆者の切実な思いに背くもの」と遺憾の意を表明しています。
唯一の被爆国の政府がとった態度について、区長はどう考えますか。区長自身も核兵器禁止条約実現の立場に立つべきと思うが、どうか。
2.原発再稼働と核兵器廃絶について
安倍政権による原発推進の暴走が、深刻な矛盾に突き当たっています。鹿児島でも、新潟でも、原発再稼働反対を掲げる知事が誕生しました。東電による試算で、原発がコストも効率も悪く、将来にわたり絶望的な代物ということが浮き彫りとなりました。
世界では、原発大国と言われるフランスでも、原発の新規建設にストップがかかり、三つの原発が稼働中の台湾では、原発ゼロを閣議決定。ベトナムでは、2010年に原発計画が始まりましたが、今年、日本が支援した原発計画を白紙撤回する政府決定が国会で承認されました。
一方、再生可能エネルギー導入量は、10月25日の国際エネルギー機関の報告で、過去最大となりました。これこそ世界の流れです。民意と世界の流れに逆らう原発の再稼働について、自治体の長である区長はどう思うか。
第3回定例会で、昨年度決算において、区の積立金が前年度に比べて163億円増の1,329億円と史上最高額になり、決算剰余金も66億円に上り、暮らしを支える財源があったことが明らかになりました。
区民には、新たな学校統廃合計画などで、サービスの低下を押し付け、一方で、千住一丁目再開発事業は、30階建ての民間マンション建設であるにも関わらず、40億円の税金を投入する大盤振る舞いです。周辺地区は容積率400%なのに、480%に引上げ、共用部分を含めると700%の容積率を再開発の名で保証する、特定事業者の儲けのための事業と言わざるを得ない。区政の在り方、税の使い方を見直す必要があると思うが、どうか。以上、答弁を求めます。
次に、区は、基本計画について、基本構想で示された足立区の将来像、「活力にあふれ 進化し続ける ひと・まち 足立」の実現に向けて定めるものとしています。
3.基本計画・人口ビジョン・総合戦略について
しかし、足立区は、低所得者の保育料が23区で一番高いこと、区の施設駐車場の有料化を行い、スポーツ利用者から施設利用料と駐車場利用料を二重徴収していること、住区センター・社会教育施設の団体利用料の有料化による負担増、がん検診に3割の自己負担と、23区の中でも、突出した重い負担を強いています。
こうした負担増を押し付けたままでの計画では活力もあふれないし、進化していくことも難しいのではないか。
国は、人口減少の克服、地方創生に向けて取り組む「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、各自治体に、地方人口ビジョン及び地方版総合戦略の策定を義務付けました。
地方人口ビジョンでは、人口の現状と45年後である平成72年の展望を示し、地方総合戦略では、地域の実情に合わせた政策目標と具体的な施策の策定に努めるとしています。しかし、なぜ、人口が減ったのかの分析がありません。
今日、若者が結婚し、出産、子育てをしていくことが難しい環境になってしまったのは、なぜなのか、明らかにすべきです。
人口減少の根底には、若者と女性の2人に1人が非正規など、異常な不安定雇用と低賃金、長時間労働を強いられている状況があり、国の労働法制規制緩和でつくり出されたものではないか、人口減少の原因について、区の認識を伺います。
区は、人口ビジョンの策定で、合計特殊出生率を、現状の1.37から45年後を1.40と定めている理由として、国の示す目標である1.80を実現するには、18歳から34歳までの既婚率40%弱から、女性の18歳から49歳までの既婚率を90%とする目標であるが困難なため、区が示した1.40でも積極的な目標であるとしていますが、この説明では積極的目標とは思えません。
国が示した2030年に1.80程度、2040年には2.07の目標値の設定に沿った区の目標も示し、人口ビジョンの合計特殊出生率目標を引上げるとともに、積極的な区民応援施策を講じ、人口増を目指す計画としていくべきだが、どうか。
区は、公共施設等総合管理計画について、施設を減らすための計画ではないと言いますが、基本計画の戦略的な公共施設マネジメントの推進では、統廃合の代名詞である、施設の適正配置を推進し、集約する。更に、削減の代名詞である、適正化を進めると述べています。
区内4カ所の説明会でも、公共施設を現在のまま維持した場合、約1.4倍の費用が必要になる、27%の施設が更新できない恐れがあると資料に書かれ、減らすことが前提の説明になっていました。実際には、施設削減のための計画なのではないか。
また、資産の有効活用の推進と言いますが、述べているのは、売却と民間活用ばかりで、区民のために、どう活用するかの方策が見えてこないではないか。更に、この中で述べる、受益者負担の適正化は、区民負担増を進めようとするものではないのか。以上、答弁を求めます。
4.外部委託の本質について
次に、外部委託について、区はサービス向上だとして、効率化、見える化を理由に進めてきました。しかし、効率化、見える化は、業務を外部委託しなくとも、より仕事をしやすいシステム等の改善で、十分に対応できると思うが、区はどう考えるか。
外部委託は、システムの改善だけではなく、人が行う業務そのものを請け負うことで、企業の利益を生み出すものです。官製ワーキングプアを生み、人件費を安く押さえるほど、利益が生じる本質を持っていると思うが、どうか。
窓口業務のサービス向上について、区はバリュー・フォー・マネーという考え方から、国保も戸籍も、サービス向上でコストメリットが生じると言います。
例えば、戸籍では、発券機の増など、サービス向上だとして、コストを再計算したら、年間コストメリットが2,500万円だとしています。
しかし、実際に2,500万円浮いたのではなく、全て仮定の話です。しかも、窓口8カ所増などを区職員でやる場合には、常勤16名、非常勤8名増員が必要だと、極端に区がやった場合は、高くつくように描いた恣意的なコスト計算です。
一方、総合窓口などでサービス向上を図っている自治体では、どこでも、柔軟に対応できる自治体職員のノウハウを向上させています。サービス向上と言うなら、柔軟に対応できる区職員とシステムの改修を組み合わせて行うことが必要と考えるが、どうか。答弁を求めます。
5.保育について
保育については、足立区では、平成23年から平成27年度の間に、2,276人分の保育定員を拡大してきましたが、待機児解消には至っていません。平成28年8月に改定した、足立区待機児童解消アクション・プランに基づき、平成30年4月までに待機児童を解消するとともに、平成30年度以降も、待機児ゼロを維持することを目指すとし、449人上乗せで、1,912人の定員増を図るとしています。
認証保育園の認可化支援も、小規模保育所があって、3歳児からの受入れ定員が不足する地域において行うとしています。都も緊急対策として、認可保育所等の整備費補助アップ、賃貸料補助への創設を行います。改めて、区の待機児童解消への決意を伺います。
また、面積基準の是正による定数減、第一次不承諾の解消も視野に入れ、公有地の活用による認可保育園整備にも乗り出すべきではないか。
保育士の確保策が喫緊の課題となる中、区は、今年度7年ぶりに公立の正規保育士採用に踏み出し、5人の枠に51人もの応募が殺到しました。
北区では、5年間で6園の公立保育園の建設、1,090名の定員拡大を発表し、正規保育士80名を新規募集に500名の応募が殺到しました。安定的な雇用環境こそが人材確保の特効薬だと思うが、どうか。
人材確保策として、公立保育園の建設、民営化中止が要になります。区の職員採用を増員し、公立保育所は存続、増設こそ必要と思うが、どうか。
民間保育園の人材確保、支援の拡充について。区は、保育士確保・定着対策として保育士等住居借上げ支援を実施してきました。
勤続年数5年以内の期限撤廃については、前回定例会では、都の対象拡大の内容を踏まえ、拡充を検討すると答弁しました。都が緊急対策として、宿舎借上げ支援の拡充を予算化した中、直ちに実施すべきと思うが、どうか。
また、世田谷区は、私立の保育施設に勤務する常勤保育士と看護師を対象に、区として月額1万円の現金給付を行い、約400人の新たな保育士需要を満たそうと動き出しました。東京都も新年度予算に、同様の支援策を盛り込む意向を示しています。区もいち早く、私立の保育士への直接支援策を打ち出し、人材確保を進めるべきだが、どうか。
保育環境についてですが、子どもの発達に詳しい早稲田大学の前橋教授は、毎年、全国の保育所で生活する子どもたちの歩数調査をし、園庭のある園児は6,328歩、園庭のない園児は5,072歩と、園庭の有るか無いかで平均歩数に差があると分析し、子どもが保育所に通う時期は、生涯の土台となる体力がつくられる時期で、太陽が出ている時間に動く環境がなくなるのは、非常に危機だと指摘してます。
のびのびとした環境である園庭で遊べる時間を、どの子にも平等に保障するため、園庭のある保育環境を目指すべきと思うが、どうか。
今回の入園新規募集で、発達支援児は新規開設園、新規民営化園には申し込めないとなっていましたが、11月16日にホームページの内容が変わり、新規民営化園でも受入れられる園がありますという表現に前進しました。
しかし、その内容は、私立西新井保育園他、新規私立保育園四つのみです。しかも、地域に偏りがあり、区内平均して受入れができる状態ではない上、保護者が申込み前に受入可能かどうかの確認をすることが前提です。
一方、受入れることが前提である公立保育園には、今後更に、発達支援児が集まることとなり、深刻な人手不足となることが予想されます。
職員を十分に補充されないまま働くことが強いられ、現場では保育の質に影響が出かねない状況となっています。発達支援児の枠を撤廃しながら、発達支援児を受入れられる公立の認可保育園を潰し、民営化してきた区の責任は重大です。
障害者差別解消法の精神にも、自らつくった基本構想の理念にも反し、二重に区民を欺く状態です。これ以上の民営化は撤回し、職員の補強を早急に行い、同時に、多くの私立保育園でも発達支援児の受入れができるよう支援が必要と考えるか、どうか。以上、答弁を求めます。
6.子どもの貧困の連鎖を断ち切るための豊かな体験の保障について
次に、区は、区の成長を妨げるボトルネック的課題は、全て根っこでつながっているという認識で、貧困対策を全庁あげて始め、全児童が持つ問題である、子どもたちの育ちの問題に光を当てて取り組みたいと言っています。
子どもたちが将来にわたり、社会の中で苦難を乗り越え、元気に生き抜く力というのであれば、子どもたちがいろいろな人と関わり、豊かな体験、外遊びができる成長、発達支援に力を注ぐ必要があると思いますが、区の考えを伺います。
具体的な取り組みとして、第1に、学童保育は6年生まで入れると謳っていますが、それに伴う増設が不十分であり、1、2年生が優先されることから、小学校3年生以降は入りにくくなっています。
一方で、1年生、2年生ばかりだから居づらいと、入室できた3年生以降の児童も自ら退室するケースもあります。しかし、親は働いているため、留守中の子どもたちが心配との声があります。豊かな体験ができる学童保育に、希望者が通えるよう、指導員の育成と増員、十分な増設を図るべきと思うが、どうか。
第2に、放課後子ども教室は、学童保育とともに、子どもたちにとって大切な居場所です。足立区の放課後子ども教室では、見守りが役割と言われてはいますが、スタッフリーダーをはじめ、困難な子どもに寄り添い、子どもたちの心の実態を捉え、何とかしてあげたいと、日々奮闘しています。
家に帰りたがらない、ここに座って一緒にいて欲しいと、指導員から離れない子どもは少なくないと話しています。
同時に、放課後の保育に欠ける児童の生活の場である学童保育でも重要な役割を果たしています。
どちらでも、困難な子たちと結びつき、寄り添うことができるよう、また、連携により困難な子どもたちが漏れなく支援できるよう、連携支援の強化が必要と考えるが、どうか。
第3に、子どもたちが相互に信頼し合える仲間づくり、関係づくり、想像力や運動量が増えて、みんなで楽しいと実感できる体験型の遊びの保障が大切であり、その要はプレーパークです。
練馬区立こどもの森では、土と緑を生かし、遊びは自分たちで考え、つくり出す体験を重視しています。子どもたちが思いっきり冒険できる遊び場環境をつくるプレーリーダーが見守り、常設なので、秘密基地づくりは何日もかけてつくれます。ここに来るようになって、緑が好きになった子どもが増え、もめごとを自分たちで解決できるようになったと変化を起こしています。今、高価なカードゲームや携帯ゲームに夢中になっている子どもが多い中、こどもの森では誰一人ゲームなどせず、目を輝かせ、泥んこになって遊んでいました。
23区の各所でできている常設のプレーパークが、足立区には一つもありません。区は、パークイノベーションで公園のリニューアルを進めるとしていますが、思い切って、自然と一緒になって遊べる緑豊かな、常設の体験型のプレーパークを取り入れていくべきと思うが、どうか。
第4に、子どもたちは、日々の暮らしの中で、たとえ孤独感や困難を抱えていても、お芝居や映画など文化に触れることで、子どもたちの目の前の世界が開け、夢や希望を持つことができます。しかし、親が多忙であり、そしてネグレクトなどの困難を抱えている子どもは、この文化に触れる機会すら与えられていないのが実態です。
そこで、区の取り組みとして、どの子でも平等に文化的なサービスが保障されるべきと思うが、どうか。
また、子どもと大人の舞台のちから体験会は、3,500人の親子が無料で、シアター1010の様々な劇場体験ができます。
以前の学校ごとの観劇事業から発展したものですが、子どもだけでは申し込めないことから、困難を抱える世帯の子は、この観劇の機会に出会えません。この劇場体験も、どの子も等しく、文化的な区の支援が得られるようにすべきと思うが、どうか。
更に、子どもと大人の舞台のちから体験会は、毎回、倍率が高く、2倍から5倍です。拡充するべきと思うが、どうか。以上、答弁を求めます。
7.高齢者の権利擁護について
次に、認知症は、認知症予備軍も含めれば、全国で800万人になると言われています。判断力の低下がもたらす問題を抱える区民が増えることになり、生活や財産、権利をどう守っていくかは重要な課題です。成年後見制度は、高齢者の権利擁護にとって柱となる制度ですが、課題もあり、拡充が求められています。後見人に対する報酬は、1年後に後見人自身が、財産の管理状況を家庭裁判所に報告する際、報酬付与の申立てを行い、家庭裁判所が、その本人の経済的状況を勘案して決め、利用者本人が支払いますが、月に2万円からが相場です。この高い支払いが、制度の使いづらさの要因となっています。
足立区は、この費用への助成を要綱に規定していますが、対象になるのは、生活保護の人と預貯金額60万円以下の人などとされています。
また、その助成額は、家庭裁判所の決定額内の上限2万円、市民後見人の場合は上限1万円と定めています。しかし、現状では十分な利用がされていません。
そこで、第1に、保有する預貯金額の上限額について、同様の補助制度を実施している他の自治体の基準を参考に引上げ、対象を広げるべきではないか。
第2に、現に生活保護以外の者については、後見人への報酬を負担した場合、生活保護となってしまう人という条件が付されていますが、助成を受けないと要保護になる方々だけに条件を狭めず、この条件を緩和、若しくは撤廃するべきと思うが、どうか。
第3に、生活保護受給者は、この助成の対象となっているのに、利用者は非常に少ないのが実態です。要綱では、生活保護の方が対象と決められているのです。生活保護の方も等しく、助成金の対象として成年後見制度を利用できるようにするべきと思うが、どうか。
第4に、家庭裁判所が決める後見人への報酬は、弁護士だろうと市民だろうと変わらないのに、助成額に差をつけるのはおかしいのではないでしょうか。こうした格差は撤廃し、市民後見人の助成条件額を引上げるべきと思うが、どうか。
第5は、家庭裁判所が決定する報酬額については、後見人の業務の内容によって、基本報酬だけでなく、付加報酬が認められる場合があります。付加報酬が認められた場合にも、この助成金交付要綱で、ある程度対応できるよう助成額の上限額を引上げるべきと思うが、どうか。
成年後見制度は、深刻化してからの利用となるケースが多いこと、本人にとっては全く面識のない人が、担当の後見人になる場合もあるなどのネックがあります。これを補う施策として、あらかじめ判断力がある時期に、将来、自分が判断できなくなった時は、信頼できる人に任せることができる、任意後見制度の活用が有効です。この制度の普及と拡大に力を入れるべきと思うが、どうか。
区の公募で選任された社会貢献型後見人、いわゆる市民後見人は、権利擁護センターの職員が養成し、育成しています。これまで28人養成されましたが、現在、後見を担当している市民後見人は10名ほどです。今年度の区の広報紙の中で、「社会貢献型後見人と語り合う」のテーマの中で、市民後見人から「後見を引受けるのはちょっと、という大変な人もいる。難しいかなと思われるような、いろいろなトラブルの芽を抱え込んでいる高齢者がいることも確かです」と、そういう声が出ていました。
困難ケースが増えている現状の中、市民後見人が困難ケースを1人で後見対応する負担は重過ぎます。これでは、せっかく市民後見人として、社会に役立ちたいと応募した志を、生かしきれないこととなってしまいます。
市民後見人の方々が区民の困難に、より一層寄り添えるように、区が責任持って体制づくりをする必要があります。社会福祉協議会が法人として全体で後見人となり、市民後見人を活用し、区民の困難に寄り添うべきと思うが、どうか。
物忘れなどの認知症の症状などで不安がある場合、家庭裁判所に申立てせずに、金銭管理などの支援が受けられる、全国制度の地域福祉権利擁護事業があります。また、更に具体的に、一人暮らしの高齢者の支援ができる、足立区独自の高齢者あんしん生活支援事業も行われていますが、どちらも利用できる人は自分が金銭管理、契約の支援が必要だと認識して、なおかつ社会福祉協議会との契約が可能な人、これが対象です。しかし、潜在的なニーズはありながらも、今は実際に利用を申し込む人は多くはありません。リスクマネジメントの観点からも、判断力のある早めの老齢時期の方を対象にPRを強化する、そのためにも事業の体制を拡充するべきと思うが、どうか。以上、答弁を求めます。
8.みどりとまちづくりについて
次に、足立区は緑豊かなイメージがありますが、緑被率が23区中13位、樹木被覆率にいたっては、1位の練馬区19.6%に比べて8.0%と半分以下で18位です。緑全体の長期目標は、公園とそれ以外の樹木や草地などを合計した緑率で32.9%で、そのためにはあと491ha、ちょうど舎人公園七つ分の緑が必要です。
区は、公園の重点整備、公共用地における積極的な緑化促進、民有地における緑化の積極的誘導と支援、魅力的で多様な緑の創出の施策で、豊かな緑をつくる取り組みをするとしています。
目標達成と、より良好な環境形成のために質問します。
第1に、公園の少ない環七以南の地域に、意識的に公園を確保し、緑化を図る必要があるのではないか。もともと、環七以南は区画整理の対象とされていないため、余剰地による公園をつくり出す機会がなかった経緯があります。人口比率は環七以南のほうが高いことや、交通の便が良いなど、排気ガスによる環境に対する影響も大きい地域であるため、積極的な緑化計画が必要と考えるが、どうか。
第2に、樹木を生き生きと保てるような取り組みが大切です。先日、神領堀親水緑道に沿って植えられている桜の一部が、剪定をした切断面から雨水が入り、木が腐っていました。また、サルノコシカケが着生してしまっていることが住民の方からの報告でわかりました。住民が樹木に詳しい方に話を聞いたところ、サルノコシカケは菌糸が木の内部に入り込み、木を弱らせるため、良い兆候ではないとの話でした。
区内の樹木剪定において、樹木医の指導のもとで強剪定を避け、樹木が生き生きと成長できるように、正しい改善を図る必要があるのではないか。
第3に、常緑樹は空気の浄化作用が高い樹木で知られています。きれいな空気が、喘息等呼吸器疾患を持つ方々の症状を改善させる効果は科学的にも立証されています。排気ガスによる汚染対策として、街路は常緑樹を植えて、病気を生み出さない、呼吸器疾患を持つ方々に優しいまちを目指すべきではないか。
また、常緑樹は落ち葉の苦労がない樹木です。スリップなどの事故リスクもないため、積極的な使用をするべきではないか。
第4に、区内における緑被地の多くは、民有地の緑が占めています。今、まちの中で緑や花々を大切にしていこうという機運が高まっていますが、樹木については、日陰の歩道がなくなって、猛暑が続く夏には、特に子どもや高齢者にとっては、厳しい状況となっています。樹木による日陰のあるまちづくりを、住民とともに目指す必要があると考えます。そのために、民有地での新たな緑化を積極的に誘導、支援すべきと思うが、どうか。
とりわけ、接道部の緑化助成の拡充、既存の宅地を含めた緑化の誘導策を図るべきだが、どうか。答弁を求めます。
次に、花畑北部の土地区画整理事業について、今年7月に開催された区画整理審議会では、足立区との意見交換の中で、この土地2,700uが地域に役立つ土地として活用されることが決まりました。現在、花畑地域に暮らしている人たちが有効活用できるよう、住民の中で1,500枚以上のアンケートを実施し、多くの意見が寄せられていると聞いています。住民主体のまちづくりを願う切実な声を真摯に受け止める立場に立ち、住民の希望、意見に寄り添った活用をするべきと思うが、どうか。答弁を求めます。
9.LGBTについて
次に、LGBTについてです。2008年、国連全加盟国で構成される総会において、性的マイノリティーの人たちに対する人権に関する声明が決議されました。
また、2011年、性的指向等を理由とした人権侵害を非難する内容のステートメントを発出し、人権が全ての人に平等に適用されるとされました。しかし、実際は、教育、就労など様々な場において、LGBTの人たちは、ありのままに生きることが妨げられている状態にあります。
また、保障される取り組みがされていないのが実情です。
区は、基本構想で、多様な個が社会と関わる中で、誇りや生きがいを感じられる、互いに認め合い、つながり合い、より一層力を発揮することを基本的な考え方に掲げています。そのためには、誰もがありのままに生きる権利を、社会が保障してくれているという安心、素地が必要です。区は、LGBTの方々の人権保障に努める立場に立つべきと思うが、どうか。
文京区では、男女平等参画推進条例により、何人も性別に起因する差別的な取扱い、その他の性別に起因する人権侵害を行ってはならないとし、LGBT対策も、できるところから一歩ずつと意識啓発に取り組んでいます。
社会的包摂サポートセンターが発行している「性自認および性的指向の困難解決に向けた支援マニュアルガイドライン」を参考に、区の職員が取り組むべき姿勢や考え方についての指針の作成にも取り組んでいます。
また、深刻であっても、なかなか相談しづらい内容も、相談者が相談しやすくなる工夫を相談室の設置で行っています。
職員用の手のひらサイズの見開きカード「LGBTってなんだろう。」、この冊子はLGBTの人たちが生活の中で、どのようなことに困っているか、その対策が記述されたもので、職員に配られています。足立区でも同様の取り組みを行うべきと思うが、どうか。答弁を求めます。
10.学校統廃合について
次に、区は、学校統廃合について新しいガイドラインで、通学距離を小学生は800mから1,200m、中学生は1,200mから1,800mに大幅に広げました。区内全域で学校統廃合が可能となる重大な改悪です。
区は、1,200mは30分で歩ける距離だと言いますが、区画されたり、曲がったりしているため最大1.4倍になり、小学生の足で43分かかることになります。今でも、疲れて校門の前でへたり込む子がいる上、交通事故の危険性も高まることとなり、子どもの命を軽視するものではないか。区長がいつも言う、子ども重視の姿勢に反するのではないか。
小・中学校の児童・生徒は、平成8年度4万8,900人から平成28年度4万5,500人余であるが、区は平成3年以降、小学校・中学校合計で14校も統廃合で減らしてきました。これ以上、学校を減らすのはおかしいのではないか。
学校は区民の災害時の避難所となっており、この避難所が少なくなることは防災の拠点を減らすことであり、防災力を弱めます。震災も頻発していて、避難所となる学校は存続する必要があるのではないか。
今回、対象エリアとされた花畑エリアの中で、来年の新入学募集で、応募が募集を十数人上回り、小規模校ですら、抽選校となった学校があります。地域の人たちと学校・PTA等が、この地域を、力を合わせて生徒を増やす努力をした結果です。今回の統廃合の対象となったことも納得できない、と涙を浮かべ、訴える学校関係者もいました。
また、花畑エリアの桑袋に住む方々からは、学校を、毛長川を隔てて南側に統廃合したことで、北側にある桑袋の地域は、学校が一つもない地域となっているにも関わらず、災害拠点、子どもも、投票所もやっとたどり着く川を隔てた南側の小学校・中学校も統廃合の対象にするなんて冷た過ぎると声が上がっています。
子どもが減ると言いますが、そこには血の通った人々が住んでいます。区は、子どもが減ると言いますが、学校を潰さなければならないほど減るわけではありません。むしろ、最大のときに比べて少なくなった今こそ、一人ひとりの子どもに行き届いた教育ができる、少人数学級を実現させるチャンスです。
少人数学級を大前提にした計画こそ、策定すべきと思うが、どうか。
以上、答弁を求めてこの場からの質問を終わります。
答弁
◎近藤やよい 区長 山中ちえ子議員の代表質問のうち、私の政治姿勢についてのご質問にお答えをいたします。
まず、平和と安全についての三つのご質問にお答えをいたします。
まず1問目、署名のご質問でございますけれども、ご質問にありました署名の件は存じておりますが、足立区では従前より毎年開催しております平和パネル展において、これも同様に平和首長会議が主催する核兵器禁止条約の交渉開始などを求める市民署名活動を実施しております。今後も、当該署名活動を継続し、核兵器廃絶に向けた区としての取り組みを進めてまいります。
2問目でございます。核兵器禁止条約の交渉開始決議に関する日本政府の対応についてのご質問でございます。
日本政府が国益を最大限配慮した上の苦渋の判断と受け止めざるを得ないとは考えておりますが、唯一の被爆国として、こうした判断を下した日本政府に対して世界各国がどのように受け止めるのかということを考えたときに大変厳しい局面もあるというふうにニュースを聞いたときに感じました。
三つ目でございます。
核兵器禁止条約実現の立場に立つべきとのご質問でございますが、私は就任当時から、このような立場に立って首長会議にも参加をしてまいりましたし、署名活動にもご協力を申し上げてきたということでございます。今さら立つべきと言うよりも、もう既に立っているというふうにご理解いただきたいと思います。
次に、原子力発電所再稼働についてのご質問にお答えをいたします。
民意と世界の流れに逆らう原発の再稼働について、どう思うかというご質問でございました。再稼働一つ一つの稼働につきましては、それぞれ自治体に、そしてまた、そこに暮らす住民のお考えもおありかと思いますので、私がこの立場からそれぞれの再稼働について申し上げる立場ではないかと考えております。
ただ、昨今の国のエネルギー対策、そして、環境対策を見ますと、どうも後手後手に回っているという感は否めない事実もございます。こうした面でも、きちっと世界をリードできるような顔の見える対策を打ち、それを一つ一つ、仮に時間がかかっても実現していくということが政府に求められているというふうに考えております。
以下の質問につきましては参与より答弁させていただきます。
◎長谷川勝美 政策経営部長 私からは、初めに、区政の在り方、及び税の使い方についてお答えいたします。
区政の在り方については、住民福祉の向上が第一であると考えております。事業の展開に当たっては、客観的な情報をその都度、総合的に判断して進めてきているところであります。
税の使い方については、現在及び将来にわたり、真に必要な事業へ投入することが重要であると考えております。今後も引き続き、費用対効果を考慮し、選択と集中という視点に立った、メリハリのある予算編成に努めてまいりますので、区政の在り方、税の使い方を見直す必要があるとは思っておりません。
次に、基本計画についてお答えいたします。
区は、これまで、行政サービスの対価として公平な負担を求めてまいりました。今後も適正な受益者負担の原則に基づいた、行政サービスを施策として基本計画にまとめ、「協創力でつくる 活力にあふれ 進化し続ける ひと・まち 足立」を実現してまいります。
従いまして、ご意見のありました単に受益者負担をもって、活力と進化の実現が難しいとは考えておりません。
次に、人口ビジョン・総合戦略についてお答えいたします。
我が国における人口減少の大きな要因は、平成27年版厚生労働白書にあるように、非婚化・晩婚化による出生率の低下と認識しております。なお、労働法制の規制緩和が人口減少の主たる原因とは考えておりません。
続きまして、人口ビジョンの目標値についてお答えいたします。
区の合計特殊出生率は、平成10年代は1.17から1.26で推移しましたが、二つの新線の開通や拠点開発の効果によるファミリー世帯の流入等で、平成20年代に入り1.3台に、平成26年は1.37まで上昇してまいりました。これは、23区の平均値1.19を上回り、第4位と高い値です。
しかし、これまでと同様の大規模開発が、今後も長期的に続いていくかは不透明であり、また、これまで出生率を押し上げていた団塊ジュニア世代が出産適齢期を脱していく等、今後、合計特殊出生率が下降していく要因も見込まれます。
そこで、区としましては、ここ数年で上昇してきた現在の合計特殊出生率1.37を高く評価しつつ、この状態を維持するのみならず、積極的な子育て施策等の充実、向上によって、過去20年間で達成したことのない1.40を目標値として主体的に設定いたしました。
目標を実現するための独自のビジョンや施策等については、今年度中に策定する足立区総合戦略の中で明らかにしてまいります。
次に、外部委託の本質に関するご質問についてお答えいたします。
区は、少子・超高齢社会の確実かつ急速な進行など、社会構造が大きく変化していく中で、区民サービスの向上とコストの削減の両立を目指して、専門定型的な業務の外部委託を図ってまいりました。
その結果、生み出した人員と財源を孤立ゼロプロジェクトや滞納対策強化などに振り向けることで、更なるサービス向上や歳入確保を図っております。
業務改善の手法である見える化、標準化は、業務内容や範囲を明確にするとともに、どの事業者が担当しても、同一の業務遂行が可能となるよう、外部委託の効率的な実施に向けて行っております。
従いまして、効率化、見える化は、システム等の改善のみで対応できるものとは考えておりません。
なお、いかなる民間事業者の活動においても適正な利益が生ずることは当然のことであり、従事者の人件費に関しては、公契約条例による賃金の適正化や、委託後の特定委託業務調査委員会による法令チェックも実施しており、労働法令に沿って、適正な委託を実施しております。
最後に、窓口業務のサービス向上に関するご質問にお答えいたします。
区では、外部化ガイドラインに示しているとおり、バリュー・フォー・マネーの考えに基づき、窓口数やフロアマネージャーの追加等といった、委託により区民サービスが向上した部分について、仮に区職員が行った場合の人件費として客観的に算出しておりますので、曖昧で恣意的だとは考えておりません。
なお、委託を行う窓口の規模や混雑具合等は一律ではないため、柔軟に対応できる区職員とシステムの改修だけをもってサービス向上が図られるとは考えておりません。
◎勝田実 資産管理部長 私からは、公共施設等総合管理計画についてお答えいたします。
現在、策定を進めているこの計画は、常に区民サービスの適切な在り方を念頭に置きつつ、戦略的な公共施設マネジメントを推進することを主眼として作成しております。
その方策の中の施設の適正配置や集約、適正化につきましては、少子・超高齢社会を見据えて変化する区民ニーズに的確に応えていくために必要なものと認識しております。
本計画は、説明会でもご説明したとおり、施設削減のみを目的としてはおりません。しかしながら、これらの方策を推進することにより、施設の複合化などで、結果的に削減につながる場合もあるとは考えております。
次に、資産の有効活用につきましては、低・未利用の公有財産や施設の適正配置等により創出した用地などを対象とすることを、計画に明記しております。
当然ながら、公有財産につきましては、区民のためにどう活用するかということが大前提であり、行政需要に応じた活用が第一だとの認識のもと、アンケートや説明会等の実施により、地域の声に耳を傾けながら進めてまいります。
また、受益者負担の適正化につきましては、各施設におけるサービス内容に見合った適切な負担を求めるもので、サービスを利用する方としない方の公平性を図るという観点からも、必要なことだと考えております。
◎秋生修一郎 子どもの貧困対策担当部長 私からは、貧困の連鎖を断ち切るための体験保障に関する基本的な考え方についてお答えいたします。
未来へつなぐあだちプロジェクトでは、予防する、連鎖を断つという観点から、自然や地域文化に親しむ体験活動や異なる世代との交流を通じて、自己肯定感を育み、生き抜く力を身に付ける支援は、重要だと考えております。
そのためには、学校や区が実施する様々な体験事業だけではなく、企業やNPO、ボランティア団体が実施するイベントや交流活動とも連携することが必要だと考えております。
例えば、ひとり親家庭を対象にしたサロン豆の木では、大学生ボランティアと一緒に夏休みの宿題をやったり、親子で楽しめる縁日やクッキングの企画をし、様々な体験、交流の機会を提供しています。
また、企業やボランティアのご好意により、ひとり親家庭を対象としたJリーグ観戦バスツアーが行われました。迫力のある試合を目の当たりにした子どもたちから、喜びの声が届いております。
このように、今後も、子どもたちに豊かな体験の機会を提供できるよう支援してまいります。
◎和泉恭正 地域のちから推進部長 私からは、学童保育室の充実についてお答えいたします。
区では、足立区放課後子ども総合プランに基づき、平成31年度までに、学童保育の必要性の高い、小学校4年生までのニーズ量を目標値として、学童保育室の整備を進めております。
また、学習塾や習い事などに通う児童が多い5・6年生については、自由度の高い児童館が適していると考えております。そのため、入退室メール配信サービスの導入や学校休業日の開館時間の延長など、機能の充実を図っております。
今後も、あだち放課後子ども教室と連携し、子どもたちの安全な居場所づくりを進めてまいります。
なお、学童保育室の指導員については、都や区が実施する学童指導員向け研修の受講を奨励するとともに、安全な保育に必要な職員数を配置してまいります。
次に、文化的体験についてお答えします。
まず、平等な文化的サービスについてですが、引き続き優れた芸術鑑賞の機会を提供することで、多くの子どもたちに文化、芸術のすばらしさを伝えてまいります。
次に、困難を抱える世帯の子どもへの支援と舞台の拡充について一括してお答えいたします。
現状では、劇場の大きさ、貸館のスケジュール等制約があるため、これ以上の拡充は難しいと考えます。しかしながら、困難を抱える世帯の子どもにも、本物がもたらす感動を体験してもらうことと合わせて、子どもだけでの申込みも可能となるよう、会場を含めた実施方法について検討してまいります。
◎土田浩己 みどりと公園推進室長 私から、まず常設の体験型プレーパークについてお答えいたします。
プレーパークは、子どもが自由な発想で遊べる空間であるとともに、安全にも十分配慮する必要があることから、プレーリーダーの配置が不可欠であると考えております。
現在、区民団体がプレーリーダー役となり、年に5回、独自に綾南公園でプレーパークを行っております。
加えて、元渕江公園では、区と連携して年に1回行っておりますが、残念ながら、独自に常設運営ができる段階には至っておらず、現在のところ、常設化は難しい状況でございます。
次に、環七以南地域への公園整備と緑化推進についてお答えいたします。
環七以南の地域につきましては、緑被率が10%未満の地域が多く、公園数や面積も少ない状況です。そのため、密集市街地整備事業による公園やプチテラスの整備をはじめとして、民間緑化の誘導による緑地空間の確保を進めております。
今後も、密集事業等の活用や公共住宅の建て替えによる新たな公園や緑地スペースの確保を民間緑化指導や緑化助成により、積極的に緑地空間の確保に努めてまいります。
次に、樹木の剪定に関するご質問についてお答えいたします。
区内の公園樹木及び街路樹につきましては、区民からの要望、車両の視認性確保、民有地への越境など、やむを得ず強剪定を行う場合もございます。今後も、樹木の剪定につきましては、必要に応じて、樹木医の診断を仰ぐなど、適時適切に行ってまいります。
なお、神領堀緑道に植えられました桜につきましては、樹木医による診断を実施しましたところ、一部の桜に腐食があったため、現在、樹勢回復に努めております。
最後に、民有地の緑化についてお答えいたします。
足立区緑の保護育成条例におきましては、建築物や工作物を新築、改築、増築する場合等、敷地面積に応じて一定量以上の緑地の確保を求めております。民有地における緑化助成につきましては、今年度4月から、接道緑化フェンス設置の要件緩和を含む助成単価の上乗せなどを拡充しております。
また、助成を行った箇所にプレート設置の協力を依頼し、積極的に民有地緑化の誘導を図っております。
今後も助成制度のPRに努め、区内全体の緑化を進めてまいります。
◎橋本弘 福祉部長 私からは、成年後見制度のご質問にお答えいたします。
まず、後見報酬助成における預貯金額の上限についてですが、現在の上限額である60万円の預貯金が常にあれば、病気等による突然の支出にも対応可能と考えられ、預貯金額の上限としては適正なものと考えております。現在のところ、基準の引上げを行う考えはございません。
次に、助成を受けられる方の要件ですが、後見人への報酬は、自身の資産や収入から負担することが原則ですので、一定の収入要件は必要なものと考えております。現時点では、報酬を支払うことで、要保護状態になる方を対象とするという要件を変える考えはありません。
次に、生活保護受給者への助成についてお答えいたします。
ご質問のとおり、生活保護受給者も助成対象となっておりますが、一方で、生活保護受給者は、担当ケースワーカーが身上監護や、金銭給付等支援プログラムを活用した支援等、行っている現状がございます。こうした現状を踏まえ、真に後見人が必要なケースかどうかを見極めながら、引き続き制度の運用を図ってまいります。
次に、報酬助成額の差の撤廃及び助成額の引上げについてお答えいたします。
全ての後見事務を1人で担う弁護士等の専門職後見人と異なり、足立区の市民後見人であるあだち区民後見人については、原則、足立区社会福祉協議会が後見監督人となって支援を行います。そうした事務負担の差を考慮した報酬費用であり、差の撤廃や助成額の引上げを行う考えはございません。
また、付加報酬分の助成についてのお尋ねですが、現在まで、報酬助成を行った事例において、付加報酬が認められたものはなく、現時点では、助成額に加える考えはありませんが、今後、他の自治体の状況について情報収集を行った上で検討してまいります。
次に、任意後見制度の普及に関するご質問にお答えいたします。
任意後見制度の活用は、権利擁護の観点から大変有効であり、制度を知ってもらうために、11月26日に、区と社会福祉協議会が成年後見制度の講演会及び相談会を合わせて実施したところです。今後も、こうした取り組みを通じ、制度の周知に努めてまいります。
次に、区民後見人についてお答えいたします。
今後、後見の新たな担い手として、区民後見人を増やしていくことは、区としても大変重要なことと認識しております。
一方で、区民後見人の不安や孤立感を軽減し、充実感を持って、後見業務に取り組んでいただくことも重要です。これまでも、後見活動メンバー交流会を実施して、区民後見人同士のネットワークづくりをサポートしている他、後見監督人である社会福祉協議会による相談支援を行っているところであり、今後もそうした支援体制を強化してまいります。
法人後見につきましては、区としても、区民後見人の更なる活用のため、有効なものと考えております。現在、社会福祉協議会が行う場合の利点や課題について検討を行っております。引き続き、他区の事例等を参考にしながら、法人後見について検討を行ってまいります。
最後に、地域福祉権利擁護事業等の活用についてお答えいたします。
地域福祉権利擁護事業は、足立区社会福祉協議会が東京都社会福祉協議会から委託を受けて実施し、現在66名の区民が利用契約しています。また、高齢者あんしん生活支援事業は、足立区社会福祉協議会の独自事業で、現在46名が利用契約しています。
地域包括支援センターや介護事業者等からの紹介によって利用契約に至ることが多いことから、事業者等に対してのPRを更に強化してまいります。
また、今後も出前講座を実施するなど、地域での周知に努めてまいります。
体制強化に向け、それぞれの事業におけるニーズの動向を見極めつつ、事業体制や財源等についての検討を行ってまいります。
◎増田治行 道路整備室長 私からは、街路への常緑樹の植樹についてお答えいたします。
街路樹は、沿道環境、道路景観の向上、緑陰の確保など様々な目的で選定の上、植樹しています。その際、南北方向の街路では常緑樹を植樹しておりますが、東西方向の街路では、沿道家屋に冬場の日照を確保するため、また、紅葉等により季節のうつろいを感じられる落葉樹を基本に植樹してまいりました。今後とも、この考え方を基本としていきたいと考えております。
このため、街路樹を全て常緑樹にすることはできませんが、まずは地域の声をよくお聞きし、空気の浄化作用が高い樹種も含め、樹種の選定を行ってまいります。
◎工藤信 都市建設部長 私からは、花畑まちづくりについてお答えいたします。
花畑北部土地区画整理事業の区有地と保留地の合計約2,700uの土地については、本年7月の土地区画整理審議会委員との意見交換会において、都・区の用地を一体的に活用することを前提に、民間事業者へ同時売却し、地域に役立つ公益施設整備のために、民間事業者へのサウンディング実施準備を進めることをご説明いたしました。
また、本年11月には、住みよい花畑をつくる会から、地元要望の多かった施設等に関する要請書をいただいたところです。
今後、区としても、地元の代表である土地区画整理審議会委員、地域の皆様、施行者である東京都とも十分協議を行い、地域の皆様のご理解をいただける施設の誘致に向けて、検討を進めてまいります。
◎大山日出夫 総務部長 私からは、LGBTについて、一括してお答えいたします。
LGBTの方々に対する偏見や、間違った知識による差別や、いじめによる人権侵害につきましては、人権保障に努める立場から取り組みを進めていくべきと考えております。
しかしながら、現状といたしましては、LGBT自体に関する知識について、区内における共通認識が不足している状況でございます。まずは人権擁護委員、男女共同参画推進委員、学校関係者など人権擁護に携わる皆様方との共通認識を持つことから始め、その後、区民の皆様への啓発を進めてまいります。
従いまして、ご提案の相談室の設置や小冊子の作成などは、今後の取り組みの中で検討してまいります。
◎鳥山高章 子ども家庭部長 私からは、まず、待機児対策についてのご質問にお答えをいたします。
足立区待機児童解消アクション・プランでは、平成28年度及び平成29年度で、認可保育所14園、認証保育所5園、小規模保育室6施設を整備し、平成27年度の整備分も含め、3年間で1,912人分の定員を増やす計画であり、これを確実に進めてまいります。
このため、公有地についても関係機関に協力を求め、積極的な活用を図ります。
合わせて、平成29年1月に、ハローワーク足立と連携して、就職面接・相談会を開催するなど、施設整備に欠かせない保育人材の確保策にも取り組んでまいります。
定数が不足する地域に保育施設を整備することで、第一次不承諾を減少させ、平成30年4月までに待機児童を解消するとともに、平成30年度以降も待機児ゼロを維持することを目指します。
なお、区立保育園の面積基準の見直しによる定数減については、アクション・プラン改定の中で対応してまいります。
次に、保育士の確保策についてお答えします。
多様な保育サービスの範となるべき区立保育園につきましては、正規保育士の年齢構成バランスを適正化する観点等から、今年度、採用を再開いたしました。
今後も、退職者数等の動向を注視しながら、一定程度の新規採用を考えてまいります。
また、区立保育園には、地域の子育て家庭支援といった、今後も引き続き担っていくべき役割があるため、一定程度の数が必要と考えておりますが、増設は考えておりません。
区といたしましては、保育サービスの向上と継続的かつ効率的な保育行政の確立に向け、引き続き区立保育園の民営化を進めてまいります。
次に、保育士等住宅借上げ支援事業の勤続年数の期限撤廃についてお答えいたします。
区といたしましても、都が11月1日より撤廃したのに合わせて対応しております。
また、直接支援策といたしましては、既に実施している保育士奨学金返済支援事業の拡充や、経済的支援のみならず、保育士自身のスキルアップを目指した支援策などを検討してまいります。
なお、現金給付による支援策は考えておりません。
次に、園庭のある保育環境の整備についてお答えします。
現在、保育所設置基準では、代替地がある場合、園庭は必置ではありません。しかし、園児にとって、すぐ遊べる園庭がある環境は非常に大切であると考えております。区では、事業者を公募する際に、敷地内に、定員に応じた園庭の確保に努めるよう求めています。また、十分な広さの確保が難しい場合でも、プール遊びができるスペースを取るよう指導しております。しかしながら、全ての園で、十分な広さの園庭を含んだ規模の保育所用地を確保することは困難です。区といたしましては、近隣の公園を代替遊戯場として利用したり、運動会などは学校の校庭を借りるなど、園児たちが伸び伸びと遊べる環境を確保できるよう工夫を促してまいります。
最後に、発達支援児の保育についてお答えします。
現在、私立保育園におきましても、区立保育園と同じ基準で、非常勤保育士の加配ができるよう、運営費の加算を行っております。今後も全園で発達支援児を受入れられるよう、指導、支援してまいります。
また、区立保育園における職員の補強につきましては、保育士配置基準を定め、発達支援児の認定状況に応じ、非常勤職員や臨時職員を配置しております。今後も一人ひとりの子どもの発達の状況や集団保育の適応の状況等を観察した上、園の意見を聞きながら、引き続き対応してまいります。
なお、民営化の撤回につきましては、先のご質問でお答えしましたとおり考えておりません。
◎宮本博之 学校教育部長 私からは、まず、放課後子ども教室と学童保育室の連携支援の強化についてお答えいたします。
区では、国の方針に基づき、平成28年3月に、足立区放課後子ども総合プランを策定し、放課後子ども教室と学童保育室の連携強化を進めることとしております。
本年度からは、このプランに基づき、情報連絡会を設置し、区関係所管、生涯学習振興公社、学校、放課後子ども教室スタッフ、学童保育室職員が円滑な運営や活動内容の充実に資することを目的として、情報共有や意見交換を行っております。
今後、放課後子ども教室で実施する体験プログラムなどへの学童保育室児童の参加促進等により、連携強化を進めてまいります。
次に、学校統合に関するご質問についてお答えいたします。
まず、通学距離につきましては、子どもたちの生活面、安全面、体力面を考えた上で、総合的に判断して設定した目安です。そのため、できる限り安全な通学路を設定し、十分な安全対策を行っていきたいと考えており、今回のガイドライン見直し(案)でも、新たな安全対策と通学時間の目安を示しました。
今後も、地域の皆様の見守りなどの協力を得ながら、子どもたちの安全を第一に考えてまいります。
次に、子どもたちの教育環境の向上を図ることは、教育委員会の大きな役割の一つです。平成3年度においては、5万7,000人余の児童・生徒がおりましたが、平成28年度には4万5,500人余と、1万1,500人余減少しております。一部、子どもが増加している地域も見られますが、区内全体では減少傾向にあり、小・中学校ともに小規模校が点在しております。学校規模を適正化しつつ、必要な施設更新を確実に実施してまいります。
次に、避難所につきましては、地域において非常に重要な課題であると認識しております。学校統合により再編等が必要な際は、関係所管と連携し、地域の皆様と十分相談しながら、避難所を確保してまいります。
最後に、少人数学級を前提にした計画策定についてお答えいたします。
小・中学校の学級編制は、法令に基づき、国及び都の基準に従って実施しており、この基準に沿って小学校1年生、2年生及び中学校1年生について35人学級を実現しているところです。この基準を前提としない少人数学級による計画を作成する考えはございません。
再質問
◆山中ちえ子 議員 まず、区政の在り方についてなんですけれども、区民、納税者に納得できるような整合性のある答弁ではありませんでした。
厳しい保険料の値上げ、それから、年金の切下げなどで負担増に苦しんでいるわけです。そういう人が無駄遣いしていいのかという区民感情、こういったことに寄り添った質問ですから、こういった視点からの答弁をし直してください。
それと、基本計画についてですが、質問で言ったように、冷たい負担増、幾つか挙げましたが、反省もなく、続けたままの姿勢、それで一方で、基本計画に示した分野別事業には貧困対策を重視すると、横串でと言っている。これは整合性がないですよね。質問の趣旨に沿った視点で答弁してください。
それと、外部委託ですが、外部委託の大義名分である効率化、見える化は、仕事しやすいシステムの改善と柔軟に対応できる区職員の対応でコストメリットにも安くできちゃう、外部委託の大義名分が崩れたんだと言っている、こういう質問です。これに沿った答弁をしてください。
再答弁
◎長谷川勝美 政策経営部長 ただいま3点の再質問いただきました。私から全てお答えをさせていただきます。
区政の在り方につきましては、先ほど答弁いたしましたように、住民福祉の向上を第一と考えて、その中で、メリハリのある予算編成に努めておりますので、見直す必要はないというふうに答弁をさせていただきました。
基本計画につきましては、私ども適正な負担をいただいておりますので、単に受益者負担があるということをもって、活力と進化の実現が難しいとは考えてないというふうに答弁をさせていただきました。
それから、外部委託についてでございますけれども、職員でもできるではないかということでございますけれども、今回、私どもは、窓口業務の改善ということで、実際に窓口を、戸籍の窓口を見ていただくとわかりますけれども、窓口数が増えて、フロアマネージャーが増えて、窓口の混雑は確実に改善しております。そのことについては、既に外部有識者による評価においても一定程度、評価をいただいておりますので、委託については考えを変える考えはございません。